~男女あべこべな艦これに提督が着任しました~   作:イソン

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修正致しました。

色々ご迷惑をおかけしたこと、申し訳ございません。

色々な感想を頂き、考えた結果 男らしい提督・男の娘のような提督の両方書いてしまえばいいと思ったので二つ乗せます。

あまり、難しいことは考えず二次創作なので気軽ならも矛盾が起きないよう書いていこうと思います。

あべこべ物は美醜逆転はあれだけどそれ以外ならなんでもいける٩( 'ω' )وなので男前提督も好きな同士の考えもわかりますし男の娘提督が好きな同士の考えも理解できます。

自分は両方好きなので、こうなったら両方書いてやる\( 'ω')/<ウオアアアアアアアアアアアアアアアーッ!!!!


第十一話 あべこべ艦これ~お風呂(下)~

 戦艦である長門はこの日、とても機嫌がよかった。

 

 一つは今回の出撃において損傷もなく帰れた事。艦だった頃は旗艦を務める事がほとんどなかったため自身が率いた艦隊が無傷で戻ってこれたのは長門にとって誇らしいことだ。

 

 そして、二つ目。

 

 「ふふふ、ながもん……かぁ。ああ、良い響きだ」

 

 戦艦長門は先ほどの言葉ににんまりと笑みをこぼす。

 

 彼女は前の提督と同じように駆逐艦達が大好きだ。といっても手を出すようなことは一切しない。昔の言葉でいうのならイエスロリータノータッチというのだろうか。

 

 幼い子供に手を出すというのは犯罪だ。これは男性であっても女性であっても変わることはない。だからこそ、戦艦という艦の中でも駆逐艦達の憧れである長門は無様な姿を見せるわけにはいかなかった。

 

 そのため、なかなか駆逐艦達と交流を深める事も出来ず、前に酔っぱらってしまった勢いでながもんと呼んでくれと言った以外は少女たちのお手本となるべく行動していた。

 

 だが、今日という日はなんてすばらしい日なのだろうか。

 

 鎮守府へ戻った時、いつもはなかなか近寄らない駆逐艦達が総出で長門達を迎えに来てくれたのだ。どこか慌てた様子でながもんと言いながら。その様子に戸惑いつつも、一生懸命長門の周りに集まって我先にと言い争いながらながもんと呼ぶ姿はまるで長門を取り争っているかのような錯覚を引き起こし、瞬時に脳内で天に昇ったかのような感覚が起こり、光に包まれた。

 

 その中で、駆逐艦達が新しい提督について話していたのを覚えている。天に昇っていたため後半しか話を聞いていなかったが。

 

 

 戦艦長門は鼻歌を歌いながら、風呂場へと向かう。手には部屋から急いで取りだしてきた新しい着替えを持って。

 

 「新しい提督と裸一丁で女同士語り合い……。なかなかに乙なものだな!」

 

 駆逐艦達の話ではどうやら艦娘達が使用する浴場に入っているらしい。であれば、善は急げだ。一度提督とは何も隠さず本音を語り合いたいと思っていた。そしてもし趣味が合えば駆逐艦達との交流を深めるためお泊まり会などを開いたり、好みの男性について語り合いたい。そのような思いを抱きながら長門は歩く。

 

 そしてたどり着いたのは提督がいる浴場。

 

 目を閉じ、意識を集中させる。一瞬で周りの雑音がなくなり、聞こえるのは浴場の中の音のみ。

 

 どうやら、風呂に浸かっているようだと戦艦長門は中りをつける。こうしてはいられないと、浴場の扉をあけると流れるような速さで服を脱ぎはじめた。

 

 まったくの躊躇のなさ、まさに女性らしい大胆さで上着や下の服を脱ぐ。脱衣場に設置された籠に服を脱ぎ捨てれば、そこには女性特有の少し丸みをおびながらも健やかで瑞々しい体つきがあった。だが、鍛えているのだろう。腕や足、お腹の部分が軽く盛り上がっており、引き締っているのがみえる。

 

