【完】真・ハイスクールD×D夢想 覇天の御使い   作:ユウジン

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結成

「祐斗が消えたぁ!?」

 

目を覚ました一誠に伝えられた事実は一誠を驚愕させるには充分だった。

 

「ここ最近可笑しかったけど何があったのかしら……」

「……あのリアス先輩。これなんですけど……」

 

一誠は小さい頃のイリナと写った写真を見せた。

 

「これは……」

「これを見たときの様子が可笑しかったんですけど……」

「成程……これで」

 

リアス先輩は小さい頃の一誠とイリナの後ろに飾ってある剣を見せた。

 

「これは聖剣よ」

「そうなんですか?」

「ええ、エクスカリバー程じゃないけど立派な聖剣ね」

 

そうか……そう言えばイリナは外国に引っ越していったがクリスチャンだったのか……しかし外国にいってあんな残念な子になるとは……

 

「それで何でこれを見て祐斗が?」

「…………昔教会は聖剣を扱えるものを人工的に作ろうとしたの……」

 

リアス先輩は少し黙ってから口を開く……

 

「聖剣計画と呼ばれたそれは祐斗の他にも何人もの聖剣を扱えるものを集めたと聞くわ。でも計画は失敗。祐斗以外は全員殺されたときいたわ」

「祐斗は唯一の生き残り……」

「そう、聖剣を憎み……恨むことで生きてきたの……最近は収まってたと思ったけど再発したのね……」

「怨み……か」

 

一誠はもし自分の家族が殺されたらと思う……そしたらきっと……復讐心に呑まれると思う。怨みは何も生まないと言うが憎いものは憎いのだ……何があっても殺したやつを殺したいと思うのは当たり前のことなんだろう。だが……

 

「難しいもんだいね……下手に動くと悪魔と教会の問題に発展するし……」

 

一誠は静かに目を積むって思考を張り巡らした……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな次の日……一誠は町に繰り出した。ある人物との待ち合わせである。その人物とは……

 

「何だよ北郷」

 

匙である。

 

「少し頼みたいことがあってさ」

「頼み事?」

 

匙は首をかしげた。

 

「とりあえずそこのフードコートに行かないか?」

「分かった。しかし二人揃って来るなんてただ事じゃねぇな」

「二人?」

 

アーシアとレイナーレは家にいる。今からの計画は二人は難しいだろう。そこで匙だったのだが……

 

「え?後ろに塔城もいるじゃねぇか」

「げっ!」

 

振り替えると確かに小猫がいた……不覚だ……完全に油断してた上に小猫は気配を消すのが上手いらしい。

 

「何でここに?」

「一誠先輩が部活を休み更にこそこそと学校を出ていけば誰でも怪しがります」

「ですよねぇ……」

 

一誠は肩を落とした。

 

「まあちょっと匙と話があるだけだからさ。小猫は帰って良い……いだだだだ」

 

帰って良いよと言おうとしたら腕を抓られた。

 

「何をする気ですか?」

「いやそのぉ……」

 

序でに触られて悪寒と意識がぁ……

 

「教えてください……」

 

すいませんそんな綺麗な目で見ないでください……そういうのに弱いんだよぉおおおお!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『エクスカリバーを壊す!?』

 

匙と小猫は同じ反応をした。

 

「そうだ、今回のエクスカリバー奪還を俺たちも手伝うんだ」

「んじゃサヨナラ」

 

匙は手を降って帰ろうとしたが……

 

「逃がしません」

 

小猫に捕まった。ポーンの匙がルークの小猫に力比べで勝てる筈もなく席に座らされた。

 

「それでなぜ?」

「まあ……今回の一件多分あの二人じゃ無理だよ」

 

一誠はバッサリ切った。

 

「コカビエルってのがどんなやつなのかはマジで分からないよ?もしかしたら秘策もあるかもしれない。だけどそれを差し引いても無理だろ」

 

「はい……」

 

小猫は頷いて続きを促す。

 

「それに祐斗が可笑しくなったのが聖剣のせいならそれを壊させれば良いんじゃないかと思うんだ」

 

一種の満足感を植え付ける方法だ。それで復讐心が消えるわけないがそれでも大分緩和される可能性が高い。

 

「それで何で俺なんだよ」

「グレモリー眷属は迷惑かけらんねぇもん」

「俺には良いのか!」

「冗談だよ。ただあの時の交渉の場にいない悪魔の方が力借りやすいだろ?交渉したリアス先輩の眷属よりはそうじゃないお前の方が角がたたないしな。安心しろって怒られそうになったら俺が土下座するから」

