「その中でも特に如実なのは、やはり対人関係です。彼は無意識のうちに、人の好き嫌いを判別しています」
「そしてその分類は、彼以外の人から見たら、非常に不可解なものであると思います」
銀のカップを手にしながら、ロンはひたすら激怒していた。
いけ好かないスリザリン生、ドラコ・マルフォイが親友のハーマイオニーを「穢れた血」と罵ったからだ。
この行き場のない怒りをどうにかして発散し、共感してもらうために、彼は隣にいたエドガーに事の次第を説明することにした。
「――それはひどい」
「だろう? あいつが思いつくかぎりの最悪の侮辱の言葉だ。まったく狂ってるよ」
「うーん……。あ、クロス取って」
彼らはトロフィー・ルームにいた。
選抜試験が終わって校内に戻った後、スプラウト先生に新学期初日の空飛ぶ車事件の罰則として、管理人のフィルチと一緒の銀磨きを命じられたのだ。
ハリーがいないのは、銀磨きではなくロックハートのファンレターの返事を書く罰則を受けているからだ。これを聞いたとき、エドガーはつくづく銀磨きでよかったと安堵したものだ。あんないけ好かない教師の手伝いなんて、頼まれたってやるものか、と。ロンの方はそうでもなく、フィルチとの銀磨きよりはそっちの方がましだと思っていたようだが。
「はい。どうしたの? 何か言いたそうだけど」
「純血主義の両親のもとに生まれた子供が、反純血主義に育つ可能性はないのかなって思って」
ロンは思わず笑いそうになった。一緒にマルフォイを非難してくれると思ったのに、まったく見当違いなことを言われたので、力が抜けてしまったのだ。
――中世ヨーロッパなどで盛んに行われた魔女狩りをきっかけに、魔法使いの間には「反マグル思想」が広まった。その後、マグルから身を隠すことで魔法使いの結束がより深まり、さらに反マグルの姿勢が強まって「純血主義」の台頭に繋がっていった。マグル生まれや、マグル贔屓の者に対する侮蔑や野次の言葉が生まれたのも、ほとんどがこの時代だ。
時代が進むにつれて、魔法使いたちの心の傷も大分癒え、純血主義は今や下火になってきてはいるが、それでも完全になくなってはいない。魔法使いや魔女の誰しもが少なからずマグルに対する偏見を持っているし、古くから続く純血の家系、例えばブラック家やマルフォイ家などはいまだに反マグル、純血主義の姿勢を貫いているのだが……それでも例外はいるんじゃないか、というのがエドガーの考えらしかった。
「君、まさかマルフォイを更生させる気かい? 無理だよ、あいつは筋金入りの純血主義だ!」
「んー、そこまでじゃないけど……」
「悪いことは言わないよ。スリザリンの連中とは関わらない方がいい」
「でも、そういう対応はどうかと思うな。少なくとも、おれはスリザリンの人たちとも仲良くなりたい。4つの寮の生徒と等しく友達になりたいって思っているよ」
と、謎の友達計画を伝えたところ、ロンからは呆れたような、驚いたような顔が返ってきた。
しばらくはお互いに何も言わず、黙々とトロフィーを磨いた。
普段からフィルチが手入れをしているのであろうトロフィーには、目立つ汚れも曇りもほとんどなかった。それでも、エドガーはサボることはせず、小さな汚れを見つけては熱心にクロスで磨いた。
「学校に対する特別功労賞――トム・マールヴォロ・リドル」の盾を顔が映るほどピカピカに磨き上げたところで、「そういえば」と思い出したような口振りでエドガーが尋ねた。
「さっき、杖が逆噴射してたけど、なんだったの?」
「ああ……」
ロンは手にしていたクィディッチ杯を傍らに置き、ポケットから杖を取り出して見せた。杖の真ん中から2つに折れているのを、スペロテープで補強してある。
ロンはため息交じりに、空中ドライブの最後の硬着陸――暴れ柳に衝突しそうになったので、車酔いで瀕死だったエドガーが気力を振り絞ってグラウンドに着陸させた。その際、車体が数度跳ねるほどの衝撃を伴ったのだ――の衝撃で、気づいたらこの状態だったと告げた。
