とある英雄の伝説大戦(レジェンドウォーズ) 作:マッスーHERO
今日、11月1日はハーメルンで特撮の規制が解除されてからちょうど一年が経過したので、この日に合わせて投稿しました。
「死ね!」
ベルビレジの炎が戦士たちを襲う。それを避けながらシンケンブルーは折神を取り出した。
「折神大変化!」
5つの折神が巨大化し、シンケンブルー、メガブラック、キバ、ターボピンクがシンケンジャーに変身しながら搭乗する。フォーゼもシンケンレッドの力を預り、獅子折神に搭乗しようとするが巨大怪人の攻撃に阻まれてしまう。
「上やん!」
「しかたない、上やん抜きでいくぜよ!侍合体!」
五体の折神が合体し、シンケンオーが完成、ダイシンケンを構える。
「「「「シンケンオー!天下統一!」」」」
振りかざしたダイシンケンがユメバクラを切り裂き、秘伝シールドがユメバクー師の攻撃を防ぐ。なんとか善戦するシンケンオーだが敵の数があまりにも多すぎ、劣勢なのは一目でわかる。
「ライダー超電磁ボンバー!」
[Limit Break]
「ゴーカイガレオンバスター!」
[ライジングストライク!]
「パワーバズーカ!」
シンケンオーを援護しようと陸上から援護射撃を行うフォーゼたちだが、あまり効果は見られない。現段階で巨大化怪人に対抗する方法は二つしかない、1つはメビウスとコスモスが巨大化し戦うこと。もう1つは仮面ライダーディケイドがある仮面ライダーに変身することである。しかし前者は不可能に近い。なぜならすでに幻想世界での戦闘時間は三十分が経過しており、メビウスとコスモスの残り戦闘時間は十五分、巨大化すれば一分三十秒しかもたない。二人が倒れれば幻想世界と現実世界を繋ぐゲートは消滅してしまうため、この方法はとれない。後者に関しても、ここでディケイドが巨大戦力となっても焼け石に水をかけるようなものでとっても意味があるものだとは言えなかった。
「はあ!」
ベルビレジの炎が再びヒーローたちを襲い、吹き飛ばされるヒーローたち。フォーゼ・マグネットステイツは先程御坂たちが休んでいた木の近くに倒れる。
「いてて…」
「とうま!大丈夫!?」
立ち上がろうとするフォーゼにインデックスが声をかける。
「大丈夫、大丈夫、このくらい…」
その時、フォーゼは地面に光るものを発見し、それを右手に取る。それは先程御坂が落としたコインだった。
「御坂のコインか…」
そのときフォーゼ=上条の頭を電流のようなものが駆け抜けた。
「(なんだ、いまの違和感は…)」
フォーゼはふと近くにいるインデックスと打ち止めを見た。そして再度コインを見つめる。
「(なぜだ、あいつらはわざわざ御坂たちをこの世界にとらえたのに、どうして御坂たちは変身できたんだ…いや、それ以前に…)」
ゆっくりと空を見上げ、そこに浮かぶ月を見つめるフォーゼ。
「(変身ができる、できないの以前に御坂やインデックスたちはなぜ、まだ無事でいるんだ?あいつらが昏睡して半日以上が経過してるんだから、やりようによってはすぐにでもこの世界に取り込んだ目的を果たせたはずだ)」
その方法は難しいものでなくてもいい、たとえば今のインデックスたちは普段の修道服やキャミソールを着ているが、それを全裸とはいかなくとも靴だけでも奪ってしまえばこんな森の中を逃げるのは困難だろう。もっと確実にするなら、首輪か鉄球でもつけてやればいい。それができなかった理由があるとすればそれは…
「(この世界が夢を媒体にした幻想世界だってのは白井から聞いた…だから俺は自分でも知らないうちにこの世界が特殊な能力で"幻想"でできたもんだと思いこんじまっていた。そして…もう一つ)」
