【完】真・ハイスクールD×D夢想 覇天の御使い   作:ユウジン

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第三章 月光校庭のエクスカリバー
残念なお方……


えー、どうも皆さん。こんにちわ北郷 一誠です。

私は現在とんでもない状況下にあります。ある意味ライザーとの戦いなんて目じゃないくらいの凄さです……今はベットの上でスヤスヤ寝てたのですがそれがどんな状況下と言うと、

 

「ん……」

「むにゃ……」

「すー……」

 

右腕にはリアス先輩が……左腕にはレイナーレが……体の上にはアーシアがくっついて寝ているのです。しかも……しかも皆さん素っ裸と来てます。マジっすか!

 

「……………………」

 

ムニュっとリアス先輩の胸が当たって一誠は石になった……左にいってもレイナーレの胸がムニュムニュするし未だ成長段階のアーシアから良い匂いもするし……せめて意識を飛ばせれば良いのにこんな状況では意識も飛ばせない。役に立たねぇ……

 

「ん……?あら一誠。起きてたの?」

「あ、どうもリアス先輩……」

 

一誠は起きたリアス先輩に挨拶した。

 

「あの……何でここに?」

「一誠を抱き枕にして寝たかったの。本当は貴方が起きる前に退散する予定だったんだけど早起きなのね」

「で、ではなんで裸なんですか?」

「私って寝るときは服を脱いで寝たいの」

 

な、成程~っと一誠は頷いた。

 

「うふふ、でもそうしたらレイナーレとアーシアも対抗してきてね?こんな状況になったのよ」

「そ、そうでしたか……」

 

するとリアス先輩は一誠に顔を近づけた。

 

「嫌……じゃない?」

 

質問の意味は女性恐怖症のことだろう。そこは気にしてくれるのだ。

 

「だ、大丈夫ですよ?」

「そう。ならまだ朝も早いし……少しエッチなこともする?」

「っ!」

 

リアス先輩はそう言うと一誠の右手を自らの胸に持っていく、ムニュウっと手が沈んでいく……や、柔らかい……

 

「ふふ……少しずつ慣らしていきましょう?一応本とかで調べたのよ?恐怖症等は色んな方法があるけど少しずつ慣らしていくのもひとつの手らしいわ」

「は、わわ……」

 

一誠は顔が真っ赤になり脈拍も異常な早さを刻む……

 

「可愛いわ……眷属じゃなくても可愛がりたくなっちゃう」

 

そう言ってリアス先輩は顔をさらに近づけた。

 

「キス……する?」

「っ!」

 

一誠はビックリ仰天なんてもんじゃないくらい驚いた。でも……しても良いなら……したいです……

 

「沈黙は肯定と受けとるわよ?」

 

そう言ってリアス先輩顔が近づき……

 

「何してんのよ」

「いっ!」

 

脇腹を光の槍でチクっと軽くつつかれた。

 

「おま!起きて!」

「ごめんなさいねぇ起きてしまって!」

 

そう言ってレイナーレ眼をバッチリ開けて元々のつり目を更につり上げた。

 

「ちょっとグレモリー!朝から盛ってんじゃないわよ!」

「良いじゃない後輩と仲良くするぐらい」

「限度ってもんがあるでしょ!」

「でもレイナーレ。一誠だって男の子だもの。こういうことをされて嫌ではないと思うわ」

 

はい。ドキドキしますが嫌ではないです……

 

「ぬぬ……なら!」

 

そう言ってレイナーレまで自分の胸に一誠の左手を当ててきた。リアス先輩ほど大きくないがそれでも張りのあるいい胸だ。

 

「わ、私だってその程度のことくらいできるわよ」

「声が上ずってるわよ」

 

両手に花と言うよりは両手に胸……すごい状況なのか?

 

「ムニュ…………」

 

そこにアーシアが目を覚ました……そして、

 

「な、仲間はずれは嫌です!」

 

何をとち狂ったのかあのアーシアまでもが一誠の顔に抱き着いてムニュムニュ胸を当ててきた。右も左も正面も……胸!胸!胸!……

 

 

最近家でも落ち着けない……と言うのは贅沢な悩みなのだろうか……何て考えながら一日が始まった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてライザーとの戦いから一週間……その間は実に平和な一週間でした。ただ何故かライザーとの戦いから次の日にリアス先輩が来て、

 

「私もここに住むわ。良いかしら?」

「………………え?」

 

突然の宣言と共にリアス先輩が転がり込んできたのだ。まあ別に部屋は余っているので良いのだが……何かうちの女子密度が順調に上がってきたな。

 

因みに今朝の朝御飯はリアス先輩とアーシア手作りだ。リアス先輩は料理が得意なのでここ一週間はリアス先輩と先輩に習いながら料理をし始めたアーシアコンビと一誠で当番制になりつつあった。レイナーレは食う専門だ。

 

そんな朝御飯を食べながら、

 

「それで一誠。今日部室の掃除があるのだけど一誠の部屋を少し部室代わりに使って良いかしら?」

「ああ~そういえばそんなこと言ってましたね。良いですよ」

 