「おまけに、車もどこかに行っちゃって見つからないし」
「それ、大体おれのせいだよね……。ごめん」
「あのまま木に突っ込んでいたら、これ以上ひどいことになっていたよ。それに、これはチャーリーの、僕の兄さんのおさがりだから仕方ないよ。大分傷んでいたからね」
「でも、原因はやっぱり――」
「だからいいんだって。元々車を使おうって言ったのは僕なんだし。それに、また逆噴射しても、さっきみたいにエドガーが治してくれるから問題ないよ」
そう。
マルフォイにかけようとした呪いが逆噴射し、口からナメクジを吐く呪いをその身に受けたロンは、罰則の時間の五分前になってもその呪縛から逃れられないでいたのだ。「これでも大分治まってきた方なんだ」と言っていたが、このままではトロフィーにナメクジを吐き出し、罰則の時間を伸ばしてしまうことにもなりかねない。
青白い顔で口を押える彼をエドガーは何かを考えながら見つめていたが、ややあって何かを思いついたような表情をすると、杖を取り出して呪文を唱えた。
――「フィニート・インカンターテム」、呪文そのものを終わらせる呪文だ。2年生でこれを扱える生徒はほとんどいないだろうが、夏休みに祖母から徹底的に叩き込まれたエドガーにはなんてことない魔法だ。
もっとも、「インカーセラス 縛れ」の呪文をかけられ、「それが解けるまで食事抜き」という特訓を受ければ、否が応にも身についてしまう悲しい魔法でもあったが。ちなみに、2食抜いたところで呪文は成功した。
とにもかくにも、呪文を受けたロンは無事にナメクジから解放されたのだった。
「でも、毎回呪文を食らうのも大変だよね。……あ、そうだ」
「特別功労賞」の盾を元の場所に戻し、エドガーはポケットから杖を3本取り出した。思わずロンが驚いた顔をする。よほどの決闘マニアでなければ、杖の複数所持などほとんどない事だからだ。
アカシアに一角獣、イトスギにセストラル、スギの木に不死鳥。1年前、オリバンダーの店で3本同時にエドガーを認めた杖たちだ。普段使っているのはアカシアの杖だが、残り2本も授業以外で時々感覚を確かめるために使うので、どれも整備は怠っていない。
「おれの杖を貸すよ。順番に振ってみて」
「う、うん。驚いたなあ。これ、全部君の杖?」
ロンはまずアカシアの杖を手に取った。何度か振ってみたが何の反応もない。
そもそもアカシアは極めて珍しい杖用木材で、これで作った杖は扱いが難しい。多くの場合、持ち主以外の者が使っても魔法が発揮されず、また極めて優れた魔法使いでなければ最大の力を引き出すことができないと言われている。
「3本同時に認められたんだ。オリバンダーさんも、こんなことは初めてって言ってたよ」
「だろうね」
次に手を伸ばしたのはイトスギの杖だが、これも目立った反応はなかった。
中世においてイトスギの杖の持ち主となったのは、英雄として死すべき運命の魔法使いや魔女だったという。高貴な精神を持ち、自身と他者の心の闇に向かい合うことを恐れない魔法使いはそう多くはなく、それに加えて、強い力を持つが杖に馴染みにくいセストラルの毛を芯にしたこの杖を扱える者は君くらいだろうと、購入の際にオリバンダー老人がエドガーに説明していた。
当の本人ははてな、と首を傾げていたが。自分がそんなすごい魔法使いのはずがないとでも言いたげだった。
「それにしても、いいなあ。僕の家は兄弟がたくさんいるし貧乏だから、エドガーがちょっとうらやましいよ。あ、これなら使えそう」
最後のスギの杖はどうやら反応があったらしい。
スギの杖にふさわしい魔女や魔法使いは、敵に回すと恐ろしい相手になりうる。アカシアの杖とイトスギにセストラルの杖を持つ魔法使いに逆らう者がいるのなら、それは大変な命知らずじゃな、とこれまた購入の際にオリバンダー老人が笑いながら言っていたのをエドガーは思い出した。
