とある英雄の伝説大戦(レジェンドウォーズ)   作:マッスーHERO

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今回もあとがきカットです。
GWに複数投稿したいんですが、一向に話が書けない…


起動!巨神軍団

「スーパーギャラクシーメガ!発進や!」

 

コクピットのメガブラックの叫びと共にスーパーギャラクシーメガがゆっくりとリフトアップされ、地下から現れた。しかしその姿はどことなく頼りない…それもそのばすだ。目の前には総勢十体の怪獣軍団が暴れまわっているのだから…

 

「ガアア!」

 

「ギャアア!」

 

かつてメビウスと戦った火炎攻撃を得意とし、人に乗り移る能力を持っていた『人魂怪獣フェミゴンフレイム』、マックスと戦ったロボット怪獣『機械獣スカウトバーサーク』と魚の変異した怪獣『飛魚怪獣フライグラー』、コスモスと戦った人の霊が怪獣化した『怨霊鬼・戀鬼』、アルテスタイガーの生き残りが怪獣化した『アルテスタイガー怪獣イザクプラチアード』、ダイナと戦った究極のクローン怪獣『ハイパークローン怪獣ネオザルス』、ネズミが突然変異した『変異怪獣キングモーラット』、農薬を吸収してイナゴから変異した『昆虫怪獣マジャバ』、死んだ牛の霊が人間に憑依して誕生した『牛神超獣カウラ』、人間の悪しき心によって生まれた『脳波怪獣ギャンゴ』…なんたる皮肉、すべての怪獣が人間のせいで生まれたり、人間を憎んだりしていた怪獣ばかりだ。すべての怪獣は人間、それも高位能力者が変身したため、付加能力を持っているだろう…いかに強力なスーパーギャラクシーメガでも全てを相手にするのはまず不可能だ。

 

「負けへんで!高位能力者だけが得する世界なんて作らせはせえへん!ガトリングブラスター!」

 

スーパーギャラクシーメガのガトリングブラスターが火を噴き、そばにいたギャンゴを襲う。それを見たネオザルスがやめさせようと胸からビームを発射するが、これをスーパーギャラクシーメガはメガシールドで受け止め、逆にブースターライフルで反撃にでた。さらにメガサーベルを構え、臨戦態勢をとるスーパーギャラクシーメガ。それを十体の怪獣が取り囲む。

 

「…」

 

必死にスーパーギャラクシーメガを操縦するメガブラックの脳裏に蘇るのは昨日の健太との会話だった。

 

『俺一人でスーパーギャラクシーメガを操縦するやて?』

 

『ああそうだ』

 

『でも、健太先生…相手も相当な数来るんやろ…俺一人じゃ…』

 

『実は、お前には囮になってもらいたいんだ』

 

『へ?』

 

『第二学区と第七学区から出来る限り怪獣を遠ざけて欲しいんだよ』

 

『…』

 

健太がわけもなく自分を囮にするはずがない…何かしら作戦があるのだろう…しかし、健太たちは戦いには介入しないと言っていた。では、誰にどんな作戦があるというのか?それを考える暇など今はない、とにかく注意を自分に引き付けるしかないのだ。

 

「いくでー!」

 

 

 

 

 

その頃、科学アカデミア地下格納庫…アルティメットダイボウケンのコクピットにはボウケンピンクの姿があった。

 

「全ロボット、接続完了…いつでもいけます!」

 

『スーパーギャラクシーメガのお陰ですべての怪獣は発進ゲートから離れた。これから発進準備に入るよ』

 

通信機からリュウジの声が響く。それを聞いたボウケンピンク=初春は緊張ぎみに操縦レバーを握った。今も地上で春上や佐天、黒子、御坂たちが戦っている。思えばこれまで自分はなにもできなかった。バスタードとの戦い、バスコとの戦い、ワロガとの戦い…皆傷ついてボロボロになるなか、自分はそれを見ていることしか出来なかった…だから今度は自分がやらねばならないのだ。例えボロボロになったとしても…

