【完】真・ハイスクールD×D夢想 覇天の御使い   作:ユウジン

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終わりよければ

コカビエルとの激戦から2日後……一誠は平和な日常を取り戻していた。

 

平和なのは良いことだ。どうせだからこのまま永遠に続けば良い。

 

「はぁ~今思い出すと幹部と戦うとか我ながら命知らずも良いところだわ……」

「かもな」

「私は行けませんでしたけどやはり強かったんでしょうね」

 

レイナーレは下級堕天使だ。それを考えれば戦って生き残ったんだから大健闘だ。毎回これでは命がいくつあっても足りないだろうがな。

 

そんな話を一誠とレイナーレとアーシアは話ながら部室のドアを開けた。

 

「おはようございまーす」

 

すると、

 

「やぁ、赤龍帝」

「………………部室間違えた」

 

ガチャンとドアを閉めて後ろのレイナーレとアーシアの二人と一緒に一誠は部屋を確認する。ここってオカ研の部室だよな?じゃあなんで……

 

「お前がいるんだ!?ゼノヴィア!」

 

一誠は部室の中にいたゼノヴィアに突っ込んだ。

 

「神が死んでいたからね。やぶれかぶれで悪魔に転生したんだ」

「破れかぶれでするなよ……」

 

一誠はため息を吐きながらアーシアを見た。やはり神が死んだと言う事実はショックらしい。

 

あの戦いのあと早晩バレる可能性があったためアーシアには神の不在を話してある。あまり話さずにいたかったがレイナーレが「私たちだけ知ってる事を後でバレたときの方がアーシアのショックは大きい」と言われて話した。最初はショックで気を失ったりしたが一誠の根気のいる話し合いでなんとか持ち直した。レイナーレには相変わらずのタラシっぷりだと言われた。何故だ?ただアーシアには「神がいないなら俺がお前の事を見守っているよ。アーシアのことは一生俺が守るから……神の加護には負けるかもしれないけどそれに負けないように絶対に守るから……」っと言ってアーシアが赤面して終わったのだが……なにか変なことはあっただろうか?

妹分を守るのは当たり前だろう。それを改めて誓っただけだ。

 

「あら皆も来てたの?」

「リアス先輩?ゼノヴィアって……」

「ええ、新しい騎士(ナイト)よ」

やっぱし……

 

「教会からも追放されてね……助かったよ」

「やはり神の不在を知ったから?」

「ああ、デュランダル使いでも神の不在を知れば切り捨てられたよ」

 

ゼノヴィアは肩を竦めたが何処か自虐的と言うか諦めてる感じだ。

 

「っと、それから」

 

そう言ってゼノヴィアは表情を引き締めアーシアの前にたった。そして、

 

「すまなかった」

「え?」

 

そう頭を下げた。

 

「私は君に酷いなんて言うのが生ぬるいことを言ったしやった……君に殴られても仕方ないと思っている……だがその前に謝罪したかった」

「……良いんです」

 

アーシアは許した……

 

「私はもう気にしてません」

 

心広いなぁアーシアは……何て一誠は思う。ゼノヴィアもぶん殴られるのを覚悟してたのか呆気にとられてる。

 

「良いのアーシア、私が光の槍を使って串刺し刑にしてもいいんんだよ?」

「おーい……」

 

一誠はレイナーレの危ない発言にストップをかけた。今のゼノヴィアは悪魔だから光なんぞで串刺し刑喰らったら二重の意味で死ぬぞ……

 

「良いんですよレイナーレさん。本当にもう気にしていませんから」

「あんたって本当に……」

 

なんか最近レイナーレってアーシアの過保護なお姉さん化してきたな……最初にあった頃のキャラが見る影もない。

 

「でもこれでデュランダル使いのナイトと聖魔剣使いのナイトで双璧ができたわね」

「後はビジョップとルークとポーンですか?」

 

リアス先輩と一誠はそんな話をする。

 

「ええ、ただビジョップはすでに一人いるんだけどね」

「え?そうなんですか?」

 

いずれ会わせるわ。とリアス先輩が言うと祐斗が来た……

 

「相変わらず凄いことになってるわね……」

「お陰さまで……」

 

