とある英雄の伝説大戦(レジェンドウォーズ) 作:マッスーHERO
黒「おめでとうございますの、お姉さま!」
御「ありがとう!」
佐「今日は記念アップですよ…」
初・黒・佐「まあ、今回は御坂さん(お姉さま)出ないんですけどね」
御「…え!?」
けたたましいエンジン音とともにハードボイルダーに跨るダブル。その前に立ちはだかるは、十二体のドーパント…アノマロカリス、バット、クラブ、エレファント、グラス、インジャリー、ライトニング、ミラー、オクトパス、ロケット、ツール、ウォーター…様々なドーパントたちがハードボイルダーへと突進してくる中、ダブルはトリガーメモリをドライバーに装填する。
[Cyclon Trigger]
ボイルダーのスロットルを固定し、半立ちの状態でトリガーマグナムを構えるダブル。風の記憶を持つサイクロンメモリがトリガーマグナムに装填され、ガイアウェスパーが鳴り響く。
[Cyclon Maximum Drive]
「「トリガー!エアロバスター!」」
トリガーマグナムの銃口から放たれた風の弾丸がドーパントたちを襲い、一番図体の大きいエレファントドーパントは数発直撃する。さらにダブルはハードボイルダーから飛び降り、ハードボイルダーはスピードを下げぬまま、ドーパント軍団に突っ込んでいく。風の弾丸の直撃を受けたエレファントドーパントはそのままハードボイルダーの直撃を受けて、壁にそのまま突っ込みメモリを排出しながら人間へと戻った。地面へと着地したダブルは首のウィンディスタビライザーが強風でたなびくなか、残り11体となったドーパントたちに左手を向ける。
「「さあ、あなたたちの罪を数えてください(数えるんだよ)!」」
「うおおお!」
ダブルの決め台詞が終わるか終わらないかのタイミングでロケットドーパントがブースターで飛行し、ダブルへと突っ込んでいく。それを軽やかにかわしたダブルは素早くメモリを切り換えた。
[Luna Trigger]
ルナトリガーとなったダブルのトリガーマグナムから放たれる誘導弾が素早く飛行するロケットドーパントを捉え、直撃を受けたロケットドーパントはきりもみ回転をしながら地面へと叩きつけられた。つづいて飛んでくるアノマロカリスドーパントの歯の弾丸を撃ち落とし、クラブドーパントの突進を人間跳び箱の要領で飛び越えたダブルは空中で反転し逆さになりながら、今度はトリガーメモリを装填し、トリガーマグナムを両手でしっかりと構えた。狙うは倒れ、悶絶しているロケットドーパントだ。
[Trigger Maximum Drive]
「「トリガー!フルバースト!」」
一斉に放たれた青と黄色の光弾がロケットドーパントを四方から撃ち抜き、元の人間へと戻す。
[Heat Trigger]
[Trigger Maximum Drive]
「「トリガー!エクスプロージョン!」」
地面に降りるのをただ待つことはしない。素早くメモリを切り替えて右側のボディを灼熱の色に変え、再びマキシマムドライブを発動、踏み台となった哀れなクラブドーパントに業火を放つ。まさに焼き蟹となり、口から煙を吐いて人間へと戻って倒れるクラブドーパント。その髪がなんとなくチリついている。
どうも今日のダブルはいつもと違うと読者の皆さんも感じただろう…もちろんこれには秘密がある。もともとメモリの特徴などを知ることができるダブルだが、以前のグランドドーパント戦では苦戦していたのに今回は一人で二桁のドーパントと互角以上に戦っている。その理由は意外と単純でドーパントに変身しているのが高位能力者だからなのだ。そもそもダブルの片割れである風斬氷華は能力者が無意識に発してしまう微弱な力のフィールド、AIM拡散力場が人の形となったもの…その存在はAIM拡散力場の干渉に影響される。逆に言えば今のダブルにはどこにどんな能力者がいるのかを見ずとも知ることができる。それ故、ロケットドーパントやクラブドーパントの突進を予知し反撃に転じたのだ。つまり今のダブルはフューチャーのドーパントの天敵であるといえるのだ。
