「IS動かしちゃった…と、うわっ、一瞬で既読159とか…きっしょあいつら…」
トークアプリの学年のグループトークでIS動かしたってこと言ったらこれや。
>剣ちゃんマジかよ!
>剣ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!
>…なんで時守が来るのよ…
>剣ちゃんが彼女作れないと思う人とりま挙手
>ノ
>ノ
>ノ
>ノ
>ノ
「…彼女?作らねーよ、ハーレムだハーレム、っと…」
>じゃあそのうち1人俺に
>あ、俺も
>俺剣ちゃんでいいで!
>俺も剣ちゃん!
>なんでホモが湧いとんねん!剣ちゃんは俺のもんや!
「悔しかったら学園来いや…と、」
>別にええわ。
>それより今年の阪〇やろ。
>補強失敗やろ?…幸先不安すぎる。
>今年助っ人無しやろ?…大砲誰?
>剣ちゃんがハーレム作るの成功するか〇神優勝するかどっちが確率高いと思う?
>阪〇やろ。
>剣ちゃんハーレムとか言って誰好きになってええか分からんと結局崩壊しそう。
「崩壊してもしきれない程おると思う…と、」
>人間のクズめ。
>剣ちゃんビビってるわ。これ内心マジで彼女できるか不安になってるやつやで。
>最終的に剣ちゃんやったら皆仲良くさせそう。
>剣ちゃんの料理は胃袋掴むからなぁ。
「胃袋掴むとか怖すぎやろ…」
>え、ちょ…俺ら剣ちゃんに内臓掴まれてたん?
>やめてや!怖いって剣ちゃん!
>そのうち心臓とかも…?
>アイエエエエエ!?ナンデ!?ケンチャンナンデ!?
「とりあえず楽しんで来るわ、と…」
>ん、二度と戻ってくんなや。
>JKの水着撮ってきたら家入れたるわ。
>彼女連れてきたら指輪買ったる。
>ハーレム作ったら商店街でパレードやな。
>んじゃ代表候補生になったらハワイ旅行な。
>代表なったら世界旅行。
>世界最強なったら商店街の全部の店半額にしたげる様におかんに頼んどくわ。
「マジか!?商店街半額とかマジか!コロッケ30円やのに15円やで!?」
>こーゆーとこ流石剣ちゃんやんな。
>うん。ほんまアホやな剣ちゃん。
>でもそんなんやから皆に好かれんねんなぁ…
「…なんて繋げよ。スタンプでいいか。」
>スタンプを送信しました。
>スタンプを送信しました。
>スタンプを送信しました。
>スタンプを送信しました。
・
・
・
アプリを閉じる。え?俺が今何してるか?
「…時守、お前よくこんな状況でそんな事できるな。」
「え?ダメなんすか?」
千冬さんが乗るISに抱きかかえられてんねん。めっちゃ速いで。新幹線普通に抜いてるもん。
「別にダメでは無いが…」
「あー、じゃあゲームしてるんで着いたら言って下さい。」
…無言で睨まれた。何でや?
「着いたぞ。」
千冬さんの胸が揺れること数十分、一瞬で東京着きました。…なんて言うか…
「空気汚ったな。」
「開口一番それか…」
え、だってめっちゃ汚いですやん。おばあちゃん家の周りくっそ綺麗やったし、ド田舎やから。
「お土産何買おかな。」
「お前は今からどこに行く気だ…」
「へ?…あー、そっすね。じゃあパンツとか買いに行きます?」
「…一人で行け。」
「道分かりません。」
「…着替えは後で親御さんに送ってもらえ。事情は説明しただろ?」
「まあしましたけど…」
千冬さんと家を出る前、丁度おとんとおかんが帰って来たので事情を説明した。
カクカクシカジカ…
「へー、じゃあ剣が有名なったらこの店も有名なるやん!」
「…あ、あの…すいませんが国家重要人物保護プログラムという物が…」
「ん?つまりはそのなんちゃらプログラムで店もできひんし私も働けへんゆーこと?」
「そうなります。援助は国や国連、IS委員会の方から出ますが…」
「母ちゃん!聞いたか今の!?」
「えぇ!!チケット買い放題や!どこ行く?まず韓国行きたい!アイドルに会いたい!」
「じゃあその次甲子園な!」
「あ、あの…目立った外出も…」
「なんやできひんの?…じゃあブルーレイでえっか」
「せやな。剣も楽しんどいでや。」
と言ったマイペースぶりを発揮。それを見た千冬さんは『関西に越したい』と呟いてた。…そんなに関東って冷たいんかな。
「…時守、お前には今日から…」
千冬さんが何か言おうとした時何かが降ってきた。
「ちーーーーーーーちゃーーーーーん!!」
「…っち!」
そしてすぐさま千冬さんに抱きついた。…なんやこいつ。…うさ耳…うさぎ!?
「全然ぴょんぴょんしてへんやないか!!?どないなっとんねん!!」
「え、えぇ…ちょ、ちーちゃん何この子。」
「2人目の操縦者だ。」
「ほほう、君が…」
そう言ってこっちに駆けてくるぴょんぴょんしないうさぎ。…いや、一箇所。ちゃうな。二箇所だけぴょんぴょんしてる、いや、ぶるんぶるんしてる。
「…誰やうさぎがぴょんぴょんするとかゆーた奴。ぶるんぶるんしとるやんけ…」
「んー?どうしたの?」
「いや、何もないっす。…あの、千冬さん、このうさぎさんは?」
「篠ノ之束、ISの開発者だ。」
「にょほほほまたね?」
「どう聞き間違えたらそうなるのかな?」
え、だって…聞こえなくない?