 

「いきます!アルティメットダイボウケン、ファーストギア・イン!」

 

アルティメットダイボウケンが飛翔し、上部のゲートから学園都市へと発進する。

 

 

 

 

「アルティメットダイボウケンなの!」

 

病院の屋上でマケット怪獣『マッハリドリアス』の戦いを見ていた春上が飛翔するアルティメットダイボウケンを見て叫んだ。独特の空中旋回をした後、地面に降り立つアルティメットダイボウケン。

 

「バリアブルタイフーン!」

 

すさまじい竜巻がスーパーギャラクシーメガを囲んでいた怪獣たちを吹き飛ばす。

 

「アルティメットビーム!」

 

さらに転倒した怪獣たちの近くに向けてアルティメットダイボウケンの背中からビームが放たれる。しかし、それを瞬発力の高いイザクプラチアードは避け、アルティメットダイボウケンの背後に回るとそのまま羽交い締めにしてしまった。それを襲おうと立ち上がる怪獣軍団…

 

「させへん!」

 

スーパーギャラクシーメガも援護に向かうがネオザルスに阻まれてしまい、救出することができない。よりにもよってリドリアスは時間切れで消滅してしまった。

 

「…」

 

しかし、当のアルティメットダイボウケンは反撃にも出ず…いや、身動き一つしていない。少しずつ近寄ってくる怪獣軍団…

 

「初春さん!どうしたんですか!」

 

「反撃にでるの!」

 

「バリアブルタイフーンを撃てば脱出できるよ!」

 

病院屋上から声を上げる重福、春上、枝先…枝先は新たなマケットを装填しようとするがうまくいかない…

 

「初春!なにをしてますの!」

 

「諦めちゃだめよ!」

 

「初春さん!」

 

各地で闘いながらアルティメットダイボウケンに向けて叫ぶデカイエロー、アクセル、オーズ…

 

「初春ー!!!」

 

そして、ゴーカイイエロー=佐天が叫んだ…それでもアルティメットダイボウケンは動こうとはしなかった…

 

 

 

 

 

だが、機は舞い降りた…ネオザルス以外のすべての怪獣がアルティメットダイボウケンに襲いかかる…これを彼女は待っていたのだ。

 

「今だ!『ボイジャーパルサー』!『グレートビーム』!」

 

怪獣軍団の背後から2本のレーザーが放たれ、怪獣たちを襲った。さらに驚きで隙のできたイザクをアルティメットダイボウケンが背負投の要領で投げ飛ばす。その姿に地上のゴーカイイエローたちは驚きと同時に疑問を感じた。なぜ背後から攻撃が?そんな能力はアルティメットダイボウケンにはないはず…メガボイジャーが助けにきてくれたのか?しかしなぜ2本も…そんな疑問を持ちながらレーザーの元へと視線をずらす…そこには確かにメガボイジャーの姿があった。しかし…

 

「え…」

 

「ど、どういうことだ…」

 

オーズやフォーゼもその姿に驚いていた。それもそのはずだ…立っているのはメガボイジャーだけではなかったのだから…

 

 

[推奨BGM:5つの心でファイブロボ(インストゥルメンタルバージョン)]

 

 

『メガボイジャー』『グレートイカロス』『ゴーカイオー』『スーパーデカレンジャーロボ』『テトラボーイ』そして新ロボ『豪獣神』…、アルティメットダイボウケンとスーパーギャラクシーメガも加えて総計八体の巨神が学園都市に降臨していたのだ。

 

「…す、すごいですの」

 

「ええ、とんでもない迫力…でもだれが、操縦してるのかしら…」

 

[初春さんだよ]

 

困惑するオーズとデカイエローのもとにSPライセンスを通してリュウジの声が届いた。

 

「どういうことですの?リュウジさん」

 

[昨日、彼女がやって来てね。特別なプログラムを俺に見せてくれたんだ…]

