IS 西の男性操縦者   作:チャリ丸

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糖分注意かもです。
まあ作者がそんなことしたことないので分からないんですがね。

リア充爆発しろ。


デート セシリア編

 

 

 

「…あっつ…」

「むにゃ…」

「すぅ……」

「…んぅ…」

「…今日セシリーとデートやのになんでカナと簪とシャルが隣で寝とんねん…」

 

 

…柔らかい…右腕にシャルの身体が、左腕にカナの身体が、身体の上に簪の身体がある。…簪身体の上で寝るの気に入ったんかな?

 

 

「…あかん…1人寝ながらにやけるとかキモすぎるやろ…」

「…ぅぅん…」

「…そんなこと……」

「ないよ…?」

「は?」

 

 

起きてんのお前ら!?

 

 

「次のデートは?」

「私……ごめんね簪ちゃん…シャルロットちゃん…むにゃむにゃ…」

「すぅ…私……だよ…?…シャルロット…さん…お姉ちゃん…」

「…何…言ってるの…?…僕だよ…」

「起きとるやろお前ら」

 

 

 

 

 

起床。

 

 

 

 

 

「で、カナはともかくどうやって2人は入ってきたん?」

「「ドアから」」

「そうやなくてやな…」

「私が開けたのよ?…私達3人に黙って初めにデートする人を勝手に決めた剣くんが悪いの」

「そ、そういうもんなんか…」

「「「そうなの!」」」

 

 

…なんかすまん。

 

 

「で、なんでセシリアが一番最初なの!?」

「お、落ち着いてやシャル…」

「…無理…」

「か、簪まで…」

「好きな人の一番には皆がなりたいものなのよ?」

「カナも…」

 

 

ってかさ

 

 

「俺は誰が一番とかないで。皆が皆、平等に好きや」

 

 

彼女たちに微笑みかける。

…そうじゃなかったら4人同時に告白とかせえへんやろ。

 

 

「も、もう…いきなりそういうの、反則よ…」

「うん……反則…ストレートすぎ……でも、…ふふっ…」

「もぅ…剣ったら…それで?どうしてセシリアが一番最初なの?」

 

 

あ、まだ言ってへんかったな。

 

 

「セシリーが日程を言ってきてん『この日がいい』って」

「じゃあ次は…?」

「まだ決まってへんねんけど…何時がいい?」

「あ、明日は…私がいい…明後日以降に、まとまった時間で打鉄弐式のメンテナンスしたいし…」

「じゃ、その次は私ね。…シャルロットちゃんは最終日、街のことも教えてもらいながら…ね?」

「はい!…よろしくね、剣」

「おう」

 

 

…金が…あと21億円しかない……あれ?金銭感覚おかしい。

 

 

 

「んじゃ、朝飯食いに行こか」

 

 

 

 

 

 

――そして、時は流れる。

 

 

 

 

 

 

 

寮から出て、IS学園の校門まで歩く。

なんとまあ運のいいことに、先日のタッグトーナメントの振替休日やら、後処理等が多くなって金、土、日、月と四連休が入ったのだ。

もちろん今日は金曜日。セシリーとのデートの日や。

 

 

「ってかなんであんな鬼みたいなちっふー先生はあだ名で山田先生はそのままなんやろ?…付けよか。やーまやー。花火か!…爆発しそうやな、どこがとは言わんけど」

 

 

ぱいおつミサイル。山田真耶最終兵器。

 

 

 

「ちっふー先生を鬼と呼ぶか軍曹と呼ぶか…何が正しいんやろ。『この寮では私が寮長だ。故に、私が法だ』とか言いそうやしな。まあつまりは自分が全部正しいってこと…!全部…正しい…!?なるほど、鬼であり軍曹であり破壊神でありオベリスク〇巨神兵である。それが織斑千冬か」

 

 

納得納得。

 

 

「ま、ちっふー先生やったらどう頑張ってもブラックマジシャンガ〇ルにはなれへんしな。…セシリーとかどんな衣装似合うやろ…、あ」

 

 

携帯を取り出して髪型をチェックしてついでに服も整える。

そうこうしている内に校門が見えた。デートっぽさを出したいから待ち合わせがしたい!ということらしく、4人ともどこかしら待ち合わせのポイントを指定しているのだ。…さて、と―

 

 

「お待たせ、セシ……」

「もぅ、遅いですわよ?剣さん」

 