「篠ノ之束だ。」
「篠ノ之束…あぁ、ISの開発者…」
「さっきちーちゃんがそう言ったよね!?」
「言ってくれはったんですか?千冬さん。」
「あぁ、言ったぞ?」
すんません、聞いてなかったっす。
「うん、にょほほほまたねとか言われたの初めてだよ。」
「え、そうなんすか?結構間違われやすそうな…」
「無いよ!?」
「え、マジすか…流石東京…」
「東京関係ないからね!?」
嘘だぁ。珍しい名前の人ならちょっとボケるって当たり前やん。
「…で、さっき千冬さん何か言おうとしてませんでした?」
「無視!?」
「む、あぁ。…お前には今日から寮生活してもらう。それだけだ。」
え、いきなり?
「すいません、やっぱパンツだけ買ってきていいすか?」
「…分かった、また特別使用許可を貰って教師に荷物を取りに行かせる。」
「分かりました。…で、何でうさぎさんはこんなとこに?」
うん、俺にはぴょんぴょんせぇへんうさぎなんか要らん。
「え、何でって…何でだっけ?」
「まさかお前が忘れるとはな。」
「この子のテンションでおかしくなっちゃったんだよ!?…あ、そうだ。ねーねー君さ、名前なんて言うの?」
「にょほほほまたねです。」
「ふざけてるのかな!?」
はい。
「?そうですが。」
「…急に冷静になったよ、何なのこの子。」
「時守剣です。」
「普通に答えるの!?」
ちゃうわー、そこは『普通に答えんのかい!!?ボケるんやったらもっとボケろや!』ってもっと強く言わな。
「で、なんすか。ぶるんぶるんうさぎさん。」
「…何となく分かったよ。君のこと。…では、けんくん!」
「剣ちゃんでお願いします。友だちにはそう言われてるので。」
「え、えぇ?まあいっか。では剣ちゃん!君に専用機を作ってあげよう!君のことを気に入った!」
「…へぇ。」
「反応薄っ!?」
やったね、専用機。どうせモルモット用だろうけどね。やったぜ。
「ま、まあ…剣ちゃんの要望とか無いの?」
「あ、じゃあ遠距離武装?とか要らないっすわ。自分で殴ったり蹴ったりするほうが好きなんで。」
「結構どぎついこと言うね。」
え、ISって相手ボコボコにしたりされたりするんちゃうん?
「…まあ近接の方がお前は良いだろうな。腕力はかなりあるし。」
「え、何でちーちゃんそんなこと知ってるの?」
「バッティングセンターだ。」
「…ねぇ、どうしたの?ちーちゃん。剣ちゃんと関わっておかしくなったの?」
酷い言われようやな。…全く!
「で!なんすか!ぶるんぶるん!!」
「最早うさぎさんとも呼ばないんだね…分かったよ、じゃあ近接武器メインで作ってあげるよ。…じゃーねー!」
そう言ってやはりぴょんぴょんじゃなくぶるんぶるんさせて空へと消えていった。…あぁ、いい奴だったよ。
「勝手に殺してやるな。」
「え、あそこまで飛んでったら普通死にません?」
「あいつは死なん、そう言う奴だ。さ、入るぞ。…と、その前に。」
IS学園の門に入る直前、千冬さんがこちらにくるりと向き直った。
「ようこそ、IS学園へ。」
うん、やっぱそういうのやりたいよな。俺もやってみたいもん。
「…部屋どこなんすか?」
「…それなんだが…もう一人の男子とは別部屋でな。」
なん…だと…つまり、つまり!
「女子と一緒すか!?」
「あぁ、と言ってもただの女子ではないがな。」
ただの女子ちゃうやと…!そんなもん…
「期待してええんですよね…織斑先生。」
「何ににか知らんがやりすぎるなよ。…しかしどういうことだ?向こうを出る前と今とで顔が随分いいものになってるぞ。」
「あぁ、そりゃあね。…俺にも色々あるんですよ。」
そりゃそやろ。…なんせあの後皆から送られて来たメッセージ…あんなん読んだら気合い入らん訳ない。
「まあいい、心持ちが変わったのはいい事だ。1027、ここがお前の部屋だ。それと…ほら、ここの鍵だ。」
俺の部屋の前まで連れて来られ、ポケットから出された鍵を渡された。…胸の谷間からとか期待した俺がアホやったんか。
「ありがとうございます!ちっふー先生!」
「…織斑先生だ。」
「?別にええや無いっすか。ほら、こんな感じであだ名付けられる先生って生徒に好かれてるって証拠になりますし。」
「…はぁ、まあいい。お前には何を言っても無駄みたいだな。…皆がいる前では織斑先生と呼べよ?」
はいー、フリ貰いましたァ!!
「分かりました!じゃ、3年間よろしくです!ちっふー先生!」
「う、うむ…ではな。」
ハッハッハ!楽しみだぜい!IS学園!笑いが止まらんわ!