 長門は布一枚だけを手に取ると、浴場へと向かう。蛍光灯のせいか長門が少し体を動かすと――光に当たる部分が緩やかに移動し、体の凹凸を彩る影の形が変わった。丸く盛り上がった二つの双丘やくびれた腰骨や日に焼けた少し健康的な肌が、纏わりついている汗のせいか妖しげな雰囲気を醸し出す。

 

 もし戦艦長門が男が多かった時代にいればその姿を見れば誰もが言ったに違いない。ビック7は伊達ではなかったと。

 

 (さて、出会い頭が肝心だ……。どうやって入るか)

 

 第一印象が重要だと、戦艦長門は考える。提督が人である以上、艦娘である我々にどのような考えを持っているのかもわからない。前の提督のように少し問題はあれど好意的であれば問題ないだろう。だが、逆の場合どうなるか。そのためには少し高圧的に行くべきだろうか、いや、それではまずい。なるべく機嫌を取るためにお淑やかにいくべきか。それともながもんらしさをアピールしつつ入るか。

 

 だが、戦艦長門は途中で考えるのをやめた。

 

 提督もそうだろうが、女性というものは男性と違い物事を深く考えない節がある。であれば、何も隠す場所がないこの浴場で難しいことを考えても意味がないと思ったからだ。

 

 息を大きく吸う。考えるのはやめたが、最初の挨拶ぐらいは肝心だ。だからこそ、気合をいれ浴場の扉を開けた。

 

 瞬間、水が跳ねる音と共に小さな悲鳴が聞こえる。人が来るとは思わなかったのか、提督が少し驚いたのだろうと長門は思った。

 

 浴場に溜まっていた湯気が扉を開いたことにより、少しずつ晴れていく。それはまるで薄布を一枚一枚剥いでいくかのようで、提督の影が見えるにつれ心臓の鼓動が何故か激しくなった。

 

 そのなんともいえぬ感覚に戸惑いながらも、浴場に入る。そして――

 

 

 「新しい提督だな?私の名は長門、長門型戦艦のネームシップ、長門だ。風呂の途中ですまないが、どうしても会いたいと思ってな。これから宜しくたの……む……」

 

 目に映った光景に固まった。

 

 目の前に写るは細身ながらも鍛え抜かれた身体。身体のあちこちに皮膚がただれていた跡が見え、風呂に入っていたせいか淡い朱色に染まった身体がいやに目を引いた。信じられないものを見たかのように固まったその顔は年相応の張りがある健康的な肌で、少し日に焼けたその姿はその存在を一層引き立てる。その精悍な顔立ちは、鎮守府では見ることができない。

 

 その姿はまるで――

 

 「お、おと……」

 

 「だ、誰だ!?」

 

 「男だあああああああああ!!」

 

 「へっ、なにっ、ちょおま、だれだ! って前隠せ、前!」

 

 眼に写る、愛読雑誌に載っている様な男らしさに戦艦長門は提督が男であるという事実に驚愕すると同時に流れるような動作で浴場の鍵を閉めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ぴちょんと、閉めた筈の蛇口から水滴が落ちる。その音に長門は身体を震わせた。

 

 「そ、そうか。て、提督は男で私と同じ長門というのか。ここ、これは運命を感じざるを得んな!」

 

 「は、ははは」

 

 「だ、だが! 長門という名前では今後支障が出る時もあるだろう。下のを教えてはくれないか? あ、いや! 別にそういう卑猥な言葉では断じてないぞ!」

 

 「あっ、正海だ。正しいと海の字で、まさみ」

 

 「な、なるほど、良い名だ。……ところでだ。提督、せっかく裸の付き合いなのだからもっとこう……友達の様に、いやか、彼女……提督と彼女っ。ふふ、ふふふ……」

 

 「……」

 

 「ふふふ……。ぬ、鼻血が」

 

 (やべえよやべえよ、どうするんだこれ)

 

 風呂に入っているおかげで下が見えなくてよかったと正海は思う。

 

 突然浴場に戦艦長門が入ってきた。それだけならまだ対処はできるはずだった。だが、彼女はあろうことか他の艦娘達が入ってこれないよう浴場の鍵を閉め、出れないようにしてしまった。そしてこちらを見ながら今に至る。その姿に自身が考えていた戦艦長門の理想像が崩れていく。正海が想像していた戦艦長門とはとても力強く、艦娘達を引っ張っているリーダー的存在で男であろうと冷静に対応できる――。

