帰省
熱くなっていたテニス解説者も、プロ野球の熱く盛り上がったシーンも息を潜め、秋も深まりやや涼しくなってきたIS学園。
ぶっちゃけ海の上に建っているので涼しいとかいう次元ではなくなってきていることは置いておこう。
そんなすでに寒くなってきたIS学園の全校集会で、更識楯無は壇上に立っていた。
「それでは、これより秋の修学旅行についての説明をさせていただきます」
おおーっ、という女子の歓声の中に微かに、いよっ!という男の声が響いた。
「今回、さまざまな騒動もあり延期となっていた修学旅行ですが、またしても第三者の介入が無いとは言いきれません」
一瞬、鋭く視線を走らせる楯無。
え、この時期で延期とか普段どんなタイミングで修学旅行行ってたん?とシャルロットに聞く時守。
結果、答えとして苦笑いしか帰ってこず、再び壇上へと視線を戻した。
「―と、いうわけで。生徒会選抜メンバーによる、修学旅行の下見をお願いするわ。メンバーは専用機持ち全員。それから、引率には織斑先生と山田先生。以上です」
どこに行くのかを言わなかった楯無だが、周囲の反応は至って普通。
大半から『いいなぁ』という意見が出ていた。
そしてそれは、1年の専用機持ちにも言えることだった。
「どこに行くのだろうな。やはり、京都か広島か?長崎や北海道、沖縄かも知れんな…」
「へぇー、日本ってそんなに修学旅行に行くところがあるんだぁ。楽しみだね、ラウラ!」
「うむ!どこも行ったことがない所ばっかりだからな!楽しみだ!」
箒、シャルロット、ラウラが会話を弾ませる一方、セシリアと鈴の顔色は優れていなかった。
「なぜわたくしがそのようなお使い紛いのことを…。だいたい、英国のロンドンに勝る古都があるとは、到底思えませんわ」
「どーせ、また京都とか言うんでしょ?飽きたのよ。なんで日本って修学旅行といえば京都なの?」
「俺の中学沖縄やったで?」
露骨に嫌な表情をする2人に話しかける、内心うっきうきの時守。
それもそのはず、彼は関東圏での修学旅行は初なのだ。
「鈴ちゃんには一夏くん、セシリアちゃんは私たちと一緒に剣と同行してもらうわね」
2人のその表情は、楯無の一言で180°逆転した。
「このセシリア・オルコット。皆さんと共にミッションを遂行することを誓いますわ」
「え、ちょ、嬉しいけどさぁ…。セシリア、気合い入りすぎじゃない?」
「何を言ってますの!?修学旅行の下見に、剣さんと―」
「あー、はいはい分かった分かった。って話さなくていいって…。あー、もー、やぶへびだったー」
セシリアから好きな人と共に旅行が出来る良さをひたすら聞かされ、再びげんなりする鈴。
箒、ラウラが一夏と同行出来ないことにショックを隠せない中、時守は1人、更にうきうきしながら集会に参加していた。
◇
「では、今回の修学旅行の下見の本当の目的を話します」
楯無に呼び出された専用機持ち全員が、生徒会室に集まっていた。
そこにはもちろん、先日の『ゴーレムⅢ襲撃事件』の際にも活躍した、ダリル・ケイシーとフォルテ・サファイアも座っていた。
「今回はISの修復を終えたフォルテとダリルも参加する全戦力投入となるわ」
『戦力』という言葉を聞き、1年生専用機持ちの女子からざわめきが起きた。
そのざわめきを止めたのは、司会をしていた楯無ではなく、時守とフォルテだった。
「全戦力投入って、亡国機業に?」
「えー、やっぱやるんすか?ダルいなぁ…」
「あら、知ってたの?」
「知ってたっつーか、本国に帰った時にちょいと耳にしただけっすよ」
内容と反し、少し間の抜けた口調で話す2人と楯無だが実力は3人とも折り紙つき。1年生の専用機持ちは会話に入っていけなかった。
「お、フォルテ無茶すんなよ?ただでさえちっこいのにミジンコみたいになんで?」
「そんなになるわけないっす。…てかセンパイ、こういうの意外とやる気無いと思ってたんすけど…」
