とある英雄の伝説大戦(レジェンドウォーズ)   作:マッスーHERO

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お久しぶりです。
ここ最近投稿が遅れて申し訳ありませんでした。
自己満足かもしれませんが、今日から三日間連続で投稿し、駿河編にけじめをつけたいと思います。


絶・望・花・咲

宇宙…無限のコズミックエナジーを秘めた神秘の世界…

そんな宇宙を目指してたくさんの人々が幾多もの挑戦をしてきた…

1961年…人々は初めて宇宙に旅だった…

1969年…人は地球から384,400 km離れた月に降りたった…

1986年…挑戦と名付けられた宙船が挑戦者たちとともに青空に散った…

それでも人々は宇宙を目指してきた…

そして…ここにも一人宇宙に向かうことを夢見た少年がいる…

彼は何故宇宙を目指すのか…その答えもわからぬまま、彼はひたすら宇宙を渇望し続ける…

それは夢ではなく呪いのように…

彼を雁字搦めにしていく…

 

 

 

 

 

[Launcher Gatling On]

 

「うおお!」

 

フォーゼのランチャー・ガトリングモジュールの一斉掃射が真レギオンドーパントに襲いかかる。しかしそれらを真レギオンドーパントは避けずに受けながら少しずつフォーゼへと近づいていく。そしてフォーゼの両足をモジュールごと掴み、すさまじい握力で破壊したあとジャイアントスイングで投げ飛ばしてしまう。

 

「おらあああああ!」

 

「うお!?」

 

投げられたフォーゼはそのまま壁に激突し、地面に倒れ込む。凄まじい力で掴まれた両足のモジュールは火を噴き、ランチャー・ガトリングのスイッチが弾けるような音とともに壊れて地面に落ちる。

 

「アストロスイッチを一撃で破壊するなんて…なんてやつだ!!」

 

今フォーゼが戦っているのはレギオンドーパントやレギオンレオゾディアーツとは明らかに違う怪人だった。全身が甲殻に覆われた白いボディ、一本角と青い二つの目が光る顔、そして背中から伸びる10本の細長い足のようなパーツとひときわ目立つ大きな剣とも角ともとれるパーツ…その怪人の名は真レギオンドーパント。レギオンレオゾディアーツのような高速移動能力は幸いなことにないようだが、圧倒的な防御力と攻撃力は過去の2体とは比べ物にならない。その証拠にここまで特殊な能力などまるで使っていないのにフォーゼを圧倒している。

 

「これならどうだ!」

 

[Chainarray]

 

[Chainarray On]

 

「うおおお!」

 

あの強固な甲殻を破るためにチェーンアレイモジュールを使用するフォーゼ。破壊力抜群のモーニングスターが真レギオンドーパントに向けて投げつけられるが、真レギオンドーパントはそれを真っ向から受け止めチェーンで繋がれたフォーゼごと一本背負いのように後方へ向けて投げ飛ばしてしまう。

 

「おあ!?」

 

投げられた拍子にチェーンが切れ、空へと吹っ飛ばされてしまうフォーゼに向けて真レギオンドーパントが持っていたチェーンアレイを投げつける。

 

「くっそお!」

 

[Shield]

 

[Shield On]

 

素早くシールドモジュールで受け止めるフォーゼだが、勢いが凄まじすぎたのかチェーンアレイはシールドモジュールをバラバラに破壊してしまう。

 

「アストロスイッチの力をもろともしないなんて…」

 

「その程度か上条?」

 

「これならどうだ!!」

 

[Claw Chainsaw Spike Scissors]

 

[Claw Chainsaw Spike Scissors On]

 

[Claw Chainsaw Spike Scissors Limit Break]

 

「ライダークローチェーンソースパイクシザーススピニングカッター!!」

 

右腕にクローモジュール、右足にチェーンソーモジュール、左足にスパイクモジュール、左腕にシザースモジュールを装備したフォーゼが拘束回転しながら接近戦用モジュール4つの連続リミットブレイク攻撃を行い、それが真レギオンドーパントのボディへと襲いかかる。それを真レギオンドーパントは真向から受け止め、激しく火花を散らしてぶつかり合う両者。やがて真レギオンドーパントがぶつかり合いを押し切り、フォーゼを吹き飛ばした。

 

「うあああ!!」

 

地面をすさまじい勢いで転がっていくフォーゼ。クロー、シザース、チェーンソーの刃は先程の激突で完全に折れ、スパイクの刺がいたるところに砕け散乱する。

 

「(もう8個もモジュールがやられてる…どのモジュールもこれまでいろんな怪人に致命傷を与えてきたのに…あの真レギオンドーパントのボディを傷つけることすらできないなんて…)」

 

「はああ!!」

 

「くそ!!」

 

[Smoke]

 

[Smoke On]

 