……よくわからないけど、確かにロンを敵に回したら怖そうだ。ナメクジを吐き続ける呪いをかけられるかもしれないのだから。
「おれは、兄弟がたくさんいるのって楽しそうだと思うけどな」
「でも7人だぜ? 優秀な兄が2人、監督生のパーシーに、悪戯の才能があるフレッドとジョージ、それから妹のジニーは唯一の妹だからみんなから可愛がられている。6番目でなーんの才能もない僕なんて、兄弟の陰に埋もれるだけさ。杖借りるよ、ありがとう」
ロンは投げやりに言って、受け取った杖をポケットにしまい込んだ。それから、またクィディッチ杯を手にもってまた作業を再開する。
何か良くないことを言ってしまったのかな、とエドガーは眉を下げ、何か言おうと口を二三度開いたが、うまく言葉をまとめられなかったようで口を閉じた。
代わりに手近なトロフィーを掴んで、銀磨き粉を付けてクロスで磨き始める。
「……ロンにはチェスの才能がある。一年生の時、おれたちはその力に助けられた」
数十分経って、ようやく考えをまとめたエドガーがぽつりぽつりと囁きだした。
「さっきだって、友達を侮辱されてすぐに立ち向かう勇敢さを見せた。純血とかマグルとか、そういう偏見もなく、友情を育めるやさしさがある」
磨き終えて、一点の曇りもなく輝くトロフィーを元に戻して、エドガーはロンに向かって微笑んだ。
ふわりと花が開くような優しい表情に、思わずロンは目を丸くする。――いつもは普通に笑うのに、たまにこうやって人を動揺させるような表情をするから、エドガーは油断できないんだ。彼はきっと、無意識にたくさんの生徒を惹きつけていることを知らないのだろう。
「だから、きみがなんと言おうと、おれはロンの事を誇らしい友達だって思ってるよ」
「ありがとう。まったく、君の将来が末恐ろしいよ」
「え、何の話? ていうか、それ前も言っていたよね?」
「さあね」
その後しばらくロンを追及したが、彼は何も言わないので、エドガーも諦めてまた銀磨きの作業に戻った。
作業開始から3時間経った頃、様子を見に来たフィルチが2人(主にエドガー)の仕事が想像以上に速く丁寧だったことに驚き、また粗もないことから、彼らは当初の予定よりも大分早く解放されることになった。
「銀磨きもなかなか楽しかったね」
「そんなことを言うのは、学校中でも君1人だろうさ」
「そうかな。じゃあフィルチさん、また何かあったらよろしくお願いします」
今まで生徒たちから嫌われ罵られこそすれ、罰則の後だというのに頭を下げられることなど初めての経験だったらしいフィルチは、しばらく口を開けてエドガーを見つめていた。やがて、彼は何も言わず鼻を鳴らして事務室に戻っていった。
「君、やっぱりすごいよ」
そんな後ろ姿を見送りながら、ロンが独り言のように呟いたのを、エドガーは聞いていなかった。
+
校庭や城の中に湿った冷たい空気を撒き散らしながら、10月がやってきた。
先生にも生徒にも急に風邪が流行しだして、校医のマダム・ポンフリーが忙しそうに動き回っているのと、周囲が止めるのも気にせずにハンナがそれを手伝う姿がよく見られた。
特製の「元気爆発薬」はすぐに効くが、これを飲むと数時間は耳から煙を出し続けることになる。校内の風邪がちょうどひと段落すると同時にハンナが倒れた時には、他の人の倍の量を飲まされて耳からもくもくと白煙を上げていた。
マクゴナガル先生の個人授業は、そのような中でも変わらず行われた。
「良いですか。魔法とはそもそも、脳内で理論を組み立ててから行使するものです。ただ闇雲に呪文を唱え、杖を振り回せば良いというものではありません。さあもう一度。杖を構えて、集中するのです」
ある土曜日の午後9時すぎ。変身術の教室では、いつもと同じようにエドガーが「動物もどき」の訓練をしている真っ最中だった。