「あぁ?燃えるに決まってんだろこんなもん」
小さい体に猫背のフォルテと優れたプロポーションにしっかりとした背筋のダリル。
その2人の性格の違いは、身体の肉付きにもやる気の違いにも良く現れていた。
「ま、専用機のバージョンアップもあったしな。薄々そんな気がしてたってだけだ。根回しが良いな、生徒会長」
「IS学園の名を借りただけよ。…というわけで、みんなには嘘偽りなく国際的テロ組織、亡国機業へ攻撃を行ってもらうわ。情報収集は私が担当、みんなには個別に役割を秘匿回線で伝えるわ」
相変わらずマイペースなフォルテとダリル、そして先ほどから口の中で飴玉を転がしている時守も含め、室内に緊張が走っていく。
「それでは各自、出撃に備えて。解散!」
「はいっ!」
勢いよく、1年生グループが返事をする。
その向かいで、おうっ!と1人でかい声で返事をした時守が、ダリルとフォルテにおちょくられていた。
「ってことになってたのに…」
その翌日、1年生専用機持ちは全員、ショッピングモールへと買い物に来ていた。
「なんでみんな普通に視察旅行として楽しもうとしてるんだ…」
「まあぶっちゃけそんな強ないしな」
「へ?…亡国機業が?」
「おう。お前らにも言うたやろ?前にその部隊の隊長とやり合った時にボッコボコにしたって」
「まあ、話には聞いてるけど…」
作戦に意気込んでいた一夏とは真逆に旅行を楽しもうとしているヒロインズ。
嘆く一夏に、時守が声をかけた。
「ま、戦うってなったらその時やろ。幸い数はこっちの方が有利。前やった感じやと、流石にこっちが2で向こう1に負けるような強さちゃうかったしな」
「でも…」
「それこそ、短期間でテロリストをマンツーマンで倒せる程には強なれへん。それやったら、ペアになるかも知れん友達とより仲を深めた方がええやろ?」
「…そう、だな」
わいわいと騒ぐヒロインズ達に時守が近づいていく。
「まあでも、それで不安やってんなら俺が1人で引き受けたるわ」
「へっ、そんなことさせるわけねぇだろ?これでも最近マシにはなってきたんだぜ?」
「ほーん。…なら、期待しとくわ。俺らも行くぞー!」
「おう!」
セシリア達の方へ時守が。
箒達の方へ一夏が合流する。
「…あ。そういやさ、俺ぼーっとしてて聞いてへんかってんけど今回の修学旅行ってどこ行くん?」
「え?鈴の予想通り京都だけど…、どうしたの?」
「いや、もしかしたら俺の地元寄るかも知れへんって思っててんけど流石に無いなーって」
「うーん。でも、大阪なら京都とのアクセスもいいんじゃないの?」
「…え?俺、地元大阪ちゃうで?」
瞬間、時守以外の時が凍った。
「……え?い、いやいや…。嘘、だろ…?」
「何驚いとんねん。やから、俺地元大阪ちゃうねんって」
「……もう、1度言ってくれないか?師匠…」
「何回でも言ったるわ。俺の地元は大阪ちゃいまっせ」
「な、ならば一体、どこですの…!?」
「け、剣!ちゃんと誤魔化さずに言ってね!」
「私達は今まで凄まじい誤解をしていた可能性があるな…」
「あ、アタシてっきり大阪だとばかり…!」
「…ごくり」
時守以外の7人が彼に詰め寄り、一気に問い詰める。
驚愕のあまり表情を失った一夏に、耳を疑うラウラ。困惑のあまり震え出すセシリアに、彼の両肩を揺さぶるシャルロット。やたらと真剣な表情で考え出す箒と鈴、そして、生唾を飲み込んだ簪。
彼の答えは―
「う、そ!」
―鈴の鳩尾へのアッパーにより、その二文字しか聞き取られなかった。
◇ ◇
「なあ鈴。そろそろ本気出してや。いい加減20連勝のババ抜きとかおもんないねんけど」
「うっさいわね!てかなんでアタシだけなのよ!」
「あの時ぶん殴られたのが気に食わんかった」
時守が鈴の手札から、一枚を引く。
絵柄を見ることすらせずに、すでに持っていた一枚と合わせて捨てる。