リアス先輩がそういうのも仕方ないだろう。なぜなら祐斗は現在顔がボッコボコに腫れ上がっているのだ。そりゃもう理由は一誠にしこたま殴られたのは言うまでもない。悪魔は回復力も高いらしいがそれでも流石に2日では顔の腫れ若干引いただけでイケメン顔が台無しだ。祐斗のファンの女の子はそれを見た瞬間卒倒して今日も保健室は大変盛況らしい。

 

「まあこれも自業自得ですからね」

「やはり私が治しましょうか?」

 

アーシアの言葉の祐斗は首を横に振る。

 

「暫くは戒めの意味も込めてこのままにするよ。でもなんでここのゼノヴィアさんが?」

「新しいナイトだとよ……しかし面白い顔だな」

 

確かに……と一誠の言葉にレイナーレが笑う。

 

「おはようございます……」

「お待たせいたしました」

 

そう言って今度は姫島先輩と小猫……

 

「なぜここに?」

「新しいナイトよ」

 

二人にも軽く紹介しリアス先輩は笑う。

 

「さてお茶をいれますね」

 

姫島先輩はいつもの笑みでそう言ってポットを出す。

 

「一誠くん。チェスでもしようか」

「良いぜ。連勝無敗記録を更新してやる」

 

祐斗と一誠はチェス盤を出しつつ椅子に座る。

 

「新しいお菓子買ってきたんですけど皆さんで食べましょう」

「新しいお菓子……」

 

アーシアはバックから新しいお菓子をだして小猫が目を光らせる。

 

「しかし教会の戦士が悪魔にね~。大した転落人生よね」

「喧嘩を売ってるのか?天使から堕ちた堕天使であるお前も大した転落人生だ」

 

バチバチ火花を散らすレイナーレとゼノヴィア……

 

「すっかりここも賑やかになったわね」

「どうしたんですか?リアス先輩」

「いいえ、朱乃。私にも一杯ちょうだい」

「はい」

 

賑やかで我が強くて無茶苦茶で……そんな皆と一緒ならこれからも楽しくどんな苦難も越えている……リアス先輩はそんな気がしていた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかしコカビエルやってくれたぜ……だがまさか負けてるとはな」

「当たり前だ。仮にも俺のライバルだぞ?コカビエルごときに遅れをとるはずがない……俺の勘もそう言ってたしな」

「コカビエルごときにか……しかも根拠が勘かよ……」

 

男は目の前のいる銀髪に薄い紅色掛かったメッシュが入っ若干長めの髪の長さまで伸ばした男に苦笑いを向ける。

 

「それでヴァーリ。あいつはどうだった?」

「…………強い。あの年で考えたら戦闘経験を除けばありないレベルだ。経験だってこれから積んでいけば上がっていくだろう。既に並みの上級悪魔じゃ歯牙にもかけんさ」

 

そう言って白龍皇……いや、ヴァーリは閉じていた瞳を開いた。両目とも青い……が、片眼は薄いがもう片方は吸い込まれるような濃い蒼だ。所謂オッドアイと言われるそれは強く他人を惹き付ける。

 

「まあどちらにせよ俺もアイツに一度会ってみるとするか……」

「悪戯も程ほどにな……アザゼル」

「了解っと」

 

アザゼルと言われた男は立ち上がると何処かに消えた……

 

「しかし赤龍帝が俺と同じだったとはな……これは面白いことになりそうだ。いつかあいつの親にあってみるのも一興か」

 

ヴァーリは空を見上げながら呟く。

 

「俺が白龍皇であいつが赤龍帝……これも運命か……」

 

そんなヴァーリの呟きは勿論誰にも届くはずはなかった……




これでこの章は終わりです。次回からは停止教室編へ移行します。そして最後に少しヴァーリとアザゼル登場。ヴァーリの容姿は一誠同様に若干?の変更がなされています。少しだけ正体を明かしましたが次章では完全に明かすことになります。

因みにヴァーリの過去はかなり原作と変わっています!(←ここ重要)それは大分あとに明かしますけどね。

もしかしたら勘のいい人なら薄々気づいたかな?というわけで次回!

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