二代目戦乙女の今日この日この頃。   作:バンビーノ

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11.迷い大人、気分ランラン

 アレシアは食材買い出しのため最寄りのスーパーへ向かっていた。

 アレシア・コロナーロ、28歳、日本でのはじめてのおつかいである。

 

「……あー、ミスった携帯おいてくるんじゃなかった」

 

 そして絶賛迷子中である。いやイイ歳した大人が迷ったときに迷“子”というかは知らないがアレシアは道に迷った。

 

「やべぇ、28歳がおつかいで迷子。うわ、なんか心が折れそうだ」

 

 取り敢えず携帯を取りに帰ろうと来た道を戻ろうとするアレシアだがどうにも見覚えのない道へと変わっていく。来た道すらわからない、完全に迷っていると自覚し冷や汗が流れるアレシア。

気分的にはディザストロを展開して飛んで帰りたい、あれだ、もうあたしは犯罪者なんだし街中でのIS展開くらいよくね? とか思考が暴走し始めたときには見知らぬ路地裏らしきところにいた。

 ふと気がつけば周りには人影もなく道を訪ねることすらままならなくなってしまった。

 

「やったぜ、あたし。ついに表通りらしきところからすら道が外れたぁ……ん?」

 

 拡張領域から酒でも出してやけ酒するか悩み始めたアレシアの耳に人の声が聞こえた。この期を逃せばホントにIS展開するしかなくなりそうだと思ったアレシアが声のする方へと進むと――よく見えないが誰かが男三人に絡まれていた。カツアゲかリンチか、はたまたこのご時世にナンパか。

 

「うわぁぁ、めんどくせぇな」

 

 思ったことをそのまま口に出して道を変えるか考えたアレシアだったが絡まれている人物が目に入った。

 正直なことをいうと、ここで目に入った人物が大人ならほぼ確実に見捨てていた。だが目に入ったのは少し赤みがかった茶毛の髪をした女の子――見た目から推測するにマドカとそう変わらない年齢の少女であった。

 

 これを見捨てていくと、これからさき何か胸くそ悪いものが残ったまま過ごすことになりそうだとアレシアは思う。特に同年代のマドカを見るたびに思い出しそうで……まあ、なんだ、端的にいって絡んでる下卑た笑いを浮かべた男たちが悪いからとか、泣きそうになりながらも毅然と反抗している少女が可哀想だからとかは一切関係ない。

 

「……あー、うん、仕方ねぇなぁ」

 

 関係ないが一身上の都合で明日からも気分良く生きてくために少女を助けることを決めたアレシアであった。あとついでに道を聞くため。

 アレシアは手頃な鉄パイプを拾うとそっと男たちの後ろへ立つ。少女が気づいたようだが上手く言葉を発せずに目が泳ぐだけとなっている。

 そんな少女の異変を感じ取ったのか一人の男が振り返ろうとするが既にとき遅し。

 

 ゴルフのような下から上へ向かうスウィングで鉄パイプが振り上げられ男のゴールデンボールをジャストミートし……振り返ろうとしたその男は声もあげられぬまま白目をむき泡を吹いて地に伏した。

 

「ワンヒット、ワンキルぅ!」

「て、てめぇ何もコヒュッ……!」

 

 仲間の一人が不意に現れた女によって何故か倒されたことに驚きながらも声をあげ振り返った男。

 しかし話など毛頭これっぽちも聞く気がないアレシアの長い足に、股の間をトーキックで蹴りあげられ内股になりながら股間を抑えて倒れた。

 

「来い、ラスト一匹」

「い、行かねぇよ!? お前鬼か!?」

 

 そして最後の一人に向き合うアレシアだが相手は膝をガクガクと震わせ若干内股になっている。

 

「女を男三人で囲ってたやつに言われる筋合いはねぇよ。あと弱点ぶら下げてるんだ、狙わない理由もねぇ」

 

 男にとってはこれ以上ない暴論で容赦なく玉を狙うアレシア。次はホームランだ、とか言って鉄パイプをフルスイングし始める。

 