「はい、俺の勝ちー」
「はぁっ!?なんで手札見てないのに分かんのよ!」
「お前の顔見てたら分かるわ」
「…ババ抜き中に人の顔ジロジロ見てたの?」
「なんや。恥ずかしかったんか?顔から考え読み取っただけやで」
出発を控えた新幹線の中で、時守は鈴とババ抜きに勤しんでいたのだ。
21回目のババ抜きに差し掛かろうとしたその時、荷物を置き終えたシャルロットが財布を持って2人の側に立った。
「剣も鈴も、何か欲しいものは無い?」
「シャルロット、お前が欲しい…」
「剣…」
「ほんといい加減にしなさいよアンタら!なんでアタシが目の前でこんな3流昼ドラみたいな展開見せつけられなきゃいけないのよ!もうセシリア2回と簪3回、楯無さんの2回と合わせて8回目よ!?」
「俺の対面に座ったお前が悪い」
それもこれも、ショッピングモールで鈴が時守に腹パンを食らわせたせいである。
他のメンバーはさほど気にしておらず、ただ時守の発言に驚いていただけなのだが、変に雰囲気を作りすぎた上で満面の笑みで嘘を吐かれたと分かった瞬間、鈴は止まれなかったのだ。
「はぁ…。で、またババ抜き?」
「いや、今度学園帰ってきた時に模擬戦しよや」
「…まあ、そんぐらいならいいわよ」
「新しく出た武装でフルボッコにしたるわ」
「はっ、言ってなさいよ。今に負かせてやるから、覚悟してなさい」
と言いつつ、国連代表にボコボコにされて英国国家代表候補生に慰められながら仏蘭西国家代表候補生に苦笑いを向けられ、日本国家代表候補生、独逸国家代表候補生らと共に露西亜国家代表と国連代表の戦いを見る中国代表候補生が、数週間後にはいるのだが。
「よっ、悪い悪い。遅れた」
「びよ゛ごお゛お゛お゛お゛!!!」
「…おいワンサマ。ラウラどないしてん」
「なんか駅弁のひよこを買えなかったからって泣いてるみたいなんだが…」
「へぇ…。ならラウラ。お前がアレ食うんやったら、ひよこエグいことなんで?」
「………ふむ、それもそうだ。…なら、ショーケースに入っているのを眺めるだけで良かったな。感謝するぞ、師匠!」
「手慣れてんなおい」
出発間際になって車両に入ってきたラウラと一夏。
泣きじゃくっていたラウラをあっさりと泣き止ませた時守の元に、今度は楯無が寄ってきた。
「ねぇ剣くん。ちょっとお話、いいかしら?」
「お?…あぁ。ええで」
すまん、と一言かけてシャルロットを跨ぎ通路へ出て歩く。
一夏たちと楯無と時守の2人を、鉄のドアが隔てた。
―――
――
―
「で、どないした…って、ちっふー先生?」
「相変わらず、マイペースなやつだな。お前は」
「褒めてます?それ」
新幹線の車両のドアを越えた先、自動販売機などが置かれているその小さな空間に、楯無と時守、そして千冬はいた。
「早速だけど、本題に入るわ、剣くん」
「おう」
「私がこの前剣くんに任せた役割は『奇襲』。故郷を懐かしむフリをしながら索敵をし、見つけ次第一撃で仕留めるというものだったわ」
「だが、ここに来て状況が変わった。更識の家の者が厄介な情報を手に入れてな。お前の役割を変更することになった」
「変更、ねぇ…。ちなみに厄介ってのは?」
先日の作戦会議の後。楯無から時守に当てられた役割は、いわゆる見敵必殺。その優れた索敵とスピードを生かして敵の数を減らしていく、というものだった。
「…イタリア国家代表、アリーシャ・ジョセスターフの目撃情報、並びに篠ノ之束の目撃情報も上がっているんだ」
「…てなると、亡国機業だけを相手にするわけにもいかへんかもってことか」
「そう。私は本部を置かせてもらう旅館を簡単には離れなれないから、実質剣くんにリーダーを任せることになるかもしれないの」
楯無の作戦。アレは、亡国機業用に立てられたものだ。
向こうの戦力は、分かっているだけで『ゴールデン・ドーン』、『サイレント・ゼフィルス』、『アラクネ』。+αでゴーレム数体といったところ、のはずだった。