瞳を閉じて、杖を構えて意識を集中させる。魔力の渦が体を包み込むのを感じながら杖を振るが、エドガーの体は人間のまま、何の変化も見せなかった。それも無理ないことだ。動物もどきは優れた魔法使いですら習得に数年の月日を要する非常に複雑な魔法だ。いくら同級生の中で抜きんでた変身術の才能を持つとはいえ、まだ12歳の少年が2か月にも満たない練習時間でなれるはずがない。
「っ、はあ、まただめか。もう少し……何か掴めそうなんだけど……。先生、もう一度いいですか?」
「よろしい。やってごらんなさい」
また杖を構えて、意識を集中させる。魔力の渦に包まれたのを感じ、杖を振る。すると――一瞬、右腕が柔らかな毛に覆われた獣の前足に変化した。ほんのわずかな時間だけだったが、それでも変身できたと認識するには十分すぎる時間だった。
「先生、今の」
「ええ。よくやりましたね、クロックフォード。今の感覚を忘れないようにしなさい。変身させる領域と時間を少しずつ広げていけば、必ず習得できるでしょう」
「はい!」
「では、本日の授業はここまでです。また来週同じ時間に。くれぐれも、他の時間で動物もどきの練習をしないように。万が一のことがあっては大変ですからね」
「もちろんです。ありがとうございました」
荷物をまとめて、軽い足取りで教室を後にするエドガーの後ろ姿を見つめて、マクゴナガル先生は微笑んだ。
――彼女もまた、在学中、当時の変身術の教授だったアルバス・ダンブルドアに動物もどきを教わった生徒だったのだ。個人授業の度に無意識に彼と自分の姿を重ね、毎回過去を思い出して懐かしい気持ちになる。
マクゴナガルは猫に変身すると、一声だけ小さく鳴いた。
+
アーガス・フィルチは憂鬱だった。
数日前から風邪を引いていたし、今日は3年生の誰かが爆発事故を起こして地下牢の天井いっぱいに蛙の脳みそをくっつけたものだから、午前中ずっとそれを拭き取らなければならなかった。
それが終わったと思ったら、午後には「生き残った男の子」だとか「魔法界の英雄」だとか言われてもてはやされ、ホグワーツを荒らしまくっている(と、彼は思っている)憎き生徒、ハリー・ポッターが泥水で廊下を汚しているのを見つけてしまった。もう、我慢の限界だった。
汚したことをちっとも反省せず「ほんのちょっぴりの泥です!」と言い訳するハリーを事務室に連れてきて、見せしめとして処罰しようとしたところで、天井からバーン! と大きな音が響き渡った。見なくてもわかった、ピーブズの仕業だと。
ピーブズはこの学校のポルターガイストで、ニヤニヤしながら空中を漂い、騒ぎを引き起こしてはみんなを困らせることを生き甲斐(彼は幽霊だが)にしている厄介者だ。フィルチも散々手を焼かされている。
ここで、いつもの癖で現場に走ってしまったのは、フィルチにとって大きな失敗だった。
駆け付けた現場には「姿をくらます飾り棚」が無残な姿で転がっていた。
この道具は中に入れたものを対となる飾り棚との間で送受ができるもので、フィルチは用途や使用方法こそわからないが、大変貴重で値打ちがあるものだということは知っていた。だから、これをピーブズが壊したことで奴を追い出せる口実ができたと心底満足していた。
――勝ち誇った顔で事務室に戻り、「クイックスペル」の封筒が元の位置から60センチずれたところに置かれているのを見るまでは。
ハリーは封筒の中身を見ていないと言った。しかし、それが嘘であることを見破るのは容易かった。激しい怒りと羞恥を抑えるのに精いっぱいだったフィルチは、彼に何の罰則も与えずに寮に帰した。誰にも言うなと釘を刺して。
そうして、1人になった事務室で、愛しい相棒のミセス・ノリスを抱きしめながら深い深いため息をついた。
アーガス・フィルチはスクイブだ。魔法使いの間に生まれながら、魔法を使うことができない言わば出来損ないだ。そのせいで魔法学校に入学することも出来ず、周囲からは後ろ指をさされ、物悲しくてうらぶれた人生を送っていた。