「や、やめてくれ! 俺たちが悪かったから見逃してくれ、いやせめて息子だけは……!」

「あ、別にやらないなら帰っていいぜぃ? ぶっちゃけめんどいしぃぃ」

 

 アレシアがそういうと唯一下半身の息子が無事な男は目にも止まらぬ速さで息子ふたつが重傷を負ったであろうふたりを引きずり去っていった。

 それを見送ったアレシアら伸びをする。

 

「くあぁぁぁ、久々に生身で動いたぁぁ。あぁそうだ、赤髪ガール無事かい?」

「あ、ありがとうございます!」

「いんや、いいんよ。ただひとつお願いがあってぇだなぁ……」

「えと、私に出来ることなら……」

「よっしゃぁ! ここから最寄りのスーパーまで道案内してくれぃ!」

 

 そのときの目の前の少女の呆けた顔は爆笑ものだったとアレシアは思う。ただそれが少女が自分を助けてくれた人が道に迷っていたことに驚いた顔でなく他人事だったら、という条件つきである。

 

 

 

▽▽▽▽

 

 

 

 少女の名前は五反田蘭(ごたんだらん)というらしい。アレシアはフルネームで名乗らずアレシアとだけ言っておいた。

 

「アレシアさんが道に迷っててくださって助かりました」

「蘭、そうやって人の失敗したとこを掘り返すのはよくねぇぞぅ……ほら、イイ歳した大人が横でへこむぞ? 気まずくなるぞぅ?」

「いっ、いえ! そういうわけじゃなくてですね! ただ本当に助かったなってだけで!」

 

 ちょっとアレシアがへんこんだ振りをするとあたふたとしだす五反田蘭。マドカとは全然違う性格で初々しいというか新鮮だと思うアレシアであった。

 

「冗談だ。まあ、なんだ、道案内させて悪いな。予定とかはなかったか?」

「え、あっ、はい。大丈夫です……アレシアさんはスーパーへ何しに……?」

「あ? 普通に食材買いにだが……ああ、この頃ここへ来たから土地勘がなくてなぁ」

「そうだったんですかぁ」

 

 恐らく外国人のアレシアが道に迷ってまで何故スーパーに行こうとしてるのか、蘭は疑問に思ったのだろうとあたりをつけて答えるアレシア。反応的にどうやら正解だったらしい。

 

「蘭は中高生かぁ?」

「はい、中学三年です……あっ、こっちの道です」

「あれ、そっちだったか。なら今年受験か」

「はいっ! IS学園を目指してるんですけどあそこの倍率凄いんですよね……一応一般科目のボーダーは越えてるんですけどまだまだ不安なラインで」

「へぇ、IS学園か」

 

 IS操縦技術の特待などがあれば、アレシアは余裕で入れそうだが一般的な筆記試験では厳しいなと考える。座学はかなり適当に受けてきたのだ。

 目の前の蘭は、勘だが賢そうだし受かりそうだ。

 

「なんか蘭は真面目そうだし賢そうだ、適正があるなら、このままいけばきっと受からぁな」

「そうです、か?」

「ああ、安心しろ。あたしの勘は大まかに当たる」

「アハハッ、そうですか。なら引き続き頑張って勉強しようと思います!」

 

 グッと拳を握りしめて決意を新たにする蘭を眺めながらアレシアは普段接している三人にはない純粋さに笑みを浮かべる。

 ――レズふたりはともかくマドカもなぁ……結構捻くれてるからなぁ。もうちっと素直にならないかねぇ?