 

だからアーシアやレイナーレを巻き込みたくないから誰にも言わないできたんだが……いざ問題になったら自分が土下座すれば良いだろう。多分……

 

「お前なぁ……グレモリー先輩は優しいかもしんないけどシトリー会長は怖くて恐くて容赦ないんだぞ!」

「まあ何となくそんな感じはあるよな……」

 

すると、

 

「私は一誠先輩を手伝います」

「小猫……」

「祐斗先輩は……仲間ですから」

 

それを聞いて一誠はニヤッと笑った。

 

「匙……小猫がこんなに覚悟を決めてるんだぜ?」

「い、いや俺はシトリー眷属……」

「後輩の女の子が覚悟きめてんのに逃げるのか?」

「あの………」

「こんな小さなロリ少女が腹を括ってるのに逃げるのか匙ぶばぁ!」

 

最後まで言う前に一誠は吹っ飛んだ……周りの人が驚いてるぞ……だが今のは正中線を的確にえぐり混んでいた……良い拳だ……だが、

 

「なぜ俺を殴った小猫……」

「腹が立ちました……」

 

今のは一誠が悪い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……」

 

と言うわけで嫌々……もとい、喜んで力を貸してくれる事になった匙を連れて町中を一誠と小猫はあるいていた。

 

「で?どうすんだよ」

「まあ町のどこかにはいるだろ」

「エライ適当だな!」

「アイツ等に発信器でも着けとけってか!?」

 

匙と一誠はバチバチ火花を散らす。

 

「やんのかテメェ!」

「上等だ!お前なんぞ一分で倒したる!」

 

二人が構えようとした瞬間、

 

「居ました」

『え?』

 

匙と一誠が小猫が指差す方へ顔を向けると、

 

『哀れな信徒にお恵みを~』

『…………』

 

匙と一誠はジトーっとした目で見ると、

 

「普通にいたな……」

「ああ……」

 

なにやっとんだアイツらは……

 

「おいそこの教会娘」

 

一誠が声を掛けると二人は振り返りゼノヴィアが顔を顰めた。

 

「げ……赤龍帝」

「何が、げ……赤龍帝、だよ……俺はお化けか」

 

そう言って頭を掻きながら一誠は近くのファミレスを指差す。

 

「少し話がある。少し話さないか?無論奢るぜ?」

 

一誠はそういった……そして、十分後。

 

「ハグハグハグハグハグ!!!!!!ウマイ!うまいぞ!」

「これよこれ!これこそ私のソウルフード!」

(こいつらには遠慮とかないのか?)

 

一誠は金はあるから財布の心配はしてないがこの二人の食欲には苦笑いしか出てこない。

 

しかし最初は悪魔側がどうたらとか言っていたが本当に教会の人間かと聞きたくなる意志力の弱さだ。

 

「それでいったいなんの用だ?」

 

ゼノヴィアは一通り食べると聞いてきた。

 

「用件は簡単だ。俺たちにもエクスカリバー奪還を手伝わせてくれ」

 

一誠の提案にゼノヴィアとイリナは驚いた表情だ。

 

「なんだいったい急に……」

「色々あってね。で?協力させてくれるのか?」

 

するとゼノヴィアが手をあげた。

 

「こちらから条件を着けさせてほしい」

「内容によるがなんだ?」

「悪魔だとバレないようにしてくれ。赤龍帝は人間だがそこの二人は悪魔だからなね」

「それは承知している」

「なら構わない」

 

するとイリナがゼノヴィアに詰め寄った。

 

「良いの?一誠くんは人間だけど他は悪魔だし一誠くんだって悪魔側だよ?」

「この作戦は元々私たち二人だけと言うのに無理がある。態々力を貸してくれると言うのを断る理由がない。ましてや彼は私たちより数百倍は強いんだ」

「ま、まあ確かに人間じゃなかったけど……」

「そうだ、相手は堕天使……ならばこっちも人外の一体は準備して当然だ」

「おい」

 

段々勝手に人外扱いが当たり前になってきてないか?