しかし、このタイミングでイタリア国家代表と篠ノ之束の目撃情報が上がったということは、何かがあると踏むに越したことは無い。
「ほな、俺の役割が『奇襲』から『最後の砦』って感じか?」
「えぇ。…ごめんなさい、こんなことを任せてしまって」
「構わんわ。…そもそも、強なるために国連代表になってん。こうして頼ってもらえる方が、守られるよりも万倍マシや」
「私も真耶も、あまり使い物にならんだろう。申請はしているが、ISの使用許可が取れるか分からんからな」
「うっす」
「話はそれだけっ!…さ、後は京都までの新幹線、楽しみましょ?」
むぎゅ、と時守の右腕に楯無が抱きつく。
瞬間、千冬の顔に影が落ちた。
「なぁおい更識。…お前、私に見せびらかせているのか?お?」
「あ…、い、いえ。そういう訳ではなくて、その…。つ、つい剣くんと一緒にいると…えへへ…」
楯無は上手く弁明したつもりだった。
しかし、今のセリフで千冬の心に幾度となくトドメを刺していた。
冒頭の「あ…」でうっかりと、自然な形でしてしまっていたことを千冬に知らせ。
その後の言い訳を考える仕草も、普段の楯無では考えられないような乙女に染まった、ただの恋する少女そのもの。
ほんのりと赤くなった顔で彼の顔を見る仕草自体、千冬の心を抉る。
そして「つい」という言葉、そして最後の「えへへ…」と照れ。
刀奈のその動きが、未だ彼氏も好きな男も出来なかった千冬を殺した。
「…おい時守。お前も今、こいつに何かしようと考えてただろう…」
「えっ、嘘。なんで分かったんすか?」
「…これほどカマをかけて成功しても嬉しくないことなど初めてだ」
ちなみに時守が考えていたこととは、やべぇキスしてぇ。である。
「だ、大丈夫っすよちっふー先生。顔は整ってますし、スタイルも抜群。しかもできる女感満載やないっすか」
「そ、そうですよ織斑先生!」
「後はちょっとだけぽんこつ入れば可愛いもんっす、よぉっ!?」
危険を察知した時守の顔が左に傾く。
元々顔があった所には、千冬の右腕が綺麗に伸びていた。
「か、可愛いなどと、私に言うな…」
「…今の照れ隠し?」
「……織斑先生の彼氏さん、頑丈な人じゃないと務まらないわね」
照れ隠しで顔面にストレートを打ってしまう織斑千冬に、恋路は来るのか。
◇ ◇ ◇
「まもなく京都、京都です。ウィール・メイク・ア・ブリーフ・ストップ・アット・キョート」
「うーわ、ガッチガチやん。変なアナウンス」
「ちょ、おい剣。まじでやめろよ?」
話し合いも終わり、楯無と共に専用機持ち達が待つ座席へと座った時守が時間を潰していると、新幹線が京都に近づいた。
それと共に流れたアナウンスに、いつもの如く関西人がケチを付けた。
「あ、次はー、京都ー、京都ー、です。お降りの際はお忘れ物の無いよう、ご確認よろしくお願いしーますっ」
「ぶっ、ぎゃははははっ!上手すぎだってのそれ!」
「ほ、ほんとダメ…!それ、ツボ…!」
「ひっ、ひー!ひー!」
「そ、そんなに電車の、乗らないけど!だ、ダメ…!可笑しい…!」
「相変わらず上手すぎでしょアンタ…、くふふふ…、あー!お腹痛いー!」
良くいる駅員のモノマネ(中川〇風)をすると、一夏、簪、箒、楯無、鈴といった日本の電車に割と乗ったことのあるメンバーが爆笑する。
対して、シャルロットやセシリア、ラウラにダリル、フォルテといった日本の電車にほぼ乗ったことがないメンバーは、首を傾げるだけだった。
「…何がそんなに面白いんですの?」
「い、いや、セシリア、あんたも1回で良いから日本の普通の電車乗ってみなさい?動きとか完璧すぎてほんと、笑うしか出来ないから」
「そ、そうですの?では、剣さん…いつか…」
「おう、ええで」
