開発室からお届けします   作:Tierra

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最近自分で自分の作品にお気に入りを付けるという
珍事が発覚しました……超恥ずかしい。

最近またお気に入りが増えて、ありがたい気持ちで一杯ですね。

それでは第6話です

※9/9
余計なものが残っていたので、そちらだけ消させていただきました。


第6話 「副作用」

 

『君は近界民ですか?』

 

 

彼は目を丸くして驚き、こちらに対して警戒をし始める。

やっぱりそうですか、と言わんばかりの表情をしていた東堂に対して空閑が問う

 

 

「…おれが近界民だったら、東堂さんは戦うの?」

 

「うーん…そうですね、君の目的次第といった感じでしょうか」

 

「目的次第?」

 

「えぇ、こちらの世界に危害を加えるようでしたら容赦はしませんし

 そうでないのであれば、できれば戦いたくはないですね」

 

 

真剣な表情から飛んでくる甘い考えに、彼は理解ができないといった表情をしている

 

 

「こっちの世界に危害をくわえようとかは思ってないよ

 …でも、おれが言うことをしんじるのか?」

 

「今日出現した新種のトリオン兵から、街への被害を抑えてもらいましたしね

 …それに学校に出たのを倒したのも空閑君、君なんでしょう?

 そこまでしていただいていますから、少しくらい信じさせてください」

 

「ふむ…今日オサムにも同じようなこと言われたな」

 

 

そういうと腑に落ちたのか、警戒の姿勢を解く

するとここからが本題ですねと東堂がきりだす。

 

 

「今日の一件で空閑君もご存知の通り、今この街ではイレギュラー門が発生しています。

 そこで空閑君に、何か知っている事があったら教えていただこうかと思いまして」

 

「なるほどね、そういうことなら今から学校に調べにいくんだけど東堂さんもくる?」

 

「是非、お願いします」

 

 

戦闘が回避されたせいか、ほっとした表情を見せる東堂に対して

いつも通りの飄々とした雰囲気に戻る空閑、そんな彼を見て適いませんねと思う東堂であった。

 

 

 

学校へ向かう途中、夜食を食べながら歩く二人

会話は空閑の近界民の世界での話がほとんどであったが、そういえばと話題を切り替えられる。

 

 

「なんでおれが近界民だってわかったの?」

 

「今日の爆撃型のトリオン兵を、川へ引きずり落としていたトリガー

 一目でこちらの世界のトリガーではないと確信しました。

 僕はこちらのせかいのトリガー開発に関わっていますから、間違いはなでしょう」

 

「ふむ」

 

「それと三雲君、聞き覚えがあったので本部で少し調べました

 そしたらやっぱり、僕が入隊指導した時が彼の入隊日だったんです。

 彼は…今日の学校のような成果は出せませんでしたからね」

 

 

東堂はバツの悪そうな顔に笑顔を浮かべる、こういった悪い評価を進言するのはあまり得意でないのだろう。

そうこうしているうちに学校に到着する。

 

 

「調べるといっていましたが、具体的に何をするんでしょうか」

 

「おれの相棒がイレギュラー門の原因に、心当たりがあるらしいんだ」

 

「相棒ですか…その人はもう学校の中に?」

 

「いや、ここにいるよ。レプリカ」

 

 

そう彼が名前を呼ぶと、指輪の中から何かが出てきた。

見た目は黒い炊飯器に耳が生えている。そう説明するしかない何かが出てきた。

 

 

「はじめまして、私の名はレプリカ

 ユーマのお目付け役だ」

 

「おぉ、これはどうも

 こちらこそはじめまして、僕は東堂 要です」

 

 

それに対して大した驚きも見せず、挨拶をして返す東堂

彼の胆力も空閑に負けていないだろう。

 

 

「それにしてもこのフォルム、なんとも可愛らしいですね」

 

 

おまけにこんな事も言い始める。技術者の性なのだろうか

謎の炊飯器(レプリカ)との邂逅も経て改めて、学校を調べる東堂達

レプリカ曰くもしかすると、小型のトリオン兵が関わっているかもしれないとの事

調査の為瓦礫を掘り返していると、レプリカから聞き覚えのある声がする。

 

 

『空閑、今大丈夫か?』

 

「レプリカ先生、通信機にもなるんですね

 近界民の技術はやはり進んでいる…。」

 

『とっ東堂さん!?