 

 「落ち着くのだ落ち着くのだ私よ……。男だ、男だ……。まずは他の艦娘達にばれない程度でだな……」

 

 これはまずいと平常心を装いながら考えた。

 

 正海は男だ。そして隣で鼻血を流しながらもこちらの身体を嘗め回すかのように見ながらぶつぶつと呟く戦艦長門は女性だ。この世界では正海がいた時とまったく逆、男性が女性に襲われかねない世界。

 

 であれば、身を守るところがないこの場所で戦艦クラスの艦娘に襲われてしまったら助けてくれるものは誰もいない。なにより、先ほどから長門は興奮した様子で提督が男とは想定外、理想の男性像にぴったりだなど呟やくその光景は想像していた姿とは程遠い。逆に今まであった艦娘達より危険なんじゃないかと正海は身震いする。

 

 ちらりと、隣で湯に浸かる長門を見る。そしてすぐさま目をそらした。

 

 (無防備すぎる……。本当なら絶景ものなんだが)

 

 裸体を隠そうともしないその光景にごちそうさまとちゃっかり思いながらも、このあとどうなってしまうのか嫌な予想だけが頭の中に浮かび、なんとか身体を洗うために持ってきていた布がずれないように腰に固定しようとした。

 

 だが、その動きを察知したのか長門が息を荒くしこちらを見ていた。その瞳は獰猛なる化け物そのもの。野獣の眼光も真っ青の眼力。

 

 「どうした?も、もしかしてだな。か、痒かったり……?」

 

 「えっ、いやなんでもない!」

 

 これはやばいと、正海はお湯に浸かっているはずなのに背筋が寒くなるのを感じた。

 

 「え、遠慮することはないぞ。提督と私の仲だ、少しぐらい触っても問題な――」

 

 「本音漏れてる! 漏れてる!」

 

 「だ、大丈夫だ。痛いのは最初だけだ!」

 

 「なにしようとしてるんだ!?」

 

 「ナニだ! ええい、目の前に男がいるんだぞ! よいではないか!」

 

 「やめっ、食われる! 食われる!誰かああああああ」

 

 獲物を定めた野獣のように、正海に迫る。その姿に恐怖した正海は布がずれないよう左手で結った部分を押さえつつ、後退した。

 

 その姿に長門は興奮を抑えられなかった。こちらを見て恐怖を浮かべ、下が見えないよう後ろへと下がっていくその姿に。初めは馬鹿にしていた。自身は艦娘、明石の店から定期的に発売されるとある雑誌をいつも購入して愛読し、気に入った写真を切り抜いたりはしていたが男など必要ない、興味なんかないと。だが、今ならわかる。他の艦娘達が夢中になるその気持ちが。

 

 舐め回すように正海の姿を見る。胸の部分、大胸筋にはそこまで筋肉がついていないものの、余分な脂肪は一切無く美しい楕円形の蕾はその精悍な体つきからは予想できない可愛らしさを醸し出している。腹は綺麗に割れ、きっと触れば板のように頑丈。警戒を怠らぬ鳥の様に首をくすめているその姿は長門の心をくすぐる。

 

 「ふふ……ふふ、この提督は……いいものだ!」

 

 「やめ……やめ……!」

 

 ぴたりと、背中に浴槽の壁が当たった。万事休す、自身の貞操もここまでかと正海は目をつぶる。その姿により一層鼻息を荒くした長門、手を伸ばしまずはその精悍な顔を近くで見ようと手を伸ばし――。

 

 

 

 

 「こおんのおおおおおおお!! バカ姉ええええええええ!!」

 

 

 浴場に響き渡る叫び声と共に、戦艦長門は頬に感じた一瞬の痛みと浴場の扉が破壊されこちらに向けられていた主砲を構えた陸奥を見て意識を手放した。




こちらが正史というか本編というか。男の娘バージョンは外伝みたいな形で書いていきます。

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