とある補給艦娘の物語   作:h.hokura

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「艦娘っていうのは私やあなたの様な、軍艦が人の形をとったもの。
 その軍艦の記憶と能力を受け継いだもの。」

私はその時、彼女の言葉をそれほど気にしてはいなかった。

だけど暫くして、私がその言葉の意味を知った時・・・

その軍艦の記憶・・・

私のましゅうとしての記憶・・・・

「私は海上自衛隊所属、ましゅう型補給艦ましゅう。」





私補給艦です!?

「お姉さま!?」

 

「はい???」

 

突然目が覚めた世界で私は、姉になってしまっのでしょうか?

 

・・・姉?・・・妹?・・・おうみ?・・・?

・・・何故か私はその名前?をその時思い浮かべていました。

 

「ああ、気にしないでいいわ。この娘の悪い癖だから。」

 

明石さんは眉間に深いしわを寄せて言います。

 

「そうなんですか?」

 

いまだ顔を赤くし、身体をくねらす吹雪さん。

 

私はどう対処すべきなのでしょか。

 

「ほら、戻って来い!特型駆逐艦。」

 

ぼこっ!!!

 

吹雪さんの頭に鉄拳を落とす明石さん。

 

「ほげ!!!???」

 

奇妙な声を上げ、吹雪さんは我に返ったようです。

 

「あれ・・?明石さん?・・えっ何で頭が痛い?・・何が起きたデース??」

 

「暁型4番艦の次はどこかの帰国子女の高速戦艦かぁ!?」

 

「すいません、慌てるこうなって・・・」

 

「慌てる度に何で他の娘の口調になるのよ、あんたは!?」

 

あわあわする吹雪さんをどつく明石さん。

 

「ひえースパナで殴るのは勘弁してください!!!」

 

えーと、私どうすればいいのでしょうか?やはり止めるべきなのでしょうか。

このままだと、話が進みませんし。

 

「あの、明石さんその辺で・・・見てられないので。」

 

「そうね・・・まだ足りないけどこの辺にしておくわ。」

 

あれでまだ足らないのでしょうか?・・・いえ余計な事は言わないほうが良いですね。

 

「えっとそれで吹雪さんですよね?私はましゅうともうします。」

 

そう挨拶すると頭を抱えて座り込んでいた吹雪さんが顔を上げます。

 

・・・涙目でした。よっぽど恐ろしかった様です。

 

「は、はい、秘書艦の特型駆逐艦1番艦吹雪です、あの・・・宜しくお願いします。」

 

立ち上がり、礼儀正しく直立不動の姿勢で挨拶を返してくれました。

 

「礼儀正しい方ですね、これで落ち着いていれば・・・いえ、それは失礼ですね。」

 

「うーわん!初対面の人に言われてしまいました!!!」

 

更に涙目になる吹雪さん、ってあれ・・・?

 

「貴女も何でそう口に出すのかな?はあ・・・誰か何とかしてよ。」

 

涙目の吹雪さんと呆れ果てている明石さん。

そんなお二人前で私は訳が判らずおろおろするだけでした。

 

「なるほど・・・大型艦建造をしたら、この方が。」

 

ようやく立ち直った吹雪さんは、何とか気を取り直した明石さんから説明を受けています。

 

私も自分が生まれる(?)ことになった経緯を改めて聞く事になりました。

 

「でも、何故この方が・・・えっとましゅうさんが?」

 

「まったくもって判らないわ。」

 

明石さん最早お手上げと言わんばかり両手を上げてぼやいています。

 

「・・・まあ、この提督だからね。何が起こっても驚く気にはならないわ。」

 

「そうですね。この司令官ですから・・・」

 

お二人は心底嫌そうな顔で床に座り込んでぶつぶつ言っている方を見ています。

 

「・・・ああ、資材が・・・いーじすかんが・・・」

 

何だか同じ事を繰り返しいるんですが。

 

「ところでほきゅうかんって言うのは何なんですか?」

 

吹雪さんが明石さんに質問されています。

 

「うーん、彼女曰く『艦隊のごえいかんに燃料や水、弾薬等を補給する艦』らしいけ

 ど・・・」

 

明石さんが先ほど私が説明した事を吹雪さんに答えています。

 

「ごえいかん?・・・でもそれって何だか間宮さんや伊良湖ちゃんみたいですね?」

 

「彼女はそれでけじゃなくて燃料や弾薬と言ってから『大鯨』の方が近い気がするけど

 ね。」

 

お二人はそう言って私をじっと見てきます。

 

何だか落ち着かないのですが。

 

「とは言え彼女は普通の艦娘とは違うみたいだけどね。」

 

明石さんがため息をついて頭を掻きます。

 

「かいじょうじえいでしたっけ?確かにそうですね。」

 

吹雪さんも困った表情で私を見ています。

 

「ともかく大淀さんに連絡しましょう。」

 

「そうだね・・・そうするしかないか。彼女嫌がるだろうけどね。」

 

お二人はそういって力なく笑っています。

そして吹雪さんは壁にあるインターフォン?らしきものに近寄って行きます。

 

「えっと・・・大淀さん至急工廠まで来て下さい。緊急事態です。」

 

外からも吹雪さんの声がするので、インターフォンといよりも構内放送でしょうか。

 

「さてと・・・・」

「えーと・・・・」

 

お二人は何をしているのでしょうか?

 

明石さんは何故かヘルメットを被りました。

吹雪さんは姿勢を低くし身構えています。

 

「あの何を「提督!!!今度は何したんですかぁぁぁ!!!!」・・・えっ?」

 

バーン!!

 

外から大声がすると扉が物凄い勢いで開かれました。

 

そして何かが飛び込んで来て・・・・

 

「さあ直ぐに白状して下さい。セクハラですか横領ですか。さあ、さあどうなんです

 かぁぁぁ!!!」

 

床に座り込んでいた提督さんを、吊るし上げて叫ぶ女性。

 

髪を長く伸ばした眼鏡の美人さん。

でもその形相は・・・・怖くて描写出来ません(泣)。

 

「ぐがが・・・死ぬ!死ぬ!」

 

「一度死んで下さい。鎮守府の平和の、私の精神安定の為に!!!」

 

首をがっちり極められているのか、提督さんは泡を吹き顔が真っ青になっています。

 

「あれ止めなくていいんですか?」

 

私はその光景から目を逸らして何も言わないお二人に聞いたのですが。

 

「あれ止められると思うかしら?」

「大丈夫ですよ。うちの司令官あれくらいじゃ平気ですから。」

 

そういう問題でしょうか。・・・まあ確かに怖くて私にも止められそうもありません

が。

 

「頼む!離してくれ・・・死んでしまう!!!」

 

「さっさと吐け!このクソ提督!!!」

 

「おお・・・流石この鎮守府の支配者大淀様じゃ!!」

「修羅じゃ、修羅が降臨されたのじゃ!!!」

 

今気づきましたが、二頭身の人達が何時の間にか囲み何だか叫んで騒いでいます。

 

えっとあの方達は?いえ、これどう収集つければいいのでしょう。

 

私は途方に暮れるしかありませんでした。

 

 




言い訳という名の後書き

どうも。

この話も三話目になりました。

だんだん艦娘の性格が破綻してきた様な。

悪気はありません。許して下さい(土下座)。

ちなみに私は大淀様を崇拝しています。

軽巡の中では一番レベルが高いです。
(常に第一艦隊に入れています。)

それでは。

*6/23 文章の表記にご指摘があったので修正してみました。




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