IS 西の男性操縦者   作:チャリ丸

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8巻を返してくれ、我が友よ…!

久しぶりのギャグ(?)&ちょいエロ(?)回。8巻の内容があんまり思い出せないので新作に手を出してしまうかもです。


原作8巻 ワールド・パージ編
平和な日常


「へっ、へっ……フビライハンっ!」

「凄いくしゃみだな」

「ヘブライ語ではなくフビライハンなのか」

「…特に意味は、無いと思う」

 

いや、マジ。簪の言う通りやって。モッピーもラウラも高々くしゃみ如きでハードル上げやんといてや。

件の『ゴーレムⅢ』襲撃事件から数日が過ぎた。その間、皆の身体が完治したらことを除けば、特にこれといった重要なイベントも無く、体育祭や期末テストまでは時間があるという学生の中で最も微妙な期間の中、久方ぶりに俺はのんびりと過ごしていた。

 

「…あ゛ー。しんど」

「剣さん、最近よくくしゃみをされますわね」

「たまにあんねん。ふっ、へっ…香港っ!」

「どんなくしゃみしてんのよ」

「見事にアジア攻めだな」

 

やから関係ないって、鈴、ワンサマ。たまたま語呂が良かったから出てもただけであって、特に意味とか何も無いからな?

 

「もー、ほんま嫌やわ。くしゃみ嫌い」

「ここにきて、剣くんの意外な弱点発見ね?」

「ん?あぁ、まあせやな。後はデパ地下とかにおる香水くっさいオバハンとかマジ無理」

「弱点が斜め上過ぎではないか?」

 

そうは言うてもやな、モッピー。普段慣れてへん奴にはアレキツイねんで?鼻ひん曲がるかと思うし、ちょっと意識してもたら吐くかと思うもん。

 

「ずびっ。…あー、めっちゃ暇」

「悠長で良いわよねぇ、アンタは」

「あん?どゆこと?」

「剣も分かってるとは思うけど、皆本国から色々と言われてるんだよ?」

「…なんかごめん」

「大丈夫。そもそも、モンド・グロッソで勝つためには、必要なことだもの。剣くんに責任は無いわ」

 

そうは言うものの、カナや、代表候補生の表情は明るくない。苦笑いをしている者が大半だ。

恐らく、というか確実に俺のせいなのだが、各国が第二形態移行を目指して可能性のある操縦者に発破を掛けまくっているらしい。主な面子は、IS学園に通っている生徒。つまりはいつものメンバーである。

このままでは国連一強になってしまうのを恐れているのかは分からないが、ぶっちゃけ俺としては誰がどう来ようが勝つだけなので関係ないのだ。

 

「…ん?もしかして、第二形態移行の話か?」

「お前今まで何話聞いとってん」

「わ、悪い悪い。でもさ、やっぱり短期間でやろうとするのは無理なんじゃないか?」

「…どういうことよ、一夏」

 

一夏の言葉に、鈴が眉を顰めて反応する。

言葉だけ聞けば、先に第二形態移行を済ませた者の余裕からのアドバイスのように聞こえるが、そうではない。

 

「まあ確かにな。俺ら、死んだからISが第二形態移行してくれたし」

「あぁ、なるほど」

「楯無さん。『霧纏の淑女』の第二形態移行にはどれくらいの期間が?」

「うーん…。良く覚えてないけど、確か1年ちょっと、だったかしら?」

「な?んな短期間で第二形態移行しようなんて、それこそ1回死ぬしか無いって」

「…ちょっと、死んでくる」

「アタシも」

「じゃあ僕も!」

「待て待て待て」

 

IS学園で各国の専用機持ち達が集団自殺とかマジ笑えへんわ。てかカナとかセシリーとかシャルとか簪に死なれたら俺も死にたくなる。

 

「…なら、地道に努力するしか無いのか」

「あれ、何でやろ。ラウラがまともに見える」

「なにっ!?私は元からまともだぞ!」

「それは天地がどうひっくり返ってもミリ単位でありえへんから安心していつも通りにしとけ、な?人間それが1番や」

「…むぅ。師匠がそこまで言うのなら、そうしよう」

 

なんやろ。敵襲とか以外でどんどんラウラがただのポンコツになって行ってる気がする。…流石に俺とシャルで甘やかしすぎたか?

 

「なんていうか、平和ね」

「むしろ今までがおかしかったんちゃう?」

 

鈴と俺がそう言うと、皆が微笑んだ。何この謎のドラマの一コマみたいなん。あ、あかん…っ、また出る…!

