とある英雄の伝説大戦(レジェンドウォーズ)   作:マッスーHERO

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もうすこし文章力をあげて、
いつかオリジナル小説を書きたいなんて思いますね…
でも今のままじゃ…

豪獣神、今回はいまいちですが次章では活躍しますからね


燃えるぜ!4つの魂

「グオオオオオオオオオオ!!」

 

イザクの火炎放射が豪獣神に襲いかかり、そのボディを黒く染めていく。高温となったボディが溶け、内部の配線から火花が漏れていくのが病院の屋上からもよく見える。やがて豪獣神は魂が抜けたように地面に倒れ、先に倒れていた片腕のスーパーデカレンジャーロボの上に覆いかぶさった。

 

「ああ、豪獣神が…」

 

病院の屋上で枝先が悲鳴に近い声を出す。すでにマケットを使い切った彼女にはもはや戦いを黙って見つめることしかできない。それが彼女にはとてももどかしかった。横にいる重福はメテオールショットで、春上はデンガッシャーのガンモードで残り2体となったロボを必死に援護している。

 

「く…もうあとはアルティメットダイボウケンに頼るしかない…」

 

アルティメットダイボウケンのコクピットでボウケンピンク=初春はキーボードから手を離し、ボウケンドライバーのハンドルに手を掛ける。目の前には残る4体となった怪獣たち、『ネオザルス』『イザク』『スカウトバーサーク』『フライグラー』…いずれも強豪な怪獣である上、彼ら本人の能力が6体のロボを破壊し、残るスーパーギャラクシーメガとアルティメットダイボウケンを苦しめていた。地面には先の2体の他に両腕のもがれたテトラボーイ、頭部の破壊されたグレートイカロス、胸部をえぐられたメガボイジャー、そして脚部を破損したゴーカイオーが無残に倒れていた。ゴーカイオーの近くにはゴーカイケンが悲しげに地面に突き刺さっている。

 

「スーパーメガフライングカッター!!」

 

スーパーギャラクシーメガが飛び上がり、ネオザルスにメガサーベルを振り下ろす。しかしネオザルスの胸から放たれたホーミングレーザーがメガサーベルに直撃、メガサーベルは真っ二つに折れ地面に落ちる。地面に着地したスーパーギャラクシーメガはガトリングブラスターを放とうとするがネオザルスの振り下ろされた強靭な尻尾の一撃に右のガトリングブラスターを破壊されてしまう。

 

「バリアブルタイフーン!!」

 

スーパーギャラクシーメガのピンチを見たボウケンピンクはそれを援護しようとバリアブルタイフーンを放つが間へと割って入ったスカウトバーサークがそれを受け止める。さらにスカウトバーサークの放った光弾がアルティメットダイボウケンのタービンを撃ち抜き、バリアブルタイフーンを封じられてしまう。そこへ追い打つをかけるようにフライグラーの高圧水流が襲いかかる。

 

「エ、エンジンレベルアップ!緊急上昇!!」

 

これ以上のダメージを防ぐために空へと飛び上がるアルティメットダイボウケン。しかし、目標を失った高圧水流が背後にあった病院へと迫る。

 

「きゃあ!!」

 

「く、メビウース!!」

 

「コスモス!」

 

迫る高圧水流に悲鳴をあげる枝先。二人は意を決して変身アイテムを掲げながら叫ぶ。直後に周囲が光りに包まれ二人のウルトラマンが病院の目の前に現れた。

 

「デヤ!!」

 

迫る高圧水流をコスモスがリバースパイクで防いでそのままフライグラーへと押し返し、さらにメビウスがメビュームスラッシュを放ち、飛び回るイザクの動きを封じる。二人のウルトラマンはそのまま2体の怪獣に向けて走りだし、コスモスはイザクに、メビウスはフライグラーへと飛びかかる。こうして4対4の最終巨大決戦が幕を開けた。

 

「ガトリングブラスター!!」

 

「オーバートップギア・イン!!アルティメットブラスター!!!」

 

スーパーギャラクシーメガの残された左側のガトリングブラスターが唸り、ネオザルスとスカウトバーサークへと大量の銃弾を放つ。さらにアルティメットダイボウケンのアルティメットブラスターが動きの止まった2体へと放たれた。鳥型の火炎ビームはまっすぐと進み2体に直撃、2体は大量の爆煙に包まれる。