真レギオンドーパントはフォーゼに思考に沈む隙すら与えないためにさらなる猛攻を仕掛けていく。攻撃力の高い8つのモジュールを破壊されているフォーゼはひとまず距離をとろうとスモークモジュールを使用して煙幕を張る。しかし真レギオンドーパントにはあまり効果がなく、両腕を鎌のように変化させて煙幕を切り裂きながらフォーゼへと迫っていく。それもそのはずだ、真レギオンドーパントの目にはあらゆる波長の電磁波を視覚認識できる。そして電磁波のうちの赤外線は絶対零度以外のものはなんでも放出している…つまりフォーゼの位置は真レギオンドーパントにはまるわかりなのだ。

 

「くそお!」

 

[Scoop Hammer]

 

[Scoop Hammer On]

 

「おらあ!」

 

迫る真レギオンドーパントの鎌をスコップとハンマーモジュールで受け止めるフォーゼ。しかし2つのモジュールはまるでバターのように切り裂かれてしまう。

 

「くっそぉ…あんなの反則じゃないか…チートキャラもいいとこだ…」

 

「一般の能力者学生として言わせてもらおう…お前が言うな!!」

 

「おああああ!!!」

 

腹部に強烈なパンチ受けて狼狽していたフォーゼの身体が空に浮く。そしてフォーゼの落下点に真レギオンドーパントは待ち構えるように移動する。しかしフォーゼとて、このまま黙って落ちるわけがない。体制を立て直すとスタンパースイッチを取り出し、フォーゼの攻撃の中でも強力な部類に入るスタンパーモジュールの攻撃を仕掛ける。

 

[Stamper]

 

[Stamper On]

 

「ライダースタンパーキ…」

 

「そうは行かないぞ!上条!」

 

リミットブレイク用のエンターレバーをフォーゼが引こうとした瞬間、真レギオンドーパントの右腕から『レッドロッド』と呼ばれる赤く発行した細長い触手が何本も勢い良くフォーゼへと放たれ、左脚のスタンパーモジュールに絡みつきズタズタに切り裂いていく。さらに真レギオンドーパントはフォーゼを先ほどのチェーンアレイの時と同じように振り回して投げ飛ばしてしまった。先ほどのチェーンアレイの時と違うのは回された半径と高度のために凄まじい勢いで投げられていることだろう。フォーゼは廃工場の壁を突き破りながら地面にたたきつけられ動かなくなってしまった。そんなフォーゼに対し、真レギオンドーパントは一切気を緩めず次なる攻撃を仕掛ける。

 

「うう…うおおおおお!!」

 

咆哮とともに突如真レギオンドーパントの腹部がオレンジ色に発光しながら肥大化を始めた。真レギオンドーパントは肥大化したした腹部『エッグチェンバー』を引きちぎって右腕に持つとそれを倒れたフォーゼに向けて思い切り投げつける。すると投げられた腹部の一部は空中で粉々に割れ、中から30体近い黒い影が出現した。巨大な1つの目と横に2つずつ合計5つの目を持ち、ボディは真レギオンドーパントとは対象的に黒いボディと翼をもつ尾のない蠍のようなミドリガメサイズの『ベビィソルジャーレギオン』と呼ばれる怪物はようやく立ち上がったフォーゼの身体に張り付いていく。

 

「ぐ…こいつら!?」

 

身体をじたばた動かしてベビィソルジャーレギオンを振りほどこうとするフォーゼだが、やがてベビィソルジャーレギオンに覆い尽くされてしまう。すると覆い尽くされたフォーゼの身体から煙が出始めた。張り付いているベビィソルジャーレギオンたちが電磁波を発生させてフォーゼにミツバチの蜂球のような加熱攻撃を仕掛けているのだ。このままでは数秒持たずにフォーゼのスーツの耐久温度を超えてしまうだろう。

 

「これで終わったな…上条」

 

「…誰が終わったって?」

 

「!」

 

真レギオンドーパントの勝利宣言ともとれる言葉に蜂球の中のフォーゼが返答した。同時に蜂球からバチバチという音が響き、ベビィソルジャーレギオンたちがボトボトとこと切れ、地面に落ちていく。ベビィソルジャーレギオンたちがすべて剥がれ落ちると中からエレキステイツとなったフォーゼが現れ、真レギオンドーパントのもとへと走りだした。

 

「く…返り討ちだ!」

 

「そうは行かない!」

 

[Aero]

 

[Aero On]

 

真レギオンドーパントの鎌をかわし、懐に飛び込んだフォーゼは左脚のエアロモジュールを使用して周囲の大気を吸引した。すると真レギオンドーパントの関節や甲殻が沈みこんでいく。

 

「なにを…う?身体が…」

 

「喰らえ!!!!ライダー100億ボルトブレイク!!」

 

[Limit Break]

 