会話をしながらも着々と爆笑しているメンバーの荷物を下ろし、外に出る準備をちゃっかり済ます辺りオバチャン化している時守。
「…『金色』使えばまとめて持てるんじゃね?」
「やめろ馬鹿」
ガンっ!と金属がぶつかるような音が時守の頭で鳴った。
振り返れば、千冬が拳を掲げていた。
「殴りました?」
「あぁ」
「…痛ったぁ…」
「痛覚鈍り過ぎだろお前」
「あ、ダリルさん。ちっす」
「おう」
なぜ人の拳と人の頭がぶつかってそんな音が鳴るのか、爆笑と準備に包まれるその車両の中で、気にする者はいなかった。
さらにそこから時守が幾つかのネタを息をするように出し、楯無ら日本人が爆笑しているといつの間にか京都に着いた。
ぞろぞろと車内から出ると、京都駅名物の長い階段が姿をあらわした。
「おー、ここで集合写真撮ったらすごい良さそうだな」
「せやな。…お、ワンサマカメラ持ってるやん。ちょい貸して」
「あっ、おい!」
一夏にとって、千冬との思い出の品であるカメラを借りた時守がどこかへ走っていく。
「何してんのアイツ」
「…ふむ。どうやら写真を撮るのを頼んでいるようだな」
「え、えー…。よりによって、観光客の人に頼んじゃうんですか…?」
鈴がボヤき、千冬が彼の行動についての解説をした所で、真耶から至極真っ当な意見が出た。
一夏の意見を聞いた時守が駆け寄っていったのは、明らかに地元民ではない、金髪碧眼で地図を手にしていた背の高い外国人。
周りに人がいるのにも関わらずなぜその人を選んだのか。
「あ、了承してもらいましたわね」
「話し声が小さく聞こえたけど、全然英語話してなかったよね…」
「あぁ。むしろ、頼むわー!などと聞こえたからいつも通りに話してたんだろう」
「…それで外国人を連れてくるって、どうなってるの…」
外国人が笑みを浮かべて頷いた。どうやら了承してくれたようである。
一足先に戻ってきた時守が、概要を話す。
「なんか京都に来たおっちゃんらしいから、その人に撮ってもらうわ」
「いや、まずなんであの人に頼んだんすか?」
「え?いや、普通に日本人に頼むとさ、俺ら今IS学園の制服やで?めんどいことなるやん」
「…あー、…なるほど、な」
ある意味正しい意見が出て、一同からこれ以上疑問が出なかった。
それもそのはず。冷静に考えれば元世界最強の織斑千冬と、男性操縦者の2人、さらにはロシア国家代表の楯無に各国代表候補生の綺麗所が揃いも揃ってIS学園の制服を着ているのだ。
事情をそれなりに知っている日本人に見られれば、間違いなく面倒ごとになる。
「アー、ホナイキマスネー!ア、ソコノオフタリモチョットダケヨッテー!」
「すっげえカタコト関西弁だな」
「ハイッ!サン、ニー、イチッ」
カシャッ!とシャッター音が響く。
「ア、モウイチマイイキマッセ!」
カシャッ!とシャッター音が再び響く。
「サイゴ、ジユウニ!」
自由に、と言われた瞬間、各々が動き出した。
ダリルとフォルテはキスをしようと。
流石にそんな光景を集合写真に載せるわけにはいかない、と千冬が焦りながら止めに。
時守の身体にシャルロット、セシリア、簪、楯無が抱きつき。
その時守は一夏の頬を左手で掴み、強引に変顔にさせ。
その一夏の左頬にキスをしようとするラウラ。
彼女を止めるべくISを展開しかける箒と鈴。
そんな2人を見て、顔を青くしながらムンクの叫びのように両手を両頬にやる真耶。
一夏の思い出に、全員が笑顔で写る最後の写真が加わった。
iphoneを充電するUSBケーブルがすこぶる調子悪くて、充電しては、せずを数秒で何十回も繰り返しとる…。
梅田のヨドバシで買った純正やのに…。
後書きに少し書きたいことがありますが、書いてしまえば読んでくださっている読者様に嫌な思いをさせてしまうかもしれないので、もしかすれば活動報告に書いてるかもです。
無いかも知れませんが(優柔不断)
コメント、評価よろしくお願いします。