 

「や、やった!」

 

「…まだや!!危ない!!」

 

安堵し、気を抜いたアルティメットダイボウケン。しかしスーパーギャラクシーメガは何かを感じ取ってアルティメットダイボウケンの前へと躍り出た。直後、爆煙から3つの光弾が2体に襲いかかる。光弾はすべて前にでていたスーパーギャラクシーメガに着弾し、残された左側のガトリングブラスター、右腕のナックルパーツ、そして胸部のパーツが破損して地面へと倒れこんだ。驚いたボウケンピンクがモニター越しに光弾の発射方向を確認する。煙が晴れるとそこには無傷の2体の怪獣があざ笑うかのようにこちらを見る姿があった。

 

「く、アルティメットミサイル!!」

 

わずかに狼狽するもボウケンピンクは直ちに攻撃の体制をとった。背中のゴーゴージェットから放たれた強力な2発のミサイルが怪獣たちに放たれる。ミサイルを前に2体の怪獣は慌てず、まずスカウトバーサークが前に立って、両腕を突き出す。すると光のバリアのようなものが発生し、ミサイルを受け止める。さらにネオザルスの咆哮がアルティメットダイボウケンへと放たれ、各部のパーツから火花が飛び散った。

 

「きゃあ!!」

 

アルティメットダイボウケンが地面に倒れこみ、コクピット内のボウケンピンクが悲鳴を上げる。コクピット内のコンソールから火花が散り、ショベルが脱落してしまう。

 

「な、なんであの2体にはそんな能力…は!そうか、変身した能力者の…」

 

片腕を失ったアルティメットダイボウケンを立ち上がらせながら、ボウケンピンクはそのことに気づいた。フューチャーは高位能力者の集まり、ウルトライブした彼らも能力者なのだろう…スカウトバーサークはおそらく原子操作系、ネオザルスは音波操作系の能力者がライブしているのだ。

 

「グオオオオ!!!」

 

「…」

 

半壊状態のアルティメットダイボウケンにトドメを刺そうと2体が迫る。片腕を失い格闘戦が不利となったアルティメットダイボウケンは空中へと逃げるが、そうはさせじとネオザルスはホーミングレーザーで追撃する。アクロバット飛行で回避しようとするアルティメットダイボウケンだが、少しずつ距離が詰まっていく。

 

「さ、させへんで!!スーパーギャラクシーナックル!!」

 

ホーミングレーザーに追われるアルティメットダイボウケンを助けるためにスーパーギャラクシーメガは残った左腕のナックルパーツを飛ばしてホーミングレーザーへとぶつけて相殺させるが、ナックルパーツは粉々に粉砕されてしまう。救われたアルティメットダイボウケンもスカウトバーサークの光弾を受けてジョットの翼を破壊されてしまい地面に落ちた。

 

「ネオパラレルエンジンの出力が上がらない…アルティメットブラスターが…」

 

「く…ナックルパーツも…ガトリングブラスターも使えへん…」

 

もはや戦う力が残っていない2体は最後の力を振り絞ってなんとか立ち上がる。しかしそんな2体をあざ笑うかのように2体の怪獣は最後の攻撃を放とうとしていた。

 

「グオオオオ…」

 

「…」

 

ネオザルスの胸とスカウトバーサークの両肩の発光体にエネルギーが溜まっていく。なんとか避けようとするがまともに動く力は残っていない2体のロボは片膝をつき、その動きを完全に止めてしまった。

 

「う、動け!スーパーギャラクシーメガ!動くんや!!」

 

「お願い!動いてください!!」

 

操縦桿を必死に動かす2人だが、それも虚しい抵抗だった。もはや2体にはその大きな体を動かすパワーが残っていないのだ。そして…

 

「グオオオオ!!!」

 

「…」

 

2体のロボに向けて必殺の光弾が次々に放たれていく。大量の光弾はスーパーギャラクシーメガとアルティメットダイボウケンの周囲に次々に着弾していき、黒い爆煙と炎が2体を覆ってしまう。

 

「うわあああああああ!!」

 

「きゃあああ!!!!」

 

やがて凄まじい爆発が起こり、2体の姿は完全に爆煙の中に消えてしまった…

 

 

 

 

 