この世界が結晶だとすれば、その核である不純物は"幻想"なのだろう、だがその主成分はあくまで御坂たちの見ている夢…夢が記憶の断片であるともいえるなら、フォーゼ=上条の幻想殺しが反応せずにこの世界のコインを拾えるのもうなづける。フォーゼはこの世界を幻想世界と呼ぶあまり、この世界が敵の用意した世界だと勘違いしていたが、それは厳密には違う。この世界はあくまでも御坂たちが見ている夢、そこに御坂たちの精神を取り込んだに過ぎない。そしてフォーゼが勘違いしていたことはもうひとつある…
「(俺はいつも何か特定の人物を狙う敵ばかりと戦っていたから、今回も御坂たちのようなヒーローの能力をもつ戦士を狙ったもんだと思っていた…だが、それは違う。この世界にこれだけの怪人を配置したのはイレギュラーを排除するためだった、そのイレギュラーは…)」
その時、フォーゼの側にオーズとゴーカイイエローが吹き飛ばされてきた。ゴーカイイエローに肩を貸しながら立ち上がるオーズにフォーゼが迫る。
「御坂!お前がこの世界の鍵だ!」
「はぁ?なによ、いきなり?」
フォーゼはオーズの両肩をつかみ、すこし揺さぶる。
「この世界は夢を媒体にしてるんじゃない。ほとんど夢でできた世界なんだ。そしてお前は御坂の見ている夢のなかの御坂じゃなく夢を見ている御坂美琴自身なんだ」
「ど、どうゆうことよ?」
「漫画の作者が漫画の世界の中にいるようなもんだ。この世界を創るきっかけを作ったのはあいつらだが、主導権はお前たちにあるはずだ。だから変身アイテムやレールガン用のコインをお前はこの世界でも使えたんだ」
「でも、それならなんであの怪人は消えないのよ?あんたの言うとおりなら誰かがあの怪人たちを生み出したんでしょう?」
「いや、怪人はある目的のためにこの世界に送り込まれたに過ぎないんだよ」
「ある目的?」
「それは…」
フォーゼは肩から手を離し、オーズの顔を指差す。
「お前だよ、御坂」
「えっ?」
「怪人は、万が一ヒーローの能力をもつものがこの世界に来てもいいようにするための予防線に過ぎなかったんだ」
「でも、それがわかったところで…そうか!」
「この世界が夢で、それを見ている人がいるなら…御坂さんがこの世界に干渉できるってことですか、フォーゼさん?」
ゴーカイイエローの言葉にフォーゼが頷く。仮にいま、オーズの装着しているオーズドライバーやメダルが御坂の夢に、記憶の断片によって作られたのなら、同じように御坂の記憶のなかのロボを強く描けば、この世界にロボが出現する可能性もなくはない。
「迷っている暇はないですね…御坂さん、これを!」
ゴーカイイエローはモバイレーツをオーズに手渡す。何もないところからロボを思い描くのは難しいと考えたゴーカイイエローの配慮だった。オーズはモバイレーツを開き、両手で包み込むようにもつと大声で叫ぶ。
「ゴーカイオー!スーパーデカレンジャーロボ!ダイボウケン!ジェットイカロス!テトラボーイ!スーパーギャラクシーメガ!メガボイジャー!発進!」
オーズの声が大空にこだまするが、辺りに変化はない。その間にシンケンオーが追い詰められ、地面に倒れる。そして巨大ロウソクロイドがショクダイロッドを叩きつけようと振り上げる。
「そーれ!…あれ?」
しかしショクダイロッドはピクリとも動かない。巨大ロウソクロイドが不信に思い後ろを振り向くと、その顔面を強烈なストレートパンチが襲う。ロウソクロイドが殴り飛ばされ地面に倒れる。