基本的に部活は土日もある。正確にいうと悪魔の家業に休みはない。まあ家業が入らなければそれで集まって終わりなのだがそれを良いことに一誠たちが普段部室を溜まり場にしてるだけである。なので折角の土曜日なのに我が家に皆は来ることになった。となると……

 

「後でなんか飲み物くらい買ってきますね。今なんもないんで」

「手伝う?」

「いえ、大したものを買わないので待ってて皆が来るのを迎えといてください」

 

そう言いながら一誠は食器を下げると軽く羽織って靴を履く。

 

「じゃあ一寸いってきます」

「わかったわ。行ってらっしゃい」

「イッセー。序でに何か雑誌とアイス買ってきて~」

 

最近レイナーレの土日引きこもり化が進行してないか?いや、家事も手伝うし掃除とかも率先してやるけど外に出るのをめんどく下がるんだよなこいつ……まあいいけどさ。

 

「分かったよ」

 

そう言って返しながら一誠は近くのコンビニ向かった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、OKね」

 

一誠が出たあとすぐにリアス先輩たちは軽く掃除して準備を整えておく。一誠は基本的に働かざる者食うべからず精神なのでニート堕天使何て小猫に最近呼ばれるレイナーレだって料理以外の事は手伝うのだ。するとベルが鳴った。

 

「来たみたいね」

 

リアス先輩がドアを開けると他のオカルト研究部メンバーが来ていた。

 

「入りなさい。私の部屋じゃないけど」

「本当に貴女ここに住み着いたのね」

 

姫島先輩の笑いをリアス先輩も笑って返す。

 

「あ、いらっしゃいませ~」

「まあ狭く……は無いけどゆっくりしていきなさいよ」

 

レイナーレの部屋でもないのだがまあそこは置いておこう。

 

「それでこの部屋の主は?」

「一誠さんなら何か買ってくると行きました」

 

祐斗がキョロキョロしているとアーシアが教えた。

 

「さて……あとは一誠が帰ってくるのを待つだけね……あら?」

 

するとちょうどベルが鳴った。帰ってきたのか?

 

「お帰り一誠」

「一誠久しぶり~!」

『………………あれ?』

 

リアス先輩がドアを開けるとそこにいたのは栗色のふわふわした背中に届くかどうか位に伸ばした髪でスレンダーな女性がたっていた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっと……すいません」

 

その頃一誠はコンビニで買い物を済ませ出るところだった。そこで人にぶつかりそうになり頭を下げた。相手の和服を着たチョイワル系の外人のおっさんも快く許してくれた。しかし何かあのおじさんの自分を見る眼は何か引っ掛かる。

 

「さて急がないとな」

 

まあ何時までも気にしても仕方ないので一誠は急いで帰宅した。

 

「ただい……」

『きゃー!』

「ん?」

 

帰ると中が騒がしい。なんなんだ一体……

 

「どうしたんで……」

 

どうしたんですか?と聞こうとして一誠は固まった……今朝も固まったがそれと比べ物にならないくらいカチンコチンになった……

 

「あ、一誠お帰り。そして久しぶりね」

「何で……ここにいんの?」

「だって一誠がちゃんと生活してるか心配だったし?それなのにもう女の子連れ込んでるなんてやるじゃない!流石お父様の息子ね」

「いや事情が……」

「大丈夫大丈夫。私は黙っておくからさ」

「絶対誤解してるだろ!桂音(けいと)姉さん!」

 

彼女の名前は北郷 桂音……北郷家は十四女一男の家であり桂音は一番上の姉に当たる。母の名前は桂花……元は荀彧と呼ばれる軍師で異常なほど男嫌い……だが一番最初に子供身ごもると言うよくわからん因果律を持った女性だ。因みに息子の一誠には結構優しいのだが凄まじい毒舌である……

 

そんな母を持ったため成長はすごく心配されたが運良く性格は父に似て社交的で年長者らしく落ち着いた人だ。周りからはほんとに桂花の遺伝子を持ってるのか逆に心配するほど男女ともに友人も多く美人なので凄いモテる。今は母さんが運営している会社で平のOLをやってるはずだ。

 

「久々に休みがとれてさぁ。もうホント彼処って仕事が半端じゃなくてさ~もう死ぬって」

「あ……そう」

 

一誠としては姉と皆が鉢合わせた事の方が凄く気が重い。いや、この姉はきっと仲良くやるだろう。比較的個性が目立たない人だ。かなりアクが強い姉もいるのでそっちよりはマシと考えるべきか……

 

「で?何で騒いでたの?」

「ねぇ覚える一誠……昔仮面セイバーごっこで家の木から降りれなくなって泣いてたの」

「ぶっ!」

 

一誠は桂音姉さんから見せられた携帯の写真を見て吹いた……そこにはその時の写真が写っていた。

 

「あと他にも自転車庭でかっ飛ばした挙げ句池に落ちたこともあったし……布団に大海図も描いたわねあとは……」

「あわわわわわわわわわ!」

 

一誠にとって黒歴史な写真を桂音はしっかり携帯にフォルダー分けしてまできっちり保存している……なんじゃこりゃあ! 一応家族の総人数がバレないように一誠しか写ってない写真しか無いけどそれでもビックリだ。

 

「あ、あと皆にこの写真たち送っといたからね」

「なぬ!」

 

一誠あんぐりと口を開けると、

 

「ロリ一誠だわ……」

「これは……興奮するわね」

「分かります」

「あの皆さん?」

 

何かそこのリアス先輩とレイナーレとアーシアが何か騒いでるぞ?