「セヤアアアア!!」

 

「ノワアア!!」

 

一方、2人のウルトラマンも怪獣相手に苦戦を強いられていた。フライグラーの高圧水流がメビウスに片膝をつかせ、イザクの炎がコスモス・コロナモードに襲いかかる。二人のウルトラマンは街を守りながらその攻撃を防いでいるため、思ったように戦えていない。さらに追い打ちをかけるように2体の怪獣に追加された能力が2人を襲った。

 

「ギャアア!!」

 

「ゼヤ!?」

 

突如メビウスの体に異変が起こった。フライグラーに浴びせられた水流が当然凍りついたのだ。冷気に弱いウルトラマンにとってこの攻撃は辛い。メビウスはたちどころに弱り始めてしまった。

 

「ゼヤアア!!!」

 

コスモスのプロミネンスボールがイザクへと襲いかかる。しかしプロミネンスボールはイザクの体を透過するように通過してしまう。

 

「ゼヤ!?」

 

「グオオオオ!!」

 

狼狽するコスモスに向けて再び火炎放射が放たれ、コスモスの体を覆う。いくら太陽の化身といえるコスモス・コロナモードもその威力に吹き飛ばされてしまった。この攻撃をコスモスが避けることができなかったのも無理はない。なぜなら火炎放射は突然背中からコスモスに襲いかかったのだから…コスモスが立ち上がり周囲を確認して驚愕した。なぜならコスモスを挟むように2体のイザクがそこにいたからだ。さらに驚くことに片方のイザクは煙のように消えてしまう。それを見たコスモスは瞬時にそれが幻像であることを見ぬいた。おそらくイザクにライブした能力者は偏光能力系の能力者で光を屈折させて幻像を作りだしたのだろう。

 

「キャアアアアアア!!!」

 

「グオオオオオオオ!!!」

 

2体の怪獣の猛攻を受けて2人のウルトラマンのカラータイマーが青から赤に変わり、点滅を始める。メビウスは体の大半を凍らされてしまいダメージを受け、コスモスは技の不発でエネルギーを大きく消耗している。二人もまたロボたちと同じように窮地に追いやられていた。

 

「セヤ…」

 

「ゼヤア…」

 

虚しく鳴り響くカラータイマー…迫る2体の怪獣の咆哮…爆発に巻き込まれた2大ロボ…未だ砲撃を続ける2体の怪獣…まさしく絶体絶命の4人を見て、枝先は涙を流しながら必死で応援していた。

 

「お願い…頑張って!!」

 

しかし…そんな応援も怪獣たちの咆哮にかき消され、4人のピンチは変わらない。枝先はがっくりと両膝をついて地面にひざまづく。それでも両手を組んで彼女は祈りを続けた。たとえそれが無駄なことだとわかっていても彼女には祈ることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

忘れられがちなことだが、枝先絆理は念話能力〈テレパス〉の能力者である。ひょっとしたらそれが影響したのかもしれない。彼女が祈りを続けると、どこからか再び歌が響き始めたのだ。あの奇跡の歌が…

 

「「たとえ~どんなに傷つき、炎を燃え尽きても~♪」」

 

[仮想BGM:Eclipse]

 

 

 

 

 

歌が響いた直後、雲ひとつなかった空から凄まじい光が倒れる2人のウルトラマンのカラータイマーに降り注いだ。光は赤色になったカラータイマーを再び青々とした輝きを取り戻し、コスモスとメビウスは力強く立ち上がった。

 

「(全身から力がみなぎってくる…)」

 

「(あたたかい光なの…)」

 

「(衿衣…君の勇気を私に貸してくれ…今、私のできるすべての力をここで解き放つ!!)」

 

2人のウルトラマンは互いに目線を合わせるとなにかを感じ取ったように頷き、行動を起こした。コスモスは太陽に向けて両腕を大きく広げ、メビウスは胸を張り両手を左右に少しずつ広げていく。すると2人の体に明らかな変化が起こった。コスモスの体を黄金の光が、メビウスの体を炎が覆いボディへと吸い込まれていく。するとコスモスは今までの赤い一色のボディから青と赤の混在するボディへと変わり、頭部よりシャープな形の『エクリプスモード』へと変わり、メビウスは逆に体の銀色の部分の面積が減り、より赤が目立つ体色と黄金のラインによって描かれた炎のようなマークが印象的な姿『バーニングブレイブ』へと変わった。