 まあマドカからしたら余計なお世話であり、お前も相当ズレているぞ、と言いたいだろう。

 

「アレシアさんはどうして日本へ?」

「んあー、しいて言えば仕事の関係だなぁ」

「へーそうなんですか。日本語お上手ですもんね!」

「まわりが日本語ばっか喋るからなぁ、っと。そういや蘭はISに乗ったこたぁあんのかぁ?」

「な、ないですよ!」

 

 アレシアの質問にブンブンと首と前に出した手を横に振り否定する蘭。当たり前である、ISは数も少なく兵器という側面もあるため誰でも乗れるというわけではない。蘭の年齢で乗ったことがある人間は代表候補生レベル……もしくは非合法的にだ。

 と一般的に乗れるものでないわけは色々あるのだが蘭がISに乗ったことのない一番の理由は他にある。

 IS学園に入学することを決心したのが今年の夏なのである。本来は中学からそのまま高校、大学へエスカレーター式に上がれる超ネームバリューのあるところに在学している蘭なのだが、この春、夏の前にIS学園を受験することを決め、夏に急遽IS関係のことを調べたのだ。

 

「ほぉー、またどぉしてよ? 勿体なかぁねぇの?」

「その……あの…………ふ、不真面目というか不謹慎って言われるかもしれないんですけど」

 

 理由を問うとうつ向きがちにボソボソと言葉を紡ぐ蘭。心なしか顔が赤いような気もする。

 

「言いやあしねぇよ、世の中のIS乗りには強くなりたいってだけで乗ってるやつもいるんだぜぃ?」

「え、と…………惚れた人がいるからです、IS学園に」

「お……んん、なんて?」

「だ、だからIS学園に惚れた人がいるんですよ!」

 

 聞き返したアレシアに対してか何に対してかわからないが蘭は自棄になったのか大声で顔を真っ赤にしながら言いきった。

 それを聞いたアレシアは固まり……ニマニマ笑い始めた。

 

「ほぅほぉー! 若いっていいねぇいいねぇ、青春だなぁ!」

「ううっ、恥ずかしいです……」

「いやいや誇れよぅ、五反田蘭! なぁんも不純な目的でもない、惚れた男を追うために成功が決まったような道を捨てて自分で新しい道を切り開こうってんだぁ。なにも恥じることはねぇよ」

「は、はい。でも恥ずかしさはそっちじゃなくて乙女心的な羞恥心ですよ!」

 

 耳まで赤い蘭の頭を撫でるアレシア。この頃面倒な話ばっかだったので、たまにはこんな話もいい、むしろこんな話ばっかだといい。

 五反田蘭という少女を助けて本当によかったと思うアレシアだった。

 

「うー、髪が乱れます……」

「おっと、悪い悪い。ほいっと鏡、使ってくれ」

「ありがとうござ……今どこから鏡出しました?」

「ん? ディザストロ(あたし)拡張領域(ポケット)だけど?」

「で、ですよね」

 

 鏡を取り出したアレシアの手元が一瞬光って見えたのだけど……たぶん鏡に光が反射したのだろうと蘭は納得する。

 

「でも今年に決めたのにIS学園の受験に受かるボーダー以上の学力があるってのはぁ、凄いねぇい。あとは実技かぁ?」

「あ、えと一応適正の方も簡易適正試験で判定Aでして……」

「なんだよぉ蘭、お前今すぐブリュ……の前に国家代表……の前に代表候補生か。代表候補生目指せよ」

「急ですね!? そ、そんな代表候補生だなんて」

「国家代表はともかく代表候補生は一応人数制限ないんだぜぃ? 国が認めた人間なら誰でもなれるしどれだけの年月乗ったかも関係ない実力のみの世界だ。IS学園入学ついでに目指してみねぇか?」

「だ、代表候補生を目指すのをついでですか……」

 

 この蘭という少女は今年にIS学園に行くと決めたのに既にクリアしている学力があるという真面目さと簡易試験とはいえ適正の判定がA。

 いけるんじゃねぇの? とアレシアは考える、少なくとも代表候補生なら余裕とは言わないが、きっと頑張ればいける。蘭は恐らく相応の努力をすれば結果がついてきて報われるタイプだ。

 

「アッハッハ! ついでだ、ついでぇ。まあまずは入試の合格が目標だわぁな?」

「ええ! そこをクリアしないとなにも始まらないので……!」

「だよなぁ、ならあたしから実技に関してひとつアドバイスを。ISに初めて乗ったときには手足が伸びたと思っとけぇ。ISは自分の手足のように自由自在に動くのに、頭のなかにある自分の手と足の長さのイメージと違って戸惑うやつが多いんだ」