 

「ふっ、へっ…フランシスコザヴィエルゥゥゥイヤッ!」

「剣、わざとしてるだろ?」

 

当たり前やろ。こんなくしゃみデフォルトで出るやつおったら逆に見てみたいわ。

 

 

「はぁ…」

「発情すんな変態」

「してねぇよ!」

「えっ…。これから体位測定やのに女子の身体で反応せぇへんの…。こわっ」

「だから違うって!離れるな!尻を押さえるな!」

 

数日後の放課後。俺とワンサマは更衣室で制服から体操服に着替えていた。何故か。簡単である。女子の体位を測定があるからだ。測定係は俺とワンサマ。ほんまにここの首脳陣頭どっかおかしいと思うわ。

 

「いや、モッピーにパイタッチワンチャンやぞ?お前」

「お前それ本人に絶対言うなよ?」

「おっけ分かった」

「フリじゃねぇからな!?」

 

織斑姉弟は2人揃ってフリが上手いから困る。つまりはアレか。モッピーに、『ワンサマがお前の身体になんも感じひん』って言えばええんか?…いや、これ俺がただ単にセクハラ野郎になるだけやん。

 

「分かったって。俺は言わんから、とりあえずどっか褒めたれ」

「お、おう?」

 

よし。これでとりあえずワンサマが爆死することは確定した。あのモッピーがワンサマに自分の身体のこと言われて普通でいれる理由ないもんなー。

 

「あ、山田先生。こんちゃっす」

「すいません、織斑くん、時守くん。書類を集めるのに手間取ってしまって…」

「や、山田先生!?」

 

男2人でやいのやいのしていると、山田先生がいくつかの書類をカゴに入れ、更衣室に入ってきた。

 

「あ!もしかして、山田先生が測定してくれるんですか!?そうですよね!」

「いいえ?織斑くんも、時守くんも、2人とも測定係ですよ?私は、記録係ですっ!」

 

その豊かな胸を張り、ドヤ顔でむふーっと鼻息を鳴らす山田先生。対照的に、両肩を落とし、顔を手で覆い、ワンサマは何やら嘆いていた。指の隙間から、何かしらの水が滴っていた。

 

ワンサマが1人そんな風に落ち込んでいると、ワイワイガヤガヤと騒ぎながら見慣れた1年1組のメンバーが入ってきた。

 

「えっ、マジで織斑君と時守君に測ってもらうの?」

「えー、時守かぁ…」

「リコピンウエスト20cm増やすぞおら」

「ご、ごめんって…」

 

リコピン、のほほん、モッピー、シャル、セシリー、ラウラ、他約30名が、ぞろぞろと体操服姿で2列に並んだ。

 

「盗撮してDVDにしたら売れそう」

「クソみたいな商売考えてんじゃないわよ!」

 

『激録!IS学園女生徒の体位測定〜その1〜』

…うん。絶対アウトやわ。リコピンにツッコまれんでも分かるわ。

そんなこんなをしていると、皆が入ってきた扉から、ちっふー先生が入ってきた。

 

「えっ、嘘やん。ちっふー先生のも測んの?」

「馬鹿め。お前達が測るのは生徒達だけだ」

「…は?1年1組だけちゃいますの?」

「お前だけ全クラスだ。嬉しいだろう?」

「そりゃもちろん」

 

簪とか刀奈をワンサマに測らせる訳にもいかんしな。

 

「このエロガキが」

「年相応って言ってほしいっすね。まあ後は、先生達に変わって身体ボロボロになりながらも学園守り続けてるご褒美とでも言えばいいんですかねぇー!」

「…すまない。我々が無力なせいで…!」

「いやそんな急に泣きそうにならんといて?」

 

いきなりちっふー先生がシリアスムード出すのは困る。対処しきれへんわ。

 

「んんっ!とはいえ彼女持ちの時守と違い、織斑。お前には女子の身体に対して抵抗があると思ったのでな。特別に、そら。目隠しだ」

「おぉ!」

 

え?なんで俺が女子の身体に対する抵抗が無いって知ってんの?…えっ?