[Heat Metal]
メモリを変えて、今度はメタルシャフトによる接近戦を挑むダブル。メタルシャフトとツールドーパントの巨大なスパナがぶつかり合い、火花を散らす。そんなダブルの背後を取るグラスドーパント。
「もらった!」
[Metal Maximum Drive]
「甘いですよ!「メタルブランディング!」」
当然だが、前述の説明通りダブルにはグラスドーパントが接近してくることはわかっていた。鋭い蹴りでツールドーパントとの距離をあけると再びマキシマムドライブを発動、後ろに向けて燃える突きを放った。突きはグラスドーパントのボディを貫き、ビルの壁へと吹き飛ばす。壁にたたきつけられ人間へと戻るグラスドーパント。そのかけていたメガネが地面に落ちて割れた。
[Luna Metal]
[Metal Maximum Drive]
猛攻は止まらない。素早くチェンジしてそのままマキシマムドライブを発動、メタルシャフトの回転と共に黄色い魔法陣のようなものが4つ発生し、さきほど蹴り飛ばされたツールドーパントに内3つが直撃し、人間へと戻した。
「いいようにされてたまるか!」
鏡の記憶を持つミラードーパントの能力なのか魔法陣の一つが反射され、ダブルへと向かっていく。メタルシャフトでそれを打ち落とすが、地面にぶつかった衝撃で発生した砂埃がダブルの姿を隠した。
「よし!」
ミラードーパントはダブルを倒したと確信し、ガッツポーズをとるが、当然ダブルは倒れてなどいない。砂埃の中で息を殺し、周囲の雑音に隠れてメモリをチェンジしていたのだ。
[Metal Maximum Drive]
「「メタルツイスター!」」
砂埃をシャフトに纏う風で吹き飛ばし、シャフトやり投げの要領でミラードーパントへと投げつける。さすがに反射はできず、シャフトはミラードーパントの頭部に直撃し、体のミラーを砕きながら文字通り粉砕した。
「喰らえ!」
すこし焦りを感じたのか、アノマロカリスドーパントは再び歯の弾丸を放つ。弾丸はダブルに向けてまっすぐと飛んでいく。しかし、ダブルは逆に弾丸に向けてメタルシャフトを捨てて走りだした。
「馬鹿め、死ぬ気か!」
「いえ」
[Heat Joker]
[Joker Maximum Drive]
「「ジョーカーグレネード!」」
ヒートジョーカーへと変身し、軽くジャンプしながらマキシマムドライブを発動。ダブルの体は半分に避け、弾丸は目標を失う。そしてボディサイド、ついでソウルサイドの炎を宿したパンチがアノマロカリスドーパントに直撃した。
「くっそ!」
[Luna Joker]
なんとしてもダブルを止めようとオクトパスドーパントは触手を伸ばすが、ダブルもまたルナジョーカーとなって腕を伸ばし、触手をはたき落としていく。
[Joker Maximum Drive]
「「ジョーカーストレンジ!」」
今回11回めのマキシマムドライブにより分裂したダブルのソウルサイドの連撃により触手はすべて吹き飛ばされ、さらにボディサイドの一撃でオクトパスドーパントは吹き飛ばされる。
「ぐおお!」
空中から迫るバッドドーパントの奇襲さえも今のダブルには簡単に見切ることができる。
[Cyclone Joker]
基本形態サイクロンジョーカーのずば抜けた跳躍力でバッドドーパントの奇襲をジャンプによって避け、ダブルはついに12回めのマキシマムドライブを発動した。
[Joker Maximum Drive]
「「ジョーカーエクストリーム!」」
奇襲に失敗し、地面へとぶつかったバッドドーパントにジョーカーエクストリームが突き刺さり、十二体目のドーパントが倒された。残るドーパントは三体…しかし、高位能力者が変身したドーパント…このまま一筋縄ではいかないのだろう…。ダブルの戦いはまだまだ続く…
[ゴレンジャー!]