 おい空閑大丈夫なのか!!?』

 

「オサムと同じこと言ってたし、嘘も言ってないみたいだしだいじょうぶだろ」

 

『…本当に大丈夫なのか?』

 

「おや、三雲君は僕が信じられないって言うんですか?」

 

『あっ、いやそういうわけじゃ』

 

「ふふっ、冗談です」

 

 

悪戯っぽく微笑む東堂に対して三雲は絶句する。

通信機の向こうにいる彼は、どんな顔をしているのだろう

そう考えるとまたふふっと微笑んでしまう。

 

 

「それでオサム、用事があったんじゃなかったのか?」

 

『あぁ、そうだった

 サイドエフェクトって知っているか?』

 

「私が説明しよう」

 

 

そうレプリカが続ける。

 

 

「高いトリオン能力を有する人間は、トリオンが脳や感覚器官に影響を及ぼし

 稀に超感覚を発現する場合がある。それらの超感覚を総称して【副作用(サイドエフェクト)】と言う」

 

―通信機のみならず、自我のようなものもあり知識もある。

 どれだけの技術がレプリカ先生に詰まっているのでしょうか…―

 

「超能力みたいなものか?」

 

 

確かにこの説明だけだと、こう解釈してもおかしくない

東堂がこの質問に対して補足説明をする。

 

 

「残念ながらスプーンを曲げたり、物を浮かしたりと超人的な物ではありません

 あくまで人間の能力の延長戦上にあるものなので」

 

「目を閉じてる間だけめちゃくちゃ耳がよくなるやつとかいたな」

 

「そういえばボーダーにも耳がよくなるサイドエフェクトの子がいましたね

 数十メートル先の会話とかが聞こえるみたいですよ?」

 

『…なるほど、迅さんがやたら余裕な感じなのは

 すごいサイドエフェクトを持ってるってことなのか……』

 

 

迅という言葉を聞きピクっと東堂が反応する

 

 

「なるほど、悠一に会ったのですか」

 

『東堂さん知り合いなんですか?』

 

「そうですねぇ、腐れ縁ってやつでしょうか」

 

 

彼らしくない乾いたような声色に、思わず戸惑う三雲であったが

知り合いならと

 

 

『そしたら迅さんのサイドエフェクトの事も』

 

「それはまた会うときに直接聞けばいいでしょう

 きっと明日も会うのでしょう?」

 

「うーむ、そんな凄いサイドエフェクトなんてあるかな?」

 

 

質問するも断られてしまう。

それにしても迅の名前しか出していないにも関わらず、明日会う事まで分かってしまうとは

先程の乾いた笑いとは裏腹に結構仲がよいのだろうか、と考えていたが

三雲が瓦礫を運ぶ音に気づいたようだ。

 

 

『…東堂さん達は今、どこにいるんですか?』

 

「学校ですね」

 

『学校!?こんな時間に!?』

 

「なんとレプリカ先生に、イレギュラー門の心当たりがあるらしいので調べに来たのです

 あっ、ちゃんと許可はとっていますよ?」

 

『なんか見つかったらオサムにもおしえてやるよ

 じゃ、また明日』

 

 

そう言って通信を切る

夜の作業はまだ続きそうだ。

 

 




サイドエフェクトについての説明会を作りたいなと思いまして

いよいよ迅さん登場ですね。
東堂さんとの関係はいかがなものなのでしょうか?


それでは。

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