【完】真・ハイスクールD×D夢想 覇天の御使い   作:ユウジン

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君の居場所

「よう、元気だったか?」

「お陰さまで元気にしてますわ。まあ兄が引きこもってしまいましたが……」

 

久しぶりに会ったレイヴェル・フェニックスの一言に一誠は首をかしげた。

 

「引きこもった?」

「あなたに負けてその挙げ句にリアス様を取られたのがショックだったらしいですわ。お陰で部屋から出てきやしませんの」

「あらら……」

 

それは相当だったらしい。まあしこたま殴って猛虎蹴撃まで叩き込んでやったからな……まあ今まで負けなしのお坊っちゃまには大分堪えたらしい。

 

「ですけど兄も才能と能力に頼りきりでしたもの。丁度良いお灸になりましたわ」

「良いのかそんなこと言って。仮にも兄でお前は眷属だろ?」

「もう私は母のビジョップの駒とトレードされましたの。母はレーティングゲームをしていませんから実質フリーですのよ。赤龍帝」

 

トレード……確か同じ駒でやるのを条件に眷属を交換することができる制度だった筈だ……そうか、レイヴェルはもうライザーの眷属じゃないのか……だがその前に、

 

「その赤龍帝ってやめてくれないか?俺には北郷 一誠って言う親から貰った名前があるんだ」

「で、でしたら一誠様と呼びますわ」

「いや……様も別につけなくて……」

「わ、私がそう呼びたいのだから良いんです!」

 

そ、そうですか……と一誠はうなずく。わりとゼノヴィアと似て行動が読めない子だ。

 

「そ、それで一誠様……こ、こ、今度お茶でもいかがですか?兄が迷惑をかけましたし……」

「別に気にしなくて良いぞ?」

「私が気にするのです!お、お菓子作りにはこれでも自信がありますし満足させて見せますわ!」

「ほぅ」

 

言うなこの子……でも手作りお菓子でのお茶か……まあこのパーティーほど緊張もしないだろう。まあその時は皆も連れてお邪魔させてもらっても良いかもしれない。

 

「分かった。時間があればな」

「はい!」

 

スッゴい嬉しそうだな……感謝感激って感じだ。すると、

 

「レイヴェル。父君の知り合いが呼んでいるぞ……おお、赤龍帝も来てたのか」

「確か……そうだ、小猫にブッ飛ばされて俺に投げられた」

「ふ、そうだ。イザベラだよ」

 

一瞬前に見たときの仮面つけてなかったし礼装だったから分からなかった。でも間違いなくあの時のイザベラだ。しかし仮面を外すとスッゲェ美人だ。ライザーってハーレム作るときに容姿も判断基準にいれてるよね……絶対にさ……まあ当たり前だけどさ。

 

「分かりましたわ。それでは一誠様もごきげんよう」

 

そう言ってパタパタとレイヴェルは行ってしまう。

 

「それにしても護衛か?」

「まあそんなところだ。道中は色々あるからな。会場に入ればある程度は平気なのだがな……しかしライザー様と戦ったときより遥かに強くなってるな……どこまで強くなる気だ?」

「負けないために何処までも……かな?」

 

そう言うとイザベラは面白そうに笑った。

 

「しかしレイヴェルには気に入られたようだな。何時もお前の話をするんだぞ?どんな小さな情報でも仕入れてきていつまでもその話で花を咲かせるんだ。下手な情報紙より早く仕入れてくるからな。あの自分の欲求のための行動の早さはライザー様と似ていると思うよ」

「俺の話を?そんな面白いかなぁ……」

「まあこの短期間にコカビエルと戦い白龍皇と戦いとやれば面白くなるさ。勿論それだけじゃないがな」

 

それだけじゃない?他に何があるんだ?