「あ、あれは!」
ホワイトスワンがパンチを放たれた方向を指さす。そこにいたのはカオスワロガ戦で大破したはずのテトラボーイだった。それだけではない、ゴーカイオー、スーパーデカレンジャーロボ、ダイボウケン、ジェットイカロス、スーパーギャラクシーメガ、メガボイジャーの総勢6台のロボがテトラボーイの後ろに堂々と立っている。
「あんたの仮説通りだったわね!」
「さっそく乗り込みましょう!」
「ああ…!危ない!」
オーズとゴーカイイエローが現れたロボたちに気をとられているなか、フォーゼが突然オーズとゴーカイイエローにタックルを仕掛け伏せさせる。直後に三人が今までいた地面が火花を散らしながら爆発する。
「なにもんだ!」
フォーゼが木の影に向かい、鋭い声を放つ。すると木の陰から不敵な笑い声をあげつつ、マントをたなびかせ鉄仮面のようなものをかぶっている怪人が現れた。後ろには鳩のような等身大怪獣と羊のような等身大怪人を率いている。
「なかなかやるな、さすがはフォーゼの認めた男、『幻想殺し』上条当麻」
「お前は?」
「失礼、私の名は『スーパーアポロガイスト』宇宙で一番迷惑な奴なのだ!」
スーパーアポロガイストの声を聴いて、陸上で戦っていた戦士たちがフォーゼたちの近くへと集まる。それらのヒーローたちを見たスーパーアポロガイストはまたしても怪しげに笑う。
「フフフ、いいのかな?こんなところで油を売っていても?」
「なに?どういうことだ!」
「今頃リベンジャーの攻撃隊が現実世界を襲っているころだぞ」
スーパーアポロガイストの一言がヒーローたちを緊張させる。
「ここは、俺達が何とかするから五和や小萌先生たちは現実世界に戻ってくれ」
フォーゼの言葉に戸惑いながらもファイブピンク、オーイエロー。メテオを初めとする魔術組、バースたちが現実世界に繋がるゲートへと走り出す。
「こいつの相手は私たちがするわ!黒子たちは巨大怪人たちを!」
「わかりましたの!」
オーズの言葉を受けて、デカイエローたちはロボに急ぐ。そして残されたフォーゼ・マグネットステイツ、ディケイド、クウガ、オーズ、メビウス、コスモス、ゴーバスターズはスーパーアポロガイストへと挑む。
「1つ聞かせろォ、何故俺達にあんなことを教えたァ?」
「フフフ、私は味方にとっても迷惑な奴なのだ!」
等身大怪獣である『ブラックピジョン』と『インキュランス』がフォーゼたちに迫る。それをメビウスとコスモスが押さえつけた。
「(美琴さん、こいつらの相手は僕らがします。皆さんはあいつを)」
「わかったわ、ミライさん!」
メビウスとコスモスが二体の怪獣と共にフォーゼたちから遠ざかっていく。
「私の目的はすでに達成された。生まれ変わった私の力、貴様らで試してやる!スーパーアポロフルーレ!」
細身の剣を手に突進するスーパーアポロガイスト。
「上等だ!お前の幻想、殺させてもらうぜ!」
スーパーアポロガイストを迎撃しようとフォーゼたちは身構えた。
「みなさん、行きますわよ!」
デカイエローの号令とともにゴーカイオーにはゴーカイイエローが、デカレンジャーロボにはデカイエローが、ダイボウケンにはボウケンピンクが、ジェットイカロスにはホワイトスワンが、スーパーギャラクシーメガにはアクセルが、そしてメガボイジャーにはチェンジマーメイドとピンクフラッシュが乗り込む。
「へえ、外から見ると全然違うロボっぽいけど、中身はダイボウケンと変わらないのね」
