【完】真・ハイスクールD×D夢想 覇天の御使い   作:ユウジン

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パーティー会場

《Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!》

 

「オォ!」

 

一誠は何十にも倍化したさせた破壊力のこもった拳をタンニーンのおっさんにぶつける。

 

「ふん!」

 

だがそこからタンニーンのおっさんは拳を握って一誠に放つ……

 

「まだだぁあああ!!!!!」

 

一誠はタンニーンのおっさんの拳の乗って一気に駆け出す。

 

「ぬぉ!」

 

流石に少し驚いたタンニーンのおっさんの横っ面に向かって一誠は跳ぶ……

 

《Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!》

 

「円蹴月!!!!!」

 

強烈な後ろ回し蹴り……タンニーンのおっさんも流石に少し顔を歪め顔を衝撃でそらす……

 

「ふふ、腕をあげたな」

「余裕綽々で言われても嬉しくないぜ……」

 

一誠は禁手化(バランスブレイカー)を解いた……小猫と別れて更に数週間……その間はひたすら修行に明け暮れた……朝昼夜構わず襲いかかってくるタンニーンのおっさんの猛攻を躱し反撃してきた。更に空いた時間は教わった武術を片っ端から鍛え直した。一人だったがそれでもやり直してみると案外再発見があって無駄じゃなかった。体もついでに鍛えられたしこの数週間で感覚が戻った……やはりこういう実戦形式は戻しやすい。死ぬかと思うけどね。

 

禁手化(バランスブレイカー)の維持力だけどそれも羽上がった。まだヴァーリの一ヶ月ほどじゃないが多分半月くらいならぶっ通しで出来る。流石に一ヶ月やそこらで何年も前から神器(セイクリットギア)を使っていたヴァーリには扱いの差はあっという間には縮まらない。でも確実に伸びている……これから伸ばしていけばいいとのことだ。

 

「さて、帰るぞ一誠」

「ああ!」

 

一誠はタンニーンのおっさんの背に乗ると飛び上がった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やぁ一誠くん。元気そうだね」

「お前もな」

 

グレモリー邸に帰ると祐斗もちょうど戻ってきた。

 

「それにしても良い体になったね」

「お、お前は変わらないな……」

 

なんだろう……祐斗の言い方には寒気が走った……何か最近こいつが怖い……

 

「ああ、僕は筋肉が付きにくいからね。でも一誠くんは元々着痩せするタイプだけどそれでもきっちり分かるくらい筋肉が付いたね。それになんかオーラも変わったかな」

 

そう言えばタンニーンのおっさんにもドラゴンのオーラが強くなったって言われた……分かる奴には分かるんだろう。

 

「やぁ、二人も帰ってたのか」

「よう、ゼノ……ヴィア?」

 

声からしてゼノヴィアだろう……と考えた一誠が見ると……そこにいたのはミイラだった……聞いてみれば修行中怪我しては包帯を巻きまた怪我しては包帯を巻きと繰り返していったらこうなったらしい……もう少しやりようと言うものがあるだろうに……

 

「おーい!」

「皆さーん!」

 

そこに駆けてきたのはレイナーレとアーシアだった。

 

「修行は?」

「バッチリだよ」

 

一誠がそう言うと聞いたレイナーレも嬉しそうにうなずいた。

 

「皆帰ってきたわね」

 

最後にリアス先輩がグレモリー邸から顔を出した。

 

「もうギャスパーと朱乃と小猫は来ているわ。シャワーを浴びて集合よ」

『はい!』

 

皆は各々着替えに入っていった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『うわぁ……』

 

そのあと皆で一誠の部屋に集合し修行の報告会をした一誠の内容を話したら全員からドン引きされた。

 

いや、何か皆のを聞くと相当厳しいんだよ?でもさ……何か明らかに俺のが最初にも思ったように頭が可笑しいことになってた……

 

「おいアザゼル!俺だけやっぱりおかしいだろ!皆普通にコテージとかに住んでるじゃん!俺なんか野宿だぜ!?木の葉とか木の枝とか集めて作った簡易テントの中にでっかい葉っぱを布団にして寝たんだぞ!しかも食い物は山の中猪みたいなのとか蛇みたいなのとか自生しているキノコとか魚とかを集めて食ってたのに!一日中関係なしにタンニーンのおっさんには追いかけられるし禁手化(バランスブレイカー)は維持しないといけないし俺だけ厳しすぎじゃね!?」

「いやぁ……俺も驚いてるんだ。流石に途中で降りてくると思ってたんだが普通に順応してるし住み着いてるし慣れてるし……お前やっぱ人間じゃねぇや」

「おいぃいいいいいいい!!!!!俺マジで恐怖体験やって来たんだぞ!新しくドラゴン恐怖症にもなるかとおもったわい!」

「お前もドラゴンじゃねぇか」

 

アザゼルにそう返されて確かに……と一誠は固まった。

 

「頑張ったわね一誠……あの山は【一誠山】と名付けましょう」

 

でも修行のせいで木々は減ったし標高も削れたせいで低くなってますよ?形も何か山って言うよりは台形みたいになったますし……面白味もなんもないですよ?