「イヤリング爆弾!」
第十三学区ではゴーカイイエローとアクセルがドッグ、クイーンドーパントと戦っていた。豪快チェンジによりモモレンジャーとなり、ハート型のイヤリング爆弾をドレスを纏い杖を振る怪人クイーンドーパントへと投げつけるゴーカイイエロー。すさまじい爆風と砂埃がクイーンドーパントを包み、その視界を塞ぐ。
「く、まえが…この!」
すさまじい旋風が吹き荒れ、砂埃とともにモモレンジャーを吹き飛ばしてしまう…。どうやらクイーンドーパントは風力操作系能力者が変身したようだ。ゴーカイイエロー=佐天にとってはある意味因縁のある能力者といえるだろう…。
「く…豪快チェンジ!」
[ギンガマン!]
風には風、風を操るギンガグリーンへと変身し、旋風に乗るように滑空しながら専用装備銃『キバショット』でクイーンドーパントを撃ち抜き風の発生をやめさせ、その隙に距離を詰める。
「豪快チェンジ!」
[ライブマン!]
すかさずライブマンのリーダーであり、近接戦を得意とするレッドファルコンへと変身、専用装備『ファルコンソード』と『ファルコンセイバー』の二刀流でクイーンドーパントの杖を払い、その腹に一撃を喰らわせる。たまらず身を崩して倒れるクイーンドーパント。
「ぐ…」
「これで決める!豪快チェンジ!」
[トッキュウジャー!]
以前に学より授かった新レンジャーキー、その一本である『烈車戦隊トッキュウジャー』のレンジャーキーでイエローカラーのトッキュウ3号へと変身、専用装備トッキュウブラスターを構える。
「スコープレッシャー、セット!」
[撃ちますよー、ご注意くださーい、ご注意くださーい!]
アナウンスのような警告音とともにクイーンドーパントの体にスコープのマークが現れる。
「な、なによこれ?」
「…私だって負けないよ初春。この街の平和はみんなと守る!」
引き金が引かれるとともに電車のレールようなものをすべるように弾丸が発射され、スコープマークを撃ちぬいた。クイーンドーパントはメモリを排出し、人間へと戻った。一方、アクセルはドッグドーパントの激しい攻撃に翻弄されている。
「ぐおお!」
アクセルを押し倒し、大顎を開いてアクセルの首筋へと噛み付くドックドーパント。しかしアクセルのエンジンブレードがそれを阻んだ。すさまじい顎の力でガチガチと音を立てるエンジンブレード。このままではその凄まじい犬歯でブレードごと首を貫けれてしまう。
「固法先輩!」
「だ、大丈夫よ、そこで見てなさい」
助けを拒否し、アクセルは一本のメモリを取り出してベルトに装填した。
[Bike Maximum Drive]
それはかつての戦いで手に入れたバイクメモリだった。しかし密着された状態でそんなものを使ってもなにか意味があるのだろうか…バイクフォームでこそ効果のあるはずのメモリではこの状況を打破することなどできるのか…。ゴーカイイエローの不安を余所にアクセルはどんどんスロットルをひねっていく。いつもよりも勢い良く、回数も多い。まるで本物のバイクのエンジンを吹かすように…。
「なんだ?意味のないことしや…ん?」
すべてを言い切る前にドッグドーパントに異変がおこった。突如苦しみながら鼻を押さえ始めたのだ。見ると黒い煙が周囲に漂っている。どうやらアクセルの足から出ているようだ。
「さすが、犬。鼻が効くわね!」
「ぐ、これは…排気ガス臭え!」
そうアクセルがバイクに変形する場合、足の部分はマフラー(排気管)になるのだ。そこから出た強烈な排気ガスがドッグドーパントの強力な嗅覚を刺激したのだ。
「ぐぉぉ…く」
「これで決めさせてもらうわよ!」
[Accel Maximum Drive]
「はああ!」
倒れたドッグドーパントに必殺のアクセルグランツァーが炸裂し、メモリを排出して元の姿へと戻った。
「バードブラスター!」
「チェンジソード!」
「プリズムシューター!」
3つの光線が交わりゼブラドーパントを撃ちぬいて爆発させる。第三学区ではホワイトスワン、チェンジマーメイド、ピンクフラッシュの常盤台三人組がドーパントやゾディアーツたちと戦っていた。そんな彼女たちに突如大量の流星が降り注いだ。
「「「きゃああ!」」」
すさまじい衝撃が三人を、そして第三学区全体を襲った。第三学区は学園都市の外交の主役のような学区でホテルのランクはナンバーワンだが、そんなホテルの防弾であろうガラスがどんどん割れていく。
「ははは、いい気分だ!この力は本当にすげえな!」
彼女たちを襲ったのは星の記憶をもつガイアメモリで変身したスタードーパントだった。その衝撃による砂埃は道路一帯を覆い尽くしており、三人の姿は全く見えない。
「このままどんどんやってやるか!」
「そうわ、いきませんわ!」
[[[サンバルカン!]]]