 

 アレシアは乗り始めた頃はそのギャップに苛立った。苛立ったすえに数日トイレと睡眠以外乗り続けるという暴挙に出て無理矢理慣れた。部屋を三つばかりパーにして半年減給くらったのはいい思い出である。

 

「そうなんですか……飛ぶことはどやってイメージしたらいいんですか?」

「あー、基本的な歩くことから始めるから初めは飛ぶことは考えねぇ方がいいとは思うんだが……ISにはPICってのがあるから上と下の概念を捨てる、自分が水のなかにいるイメージが近いかぁ? 慣れるとそこを超高速で動くんだけどな」

「あ、何となくわかります。水中のイメージですか」

「ああ、ISは地上ではマジックハンド持って超厚底の靴履いて、飛ぶときには水中にいると思えばいいんじゃねぇか?」

「……あれ、なんか急にISがガッカリな感じになりましたよ?」

 

 結果的に出したイメージが残念すぎたのか納得してた蘭も首を傾げる。

 

「アレシアさんってISに乗ったことが――」

「お、あれがスーパーか?」

「えっ、あ、はい!」

「やー、助かった助かったぁ! じゃあなぁ蘭! 恋する乙女頑張れぇよぅ! あと気ぃつけて帰れぇ!」

「こ、声が大きいですよ!? あっ、あの、ありがとうございました!」

 

 再び顔を赤に染めながらもお辞儀する蘭に手を振りながらスーパーのなかへ入っていく。

 そしてスーパーのなか、酒のコーナーでアレシアは失敗したと思った。

 

 ――酒屋の位置も聞いときゃよかった……! 酒の品揃えが微妙だ。

 

「うーん、話し込みすぎて聞き逃しちまったなぁ」

 

 ひとまずは拡張領域内の酒でしのぐとして、本来の目的の食材を見に行く……がどれがいいとか、まったくもってわからない。

 肉はかろうじてわかるのだが、魚や野菜類がとにかく多く、世界最強であるアレシアはところ狭しと陳列した野菜の前では無力であった。

 一応説明しておくとイタリアが野菜を食べない国というわけではない。むしろヨーロッパ内で野菜の消費量は二番目ともいわれているし、アレシア自身も野菜嫌いというわけでもない。

 

 ただ料理として出来上がるの前の食材に興味を持たず28年生きてきたせいだ。

 

「……唸れ、あたしの勘! スコールの財力ぅ!」

 

 野菜を眺めていても埒があかないと判断したアレシアは魚類、野菜類を直感で選びスコールから渡された金額の多さに物言わせてカゴいっぱいに肉、魚、野菜とついでに調味料、お茶を買った。

 

 結果的に両手に満タンとなった買い物袋ふたつぶら下げて、帰るはめになったのだが自業自得でしかない。

 

 

 

 

▽▽▽▽

 

 

 

 

 五反田蘭はアレシアをスーパーに送り帰宅してからは夕飯までISについての勉強をしていた。

 蘭は聖マリアンヌ女学園という超のつくエリート校に在学しており、既に筆記でIS学園に受かれるだけの学力を保有している……のだがそれは一般教科に限った話である。

 IS学園の試験を受けようと決めたのは今年に入ってからであり、恐らく他の受験生に比べ現状では一歩劣るところにいることは蘭自身理解している。だからこそ、こうしてIS関連の勉強をしているのだが。

 

「アラスカ条約の……第7項では、各国家、企業、組織・機関でのコアの取引はすべての状況下において禁止されている。っと」

 

 やっぱり覚えることが多い、それでも暗記系については何とかなりそうなのだが実技が心配で仕方ない蘭だった。基本的に皆が乗ったことがないことはわかっているし適正も判定Aである、なので大丈夫だとは思うのだが……

 

「えっと、手足の長さの違いに戸惑うんだっけ?」

 