アクセルがスーパーギャラクシーメガの内装をみてそう驚く。御坂のイメージによって創られたロボであるため、内装は御坂の乗ったことのあるロボのものと同じになっているのだ。
「とにかくやってみますか、ええっと…ガトリングブラスター!だっけ?」
アクセルの操るスーパーギャラクシーメガのガトリングブラスターがバラナイトメアを撃ち抜く。
「いっくよ、初春!ゴーカイケン!」
「はい!轟轟剣!」
ゴーカイオーのゴーカイケンとダイボウケンの轟轟剣がベルビレジを切り裂く。
「「ボイジャーパルサー!」」
「イカロスクラッシャー!」
メガボイジャーのボイジャーパルサーがユメバクー師を撃ち抜き、さらにジェットイカロスの巨大分銅が直撃する。ユメバクラもテトラボーイの連続パンチを受けてたじろく。
「反撃ぜよ!ダイシンケン!」
「くらいなさいの!」
シンケンオーのダイシンケンとスーパーデカレンジャーロボのパンチがロウソクロイドを吹き飛ばす。数の利を失った巨大怪人軍団に対し、ロボット軍団は戦いを有利に進めていた。
「セイヤー!」
オーズ・ラトラータコンボの鋭い蹴りがスーパーアポロガイストのボディに炸裂するが、スーパーアポロガイストは何事もなかったかのように吹き飛ばす。
[[[Transport]]]
[[[It's time for buster]]]
「「「はあ!」」」
「スーパーガイストカッター!」
ゴーバスターズのソウガンブレードによる連続攻撃を新たに装備した『スーパーガイストカッター』という盾で受け止め、押し返すスーパーアポロガイスト。さらにスーパーアポロガイストはスーパーガイストカッターをフォーゼたちの方へと文字通りカッターのように投げつける。
「させるか!ライダー超電磁ボンバー!」
[Limit Break]
それを阻止せんとフォーゼがマグネットキャノンで迎撃する。ライダー超電磁ボンバーとスーパーガイストカッターがぶつかり、押し合う。
「く…」
苦悶の声をあげたのはフォーゼだった。フルパワーで放っているというのにスーパーガイストカッターは止まる気配を見せない。やがて自身の超電磁ボンバーの反動にフォーゼは大きく体制を崩してしまう。同時にスーパーガイストカッターが超電磁ボンバーを切り裂き、そのままマグネットキャノンをも真っ二つに切り裂いてしまう。幸いにもフォーゼは 体制を崩していたために事なきを得たが、マグネットステイツからベースステイツへと強制解除されてしまう。スーパーアポロガイストはなおも後ろへと飛んでいき、太い木の幹に突き刺さって止まった。
「マグネットステイツが敗れるとは…」
「だらしねェな、三下!」
フォーゼのよこを通り抜けてディケイドがスーパーアポロガイストへと突っ込む。ライドブッカー・ソードモードとスーパーアポロフルーレがぶつかり合い、火花を散らす。
「今だァ!」
「おう!超変身!」
ディケイドがスーパーアポロガイストの気を引いた間に木の枝を持ったクウガが背中のほうから突っ込み、ジャンプしながらドラゴンフォームへと再変身する。
「喰らえ!」
ドラゴンフォームの必殺技、スプラッシュドラゴンの体制にはいるクウガ。しかし、スーパーアポロガイストはスーパーアポロフルーレを片手に持つと片手でスーパーマグナムショットを持ち、脇から突き出して後ろのクウガを撃ち抜く。
「ぬわああ!」
銃弾を受けて後ろに吹き飛ぶクウガ。さらにディケイドを蹴り飛ばしてスーパーアポロガイストは回転しながらスーパーマグナムショットを乱射する。
「くっそ!」
[Shield]
[Shield On]
[ライオン!ゴリラ!ゾウ!]