 

「ま、どちらにせよ全員大きなパワーアップを図れたわけだ。特に一誠と木場は成長が著しいみたいだな」

「一誠くんの場合は感覚を取り戻したりもあるんですよね……自信なくすなぁ……」

「まあ実際に一誠は数に入れなくて良い。こいつは別枠だ」

 

別枠と来ましたか……するとアザゼルは何か思い出した顔になったようになった。

 

「そういえば一誠。明日の魔王主催のパーティーだがお前も来いとサーゼクスが言ってたぜ」

「俺もか?人間なのに悪魔のパーティー入って良いのか?」

「ま、お前は特別だからな……序でにアーシアとレイナーレも入っていいらしいぞ。かくゆう俺も呼ばれててな。旨い酒を飲ませてもらうぜ」

 

あ……そうか、赤龍帝だから……か。だけどそれだけでは呼ばれないか?あ、でもリアス先輩の所にいるって言うのが悪魔にとっては特殊なのかな?とか思ったりした……

 

――だが一つだけいっておこう……一誠の想像は全然違う……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日……一誠はパーティーの為にきちっとした服装を着て髪も整えた。良く分からんがサーゼクスさんから呼ばれた以上下手な格好をするとサーゼクスさんの恥になる。それにリアス先輩もだ。そしてそとに出ると、

 

「あら一誠。良く似合ってるわ」

 

とリアス先輩は一誠のネクタイを直してくれた。

 

「あ、ども……」

 

少し体を緊張させつつも何とか堪えてると、

 

「よう、北郷」

「匙!?」

 

突然声をかけられたかと思うと久々に匙に出会った。と言うか会長さんもリアス先輩に声をかけてるし他のシトリー眷属もやって来ていた。

 

「何でここに?」

「パーティーには転移魔方陣が使えないんだ。それで自分の足を使うんだがグレモリー先輩の所で足を用意してくれるって話が来たんだ。それで皆でここにな」

「あぁ……リアス先輩。それで足って……ん?」

 

そこに突然の地響き……

 

「昨日ぶりだな」

「おっさん!?」

「最上級悪魔のタンニーン!?」

 

突然のタンニーンのおっさんの登場に一誠と序でに匙まで驚愕だ。他にも数多くのドラゴンがやって来る。

 

「ってお前何ですげぇ親しげなんだよ!」

「だって一ヶ月くらい一緒にいたし……」

「え?」

「一ヶ月くらいこの人と戦ってたし……」

「え?」

「いやぁ……時間を問わず襲ってくるから死ぬかと思ったね」

「うわぁ……」

 

匙からすらうわぁって言われた……ひどいぜ……

 

「それにしても話は変わるが大変だったな。懇親会」

 

そう言うと匙はバツが悪そうな顔をした。

 

「まぁな……でも本当はあそこで怒っちゃ不味いんだよ……我慢しておかなきゃいけないんだ。でないと会長の評価が悪くなっちまう……でもどうしても我慢できなくてさ……俺もまだまだだぜ」

「ま、過ぎたことだ。俺だってその場にいたらキレてたよ。良い夢だと思うぜ?誰でも通えるレーティングゲームの学校なんてさ」

 

そう言うと匙は嬉しそうな顔をした。まるで自分の夢を誉めてもらったようだ。いや、彼にとっても夢なんだろう。

 

「お、俺さ!そこで先生やるのが夢なんだ!まだまだ弱っちぃ下級悪魔だけどさ……それが俺の夢なんだよ」

「良いなぁ。俺なんかまだ自分の将来も決まってない……でもお前はそんな夢があるのか……羨ましい限りだ」

「だからさ……バカにされたときスッゲェ悔しかった……俺がもっと強かったらって思った……お前がいたら違ったのかなとか考えちまってさ」

「俺がいてもいなくても変わらんよ」

 

そう言うが何処か匙は悔しそうだ。はぁ、下らん伝統は自分の知り合いの思いを傷つけていく。

 

「あの手の頭の固い者達の言を真面目にとる必要はない。バカを見るぞ」

 

そう言ったのはタンニーンのおっさんだ。

 

「おっさん?」

「ドラゴン風情が……転生悪魔が偉そうに……等々俺だって色々言われたものだ。だがその辺を真面目に取っていくと持たん。適当に聞き流しておいた方がいい。それでもどうしても無視できんものを言われたらその時は冷静に……そして毅然とした態度で言えばいい」

 

流石だと思う……人間できてるよこの人は……あ、人間じゃなくてドラゴンだけどさ。

 

「さぁ、そろそろいくぞ」

「ああ」

 