 

「それで人外……じゃなかった、赤龍帝」

「おい!俺は人間だ!」

「え?」

 

それに疑問の声を漏らしたのは小猫だ。

 

「一誠先輩は一誠先輩と言う独立した種族でしょう?」

「違うわ小猫!」

 

どいつもこいつも扱いが雑すぎるぞ……

 

「取り合えずまだ呼びたい奴がいるからそいつも呼ぶからな」

 

そう言ってメールを一誠は打つ……相手は祐斗であり……それはすぐに返信が来た……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「成程。話は分かったよ」

 

一誠が送ったメールにすぐに飛び付いた祐斗は教えられたファミレスに来て話を聞いた。

 

「正直聖剣使いに許しを請うのは遺憾だけどね」

「やはりあなたは聖剣計画の生き残りだったのね……でもあれのお陰で私やゼノヴィアのような聖剣使いが増えたわ」

「それであったとしても失敗作と断じて処分することが許されるとでも?」

 

祐斗の空気が殺伐としてきた。

 

「あの事件は私たちの中でも最大限に嫌悪されている。その計画の責任者は今では堕天使側の者に鞍替えしたがな」

「っ!――名前は!」

「バルパー・ガリレイ……皆殺しの大司教と呼ばれる男だ」

「そいつが……」

 

祐斗の殺気が更に強くなる。

 

「では赤龍帝。早速今夜から行動に移して大丈夫か?」

「ああ、問題ない」

(俺は良くねえよ)

 

匙が内心突っ込んだが誰にも聞こえるわけはなかった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一誠くんも無茶をするね」

 

その後一度ゼノヴィア達と別れると祐斗が一誠に言う。

 

「これがバレたらどうなるか……」

「それを言ったら勝手に消えたお前だってそうだろ、このままじゃはぐれ悪魔ってやつだぞ」

 

すると小猫も言う。

 

「私も祐斗先輩がいなくなるには嫌です……」

「小猫ちゃん……」

 

まあ小猫にこれをやられて折れない男はいないよな。 祐斗も笑うしかない。

 

「そこまで言われたら仕方ないね」

「よーし。じゃあ今夜はちゃちゃっと終わらせるか」

 

一誠が言うと匙が横槍を入れた。

 

「なあ、結局木場とエクスカリバーってどんな関係なんだ?」

 

まあ匙には言ってなかったからな。すると祐斗が口を開いた。

 

「そうだね。少し昔話をしようか」

 

祐斗は匙に話していく。聖剣適合者を調べるために集められたこと……そして、最後に処分されたことを……

 

それを聞いて匙はおいおい泣いていた。

 

「木場ぁ!お前大変だったんだなぁ!俺お前と北郷みたいなイケメンずっと嫌いだったけどさぁ!」

 

それで噛みついてたのか……でも意外と匙って良いやつだな。ただ鼻水ダラダラでなんかしまらないけどさ……

 

「意外と一誠先輩と似てる部分もあるかもしれませんね」

「何処が?」

 

小猫に一誠は聞き返す。

 

「意外とお人好しです」

「俺って別にお人好しってことはないけどな……」

 

何てやり取りをしていると、

 

「よぉし!これからチームを組むんだから俺の夢を皆に教えるぜ!」

 

そう匙がいった。なんだいったい急に……まあ上級悪魔になるとか……強くなりたいとか……そう言う感じだろうか?

 

「俺はな。将来会長とできちゃった婚をする!」

『………………』

 

一誠と小猫と祐斗はずっこけた……

 

「君って会長さんは怖いとか言ってなかったっけ?」

「怖いのと好きなのは別だろ!」

 

祐斗の問いに匙は答える。

 

「小猫……俺あれと似てる部分もあるって言うのは少し嫌かもしんない……」

「すいません一誠先輩……先輩はタラシだけど変態じゃありませんでした」

「え?」

 

一誠は小猫に全く心当たりのない言葉の固まってしまった……




どうもどうも。気が付くとお気に入り登録数が300突破……UAも二万突破……そして、評価に色が着きました。ありがとうございます。高評価からまあ低いものまで……それに関しては私の書き方ですからねぇ……文句は言えません。ガイドラインを破ってなければ問題はないです。

そして幾つかコメントも着いていたのでそれに関してはここで返そうと思います。まずは


【とても面白いです。更新楽しみにしてます】

ありがとうございます。好きで書いてる小説にそう言っていただければ嬉しいです。これからも頑張って書きます。

二つ目は【またナンチャッテ女性恐怖症か…】

はい、まあそう言われても仕方ないなぁという思いはありますがガチの恐怖症になったら一誠は祐斗やギャスパーとくっつけなくてはならなくなりますし元々キャラのネタとして着けた設定ですしそれにこの作品ではレイナーレを救済してて女性を忌避する理由が無くなってますので着けたものです。まあだったら女好きでも良いじゃんと思われるかもしれませんが後々にある程度は女性忌避が必要になってくるので許容していただけると助かります。

と言うわけでいつも感想くれる皆様や高評価をいれて下さったりお気に入り登録してくれた皆様。これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします。

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