とある補給艦娘の物語   作:h.hokura

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「ましゅう型補給艦ましゅうです。宜しくお願いします??」

某日の某鎮守府に今1人の艦娘が降臨した。

海上自衛隊所属、ましゅう型補給艦ましゅう。

数奇な運命に巻き込まれた彼女はこれから何を見るのか?





私ましゅうです!?

「「え、え、え!!!!!!!!!!!!!!!!」」

 

えーと、いきなり何なんでしょう?

 

私の前で絶叫する男女二人。

 

私は困惑しています。・・・ってここどこですか?

 

というか私、・・・私??

 

状況が分からず、あたりを見渡す私。ここって・・・?

 

見覚えの無い場所・・・いや、何となく懐かしい感じを受けます。

 

そう私はここに似た場所知っている。でも何故??

 

ふと、先ほど絶叫した男女二人を見ました。

 

男性は30歳くらい、白い制服を着ています。

 

知らない方ですが、制服には何だか懐かしい感じを受けます。何故でしょうか?

 

女性の方は、上の方はセーラー服?これも何故か懐かしさを感じます。

 

ただ、下の方、スカートは横が広く開いていて素肌が・・・・

 

「痴女?露出狂???」

 

「誰が痴女で露出狂なのよ!!!」

 

「わっ驚きました。どうして私の考えている事を?」

 

痴女、いえ女性の方が突然食って掛かって私は後ずさってしまいました。

 

「あんた口に出しているじゃないの。」

 

「え・・・そうだったんですか?何時の間に?」

 

女性の方はこめかみに指を当てため息を付きます。

 

「はあ・・・この娘天然ね。」

 

何が天然か分からず私は首を捻る。

 

一方男性の方は・・・・

 

「・・・ああ、資材が・・・いーじすかんが・・・」

 

イージス艦?それってこんごうさん達のことでしょうか?

 

・・・・?こんごうさん達、って誰のことでしょうか?

 

ただ、イージス艦と聞いた時に頭の中に浮かんだのですが。

 

「????、あのこの方は大丈夫なのですか。」

 

こんごうさん達?については考えても分からなかったので、

 

目の前でジタバタ・・・幼いお子さんですか・・・

 

男性について聞いてみたのですが。

 

「ああ・・・何時もの事だからほって置いていいわよ。」

 

「はあ・・・そう仰るのなら。」

 

何故か関わっていけない、本能的にそう感じた私はそう答えました。

 

彼女、非常に嫌そうな表情をしていましたし・・・

 

「そういえばまだ名乗ってなかったわね。」

 

その女性は佇まいを整えると、

 

「工作艦の明石といいます、よろしくね。」

 

と挨拶をされてきました。うん、これはキチンとお答えしないと。

 

「はい、ましゅうです、こちらこそよろしく・・・」

 

「あの・・・私ってましゅうなんでしょうか?」

 

「いや、私に聞かれてもね・・・・そうじゃないの?自分で名乗ったじゃないの。」

 

明石さんはそう言って腕を組むと、

 

「ほきゅうかんとか言っていたけど?それって何なの?そんな艦娘聞いたこないんだけど。」

 

とお聞きになってきました。

 

「補給艦・・・・それは艦隊の護衛艦達に燃料や水、弾薬等を補給する艦・・・あのかんむすって?」

 

聞かれて頭に浮かんできた補給艦の役割をお答えしたのですが、

 

明石さんの言われた最後の言葉。

 

かんむす・・・その言葉がとても気になりました。

 

「艦娘っていうのは私やあなたの様な、軍艦が人の形をとったもの。その軍艦の記憶と能力を受け継いだもの。」

 

明石さん首を左右に振ってから続ける。

 

「そう定義されているの。もっとも艦娘である私達自身にもよく分からないのだけど。」

 

明石さんは何だか複雑そうな表情で答えてくれました。

 

「すると・・・・私もそのかんむすなんでしょうか?」

 

「違うのかしら?普通工廠で建造されたならそのはずよ。でも・・・」

 

明石さんそう言って私を見る。

 

「貴女みたいな艦娘は私も初めて見るわ。ほきゅうかんなんて艦種なんて今まで建造されたこと無いし・・・だいたいかいじょうじえいたいって?」

 

どうも私と明石さんは、お互の状況ついてまったく分かっていない様です。

 

「どうしたものでしょうか?」

 

私はそう呟いて考えこみます。

 

そんな時です。

 

「はわわわ、いったい何が起こったのです!!」

 

そう叫びながら誰かがやって来ました。

 

中学生くらいのセーラー服姿の少女の様ですが。

 

「どうでもいいけど、何で慌てると吹雪ってあの娘の口調になるのよ?」

 

明石さんはそう言って、ジト目でその少女に聞きます。

 

「えっと・・・何でしょね?わはは。」

 

吹雪さんと呼ばれた少女は照れたように笑っています。

 

そして周りを見渡し・・・私に気づいた様です。

 

これは挨拶すべきでしょうか。でも自分の名が本当にましゅうなのか、いまいち確信できないのですが。

 

どうしようかと私が考えていると、吹雪さんの顔がどんどん赤くなっていきます。

 

そして・・・・

 

「お姉さま!?」

 

「はい???」

 

突然そう呼ばれ私はあっけにとられます。

 

「吹雪・・・あなたね・・・」

 

明石さんの呆れ果てた声と共に・・・・

 

 

 




言い訳という名の後書き

いや性懲りもなく続きを書いてしまいました。

言い訳はしません。出来れば広い心で見て頂くと嬉しいです。

それでは。

*6/23 文章の表記にご指摘があったので修正してみました(文章の一部も)。

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