 

「ではな、赤龍帝」

 

そう言ってイザベラも何処かに向かう。

 

「一誠先輩ってお知り合いがたくさんいるんですね」

「まあな……そのうち人間の知り合いより悪魔の知り合いの方が多くなりそうだ」

 

ギャスパーに一誠は笑いながら答える。わりと冗談にならない冗談であるが……

 

「ん?あれは……小猫?」

 

なんてしていると遠くに小猫が血相を変えて何処かに向かうのが見えた。何か嫌な予感がする……

 

「すまん。ちょっと急用」

「え?でも今からサーゼクス様の挨拶が……」

「アーシア……ちょっと俺の膀胱がピンチなんだ」

『あ……』

 

それで用の内容を察した皆はいってらっしゃいと手を振る。

 

慌てて一誠は廊下に出るとエレベーターに乗る。すると、

 

「一誠!」

「先輩?」

 

リアス先輩がエレベーターに飛び込んできた。

 

「どうしたんですか?」

「小猫が血相を変えて何処かにいくのが見えたら貴方もそれを追って行くから私も来たのよ」

「良く気づきましたね……小猫ならともかく俺まで……」

 

貴方を目で追っちゃうからよリアス先輩に返されて顔を赤くしたのは余談だ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こっちね?」

「キィー!」

 

先輩の使い魔である蝙蝠が場所を伝えてくる。会場から飛び出したのは良いものの小猫が見当たらなかったためまず先輩の使い魔を放って探させたのだ。

 

「いきましょう」

「はい!」

 

そう言って二人は追うと開けた場所に出た……そこには小猫と……黒いはだけた着物を着た小猫と面影が似ている女性が相対していた。

 

「まさか気紛れに放した黒猫に気付いて追いかけてきてくれるなんてお姉ちゃん感激だわ……白音……」

「黒歌姉さま……」

 

姉さま?もしかして……

 

「ええ、あれは小猫の姉……はぐれ悪魔の黒歌よ……でもなんでここに……」

 

あれが……そうか、白音って言うのはリアス先輩が小猫って名前をつける前の名前か……

 

「何でここにいるんですか?」

「ん~?だって何か悪魔のお偉いさんがたが楽しそうにしてるし少し見に来ただけにゃん。序でに……白音。私と禍の団(カオス・ブリゲード)にこにゃい?」

「え?」

「また一緒に暮らすにゃん。迎えに着たのよ」

「……」

 

小猫は後ろに少し下がった。拒否してるのはすぐに分かる。

 

「どうしたの白音?お姉ちゃんと一緒にまた暮らすにゃん」

「い、嫌です……私は……リアス・グレモリー様のルークです」

「でもあそこに白音の居場所があるのにゃん?」

「っ!」

「白音……貴女も私と同じ力を持ってるのに何でそれを使わないのにゃん?」

「あの力は……」

「使えば不幸を呼ぶ?違うにゃん。弱ければ何もできないのにゃん。今の貴女が居場所がないように……力は振るわないと後悔するにゃん」

「それは……」

 

不味いな……小猫が段々明らかに狼狽し始めてる。仕方ない。

 

そうリアス先輩と目で合図すると立ち上がる。

 

「待てよ……」

「待ちなさい」

「っ!……一誠先輩……部長……」

「覗きは辞めたの?」

 

やはり気づかれてたか……まあどうでも良い。すると、

 

「おいおい黒歌……勝手に妹だからって連れてったらヴァーリに怒られるぞ」

「美猴……」

 

空からヴァーリをつれていった孫悟空の子孫……美猴が降りて黒歌に話しかけた。成程……こいつもヴァーリのチームの一人だったのか……

 

「大丈夫よ美猴……白音も私と同じ力を持ってるにゃん。さ、白音……私と来るにゃん。力の使い方も教えるにゃん。また仲良く暮らすにゃん」

 

小猫は震えていた……首だけ横に振る……

 

「私は……この力を使いたくない……私の力は誰かを無作為に傷つける可能性がある……こんな力なんかいらない……」

「小猫……」

 

一誠は黒歌を見る。

 

「残念だな……いい加減妹離れしな……小猫は行きたくないって言ってるぞ」

「なら無理矢理でもつれていくにゃん……血も繋がってない赤の他人の人間は口を挟まないで欲しいにゃん」

 

黒歌の体からどす黒いオーラが出る……成程……これは結構ヤバイな……すごい力を感じる……だけど……タンニーンのおっさん程ではないから平気だけど小猫の体が強ばっている。すると、

 

「大丈夫よ」

 

リアス先輩が小猫をそっと抱き締めた。

 

「黒歌……この子はもう貴女の妹の猫魈・白音ではないわ。この子は私の眷属悪魔・塔城 小猫よ。貴女がなんと言おうとこの子は連れていかせないわ!」

 

きっぱりと……はっきりと言い切る……ああ、やっぱり先輩は最高だよ……本当にさ……そう言うところが……その……あれだ……うん……やっぱり自分はこの人がす、じゃなくて……好ましい!うん!好ましいだ。今自分は何を考えようとした?