 

 

――――なんでせうかこの天使は。

 

 

青色のワンピースに身を包んだセシリー。

着ているのはそれだけなのに、な、なんていうか…

 

 

「…お嬢様みたいや…」

「ふふっ、ありがとうございます。…今日はよろしくお願いしますわ。あと、わたくしはれっきとしたお嬢様ですわ」

 

 

ふんっとそっぽを向くセシリー。…まあ本気じゃないっていうのは分かってるけどな。

 

 

 

「ごめんごめん、じゃ、行こうか、お嬢様」

「エスコート、期待していますわ」

 

 

 

俺は彼女の手を引き、駅に向かった。

 

 

 

 

 

 

「いやぁ…空いてて良かったな。皆も連休やから遊びに行くもんや思てたわ」

「流石に疲れが残ってるのではないですか?」

「あー、一回戦できひんかった人は最近やったんやったっけ?…確か…」

「鈴さんや一夏さんも、まだ疲れが残ってるみたいで寮にいるみたいですわよ?」

「なるへそ」

 

 

2人は座りながら、他愛もない話をしている。

モノレールの座席に、手を繋ぎながら隣同士、ぴったりとくっついて座るその姿はまさにカップルそのものだろう。

――もっとも…

 

 

「(話題!誰か話題を恵んでください!!グループであいつらに聞く?…いや、やめとこ。どうせラ〇ホとかしか言わんしな。朝からラブ〇とか頭おかしいやろ。えーっと、確かちっふー先生とぶるんぶるんが『デートにメイドカフェは止めとけ』って言ってたよな。…多分セシリーやから…昼…高い…かな?あ、大丈夫や。まだ金20億以上あるしな。服屋とかよって、日本の文化的な?やつ紹介するか。多分セシリーもあんまり寮から出てへんやろうしな)」

「(な、何を話せばいいんですの!?あぁ…こういう時鈴さんみたいな性格があれば…こんな時だけ羨ましく感じますわ…。多分楯無さんやシャルロットさんもうまく繋げることが出来そうですが…むむむ…今日の昼食?だ、ダメですわ!もし剣さんがドッキリなるものでも考えていたら…台無しにしてしまいますわ…。あ、わたくしがリードする、というのも…いえ、…ここはせっかくですし、剣さんに甘えさせてもらう、というのも…)」

 

 

…考えすぎなのだが――――そして、さらに――――

 

 

『(なんなのよあいつら!デートとか言うから一夏との参考にさせてもらうために尾行しにきたら手を繋いで早速黙るとか付き合いたてのカップルか!?…付き合いたてのカップルか。あれ?でも剣ってその……ど、童貞卒業したのよね?なんか噂になってるし。…順番おかしくない?ヤってからデートって。まあセシリアも今までずっとデートの約束してたのにその度に『来い』の一言で剣が千冬さんに引きずられて行くのを見てたから、初めてのデートで浮かれてるのは分かるけどさぁ…もうちょっと話さないの?剣とかキャラ違うじゃない!)』

 

 

同じ車両には変装したIS学園1年、中国代表候補生の専用機持ちが1人――

 

 

 

 

性格が功を奏したのか、時守が沈黙を破る。

 

 

 

 

「なぁセシリー。昼飯どんなんがいい?」

「そうですわね…ふふっ、剣さんと一緒ならどこでもいいですわ」

 

 

『(………は?)』

 

 

「そっかぁ…じゃ、向こう行ったら考えよか。今日さ、服見てあとセシリーに日本のこととかもっと知ってもらお思てんねんけどさ、他にどっか行きたいとことかある?」

「…あっ、水着…そろそろ臨海学校もありますし、水着がみたいですわ」

 

 

『あ?』

 

 

「あれ?今なんか聞いたことのあるような声が…」

「気のせいではないですか?……剣さん?」

「ん?」

「今日は…よろしくお願いしますわ」

「お、おぅ、頑張るわ」

 

 

『(………………〇〇〇〇〇〇〇しろ。リア充が…)』

 

 

鈴以外にも数人のIS学園の生徒がいるにも関わらず、いちゃつく2人。…まあこれのおかげでこれ以降時守に接触する女子が減るのだが…

 

 

 

 

――――

――――――

――――――――

 

 

 

 

 

ショッピングモール『レゾナンス』

 

 

 