「ちっ!」
[Kamen Ride chalice]
[Attack Ride Reflect]
「超変身!」
「滝壺さん!麦野!私の超後ろに!」
乱発された弾丸を様々な防御法で受け止めるヒーローたちだが、リフレクトを使用したDカリス以外はかなりのダメージを受けてしまった。フォーゼのシールドモジュールとクウガ・タイタンフォームのボディ、オーズのゴリラアームは弾丸に抉られ、能力で弾丸を弾いていたブルーバスター(絹旗)も大ダメージを受けて倒れてしまった。
「絹旗、大丈夫?」
「ええ…このくらいのダメージ…超どうゆうことありませんよ…」
立ち上がろうとするブルーバスターだったが、マスクの一部に亀裂が入り、スーツは火花を散らしており、とても立ち上がることができそうにない。
「こォなりゃ仕方ねェ…」
[Attack Ride S Rider Buckle]
一番ダメージが少なかったディケイドはすばやくもとの姿に戻り、Sライダーバックルを出現させ、元のバックルと交換する。
「(奴に勝つにはこれしかねえかァ…)」
[Kamen Ride Black RX]
ディケイドの姿がブラックRXへと変化する。
「ほお…私の前でその姿となるか…」
「…」
DブラックRXはゆっくりとライドブッカーからカードを取り出し、バックルへとセットする。
[Form Ride Biorider]
DブラックRXの姿がかつてアップドーパントにとどめをさしたバイオライダーの姿に変わる。Dバイオライダーはライドブッカーを両手で中段に構える。
「…行くぞォ!!」
Dバイオライダーは体をゲル化させてスーパーアポロガイストに向けて突っ込む。バイオライダーが全仮面ライダーのなかでも最高クラスの力を持っていると呼ばれている。その秘密はこのゲル化能力をはじめとする様々な能力だ。とくにゲル化したバイオライダーにはほとんどの攻撃が通用しない。だからこそ一方通行はこのカードを切り札として用意していたのだ。ゲル化したバイオライダーの攻撃がスーパーアポロガイストを激しく襲う。だが、彼は余裕そうに攻撃を躱していた。
「バイオライダーは全仮面ライダーのなかでも最強クラスの実力者だが…意外にもその決まり手は実体からのスパークカッターやRXに戻ってからのリボルクラッシュが多い…つまりゲル化時は無敵状態でも、そこまでダメージを与えられない…そして」
何発かの攻撃を喰らわせたところでゲル化Dバイオライダーがスーパーアポロガイストと距離をとろうとする。しかしこの時を待っていたといわんばかりにスーパーアポロガイストがDバイオライダーのもとへ走る。
「バイオライダーの致命的な弱点は実体時の高熱攻撃とゲル化から実体へと戻る際のわずかな隙なのだ!」
アポロフルーレがゲル化からもとに戻ろうとしたDバイオライダーを切り裂く。
「ぐァァァ!?」
Dバイオライダーは深いダメージを負いながらDブラックRXへ、そしてディケイドへと戻ってしまい、バックルから排出されたバイオライダーのカードは真っ二つになってしまった。倒れているディケイドのマスクを踏みつけつつ、スーパーアポロガイストは高笑いを始めた。
「ハ、ハ、ハ、例え貴様がどんなライダーになろうとも、それらは過去に出現したヒーローに過ぎん。例え最強と呼ばれるRXでも、所詮は過去の遺物にすぎんのだ!」
「調子に乗るのもいい加減にしなさい!」
[ライオン!カマキリ!バッタ!]