 

「なあ小猫……」

「一誠先輩?」

「俺は君のお姉さんが言う通り赤の他人の人間だ。血の繋がりなんて一ミリもない……だからさ……一言いってくれないか?」

 

助けて、と言っておくれ……と一誠は言う。そしたら自分はただのお節介として君を助けよう。ただのうざったい先輩として君の居場所になろう。駒王学園オカルト研究部は君の居場所だ。君が自分の力が怖いならそれに向き合える勇気が出るまで自分達は君を守る。君のために戦える。魂を賭けよう……誇りを賭けよう……だから……何も心配しなくて良いと……

 

「一誠先輩……」

小猫はポロポロ涙を流しながら小さく……それでもはっきりと言う。

 

「助けて……私は……皆と一緒にいたいんです」

 

ニッと一誠は笑った。人を安心させる暖かい笑み……父と良く似た女性の心理的な壁を一発でぶっ壊す優しい笑みだ。

 

「つうわけで……悪いが今回はお節介を焼かせてもらうぜ!禁手(バランスブレイク)!」

 

《Welsh Dragon! Balance Breaker!》

 

一誠の体を包み込む真っ赤な鎧……それは一ヶ月前とは比べ物にならないほど体に馴染みその体から出るオーラも一ヶ月前とは比べるのもおこがましい程だった。

 

「おぉ~スッゲェオーラ。驚いたぜぃ。一ヶ月でこれだけ上げてくるとはな。おい黒歌。二人でやるかい?」

「いや、そこの猿は俺が相手しよう」

 

そこに飛来する影……この声は間違いない。

 

「おっさん!」

「よくぞ言い切った。たいした男だお前はな。安心してそこの姉と戦うが良い。余計な横槍は俺が相手しよう」

「はは!まさか元龍王が登場かよ……まあ仕方ねぇな……おい黒歌。一人でやるしかないようだぜぃ」

「別に良いわ……ヴァーリを追い込んだその実力見てあげる!」

 

すると、黒歌の背中に魔方陣のようなものが現れた……

 

「妖術と仙術のミックス……受けてみなさい!」

 

まとめて放たれた無数の光の弾……避けられない訳じゃないが避けると後ろの小猫とリアス先輩に被害が出る。なら!

 

「行くぞ!ドライグ!」

《分かった!》

 

《Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Transfer!》

 

倍化して一誠は何かに譲渡し……

 

「は?」

 

黒歌の光の弾を氣弾を連続で放って全て弾き飛ばした。

 

「まだ練習が必要だな……」

 

無論一誠は連射して氣弾を放つことが未だできないのだが……禁手化(バランスブレイカー)状態なら別だった。正確に言うと一誠は鎧の各種にある力を使うのに司る宝玉に予めドライグに氣を集めてもらっていたのだ。

 

そしてそこに予め集めた氣を氣弾として放つ……各種で合計七つの宝玉があるのだから七連射……氣を発射した傍から素早くドライグに貯めて貰えばそれ以上の数の連射ができる。とは言え一発一発は実際情けない限りの威力だがそれを上げるのが倍化と譲渡の力でありそれを用いれば黒歌の光の弾も弾き消す……まあここまで色んな力を使えば持続性が皆無だが無いよりずっと良い。この一ヶ月タンニーンのおっさん相手にひたすら練習してドライグとうまく息を合わせることで使えるようになった新しい戦法……パートナーのドライグがいるから出来る一誠なりの氣の応用だ。一人で無理でも一人と一体なら出来る。

 

「くっ!」

 

黒歌は構わず再度撃つ。

 