 

「詳しくは聞いていないが、随分と女遊びに慣れているようだな?お?」

「ほんまただのエロ上司みたいな絡みやめてくださいよ…」

 

いくら恋人できひんからって生徒にセクハラ発言はあかんと思います。

 

「ってスケスケじゃねえか!」

「はっはっは!ま、女を知ることも必要だと思ったからな。健闘を祈るぞ、織斑」

 

俺にだけセクハラをしたかと思えば、先ほどワンサマに渡したのは透けている目隠しで、何の役割も果たさないような物だった。

やってる事マジでただのスケベじじいやん…。

 

「では、時守の方の記録には私が入る」

「いや、ちょっ…」

「へっへーん、入るよ織斑くーん!」

 

山田先生の姿が見えない。恐らく、もう既にワンサマの方の記録に入っているのだろう。そして、ワンサマの方に記念すべき1人目、声から察するに、清香が入った。

 

「うへへ〜。よろしくね〜、けんけーん」

「ん?おぉ、のほほんか。…ん?ちょいちっふー先生ー」

「なんだ」

「体位測定やのにブラとパンツありなんすかー?」

「…流石に、な?」

 

おもんな。

 

「んじゃ、測るぞのほほん」

「むぅ〜。けんけんは〜、女心を分かってるようで分かってないよぉ〜?」

「女ちゃうからな」

 

メジャーを手に持ち、両腕を上げるのほほんのたわわに実った胸囲を測る。メジャーで胸がむにゅりと卑猥に形を変える…。

 

と思っていたそこの俺。残念、ブラジャーを着けてるので大して形は変わりませんでした。にしても下着の色赤でレース付きとかのほほんなかなかにやるな。それまで体操服なんやったら周りに透けて見えてたんちゃう?

 

「バスト91ー」

「おー、ちょっとおっきくなった〜」

「そ、そんなにはっきり言われるの!?」

「どうしよー!アタシ、昨日ご飯お代わりしちゃったー!」

「次ー、ウエスト59ー。細っ、なんでこのバストでこのウエストやねん」

「どやー、努力の証なのだ〜」

 

その割には身長が無いと。ふむ、どこぞの中華娘が可哀想になってくるわ…。

ん?そういやワンサマは?

 

「…お?なんだこれ?」

「ひゃっ!ちょ、ちょっと織斑くん…!そこは…」

「えっ、と…。相川、さん?」

「やめっ…んぅっ!」

「一夏っ…!貴様ァァァ!」

「体位測定如きでふしだらな行動をするな!嫁ェ!」

 

案の定か…。なんか俺の方にいっぱい来そうな予感すんねんけど。

 

「い、一夏さんには申し訳ありませんが、わたくしは剣さんの方に…」

「流石に彼氏以外には触られたくないかな…」

「究極の選択があたしに迫る…!」

 

カーテンで仕切られている向こうから、女子達の声が聞こえてくる。声からして、セシリーとシャルはこっち。んでリコピンみたいにラッキースケベされるかスリーサイズを大々的に公表されるかで迷ってる女子が数人ってとこか。

 

「けんけん〜、いくらなんでも、ずっと下着姿は恥ずかしいよぉ〜」

「おお、すまんな。ヒップ85ー」

「うおぉ〜、ボンッキュッボンだぁー。どお〜?けんけん〜、わたしのナイスバディは〜」

「…うん」

「うわぁ〜ん。その反応はないよぉ〜」

 

なんか、出るとこ出てるし引っ込むとこ引っ込んでるけど、なんか違う、気がする。喋り方と身長とでも思っとくか。

 

「本音ちゃんそんな凄かったんだ…」

「いつもダボダボの服着てたから分からなかった…」

「うへへぇ〜、私は出来る女なのだ〜」

 

外からの声にそう返しつつ、のほほんは仕切りの奥へと移動し、体操服を着て外に出た。

次に入ってきたのは、なんとリコピンだった。

 

「えっ…」

「ちょっ、見んなぁ!」

「…見ぃひんかったら、ワンサマみたいなことなんで?」

「うっ…、うぅぅ…!」

 

必死に手で胸と股間部を隠したリコピンは、顔を真っ赤にし、太ももをもじもじと動かしながら俺の前へと歩いてきた。

なんか変なことしてる気分になるからやめて欲しい。…って既に変なことしてるわ…。

 

「ほ、ほんとにっ、触ったらぶっ殺すからね!」

「へいへい。…どうする?小声で言おか?」

「…うん」

「むーっ!どーして私の時は聞かなかったの〜!けんけん〜!」

 

カーテンの奥から、のほほんからの抗議が聞こえる。いや、お前全然隠す素振りしてへんかったし、なかなかにド派手な下着着けとったやん。両方とも年相応の白で揃えてるリコピンとはちゃうやん。…上下白が年相応かは知らんけど。

 

「じゃあ測るわ。手を挙げろぉ!」

「なんで警察みたいなのよ!…み、見ても良いけど、ほんとに変なことしないでよね!」

「…おっけ」

 

天才剣ちゃん、今のはフリじゃないと理解した。

手を挙げたリコピンの胸に、メジャーを巻く。

 