 

「あらあらこれは海に行ったときの……」

「一誠先輩の赤裸々な過去……ぷぷ」

 

姫島先輩に小猫……頼むからもうやめて……俺のライフはもうゼロだ。

 

「いやぁ一誠くんの過去かぁ。色々やんちゃしたんだね」

「るせぇ!」

 

こうなったら力付くで回収したろうかと一誠が思い始めた瞬間祐斗の表情が固まった。

 

「一誠くんこれなんだけど……」

「え?ああ~」

 

祐斗が見せた写真は昔一誠が近所の子供とヒーローごっこやったときのだ。これも消してぇ……

 

「昔近所に住んでた男の子だ。良く遊んだっけなぁ……」

「そう……なんだ」

「?」

 

祐斗の表情の強張りには一誠は気づいたが何とは聞かなかった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局そのあと一誠の黒歴史が皆にバラされ特に姫島先輩には散々弄られまくって(多分あの人はドSだ)活動はうやむやになってしまった。まあ偶には良いだろう。どうせオカルト研究部の集まりといっても悪魔家業が入らない限りさっきいったように暇なので一誠をいじり倒すだけの日になってしまった。そして皆はそれぞれ帰路について家には一誠とリアス先輩とレイナーレとアーシアだけだ。いや、後は、

 

「じゃあ一誠またね」

「もう来んなくそ姉」

 

桂音は明日からまた仕事なので帰ると言ったので一誠は見送りに出てさっき黒歴史をバラされた腹いせについ声音がキツくなった……が、

 

「う……う……」

「あ……」

 

桂音は俯いてプルプル震える……そして一言……

 

「気持ちぃ……」

 

今この瞬間だけはリアス先輩はアーシアと夕飯を作っててレイナーレはテレビ見てて他の皆は既に帰ってて一誠と桂音は玄関にいて凄くよかった。つまり桂音の本性はこれなのだ。普段はしっかり者の姉の癖にその実残念すぎるほどのマゾ女……

 

「ねぇ……もっとおねぇちゃんを罵倒しない?お父様ってひどいのよ?どんなにお願いしても苛めてくれないの」

「そりゃそうだよ……」

 

一誠だってごめんだし父さんは超絶親バカだ。娘を罵倒なんてスカイツリーの天辺から身を投げる方がマシだと思うだろう。

 

「良いじゃない。ねぇ一誠……一回だけ?ねぇ?」

 

何で恍惚の表情を浮かべながら弟に迫るんだこの人は……凄まじすぎるわ!

 

「や、止めろって!バカ!触んな!」

「あぁ~……ゾクゾクしちゃう!やっぱり男に罵倒され叩かれるって言いもよれぬ快感があるわね~」

 

 

そう言って寄ってくる桂音姉さんを叩いて蹴って撃退しようとするが糠に釘だ。いや、寧ろ桂音姉さんを喜ばせてる。ダメだこれでは……

 

「まあ、充電もある程度できたし本当に帰るね」

「俺のSAN値はもうピンチだけどね……」

 

一誠がそう言うと桂音姉さんは笑って帰っていった。本当に自由な人だ。

 

「帰ったの?」

「まあな」

 

リビングに戻るとレイナーレはテレビを見ながら聞いてきた。

 

「一誠のお姉さんだけど何か凄そうだったわね。頭いいみたいだし」

「まあね」

 

身体能力は少し高いくらいだけどね……大体母親が文官とかの娘は大体腕っぷし自体はそこまでじゃない。その分頭いいし。それに反して他の武官娘たちは腕っぷし重視だ。どっちもバランスがいいのは一誠である。

 

「でも一誠みたいに自称人間じゃなくてよかったわ」

「おい」

 

あの人だって結構人間辞めてるんだぞ?頑丈さなんか北郷家の姉弟全員に言えるが人間じゃないし……

 

(まあそれはどうでもいいか……)

「ご飯ですよ~」

 

アーシアに呼ばれて一誠とレイナーレは食卓に向かったのであった……




書いてて今日は見られたら恥ずかしい中身でした。

さて今回初登場したのは桂花と一刀の間の娘です。性格は見ての通り桂花と似てないように見えて内面そっくりです。苛められることを凄く喜びます。仕事が死にそうなほど忙しいのも本来はもっと早く片付けられるのの自らを虐めるためにわざと追い込んでるからです。

これからも某所某所で出せたらいいなぁ……

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