「うざったい!」

 

だが一誠は氣で手を被い、

 

《Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!》

 

「オラァアアアアアアアア!!!!!」

 

全部殴って弾きながら前へ前へと進んでいく……無茶苦茶なパワーによるごり押し……だがこれこそがある意味正しい赤龍帝だ。圧倒的なパワーで相手の肉体も精神も破壊する力の権化……それこそが赤き龍の帝王の真の姿だ……

 

「嘘でしょ!」

 

さすがに黒歌も仰天である。

 

「おいおい、マジかよ……ってうぉ!」

 

美猴も余りについ先程使った氣弾の連射とは違いすぎる行動に目を見開くとそこにタンニーンのおっさんの火が来て慌てて避ける。

 

「なら!」

 

黒歌は一旦距離をとると光の弾を辺り一体に作り出す。

 

「むっ?」

「喰らいなさい!」

 

全方向から撃たれるそれは一誠に向かって飛び掛かる……

 

「避けられないなら……ぶっ壊す!」

 

一誠は宝玉に予め集めておいた氣を弾丸に変える。

 

《Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Transfer!》

 

行き着く暇もなく襲い掛かる黒歌の妖術と仙術のミックスした光の弾を一誠は全て氣弾で打ち落としていく……だが、

 

「隙だらけよ!」

「っ!」

 

打ち落としている間に貯めた黒歌の光の弾……黒歌の手には今まででもっとも巨大なそれがあった……

 

「くだけ散れ!」

 

それが一誠に向かって放たれる……

 

「それがどうしたぁ!」

 

少なくともタンニーンのおっさんの火炎ほどではないだろうと一誠は踏んで逆にそれに突っ込むと氣で全身を被って高速回転……これは本来大鎌を用いて行うのだが少し変えて素手で行えるようにした……産みの母より受け継ぎし一撃……その名も!

 

「旋輪転!!!!!」

 

黒歌の光の弾を正面から破壊し黒歌にそのまま回転しながら突進……

 

「っ!」

 

黒歌は予想外のことで動けなかったが一誠の拳は黒歌の目の前で止まる。仮にも小猫の姉だ……今回くらい情けをかけてやるさ。

 

「お前が何をしようが小猫は絶対に渡さねぇ……今回は見逃してやるからとっとと帰れ……次奪いに来たらもう容赦しないけどな」

 

圧倒的な力の差……ヴァーリと同質のそれを黒歌はそれを感じとる。

 

「……良いわ。今回は引いて上げる!行くわよ美猴!」

「その言葉待ってたぞ!この龍王滅茶苦茶だぜぃ!」

「そこの赤龍帝はその滅茶苦茶な俺と一ヶ月戦いまくってたぞ?」

「滅茶苦茶だぜぃ……」

 

美猴は何か化け物をみるような目だ……失礼だな……

 

「白音……ひとつ教えておくわ……」

 

黒歌は小猫をみる。

 

「貴女と私は姉妹だから同じ……力に惹かれて力を願い、力に溺れる……何時か貴女も分かるときが来るわ」

 

小猫は目をつむった……そして目を開けると、

 

「それでも私の居場所は此処だと言ってくれた……私は塔城 小猫だと言ってくれた……そのために私は強くなりはしても……溺れません」

 

それを聞いて黒歌はどう思ったのかはわからないが……そのまま転移していった。

 

「はぁ……」

 

一誠は鎧を解くと二人の元に行く。

 

「怪我はないか?」

「はい」

 

小猫に声をかけると笑って答えてくれた。うんうん。やっぱり笑顔が一番だ。

 

「ふむ……やはりお前は後ろに誰かがいた方が動きが違うな」

「え?」

 

タンニーンのおっさん曰く修行の時より動きに切れがあったそうだ……まあ実戦に強いってのもあるんだろうけど……今回は助けてと言ってくれた後輩と大切な先輩がいたからねぇ……

 

「さ、帰りましょう。まだパーティは終わってないでしょう」

 

一誠が言うと二人は立ち上がる。そして歩き出そうとしたら小猫に止められた。

 

「あの先輩……」

「ん?」

「ありがとうございました」

「おう。気にすんな。後輩に助けてと言われれば助けない訳にいくまい」

 

一誠がそう言うと小猫は顔を赤くして俯いた。何かあったのか?

