初投稿作品となりますので生暖かい目で見てやってください。
※9/7訂正
主人公のフルネームをルビ入りで入れていたはずなのですが抜けていたので訂正しました。
4年半前、突如三門市に
「こいつらのことは任せてほしい」
「我々はこの日のためにずっと備えてきた」
少し肌寒さを覚える室内に、一人の研究員がディスプレイと睨み合いをしている。時には考え込むような仕草を見せるが、カタカタと小気味のいい音を室内に響かせていた。
ここはボーダー内における施設の一つ開発室だ。
その研究室に一人の青年が入ってきた。スラっと伸びた足を奥へ奥へと運び、やがて研究員の横で口を開く
「おはようございます。どうですか?今日の実戦実験まで間に合いそうですか?」
「あぁ、おはよう東堂君。今最終調整をしていてね、じきに終わるからゆっくり待っていてくれ」
とても爽やかな声質で問われた為か、研究員もにこやかに返事をする。
「わかりました」
と青年は微笑みながら研究員に背を向ける。…と何か思い返すようにあっ、と声を出し再び研究員に対してこう言うのであった。
「なにか飲み物でも淹れましょうか?今日新しい紅茶とコーヒー仕入れたんですよ♪」
彼の名前は
「ははっ、ありがたいね。それじゃあコーヒーでも頂こうかな。淹れ終わる頃にはこっちも終わってるだろうから、ゆっくり飲みながらブリーフィングをしようか」
「わかりました。美味しく淹れてくるので、楽しみに待っていてください」
軽快な足取りで研究室を出て行く東堂を見送りながら、これは頑張らなくてはな、と気合を入れて調整を進める研究員であった。
ブリーフィングが終わり、東堂は今日の実験予定地である「民間人立ち入り禁止区域」の空き地に足を運んでいた。今回の実験がボーダーの仕事の一つ「防衛任務」と呼ばれる任務と並行して行われる為だ。
本来であれば正規隊員のチームがこの任務を行うことになるのだが、東堂は開発室所属唯一の戦闘員の為正規の隊+東堂といった組み合わせで、この任務に参加させてもらっている。
早く着きすぎてしまいました…。
こういった時間が決められた行事に対して彼は、予定の時間よりだいぶ早く来てしまう癖があり、始まるまで何をして待ちましょうか?などとそわそわ考えをめぐらせているのだった。そうこう考えていると無線が起動する音が鳴り、やがて一人の女性の声が聞こえてくる。
『こちら嵐山隊の綾辻です。東堂さん聞こえますか?』
「はい、こんにちは綾辻さん、今日はよろしくお願いしますね」
『こちらこそよろしくお願いします』
彼女は
嵐山隊の面々はついさっき向かったのでもう暫く時間がかかる、という報告をしたあと彼女は困ったような声色で
『ところで東堂さん』
「はい、なんですか?」
『まだ1時間も前なんですけれど、早すぎませんか?』
と東堂に問うのであった。
流石に早すぎましたね。 といつもの愛想よく笑う彼の声を聞いて、彼女もまた そうですよ、早すぎです。 などと笑い防衛任務までの間、談笑に花を咲かせるのであった。
ご感想、ご指摘等ございましたら、感想までよろしくお願いします。
次回からがっつり書いていく予定です。
それでは。