とある英雄の伝説大戦(レジェンドウォーズ) 作:マッスーHERO
次は金曜日くらいにアップしようと思います。
その際に改名の理由も書きたいと思います。
「はあ、はあ」
息を切らしながら御坂は暗闇を走り続けていた。
「ここまでくれば…」
御坂は木の根っこに腰を下ろし、周りを見渡す。そして周りに敵の影がないことに安堵し、息を吐いた。
ガラスの靴を履き、舞踏場で踊っていたという幻覚を見せられた後、気づくと御坂はお城の舞踏場のようなところで倒れていた。何が起こったのか必死に考えようとする前に舞踏場はたくさんの怪人たちに襲われてしまい。御坂は城を飛び出して外の森を逃げていた。幸い服装は制服に戻っており、能力も使えるため逃げることに苦労はしなかった。さらに言えばポケットにはメダルとオーズドライバーも入っているため抵抗することも可能なのだが、それをできない理由があった。
「あんたたち、大丈夫?」
「私は大丈夫なんだよ」
「私は大丈夫ってミサカはミサカは元気よく言ってみたり…」
御坂の横のインデックスと背中におぶられている打ち止めが答える。舞踏場から逃げる際に御坂は彼女たちを発見し、それから行動を共にしていた。腕の傷は彼女たちを守るために負ったものだった。
「足の怪我は大丈夫?」
「うんってミサカはミサカはハイテンションでお姉さまに答えてみる…」
打ち止めは怪人に襲われた際に足を負傷してしまい、とても自力で走れる状態ではなかった。そのため御坂は打ち止めをおぶり、インデックスとともに森のなかを逃げていた。御坂にはどうしても打ち止めの前で変身できない理由があった。御坂と打ち止めには御坂妹ほどの面識はない、それでも自分の体細胞から生まれたクローン、すなわち妹のような存在である彼女を放っておくことは出来ないし、彼女を過酷な怪人たちとの戦いに巻き込むことはしたくなかった。だからこそ御坂はオーズに変身できなかったのだ。御坂はオーメダルの入っている方とは逆のポケットに手を突っ込む。
「(しくった…あいつらにはレールガンがあんまり効果ないからあんまり普通のメダルを用意してなかったのよね…)」
レールガン用メダルは残り二枚しかない。それでもギリギリまで変身はできなかった。
「ねえ、お姉さま。ミサカたちもさっきの人みたいになっちゃうの?ってミサカはミサカは不安げに聞いてみたり…」
打ち止めの言うさっきの人とは、先程御坂たちが森のなかで隠れていたときに近くで襲われていた女性のことである。突如、空中に現れた牙のようなものに襲われ、半透明な姿になって倒れてしまったことに御坂は衝撃を受けた。
「大丈夫よ、あんたは私が守ってあげるから」
「私も守ってほしいんだよ」
「あんたは自分で頑張りなさい」
冗談まじりにそう言った瞬間、御坂の寄り掛かっていた木が突如として斬り倒された。御坂とインデックスがすばやく振り返るとそこにはユメバクー師が立っていた。
「どうした、逃げは勝つチャンスの糸口にはならんぞ?」
「あんたに言われなくてもわかってるわよ!」
御坂はすばやくポケットから普通のメダルを取り出し、レールガンとして撃ちだした。レールガンはユメバクー師を後退させることに成功し、その隙に御坂は二人とともに森のなかへと逃げようとする。
「そうはいかんぞ」
しかし御坂の逃げた先にはナナシと呼ばれる戦闘員型怪人とユメバクラが待ち構えていた。御坂は最後のメダルを取り出し、レールガンを放とうとするが慌ててしまいメダルを落としてしまう。しかたなく通常の電気で攻撃するが怪人軍団にはあまり効かず、やがて怪人たちに囲まれてしまった。
「くっ!」
「さあ、貴様らのライフエナジーをよこせ!」
空中に牙が出現し、御坂たちに向かい襲いかかる。それをなんとか避けた御坂だったが、その際に木の根っ子に足を挟まれてしまい動けなくなってしまう。
「短髪!」
「あんたはこの子連れて逃げなさい!」
御坂は打ち止めをインデックスに託そうとするが、それよりも早く牙が御坂たちを襲う。
[Burst Mode]
御坂が諦めかけたその時、数発の光弾が牙を撃ち落とした。
「な、なに!?」
「じゃまだっつうの!」
驚くユメバクラとユメバクー師を後ろから蹴り飛ばし、謎の人物が御坂たちの側に降り立った。
「あんたは…」
「ひさしぶりね、第三位」
その人物とは第四位のレベル5麦野沈利だった。麦野はフォンブラスターで周りのナナシたちを撃ちまくる。その隙に御坂は足を引き抜き、打ち止めを物影へと下ろす。
「あんたも巻き込まれてたのね」
「まあね」
二人の間に微妙な空気が流れる。二人は確かに知り合いだが道であったときにようと手をあげるような仲ではない。人通りのない路地裏で遭遇すれば殺しあいに発展するような仲だと、少なくとも御坂は認識している。そんな空気をぶち壊したのは打ち止めだった。
「あ、この間のビビビのお姉ちゃん!ってミサカはミサカは再開を喜んでみたり」
「うん?ああ、あの時の…」
打ち止めの顔と御坂の顔を交互に見た麦野はすこし笑った。
「なるほど、だから義眼も義手もわかったわけか…あんたも難儀ね、第三位」
近づいてきたナナシを蹴り飛ばし、麦野は御坂を見つめる。
「お優しい第三位さまならこの子を巻き込みたくないからいろいろ隠してるんだろうが…隠しててそのままあの世に行っちまったら意味ねぇぞ」
「…」
その一言に敵意は見られない。夏にあった頃とは何かが違うということを御坂は感じ取った。
「あんた、変わったのね?」
「本質は変わってねぇよ。まあ、外側が少し変わったくらいね」
麦野の握っているフォンブラスターを見て、彼女もまた選ばれた戦士の1人だということを察する。そして覚悟を決めインデックスと打ち止めの元へと近づく。
「二人いなければ変身出来ないんでしょ?あんたはこの子と一緒に隠れてて」
「うん、気を付けるんだよ、短髪」
「お姉さま?」
「ちょっと待ってなさい…すぐに方をつけるわ!」
御坂は麦野の横に立ちポケットからオーズドライバーとオーメダルを取り出す。
「あんたと肩を並べて戦う日が来るとはね」
オーズドライバーを腰に巻き、オーメダルを装填する御坂。
「こっちのセリフよ」
懐からファイズドライバーを取りだし腰に巻く麦野。そしてファイズフォンに555のコードを打ち込み、エンターキーを押す。
[Standing by]
御坂はオースキャナーを構え、麦野はファイズフォンを天に掲げる。
「「変身!」」
[タカ!トラ!バッタ!タ・ト・バ!タトバ!タ・ト・バ!]