スーパーアポロガイストの頭部に向けてカマキリソードを降り下ろすオーズ。スーパーアポロガイストは少し慌てながらバックステップでこれを避けた。
「(ん?)」
このスーパーアポロガイストの動きにファーゼはわずかな違和感を感じた。
「セャア!」
メビウスディフェンスサークルがブラックピジョンの火炎放射を受け止める。さらにメビュームシュートで反撃するメビウスだったが、ブラックピジョンの腹部に光線が吸収され、ダメージを与えることができない。ブラックピジョンのミサイル攻撃を避けつつ、メビウスは高くジャンプしながら蹴りを喰らわせた。
「トゥワ!」
インキュランスと格闘戦を進めるコスモス・コロナモードの回し蹴りがインキュランスの腹部にヒットし、ダメージを与え、さらにサンメラリーパンチで追い打ちをかける。
「いくぜよ!」
「はあ!」
スーパーデカレンジャーロボとシンケンオーのダブルキックがロウソクロイドを吹き飛ばす。ジェットイカロスのバードニックセイバーとメガボイジャーのパンチがユメバクー師にダメージを与える。ゴーカイオーとダイボウケンのダブルパンチがベルビレジを吹き飛ばし、テトラボーイのドロップキックがユメバクラを攻撃する。
「ブースターライフル!」
スーパーギャラクシーメガのブースターライフルがバラナイトメアを撃ち抜いた。
「(さっきのやつの慌てぶり、まさかあの頭のステンドグラスみたいなのに秘密があるのか?よし…)」
[Radar]
[Radar On]
レーダーモジュールを構えるフォーゼ。レーダーモジュールには先日、TPCメモリーディスプレイとの連携機能が追加されており、怪人のデータもインプットされており、その解析もすることもできるのだ。
「『スーパーアポロガイスト…かつてディケイドと戦い敗れた怪人。かつてGOD機関の大幹部であり、Xライダーと戦うも敗北し、再生手術を受けた後、延命装置を装着していた。しかし延命装置を破壊されてしまったため、ファンガイアの力を得て延命とパワーアップを果たした』…頭部のステンドグラスがその延命装置の代わりか…それなら…」
レーダーをオフにしたフォーゼがクウガの近くへと寄る。
「浜面、ちょっと…」
「えっ…わかった、やってみよう…」
フォーゼがゆっくりとスイッチを入れ替える。
[Smoke]
[Smoke On]
「喰らえ!」
スモークモジュールから発射された煙がスーパーアポロガイストの視界を奪う。
「ちんけな手だ、こんなものでこのスーパーアポロガイストを倒せると思っているのか?」
スーパーアポロガイストはゆっくりと白煙の中を歩いていく。
[Elek Winch On]
[ライオン!ウナギ!バッタ!]
電子音とともにウインチモジュールのワイヤーとウナギウィップがスーパーアポロガイストの腕に絡みつく。白煙が消え去ると、そこにはエレキステイツのフォーゼとオーズが立っていた。
[Limit Break]
[スキャニングチャージ!]
「「ダブルライダー100億ボルト電気ショック!」」
ワイヤーとウィップを通して凄まじい電気がスーパーアポロガイストに流れるが、ス-パーアポロガイストは平気そうな顔をしている。
「それが秘策かな?だとしたらお前らのそこがしれているな」
「それはどうかな!超変身!」
スーパーアポロガイストの正面にクウガがイエローバスターのイチガンバスターを持って立ち、ペガサスフォームへと変身する。イチガンバスターがモーフィングパワーによってペガサスボウガンへと変わる。
「行くぞ!」
ペガサスボウガンをゆっくりと構え、スロットルを一気に引くクウガ。狙いはスーパーアポロガイストの頭部のステンドグラス型の装飾品だ。
「…なるほどな、貴様らもなかなかやるようだ…」
「おう、これで終わりだ!」
ペガサスボウガンのトリガーが引かれ、空気弾が銃口から飛び出した。
「ハァ…セャア!」
