少しでもお楽しみいただければと思います。
「嵐山隊、現着した!」
その声と共に、3人の隊員が空き地に到着する。
「東堂、今日はよろしくたのむ」
「いえいえ、こちらこそよろしくお願いします。時枝君と木虎さんもよろしくお願いしますね」
羽のような毛先が特徴的な彼の名は
「東堂さん、お久しぶりです」
眠たげな眼の
「よろしくおねがいします」
凛とした雰囲気の少女
「それでは挨拶も一通り終わったことですし、本日の作戦概要をおさらいをしましょうか」
『ちょ、ちょっと待ってください!オレ!オレの事忘れてません!?』
「佐鳥君、その年からオレオレ詐欺は関心できませんねぇ」
『ヒデェ!っていうか東堂さんワザとやってません!?』
相変わらず佐鳥君は面白いですねと東堂が笑う。そう、嵐山隊はここにいる三人、オペレーターともう一人
彼ら嵐山隊はテレビや広報の仕事をこなしつつ、ボーダーのなかでも約30人程しかいないA級隊員という、まさにボーダーの顔とも言える隊である。そんな彼らと一緒の任務だからか「少し緊張しますね」などと思ってしまうのは、彼に限った話ではないだろう。
『
耳をつんざくようなサイレンとともに、黒い穴が空に開く。この穴が
「やっと来てくれましたね。それでは皆さん、手筈通りによろしくお願いします」
『『「「「了解!」」」』』
その内のモールモッド一体が、迷わず東堂へと向かってくる。
「これより試作トリガー第76号の実戦投入実験を開始します。トリガー
そう言うと東堂の体を光が包み、やがてトリオンで作られた戦闘体に換装される。顎と目線の位置に置かれた腕と拳には、西洋の鎧が連想されるガントレットが装備されていた。今までに見たことのないスタイルのトリガーに、サポートとして付いている時枝と佐鳥も驚きの表情が隠せない。
「フェイズ1開始」
その言葉と共に、モールモッドが背中に搭載しているブレードを6本で東堂に襲い掛かる。しかし器用に4本の攻撃をかわし、残りの2本はガントレットで防御されていた。未だ涼しげな顔を見せる東堂に対しモールモッドは2撃目、3撃目と攻撃を続けていく。
「凄いな…。」
と時枝呟くが無理もない。モールモッドは戦闘用のトリオン兵であり、その攻撃は他のトリオン兵より早さも攻撃力も桁違いなのだ。それを彼はリーチが無いに等しいガントレット2つで、数十・数百という数の攻撃を凌ぎきっているというのだから驚きである。
フェイズ1は耐久力のテスト。東堂が攻撃を受け始めてから1分が経ち、そろそろ規定の回数に届く頃だろう。そう思っていた矢先に東堂から「フェイズ2に移行します」と内線が入ったので、時枝は銃を構えて集中する。
「フェイズ1の完遂を確認フェイズ2に移行します。オプショントリガー起動」
すると、ガントレットが青白く発光し始めた。そんなことおかまいなしとモールモッドがブレードで攻撃する。……が、しかし
「もう攻撃は受け付けませんよ?」
なんとそう言って、東堂はモールモッドのブレードを握り潰したのだ。
『うっわ!ヤバイなアレ…。オレ達本当に必要か分からなくなってくるな』
『駄目だよ気を抜いちゃ。あの状態は不具合が起きやすいみたいだからね』
『はいはい、了解』
佐鳥と時枝が喋っている間にいよいよ戦闘も終わりに向かっていた。
「そろそろ頃合いですね…」
切りかかってくるブレードを前進姿勢を崩さず裏拳で粉砕し、モールモッドの懐まで潜り込む。拳を構え突き出そうとしたその時、東堂が装備していたガントレットが光の粒となり霧散した。
「っ!!」
この一瞬の隙を見逃してくれるはずもなく、モールモッドが東堂にブレードを突きたてようとするが、佐鳥のライフルと時枝のマシンガンでモールモッドが沈黙。
嵐山と木虎は残りの3体を既に片付けていたらしく、遠くのほうで手を振っているのが分かる。
「時枝君、佐鳥君最後は助かりました。ありがとうございます」
「とうd『東堂さん、見ました?オレのツイン
「…東堂さんもお疲れ様です」
「ははは」
自分の台詞に被ってきた佐鳥に対して時枝の目が笑っていない。これには流石に笑うしかない東堂であった。
次回からがっつりって言いながら300文字程度しか増えてないですね…。
今回東堂が使ったトリガーの説明は次回入ってきます。
それでは。