 最後にはマジックハンドに超厚底の靴と言っていたが、最初の説明を聞くにISの手足も自分の手足のように動くらしい。

 ただ頭のなかでは普段の自分の手足の長さでイメージし動かしているのに、ISを装着したとき手足は装甲分長くなっているので動くと、イメージとリアルに食い違いが起きるのだろう……たぶんそういうことのはずだ。

 まだISに乗ったこともないので想像しかできないが参考書で読むよりもだいぶんイメージが固まった。

 やはり人からちゃんと説明してもらうといいな。そう蘭は思ったのだが――あれだけ説明してくれたアレシアさんはIS関係者だったのだろうか? 結局聞けずに別れてしまったのだが。

 いやそれよりも、

 

「アレシアさんって名前どこかで聞いたような見たような……」

 

 ISの歴史についての参考書をパラパラとめくりながら蘭は考える。そういえばやっぱりIS関係のなにかで見かけたような、そこまで思い至ったところで参考書のある一ページが目に止まった。

 そのページは第二回モンド・グロッソについて記載されていた。第二回モンド・グロッソといえば、蘭の思い人織斑一夏の姉である織斑千冬が決勝戦で棄権したことが印象に強く残っていたのだが――問題の名前が目に入り、ご丁寧に顔写真までついていた。

 

 第二回モンド・グロッソ優勝者、二代目ブリュンヒルデ――アレシア・コロナーロ。そう書かれていた。

 

「えっ、あ…………ぁぁぁぁあああああ!? あア、アレシアさんって!?」

「蘭うるさいぞ、電話中だからもうちょっと静かにしてくれ」

「ば、バカお兄! ノックくらい、ってそんなことより! 昼間に会った人が助けてくれた人が、アレシアさんで! アレシアさんがコロナーロさんで!」

「す、すま……どうしたんだ? 落ち着けって」

 

 突如大声を出したのがうるさかったのか、隣の部屋で電話をしていたらしい蘭の兄である五反田弾が注意しにやって来た。

 のだが蘭は昼間に助けてもらい何気なく話していた人が、世界最強と呼ばれなおかつ現在消息不明として扱われているアレシア・コロナーロその人であったことに驚きテンパってそれどころではない。

 弾がどうやって蘭を落ち着けさせるか悩んでいると電話の相手が話しかけてきた。

 

『弾さんどうしましたか? いえ、今「アレシア」と聞こえたのですが』

「あ、すみません(うつほ)さん。なんか蘭が昼間にアレシアって人に会って助けてもらったみたいなんですけど要領を得なくって」

『……そうですか、少し妹さんに代わって頂いてもいいでしょうか?』

「えっ、まあいいですけど……おい、蘭。虚さんがお前と話したいって」

「ってことは、アレシアさんは世界最きょ……えっ? わ、わかった」

 

 弾に携帯を渡され浮けとる蘭。少し落ち着いてきたところだが、何故急に兄から携帯を渡されたのか疑問な蘭だったが直ぐに携帯から声がした。

 

『布仏虚です、突然すみません、蘭さん』

「あっ、いつも兄がお世話になってます」

『いえいえ、こちらこそ……蘭さんにお話を聞きたいのですがアレシアという人物に出会われたのですか?』

「はい、今日ちょっと……いや色々ありまして」

『差し支えなければ何処で出会われたかや、何があったか聞いてもよろしいですか?』

「構わないですけど……えっと――」

 

 その後、蘭は今日起こったことをすべて虚に話したのであった。

 ――更識家に仕える布仏家の人間であり、現当主でありIS学園生徒会長でもある更識楯無に仕える布仏虚へと話したのであった。

 




ここまで読んでくださった方に感謝を!
蘭初登場、あとちょろっと弾も。
蘭は優秀なのでアレシアのことに直ぐに気付きそうですが、何だかんだやっぱり男に絡まれて気が動転してたということで。
因みに蘭の代わりに女尊男卑で高圧的な女性に絡まれてる男か、絡まれてるのが男女問わず大人ならアレシアは見捨ててました。単純な性格ですが手放しに優しいわけではないです。

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