メビウスがジャンプし、ブラックピジョンの後ろに回り込み、プラズマ電撃を纏った拳を叩き込む技『ライトニングカウンター・ゼロ』が炸裂する。
「ゼャア!」
コスモスもインキュランスに対し、球状エネルギーを叩き込む『プロミネンスボール』を放ち、2体の等身大怪獣は木っ端微塵に爆発した。
「ガトリングパンチですの!」
『ダイシンケン!侍斬り』
「テトラバスター!」
「「ボイジャースパルタン!」」
「ゴーカイクラッシュ!」
「アドベンチャードライブ!」
巨大怪人たちもロボたちの必殺技を受けて爆散する。
「くっ!決まらなかったか!」
クウガがマイティフォームへと戻りながらゆっくりとイチガンバスターを下ろした。必殺技『ブラストペガサス』はステンドグラスのような装飾品の少し横に当たっていた。
ブラストペガサスを発射される直前にスーパーアポロガイストはスーパーアポロショットでクウガの立っていた地面を撃ち抜き、クウガのバランスを崩すことでブラストペガサスの軌道をそらしたのだ。
「フフフ、はあ!」
「うぉ!?」
「きゃあ!」
スーパーアポロガイストはフォーゼとオーズを振り回し、拘束を外す。フォーゼとオーズは地面に叩きつけられ、苦悶の声をあげる。
「…どうやら怪人どもは敗れたようだな…この世界も長くはもたないだろう」
スーパーアポロガイストはマントを翻し、ヒーローたちに背中を向ける。
「諸君、また会おう!」
「あ、まて!」
フォーゼがビリーザロッドを投げつけるが、スーパーアポロガイストはその前に姿を消し、ロッドは空を切った。
「…なんてやつだ…」
フォーゼが木に寄りかかりながらそう言った。スーパーアポロガイストの圧倒的な力を目の当たりにして自分が恐怖していることをフォーゼ=上条は己の体の襲う凄まじい疲労感から感じていた。その時、彼が寄りかかっていた木が突如として姿を消し、フォーゼは地面に倒れこむ。
「な、なんだ!?」
「大丈夫?」
オーズはフォーゼに手を貸そうとするが、彼女の腕が透き通り、少しずつ消えていく。やがて彼女の姿は完全に消えてしまった。オーズだけでなく、ファイズ、インデックス、打ち止めの姿も消えていく。
「夢の世界が…消滅を始めたのか…みんな、脱出だ!」
フォーゼが倒れているディケイドに肩を貸し、クウガとイエローバスターはブルーバスターに肩を貸してゲートへと向かった。
「う、ううん…」
「お姉さま!」
御坂がゆっくりと目を開けていく。その姿を見て黒子は御坂に抱き着いた。黒子を支えながら上半身を起こすとそこには佐天や初春たちの姿もあった。
「お寝坊さんですね、御坂さん」
「ふふ」
佐天の冗談に御坂は少し笑って答えた。
「お姉さま、気が進まないのは黒子も同じですの」
「う~ん」
翌日、御坂と黒子は第七学区の公園に来ていた。理由はもちろん昨日のことで上条に礼を言うためだ。
「さすがに今度ばかりは二人で頭を下げるべきですの」
「そうなんだけどさ…」
「ほら!きましたの」
黒子が指さした方向から上条が土御門と青髪ピアスとともに歩いてきた。
「上やん、昨日の話一晩考えたんだけどにゃあ…やっぱり納得いかないぜよ」
「まだそのことをいうんか、土御門くん?」
「いい加減しろよ、土御門。何度もいうけどな…」
上条はすこし力を込めてこういった。
「フライドチキンは胸肉だろ!」
「はあ?」
上条の言葉に御坂はきょとんとした表情になった。
「でも足のが食べやすいぜよ」
「ばかだな、土御門。胸にかぶりつくのが一番いいんだ」
「そうやで、それが俺たちムネーズの流儀や!」
力説する上条の後ろに無言で御坂が近づいた。
「うん?御坂か、どうし…」
「紛らわしいのよ、チェイサー!」
「のわ!」
回し蹴りが上条の腰に炸裂し、上条は吹き飛ばされた。
「か、上やん!」
「上やん!!」
「ふん!」
御坂は体を反転させると、黒子のよこを怒りながら通りながら歩いていった。しかしその顔にはわずかに笑みが浮かんでいた。