 

「さ、いくわよ一誠」

「いふぇふぇふぇふぇふぇふぇ!」

 

序でに何故かリアス先輩に頬を引っ張られた……何故じゃ……

 

(それにしても……)

 

一誠はリアス先輩に引っ張られながら思う。

 

何か黒歌の行動には違和感があった……なんつうか……無理矢理でも~とか言っといて結局案外あっさり退いていった……何かどちらかって言うとこっちが試された感じだ。合格ラインだったからもういいやって感じ……

 

(何だかな……)

 

そんな違和感を覚えながら一誠はパーティ会場に戻っていった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃……

 

「だからよぉ黒歌ぁ……何だってこんな辺鄙な場所に転移すんだよ……」

「私だって焦って座標を取り合えずあの場所から遠くへって感じでとんだのよ!」

 

冥界の端っこのような場所で黒歌と美猴は言いあいをしていた。

 

「とにかくヴァーリに気づかれる前に帰らないと怒られるぞ!」

「わかってるにゃん!でもこんな辺鄙な場所からだから術式組むのも大変にゃのよ!」

「安心しろ。もう組んである」

 

ギクッ!っと美猴と黒歌は固まった……そしてゆっくり後ろを向くとそこには明けの明星と言われたルシファーの魔力を滲ませるヴァーリが立っていた……

 

『げ!ヴァーリ!!!!!』

「何がげ!だ。勝手に何をしに行ったんだ?俺は言った筈だぞ?今は動くなと……だと言うのに勝手して……」

 

ヴァーリの手には魔力が集まる……ゴゴゴゴゴゴと効果音が付きそうなオーラを感じた……

 

「尻叩き一万だな……」

「うぉおおおおい!桁が多すぎだろ!そう言うときは普通千回とかじゃねえの!」

「ヴァーリの尻叩き……少し興奮するにゃ……」

「うぉい……」

 

美猴は黒歌の呟きにドン引きである。

 

「黒歌は当分飯抜きだ」

「ええ!それは酷いわ!」

「なら白い飯に鰹節と醤油だ」

「それは猫マンマじゃない!」

 

そう言って黒歌はヴァーリにくっついてスリスリする。

 

「悪かったと思ってるにゃん……許してにゃん♪」

「暑苦しいから離れろ」

「ならご飯をくれにゃ」

「なぜそうなる」

「なら反省は体で証明するにゃ」

「もっと意味がわからん上に話を無理矢理そっちに持っていった感じが強すぎるぞ」

 

ヴァーリは何とか引き剥がそうとするが黒歌はもっとくっついて抵抗する。

 

「それで?妹は良いのか?」

「良いにゃ……私以外にちゃんとしっかりとした宿り木を見つけたみたいだしね~」

「だから言っただろう。俺のライバルとリアス・グレモリーは信用できるとな」

 

引き剥がすのを諦めたヴァーリが聞くと黒歌は少し寂しそうな表情を浮かべながら答えた。

 

「ま、やっぱりちゃんと見ておきたかったからね。でもヴァーリの言う通りちゃんと小猫を見てくれそうだし安心したわ。これで心置きなくヴァーリ狙えるにゃん♪」

「それを本人に言うと言うのはどうかと思うぞ……」

 

そんな二人のやり取りをみた美猴は……

 

(俺っち……邪魔なんじゃね?)

 

と酷く居心地が悪かったのは……まあ別の話である。




黒歌は自分が悪者になっても小猫の今の居場所を品定めした感じです。まあはぐれになった理由が理由なんである意味悪魔にたいしては不信感を抱いてると思ったのでこんな感じに書きました。

そして、この作中の黒歌は割りとガチでヴァーリLOVEです。ヴァーリも何だかんだ一緒にいる感じですけどね。まあそれもこれからかいていければと思います。

さてこの章は次回で終わりです!そしたらあのクソ悪魔登場!取り合えず滅多打ちは決定です。と言うわけでまた次回会いましょう。

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