フォーゼのビリーザロッドが動きの止まった真レギオンドーパントの腹部に新たに出現したエッグチェンバーに突き刺さり、そこから黒い体液のようなものが吹き出す。真レギオンドーパントは動きの鈍った身体を懸命に動かし、左腕で自身の腹部に突き刺さるビリーザロッドを掴むと右腕の鎌でそれをへし折ってしまった。しかしフォーゼは慌てずにバックステップをとって距離を取るとマグフォンを取り出し、ドライバーにセットする。

 

[N Magnet][S Magnet]

 

[NS Magnet On]

 

「な、なぜだ…なんで身体が…うまく…」

 

「それが『レギオン』の弱点だからだよ」

 

ビリーザロッドの刃を腹部から引き抜きながらも以前に動きが鈍い真レギオンドーパントにフォーゼ・マグネットステイツはそう言い放った。なぜレギオンの動きが止まったのか?それには数日前の上条と健太の会話を振り返る必要がある。

 

 

 

 

『レギオンメモリの記憶の正体がわかった!?』

 

『ああ、先日別の世界からもたらされた情報のお陰でな』

 

数日前ハネジローがウルトラマンダイナから預かった資料…そこにはかつて超古代文明によって創られた生物兵器と人類が戦った『レギオン』という怪獣のデータが含まれていた。レギオンとは、新約聖書のマルコによる福音書5章9節「主が、名は何かとお尋ねになると、それは答えた。わが名はレギオン。我々は、大勢であるがゆえに」から名付けられた宇宙生物でありケイ素化合物いわゆるシリコンで体が構成されている珪素生物だ。その力はあまりにも強く、都市を壊滅させ、生物兵器を仮死状態にまで追い詰めた実力を持っていた怪獣…ゆえにほとんど弱点と呼べるものはない怪獣…それがレギオンだった。

 

『じゃあ…打つ手がないじゃないですか…』

 

『確かにな。だけど、レギオンにはある特徴がある…あいつに勝つにはそこを無理やり弱点にしてやるしかない』

 

『特徴?』

 

『レギオンは筋肉で体を動かさない怪獣だ。かわりにガスを使う。それにあれだけの強度なボディなら重量も相当なはず…』

 

『じゃあレギオンレオゾディアーツも…』

 

『アシストにガスを使っている可能性が高い…そこでその特殊改造エアロスイッチの出番ってわけさ』

 

上条は手に持っているエアロスイッチを見つめる。見たところなんの変哲もないアストロスイッチだ。

 

『そのエアロスイッチは吸引力を通常の3倍に強化してる。そいつで奴の体内のガスを抜き取れば…』

 

『動きが鈍くなるってことですか?』

 

『ああ…だが、かなり近づかないと効果はないだろう。なんとかあいつの懐に飛び込むんだ。そしてこいつをつかえ!』

 

 

 

 

 

「感謝するぜ、健太先生!これで終わりだ」

 

[Limit Break]

 

「ライダー超電磁ボンバー!!」

 

マグネットキャノンから放たれたエネルギー弾が真レギオンドーパントへと迫る。

 

「くっ!」

 

なんとかこれを躱した真レギオンドーパントだが、相変わらず動きは鈍い。このチャンスを逃すわけには行かないとフォーゼは再び超電磁ボンバーの体制に入る。

 

「これで終わりだ、駿河!」

 

「…そういうわけには行かない…ふん!!」

 

真レギオンドーパントは右足を上げると何を思ったのか地面に思い切り振り下ろし、地面にめり込ませる。そして左脚も同じように地面にめり込ませ、脚を完全に固定した。

 

「なにをする気だ?あれじゃあ超電磁ボンバーを避けられないはず?」

 

「こうするのさ…はあああああ!!」

 

咆哮とともに真レギオンドーパントはフォーゼに向けて両拳をくっつけながら伸ばす。すると両腕が少しずつ融合し、まるで巨大なドリルのような形へと変形する。それを見たフォーゼはいままでの経験からそれがとんでもない脅威であると考え、すぐさま超電磁ボンバーを発射しようとする。

 

「く、喰らえ!ライダー超電磁ボンバー!!」

 

[Limit Break]

 

「遅い!はあああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

 

再び響く咆哮…それとともにドリルのようなものが激しく変形したかと思うと砲弾のようなものが発射された。砲弾の発射時の衝撃は周囲の建物を破壊し、真レギオンドーパント自身も地面を削りながら激しく後退する。砲弾発射の直後に発射されたフォーゼのエネルギー弾と砲弾が空中でぶつかり合う…かとおもいきや砲弾は一瞬でエネルギー弾をかき消し、凄まじいいきおいでフォーゼへと迫る。瞬時に避けようと判断するフォーゼだが、体が反応に追いつかず避けることができぬまま砲弾が突き刺さった。

 

「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

 

それが自分の口から出ている悲鳴だと気づくのに上条は少し時間がかかった。すさまじい勢いに意識は刈り取られ視界が白い世界に包まれ、なにも感じることができなくなった。


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