「ふぅ、大丈夫か?セシリー。結構長い間居てたけど」

「えぇ、大丈夫ですわ。…それより剣さん…その…お金の方は…」

「まだ20億残ってるわ…金銭感覚バグってきたわ…服だけで軽く10万は飛んだよな?」

「た、確かそうだったはずですわ…」

 

 

『(これって高校生のデートよね?しかもまだ午前よね?なんでもう10万も吹っ飛んでるのよ!!)』

 

 

 

レゾナンスに着いた2人はセシリアの私服と時守の私服を見ながらぶらぶら歩き、良いのが見つかれば試着、購入、を数回程繰り返し、疲れない程度のスピードで店内を歩いていた。

 

 

「ま、ええわ。…多分こんだけ貰えるの最初で最後やろうけどな」

「え?」

「いやな、長官とかに言われてん『今回のは紛争解決などに関わった金が一気に入ってきただけ』やって」

「け、剣さん…やっぱりすごいですわ!」

 

 

右腕を抱きしめていたセシリアはその力を強める。もちろん、セシリアのその豊満な2つの膨らみが時守の腕に当たり、潰されていく。

 

 

「せ、セシリー?そ、その…」

「うふふ、当ててますのよー」

「…また、帰ったら、な?」

「っ!は、はい…」

「そ、そろそろ昼、食いに行くか」

「そ、そうですわね…」

 

 

一連のやり取りを終え、2人は顔を赤く染める。

 

 

『(なに…あれ…?なんなの?私も一夏と付き合えたらあんなことをしろと!?無理よ!何白昼堂々ナニやる約束してんのよ!なんなのあの二人!あの話した後すぐにご飯食べに行くの!?どんな神経してんのよ!!…あー、なんか訳わかんなくなってきた…)』

 

 

 

 

 

 

 

「ファミリーレストラン…初めて入りましたが、なかなか…美味しかったですわ…」

「中学ん時は何かあるたんびに集まってたなぁ…」

「剣さんの中学生時代…またいつかお話を…」

「………いや、リコピンから聞いてくれ…」

「むっ、どうしてですの?」

「…基本アホなことしかしてへんし」

「なら尚更聞いてみなくては」

「せやったらセシリーの中学時代も聞かせてもらうで?」

「ええ、いいですわよ」

 

 

 

昼食をとった2人はまた次の目的地へと歩いていた。互いの学生時代、IS学園でのお互いの知らない出来事などを話ながら…

 

 

『(あたしと一夏だと共通した出来事が多すぎて目新しさが全くと言っていいほど皆無よね。まず『弾』が出てきて次に『酢豚』ぐらいでしょ?あ、でも学園の話なら多いかも。あたし2組だし、1組での普段の授業の様子とか知りたいし。まあ剣を出汁にしたらいくらでも話なんて出せそうだし)』

 

 

 

 

 

 

「お、本屋あるやん。…寄っていい?」

「もちろんですわ。わたくしもみたい本がありますし」

「ん、じゃ、入ろか」

「はい♪」

 

 

『レゾナンス』の中にある本屋に入る。

その本屋は『レゾナンス』周辺、というより駅周辺でもっとも大きな規模を誇っている。

まあ雑誌やら文庫本やら漫画やらラノベやらと新しく出た本などはここに来れば手に入る、というぐらいの規模なので…

 

 

「あら?」

「ん?…これ…『インフィニット・ストライプス 特別号』か。…なんの特別号やねん」

「夏の、だと思いますわ。これは、オーストラリアの代表候補生ですわね…」

 

 

もちろんIS関連の雑誌もある。

雑誌を取り、表紙を見る。

そこにはISの情報のほんの一部(教科書にすら乗らないレベル)や、国家代表の日常に迫る!などといったものが書かれている。

 

 

「ほへぇ〜、カナとかからも聞いたけど、やっぱり代表候補生とか代表ってこういうこともすんねんな」

「はい。わたくしもしていますし…あと、鈴さんも確か…」

「マジか。…どうする?これ買ってく?」

「せっかくですからそうしましょう!」

 

 

『(普通のデートね…ってか何よ!アタシがモデルとかしてるのがおかしいって言いたいの!?失礼ね!!ま、アイツがもし雑誌に載ったらそのことネタにしてやるからいいんだけどね!)』

 

※そのネタですら剣ちゃんは大好物です。

 

 

 

 

 

 

――そして時は流れ―

 

 

「んー、いやぁ、今日は良かったわ」

「わたくしもここまでゆっくりと楽しめたのは久しぶりでしたわ」

 

 

俺とセシリーはレゾナンス近くの公園に来ていた。

今日1日ずっと歩いてたからな。男の俺で結構足疲れてるし、セシリー大丈夫かな?