一誠達はタンニーンのおっさん達の背中にのってパーティー会場に向かっていった……ちなみに、

 

「なあ北郷……ギャスパーも女物のドレスなのは聞かないのが華か?」

「ああ、深く突っ込まない方がいい……」

 

なんてやり取りをしたのは余談である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タンニーンのおっさん達の背中にのって運ばれ得ること30分ほど……その間に一誠と匙は普段一誠がリアス先輩とどんな生活をしてるのか聞かれたので話したところ……「俺……眷属なんだよな?北郷より精神的には近いはずだよな?なのに会長とそんな羨ましいイベント起きたことないぞ……」と激しく落ち込んでしまった……まあそれはおいておこう。

 

会場につくとタンニーンのおっさん達とは別れて中にはいる。中は既に飲み食いが行われていてそれぞれ名家が談笑に興じていた。リアス先輩に挨拶回りに引っ張られていく。会長さんも所縁のある家との挨拶に向かった。

 

そして一誠はリアス先輩に紹介され頭を下げたり簡単に話したりする。何でも一誠はリアス・グレモリーの守護龍よ言う認識らしい。ドラゴンは基本的に誰かに懐くことは少ないが懐いた場合その絶大な力をそのものを守護することだけに注ぎ込むらしい……愚直なまでに……愚かなまでに……故にドラゴンを従える者は周りからは結構恐ろしい存在らしい。いやはや……別に従ってる訳じゃないんだがな……ただ単に守りたいからそうするだけだし……わりとリアス先輩だけじゃなくてグレモリー眷属の皆を守りたいしアーシアレイナーレもそうだ……

 

《まあ周りから見ればそうは写らん。お前達の関係を表面からしか見れないものからはな》

 

なるほどね……でもなんか周りの人たちの目がそれだけじゃない気がするんだ……何かもっと深く……別のことを望んでいる……何かわからんけどな。するとこっちに誰か来た……背が一誠より高く体格も良い……それに何よりそのものの手が印象的だ……ひたすらに拳を鍛えたものの拳……殴りすぎて拳が少し歪になっている……変形している……すごい古傷だしどれだけ鍛えてるかも人目で分かる。

 

「ようリアス。懇親会以来だな」

「サイラオーグ。あなたも来てたのね」

「お知り合いですか?」

 

親しげに話す二人に一誠が首をかしげると、

 

「ええ、彼はサイラオーグ・バアル……母方の従兄弟なの」

「初めてましてだな。俺は今紹介されたがサイラオーグ・バアル……バアル家の次期当主だ」

 

確か大王家の家柄だ。リアス先輩のお母さんが確かそこの家の出身で滅びの魔力と言う力を有する名家……と習った。じゃあこの人も先輩と同じ力を?にしては何か武闘家みたいな体格だ……まあ良いか。

 

「初めまして、赤龍帝の北郷一誠です」

「ああ、ライザー殿との婚約パーティーで見た。あの時の強さは今でも覚えてるしあの時の啖呵は正直歓喜で震えた。あのような事を言い切れるような男がいるとはな……見ただけでも分かる。あのときより腕をあげたな」

「あんたも……強そうですね……」

 

一誠がそう言うとサイラオーグは首を降る。

 

「俺は強くない。強くあろうとしている。ただそれだけだ」

 

やっべぇ……こういうタイプの相手は厄介なんだ。ただひたすらに自分の力を高めようとする……純粋な思いだからこそまっすぐに……延びていくんだ……

 

「ではな」

「ええ」

 

サイラオーグさんは一誠達に背を向け……一度止まる。

 

「お前がリアスの眷属ならレーティングゲームで戦えたかもしれないな……残念だ」

「俺もですよ」

 

純粋にこの人とは自分の力をぶつけ合ってみたいて思う……そう思わせる何を持っている人だ。そう思っている間にサイラオーグさんは人混みの中に家消えていった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてそれから首を痛めそうなほど頭を下げまくって一誠は会場の隅で同じく疲れてるアーシアとレイナーレとギャスパーは休憩している。するとゼノヴィアが何かを持ってきた。

 

「軽くでも食べた方がいい。勿体ないからね」

「すまん」

 

ゼノヴィアが持ってきたつまめる食事を皆でつまむ。流石にこういうパーティーは初めての経験で少し疲れた……と言うかね……こう言うきっちりした服装も着なれてないから肩が凝るよ……

 

「ふふ、一誠がそういう風に等身大の男の子な所を見ると何とも言えない良さがある」

「勘弁してくれよ……」

 

とゼノヴィアとやり取りをしていると誰かがこっちに来た……たしかあいつは、

 

「ライザーの……確かレイヴェル!」

「お久し振りですわね。赤龍帝」

 

金髪縦ドリルと言うどっかで見たような髪形を揺らしながら来たのはあのライザーの妹のレイヴェル・フェニックスだった……


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