「きゃっ!」

「不慮の事故、不慮の事故…!これは故意ではありませんわ…!剣さんがわざとした訳では…!」

「もう少しで僕達の番…!もう少しで…!」

 

リコピンの緊張が伝わってしまったのか、俺の手がややキツめに、メジャーを締めてしまった。

ナイス俺の腕。

 

「も、もう!鼻の下伸ばさないでよ!」

「っ!ナギさん!離してくださいまし!」

「谷本さんも!」

「時守くん、真面目にしないと国際問題…というか冷えきった夫婦関係になるよ?」

 

何故かカーテンの奥からガシャコンガシャコンと機械音が聞こえる。…え?さゆかの話的にもしかして2人ともIS展開してる?ってか。

 

「夫婦関係か…」

「いい響きですわぁ…」

「け、剣ったら…。気が早いよぉ…」

「やるなら早くしなさいよ時守!」

 

改めて夫婦関係という言葉の響きにしみじみと感動していると、リコピンに怒鳴られた。そらまあ下着姿で放置とか流石に可哀想やもんな。

 

「…ん。一応全部記憶したから、お前が着替えてる内にちっふー先生に言っとくわ」

「スリーサイズなんて覚えて欲しくないんだけど…」

「しゃ、しゃーないやろ。なんでか知らんけど測定係になってもてんから」

「もしかして、これから先も?」

「知らんわそんなん」

 

リコピンが出ていくと同時に、裏で記録しているちっふー先生の元に向かう。

 

「リコピンなんかスリーサイズ言われたく無いらしいっすわ」

「大半の女子がそうだ、馬鹿者。ここまで来たのなら、私には言わずにお前が書いてやれ」

「へーい」

 

リコピンの記録用紙にスリーサイズを書き入れていく。えっと、上から八じゅう…

 

「なんかアカンことしてる気分になりますわ」

「そんなもの、男でここに来た時点で捨てたものだと思っていたんだがな」

「まあそうでもないとまともに生活できませんわ」

 

放課後とか服ゆるゆるでブラチラとか当たり前やし、夜とか普通に廊下をノーブラパジャマで歩いとるしな。最初の方は割と眼福やと思って見てたけど、一週間でキツなったわ。まだ刀奈と付き合ってなかった時は発散できひんかったもんなぁ。

 

「ま、これから言ってくんで、オナシャス」

「あぁ。しっかりと測って、しっかりと見てやれよ?」

 

ほんまにただのスケベ親父やんけ。

 

 

「3年生…凄かった」

「むっ」

「痛い痛い。いや、大丈夫やって。3年に俺のこと狙ってる人なんておらんやろ?」

「…そうね、そんな噂はあんまり聞かないけど…」

「それでも…、やっぱり心配…」

「全く…先輩方だけで剣さんを独占だなんて、妬けますわ!」

「あはは…。それにしても、こうして5人で集まるのって久しぶりだね」

 

その日の夜。俺は彼女達と共に、自室でのんびりとした時間を過ごしていた。その際、ふと3年生の体位測定での感想が口から出てしまい、刀奈に横腹を抓られた。

 

「せやな。何だかんだで、皆忙しかったからな」

 

シャルの言う通り、この時間にこうして5人が俺の部屋に集まることは、最近無かったのだ。

というのも、俺が怪我を隠そうとしていたり、セシリーが偏向射撃を会得しようと苦戦していたり、キャノボに向けて頑張っていたり、学園祭だったり、二学期がやたらと忙しかったのだ。

 

「そういう意味では、宿泊許可を出してくれた織斑先生に感謝だね」

「えぇ。買い出しのための、外出許可をくださった山田先生にも、ですわ」

 

最早隠す気すらない会話だが、今日はそういう日なのだ。

俺が回復して、彼女達も全学年専用機持ちタッグマッチの怪我から回復した。俺が学園を出る2週間程前、つまりは1ヶ月強の間、ご無沙汰だったのだ。

すっかり準備が出来ているのか、まだ何もしていないにも関わらず、彼女達の息遣いが荒くなっている。

 

「今日は、色々と持ってきたから…」

「存分に堪能してちょうだいね、あ・な・た」

 

簪が、何やら重そうな黒いビニール袋を俺に見せびらかす。それを合図にしたかのように、刀奈が俺の胸に抱きつき、押し倒す。

 

その日、俺はIS学園に来て2回目となる最も充実した夜を過ごした。




のほほんさんのヒップは想像です。あの子スタイルマジやべぇ…。
ウィキに乗ってるアニメ1期ヒロイン勢のスリーサイズって公式なんでしょうか?もしそうだとしたらモッピーそこから大きくなってんのか…。大きくなりますね。ナニがとは言いませんが♂

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