スタードーパントは再び流星を降らせようとしたが、それを砂埃からの声が妨げた。同時に砂埃の上部から赤いスーツにバンダナをつけたバルイーグルが両足から空気を放出しながら飛び立った。さらに地上からはバルシャーク、バルパンサーが砂埃から飛び出した。もちろんこのサンバルカンは彼女たちが変身したものだ。もしもピンチになった際に三人のコンビネーションをフルに生かせるように予め佐天からゴーカイジャーの力を借りていたのだ。あの砂埃のなか、婚后はバルイーグルへ、湾内はバルシャークへ、泡浮はバルパンサーへと変身し、いまスタードーパントへと突っ込んでいく。
「湾内さん!泡浮さん!能力の本当の使い方というものを教えて差し上げましょう!」
「「はい!」」
そういいながら能力による空気の噴射で大空をすさまじいスピードで飛行し、スタードーパントへと突っ込んでいくバルイーグル。彼女の能力なら本来は自分に使用することは相当に…いや電波塔やロボットさえも制空圏まで飛ばしてしまうような力を本人に使えば即死物だが、いまの彼女は強靭なスーツを身に纏っている。だからこそ使える戦法なのだ。
「イーグルウイング!」
「ぐお!」
過去にも黒子たちが使用した飛び込み技であるイーグルウイングだが、能力で強化されたそれはスタードーパントを凄まじい勢いで吹き飛ばした。
「湾内さん!」
「ええ!シャークジョーズ!」
続いて自信の能力で作りだした水流に乗りながらバルシャークがスタードーパントへと突進する。両腕を前に突き出して、相手の頭を鮫の顎のように上下左右から攻撃するシャークジョーズがスタードーパントを襲い、スタードーパントは地面に倒れた。
「泡浮さん、お願いします!」
「はい!いきますよ」
最後にバルパンサーが能力と強靭なパワーで地面に落下していた流星を持ち上げる。
「私これでも力持ちなんですよ」
「わわ…」
流星をゆっくりと投げようとするバルパンサー。あわてて逃げようとするスタードーパントだが、投げつけられた巨大な流星はよけきれず押しつぶされた。
「ぐお…ぐお…」
「さて、これで決めましょう。ニューバルカンボール!」
「「「レディーセット!ゴー!トリプルクロス!」」」
三人の投げたラグビー型爆弾が合体し、巨大なトゲ付きの爆弾へと変化した。
「ワン!」
まずバルパンサーがニューバルカンボールを蹴りバルシャークへとパス。
「ツー!」
続いてバルシャークがバルイーグルへとニューバルカンボールを再度パス。
「アタック!」
最後にバルイーグルのシュートでニューバルカンボールはまっすぐとスタードーパントへと突っ込み、大爆発を起こした。流星が砕け散るとともに地面にできたクレーターにスタードーパントから元に戻った人間が倒れた。
「やりましたわ!」
「ええ…でも」
よろこぶバルイーグルを余所にバルシャークはゆっくりと背後をみた。そこにはまだまだ怪人たちがうじゃうじゃしている。
「どうやらまだ終わりじゃないみたいですね。婚后さん、湾内さん」
「なに、私達ならば楽勝ですわよ」
「「はい!」」
三人はバルカンスティックを構えながら、怪人たちへと走りだした。
次回、ついに上条たちとホロスコープスとの戦いが始まる!