 

 

「セシリー、足疲れてへんか?」

「え、えぇ大じょ……!い、いえ!少し疲れたので帰る時に……えと……その…」

「おんぶ…か?」

「っ!は、はぃ…ダメですか?」

 

 

小首をかしげてセシリーが訪ねてくる。んなもん。

 

 

「ん、ええよ。…ってかもっと甘えてもいいねんで?」

「じゃ、遠慮なく」

 

 

ベンチの隣に座る俺の肩に頭を乗せるセシリー。

肩に乗る金色の髪の頭が、妙に愛おしくて、つい撫でてしまう。

 

 

「あっ…」

「…嫌やった?」

「いえ…、もう少し…もう少しだけ撫でてくださいまし」

「了解。……でさ、なんで『インフィニット・ストライプス』をそんな大事に持ってんの?」

 

 

レゾナンスの本屋にて購入した雑誌を、セシリーはずっと大事そうに抱えている。その理由が知りたかった。

 

 

「…『2人の男性操縦者特集』があったからですわ。その、普段知らない所、とか知れるかも…と…」

「特集とかいつ組まれとってん…」

 

 

つい苦笑いをしてしまう。

…よし、言おう。結ばれて気づいた。一緒に居て気づいた。――だから…

 

 

「なあセシリー?」

「はい?」

「今度さ、一緒に雑誌の取材。受ける?」

「っ!は、はい!喜んで受けますわ!」

「…じゃあさ、後もう一つ。…そのあとも、ずっと一緒に居てくれ」

 

 

俺の声のトーンと言葉から察したのか、セシリーは俺の肩からガバッと頭を離し、こちらを見た。

 

 

「そ、それって…」

「おう、改まったプロポーズや。…気づいてん。何かが足らんって思っててんけどな、前カナに聞いたのと、今回のデートで分かった。…俺は今まで自分が負けたくないから、って強くなろうとしてた。…でも、違うかった。ほんまは『もしセシリー達が傷ついたらどうしよう』っていう気持ちだけで動いてた。…好き、じゃなくて、…あ、愛してる、に変わってたわ」

「剣さん…ようやく、ようやく分かってくださったのですね?」

「…おう」

 

 

 

 

「わたくしも、いえ、わたくしたちも剣さんを愛しています。ですから、もう…」

「あぁ、セシリーたちを置いてどこにも行かへんし、勝手に死んだりせえへん。…まだ、もっともっと居たいからな」

 

 

この気持ちは誰になんと言われようが変わらない。

俺を待ってくれる彼女達が居るから、そして俺も彼女達と居たいから。だから愛する。愛している。

 

「やから、これを…」

「…これは…」

「あぁ、まだ婚約指輪…とはいかへんけど。今のところ、証として…な?」

 

 

ポケットから取り出した指輪をセシリーに渡す。

 

 

「…ありがとうございます。ネックレスが…」

「おぅ、…できたら普段付けといてくれたらなって」

「ふふっ、承知しましたわ。…これからも、よろしくお願いしますわ、剣さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――

 

『(なんなのよアイツら!?キザすぎるでしょ!しかも今時リアルであんなこと言う奴いると思わなかったんだけど!?『あ、愛している、に変わってたわ』とか馬鹿じゃないの!?しかもセシリアもそれで喜んでるしさ!頭ん中お花畑か!!メリーゴーランドでも回ってんの!?…ってかデートとして参考になったの本屋だけなんだけど!?服屋も10万とか使うし、水着もセシリアだいぶ際どいの剣に見せてたし。…あ、ダメだわ。剣のデート参考にしちゃダメね。うん、こりゃラウラと箒にも報告しとかなくちゃ。…でも一応、簪のには箒、シャルロットのにはラウラが尾行する予定なのよね…大丈夫かしら?)』




『』の中は鈴ちゃんです。

パズドラの夏休みガチャの眼鏡ウルドが簪にしか見えません。

デート前のやり取りについてはまた次以降の話で触れますので。

あとオリキャラの名前を募集したいと思っておりますので、もしよろしければ活動報告まで、よろしくお願いいたします。

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