 

「セヤア!!」

 

「ハア、ゼヤ!!」

 

姿を変えた2人のウルトラマンはイザクとフライグラーに対してファイティングポーズを取る。2体の怪獣は『所詮姿を変えただけ』だと言わんばかりに動じず、2人へと攻撃を仕掛けた。

 

「キャアアアアアア!!!」

 

フライグラーの高圧水流が再びメビウスに襲いかかる。しかしメビウスはそれを避けも防ぎもせずボディで受け止めた。しかし水流はメビウスの体にぶつかると同時に音を立てながら蒸発し、能力を発動することもできなくなるフライグラー。戸惑うフライグラーに対してメビウスは突撃せんと走りだした。フライグラーは水流を連射して応戦していくがメビウスは拳でこれをどんどん撃ち落としていく。両者の距離はどんどん詰まりその距離がゼロになった瞬間、メビウスのアッパーがフライグラーの腹部に突き刺さる。体の浮いたフライグラーはその凄まじい力で上空へ投げ出され、青空へと吹き飛ばされていく。空中を泳ぐフライグラーに向けてメビウスは両腕を大きく広げてエネルギーを貯めると、それを巨大な火球に変える技『メビュームバースト』をフライグラーへと放った。背中の翼をはためかせ回避しようとするフライグラーだったが、避けきれず火球によって包まれ爆発を起こした。

 

「グオオオ!!」

 

フライグラーの敗北を見たイザクは激昂して炎をメビウスに放つが、間に割って入ったコスモスが半球状の光の壁『ゴールデンライトバリア』を発生させて防ぐ。さらにコスモスはそのまま前進してイザクへと体当たりを仕掛ける。体当たりで吹き飛ばされたイザクは再び幻像を生み出して数体に分身するが、コスモスはこれを高速移動しながら一体ずつ叩き潰し本体を殴り飛ばす。イザクも高速移動で対抗しようとするがコスモスにはかなわずパンチで吹き飛ばされる。

 

「ハアアア!!ゼヤアア!!」

 

追い詰められたイザクの放った火炎放射がコスモスに迫るが、コスモスは両腕を交差してエネルギーをため、そのエネルギーを右腕に集中させて放つ必殺光線『コズミューム光線』で応戦する。2つの攻撃の差は明らかで、コズミューム光線が火炎を裂きイザクの体へと突き刺さり、イザクの体を吹き飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

一方、ネオザルスとスカウトバーサークの猛攻は未だに続いていた。しかしイザクたちが敗れたことに気づき、2人のウルトラマンへと挑もうと攻撃をやめる。すると舞い上がっていた爆煙から2つの大きな影が飛び出し、2体の怪獣へと突っ込んだ。それは合体を解除し、身軽になったギャラクシーメガとダイボウケン。ギャラクシーメガは地面に突き刺さっていた1本のゴーカイケンをつかみ、ダイボウケンは轟轟剣を振りかざす。すでに脚が動かなくなったギャラクシーメガは背中のバーニアを前回にして飛ぶように突っ込み、ダイボウケンはわざと脚の合体を外さず、2台のビークルで走りながら前へと進んでいる。

 

「負けへん!負けるわけにはイカンのや!!僕かてレベルは低いで、でもこんなにたくさんの友達がおる。その人たちのために僕は戦うと決めたんや!ゴーカイストレートカッター!!」

 

「これで決めます!!今戦っている皆さんの思いに答えるために!!フルパワー!アドベンチャードライブ!!!」

 

2体のロボの斬撃が2体の怪獣を切り裂く。2人の思いのこもったその一撃に強固なボディを持つはずの2体の怪獣すら耐え切れず、苦悶の叫びと共に倒れ爆発を起こした。

 

「よっしゃ…やったで…」

 

「はあ…はあ…」

 

しかし激しい戦いのなかで2体はすでに限界を迎えておりダイボウケンはゆっくりと地面に倒れ、ギャラクシーメガは頭部のメガシップが外れて地面に落ち、それと前後して腕や脚部のパーツがボロボロと地面に落ちていった。その姿を見て助けに入ろうとしたウルトラマンたちも突如膝をついて倒れ、少しずつ透明になるように消えていった。


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