 

「特別なプログラム?」

 

[コマンド入力でほかのメガゾードを操作できるプログラムさ]

 

メガボイジャーやゴーカイオーたちのコクピットには誰も乗っていないが、操縦レバー等が勝手に動いている。一方、アルティメットダイボウケンのコクピットにはいつものハンドルやレバー以外にもキーボードがセットされており、ボウケンピンクはキーボードとハンドルを一緒に高速で操作している。

 

[簡単な行動パターンをキーボード入力によるコマンドで数台のメガゾードを操作する。見事なプログラムだ」

 

「でも、それって大変なんじゃ…」

 

通信を聞いていたゴーカイイエローが言う。その言葉にリュウジは無言だった。一台を五人で操作するのでも難しいのに、それを一人で数台は例え守護神と言われる初春の力でも辛いはずだ…それはまさしく彼女の覚悟のあらわれだろう。通信を聞いていたオーズたちはあえてボウケンピンクに通信はせず、それぞれの戦いへと向かった。彼女を信じて…

 

 

 

 

「…」

 

アルティメットダイボウケンコクピット内はタイピングの音で包まれていた。キーボードを叩くボウケンピンクの指はすさまじい早さで動いている。もちろん彼女も闇雲に叩いているわけではない。そもそもスーパーギャラクシーメガ、ついでアルティメットダイボウケンが怪獣を引き寄せていたのは怪獣との戦いを乱闘に持ち込み、操作を単純にするための狙いもあったのだから…そしてスーパーギャラクシーメガが時間を稼いでいたのはもうひとつのねらいもあった。

 

「(ネオザルス…怪力と尻尾、それから胸からのホーミングレーザーが武器…イザク…口からの重油由来の炎と俊敏さが武器…マジャバ…)」

 

そう、初春が怪獣の特性を頭に叩き込むための時間稼ぎでもあったのだ。

 

「(たとえ能力者が変身した怪獣でも、普通とは違う体での能力発動はしにくいはず…一気に攻めます!)テトラボーイ!変形、テトラバスター!」

 

音声コマンドとともにテトラボーイがテトラバスターへと変形、グレートイカロスに装備される。

 

「スーパーデカレンジャーロボ、豪獣神、敵に接近後近接戦!メガボイジャー、グレートイカロス、援護射撃!ゴーカイオー、マジゴーカイオーへチェンジ!」

 

コマンドとともにゴーカイダリンにセットされていたマジレンジャーキーが自動回転し、ゴーカイオーはマジゴーカイオーへと変形する。テトラバスターからの砲撃とボイジャーパルサーが放たれ、その隙にスーパーデカレンジャーロボと豪獣神が怪獣に近づいていき、ナックルとドリルで怪獣たちをめった打ちにする。

 

「俺も負けへんで!」

 

ロボットたちの奮闘にスーパーギャラクシーメガも勢いを取り戻し、メガサーベルを一閃で怪獣たちを斬り裂く。巨神対怪獣たちのダイナミックな乱闘戦は周囲の建物の一部を破壊しながら、すさまじいものとなっていった。

 

 

「いくで!スーパーギャラクシーナックル!」

 

「ガトリングパンチ!ゴーカイ!マジバインド!」

 

スーパーギャラクシーメガの両拳がマジャバを捉え、スーパーデカレンジャーロボの連続パンチがギャンゴを、マジゴーカイオーのマジバインドをカウラを攻撃し、三体の怪獣たちを倒すことに成功する。

 

「このまま一気に行くで!」

 

「皆さんの戦いを邪魔させはしないです!」

 

こうして2人と8機のロボによる激しい戦いが始まった。しかし、この戦いの最後に起こる出来事をまだ誰も知るものはいなかった。赤く燃える太陽がロボたちを照らす…長い一日は始まったばかりなのだ。

 

 

 

 

次回は各地に散った戦士たちの戦いを見ることにしよう。

 


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