そんな中で舞い込んできたホグワーツ校の管理人という職は、まさに降って湧いた幸運。もちろん二つ返事で了承し、当初は清々しい気分で職務に当たっていた。
ところが、生徒たちは皆フィルチがスクイブだと知ると途端に強気な態度を取り、わざと校内を荒らしたり校則を破るなど好き放題に振る舞った。スクイブであることを隠して働くようになっても、やはり生徒たちはフィルチの言う事を聞きもしなかった。
魔法が使えない自分に対し、魔法力を持った未来ある生徒たち。劣等感と嫉妬はいつしか手に負えないほど膨れ上がり、気づけばフィルチは校則を破った生徒に対して厳しい体罰を与えるようになっていた。そうして、ますます生徒たちとの溝が深まっていく。
今となっては、彼は自他ともに認める「校内1の嫌われ者」だったし、もうそれでいいと思っていた。相手がこちらを警戒して近寄ってこなければ、
「あ、こんばんは、フィルチさん」
飾り棚の片づけをしていると、廊下の向こうから1人の生徒が姿を現した。フィルチの姿を見ると、軽い足取りで近づいてきて、しかも親しげに話しかけてくる。
――このエドガー・クロックフォードという生徒の存在は、フィルチにとって非常に難解なものだった。
癖のないさらりとした黒髪、利発さと悪戯めいた光を湛えた灰色の瞳、均衡のとれた四肢。その容姿の特徴は、かつて毎日のように果てしない戦いを繰り広げた問題児4人のうちの1人を、否が応にも思い出させる。彼らは今校内を騒がせるフレッドとジョージ・ウィーズリーと同じくらい、フィルチの手を煩わす存在だった。それだけに、当初は彼を必要以上に警戒していたが、それは杞憂だった。エドガーはたまに何を考えていることがわからないところがあるが、これまでの問題児たちのような行動はとらなかった。
しかし。
「聞きましたよ。第5地下牢で爆発事故があって大変だったって。呼んでくれたらお手伝いに行ったのに。……あれ、鼻が赤いですけどもしかして風邪ですか? それならすぐ医務室に行かないと。『元気爆発薬』を飲めば、あっという間によくなりますよ」
これまでのどの生徒とも違う、対等、あるいは格上の相手に対する態度で接してくるエドガーは模範生であると同時に、フィルチにとっては別の意味での問題児だった。つまり、「接し方がわからない」。
何も言わないフィルチを不思議に思ったエドガーが、ふと視線を下に移した。そこには片付け途中の飾り棚の欠片が散らばっている。
「あ、ごめんなさい。片付けの途中で声を掛けて。ええと、お手伝いしましょうか?」
「……いや、いい。さっさと寮に戻るんだ」
「はーい。じゃあ手が必要な時はいつでも言ってくださいね。おやすみなさい」
にこにこと穏やかな笑顔を浮かべて、エドガーは去っていった。
フィルチには、まったくもって彼の行動原理がわからない。なぜこんな自分に話しかけてくるんだ。なぜ仕事を手伝うと言ってくれるのだ。なぜなんだ。
思案に暮れながら、フィルチは飾り棚の片づけを再開するのだった。
設定その4
ザカリアス・スミス
原作に登場するハッフルパフの生徒。金髪で鼻が上向き。
始めは嫌味な少年だったがエドガーやスーザンらとの交流の結果、その性格は大分軟化した。
今では立派ないじられ役兼ツッコミ。
ジャスティン・フィンチ-フレッチリー
原作に登場するハッフルパフの生徒。くるくるカールした茶髪。
マグル生まれ。マグルの知識を教えて、みんなが驚いたり興味を持ってくれるのが最近の楽しみ。
明るくて礼儀正しくて、少し抜けている。
アーニー・マクミラン
原作に登場するハッフルパフの生徒。金髪で太っている。
由緒正しい家系に生まれ、成績も優秀。目立つ欠点は、もったいぶって大げさに話す癖か。
ツッコミもボケも一通りこなせるオールラウンダー。
ヘルメス
パーシーが監督生就任祝いにかってもらったふくろう。
エロールを運ぶ手伝いをしてくれるので、ネセレのことは気に入っている。
(今回は唐突な三人称でした)