開発室からお届けします   作:Tierra

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ファイアーエムブレムに心を奪われてしまいました。ティアラです。


それはそうと原作が最近凄くいい感じですよね
今週の綾辻さんかわいい!綾辻さんかわいい!!


…こほん、それでは第4話です。


第4話 「空閑 遊真」

 

 

木虎の、ボーダー本部まで同行する。

という発言から少し時間が経ち、木虎は学校の校門前で三雲を待っていた。

そこへ、ビニール袋を手に下げた東堂がやってくる。

嵐山から木虎の面倒をみてやってくれ、と頼まれた東堂が色々と買ってきたのだ。

 

 

「木虎さんこれ、飲み物と軽い軽食です。

 ここのサンドウィッチ凄く美味しいんですよ♪」

 

「…ありがとうございます」

 

 

にこやかな東堂とは違い、彼女は少し複雑そうな表情を浮かべながらも、それを受け取る。

嵐山が東堂に木虎のお目付け役を頼んだ事が、彼女からしたら快くなかったのだろう。

 

 

「そんな顔をしないでください。嵐山君も悪気はなかったと思いますよ?」

 

「…分かってます」

 

 

未だに眉間にしわを寄せている彼女であったが、サンドウィッチを口に含み表情が一変する。

 

 

「美味しい!」

 

「でしょう?」

 

 

一口また一口と食べるごとに機嫌をよくする彼女を、ニコニコと見ている東堂であったが

その視線に気づき、頬を少し紅く染めコホンと咳払いを一つ

 

 

「東堂さん、少しデリカシーに欠けると思います」

 

「あぁすみません、あまりにも美味しそうに食べていたのでつい」

 

 

ハハハッと申し訳なさそうに笑って見せる彼に、気をつけてくださいとだけ言いそのままそっぽを向いてしまう。

やがて二人とも軽食を食べ終わる頃に、学校のチャイムが鳴り響く。

校舎から生徒達が出てくる中、やはり嵐山隊とでも言うべきなのか生徒達が、木虎を見て黄色い声を上げる。

中には写真をせがむ生徒達もいたが、彼女はそれを断り……つつもちゃっかりポーズを決めて、しっかり撮られているのだった。

 

 

「それにしても凄いですね……流石嵐山隊、学生さん達に大人気じゃないですか」

 

「そんなこと無いですよ」

 

「そう言いつつ、結構満更でもなかったりして」

 

「ほっ本当にそんな事ありませんから!」

 

 

顔を赤くして声を荒げる木虎に対して、悪戯のように微笑む東堂であったがやがて視界の端に三雲が映ったのに気づく。

 

 

「まぁまぁ、ほら三雲君来ましたよ?」

 

「えっ…コホン、待ってたわ三雲君だったわよね」

 

 

先程とは打って変わり、真剣な表情になった彼女は、本部基地まで同行すると彼に告げる。

周りの学生達は感嘆の声を上げるが、等の本人三雲はなにやら釈然としていない様子であった。

 

 

「そういえば、さっき自己紹介し忘れていましたね。

 僕はボーダー本部、開発室所属の東堂 要と申します。三雲君、あまり緊張しなくていいですよ?」

 

「私達は彼を監視しに来たんですよ?緊張感を持ってもらわないと困ります!」

 

「…確かに三雲君のやった事は褒められた事ではないかもしれません。

 しかし僕達が到着に遅れてしまった事もまた事実。

 こうなる事を覚悟して戦った彼の行動は賞賛されるべきだと僕は思いますよ?」

 

「それとこれとは…」

 

「ふむ、こっちの人はちゃんとオサムのやったことを、ほめてくれるんだな」

 

 

そう先程学校で木虎と揉めていた白髪の少年が、東堂達の話に割り込む。

どうやら彼は三雲の友達であるのか一緒に着いてきたのだ。

 

 

「ものごとにはルール通りにやるだけではいけない時もある、そう僕は思っています。えっと君は」

 

「おれは 空閑 遊真 (くが ゆうま)よろしく東堂さん」

 

「えぇ、よろしくお願いします空閑君」

 

「東堂さんの言うとおり、オサムのやったことはエライんじゃないの?」

 

 

この言葉に頭がきたのか、再び木虎と空閑が口論をし始めてしまう。

やれやれと、東堂が先程と同じように仲裁に入るのであった。

だんだんと日が暮れ、二人の口論もようやく収まった頃にそういえば、と三雲が東堂達に問う。

 

 

「…なんで警戒区域の外で門が開いたんですか?」

 

 

「そういやそんなこといってたな、基地のちかくにしか出ないはずなんだろ?」

 

 

彼らの言うとおりボーダーの基地には、近界民の門を誘導する装置があり

本来であれば、基地の周辺にしか門は開かないはずなのだ。

 

 

「…そうですね。僕が説明しましょう

 まだ原因は不明なのですが、現在基地内の誘導装置に干渉しない、イレギュラーな門が開き始めているんです」

 

「…!?」

 

「本部の技術者(エンジニア)、僕も含めてですが現在原因を追究中です」

 

「イレギュラーな門って!!」

 

「…三雲君の学校に開いたモノ以外でも、昨日から6件程報告があります。

 偶然近くには非番の隊員がいたので、被害は最小限で収まっているのですが

 現在三門市はどこに門が開いてもおかしくない状況…ということですね」

 

「そんなっ…!」

 

 

驚きを隠せない三雲が言葉を繋げようとしたその時、上空からピシッと何かが割れるような音がする。

まさかと思い一同空を見上げると、そこには門が開いていた。

 

 

『緊急警報 緊急警報 門が市街地に発生します』

 

 

門の中からは巨大な魚を模したトリオン兵が現れ次々に街を爆撃していく

 

 

―空を飛ぶ新種のトリオン兵ですか…それも人が大勢いる繁華街の方へ―

 

 

「木虎さん、他の隊員は恐らく間に合いません。僕達だけでどうにかしますよ」

 

「わかりました。東堂さんは住民の避難をよろしくお願いします」

 

「ぼくも行きます!」

 

「あなたまたトリガーを使う気!?」

 

「いえ彼にも住民の避難を手伝っていただきましょう」

 

「ッ!…分かりました。三雲君足を引っ張らないようにしてよね」

 

「わかってる!」

 

 

今までより明らかに早いこの侵攻スピードの中、住民を避難させるのはやはり人数が多い方がいい。

その事に気づいた彼女は、渋々東堂の言った事に納得する。

 

 

「余り時間がありません。迅速に行動しますよ」

 

 

東堂の言葉に二人は頷き、三人共トリガーを握る

 

 

「「「トリガー起動!!」」」

 

 

戦闘体に換装した三人が街へ駆けて行くのを見送り、一人残された空閑が呟く

 

 

「イルガーか……さて、どうするか」

 

 

 




前回常用トリガーが!とか言いながら今回は出せませんでした…申し訳ないです。
次回は出せるハズなのでもう少々お待ちください。

あとお気に入りに追加していただいた皆様ありがとうございます。
これからも頑張っていこうと思うのでよろしくお願いします!

それでは。

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