[Complete]
軽快な歌と電子音が周囲に鳴り響き、二人は仮面ライダーオーズとファイズへと変身した。
「なによ、あの歌?」
「もう慣れたわ」
オーズはトラクローを展開し、ファイズは拳をにぎりって怪人軍団へと挑む。その姿に打ち止めは驚きを隠せないでいた。
「すごーい!ってミサカはミサカは興奮ぎみに言ってみたり!」
オーズのトラクローがナナシたちを切り裂き、ファイズのキックがユメバクラを吹き飛ばす。
「くっ、私たちだけではないぞ!」
「冥獣人、インキュバスのべルビレジ!」
「ロウソクロイド!」
「バラナイトメア!」
新たな怪人とともに『バグラー』『バーロ兵』『ゾビル』と呼ばれる戦闘員たちがオーズとファイズを包囲する。
「ちっ、うじゃうじゃと…」
「全部倒すだけよ!」
[ライオン!トラ!チーター!ラタ、ラター、ラトラータ!]
「言われるまでもないわよ!」
[Ready]
ファイズはベルトに装着されているデジタルカメラ型パンチングユニット『ファイズショット』を右手に装着し、さらにファイズフォンのミッションメモリーをファイズセットに装填する。更に左腕に装着されている腕時計型デバイス『ファイズアクセル』からアクセルメモリーを抜き取り、ファイズフォンへとセットする。
[Complete]
電子音とともにファイズの胸部装甲『フルメタルラング』が肩まで展開し、複眼であるアルティメットファインダーの色が黄色から赤へと変わり、エネルギー流動経路も赤から銀色へと変わって、『ファイズ・アクセルフォーム』へと変身する。
「くらいなさい!」
[スキャニングチャージ!]
「10秒間で遺言でも用意しときな」
[Start Up]
電子音とともに二人は超高速で移動を開始する。オーズは全身をきらめかせながらバーロ兵やバグラーたちをトラクローで切り裂く変形型の『ガッシュクロス』を、ファイズ・アクセルフォームはファイズショットでゾビルたちを連続で殴りつける『連続グランインパクト』を発動し、次々に怪人を倒していく。
[3・2・1…Time Out]
電子音がまたしても鳴り、同時にファイズの超加速が終了する。
[Reformation]
さらに、ファイズのフルメタルラングが締まり、元の姿へと戻った瞬間、ゾビルたちに赤いφの紋章が刻まれ、爆発した。
「セイヤー!」
オーズもトラクローを地面に刺してスピードを殺し、停止する。同時にバーロ兵やバグラーたちが真っ二つに切り裂かれながら爆発を起こした。
「まだまだ、マゲラッパ!」
「バーロ兵はまだいるぞ!」
「バグラーもな」
しかし、いくら減らしても戦闘員型怪人はきりがなく。オーズとファイズはしだいに追い詰められていく。
「死ね!」
「ぐっ!」
ロウソクロイドはオーズの首を両手で占めつける。なんとかファイズがカットするが、今度はファイズがユメバクー師の攻撃で膝をつく。
「さすがに数が多いわね…」
「ちっ、どこの雑魚も数に頼りたがりやがって、男ならタイマンはれや!」
「戦いは数だ」
「その通りだ人間よ」
バラナイトメアとべルビレジはそう言うと二人に襲いかかった。しかし、その時…
「させませんの!ハイブリットマグナム!」
[ファイナルウェーブ!]
「ゴーカイブラスト!」
[Gatling On]
「喰らえ!」
[Attack Ride Brast]
様々な光弾や銃弾が怪人たちを撃ち抜き、後退させる。何事かと二人が困惑していると彼女たちの前にフォーゼやデカイエローを初めとするヒーローたちが駆けつけた。
「御坂、大丈夫か?」
「お姉さま、助けに来ましたの!」
「来てくれるって信じてたわよ!」
フォーゼとデカイエローを初めとする、高校組と超電磁砲組はオーズの側へとより、怪人たちにファイティングポーズをとる。
「麦野、遅くなってすまねえ」
「超助けに来ましたよ」
「うん」
「とりあえず浜面は死刑」
「なんでだよ!?」
ファイズの元にはアイテムの三人が駆け寄る。
「たくよォ、なんで俺がこいつらの尻拭いをしなきゃならねえンだァ?」
「その声、あなたも変身できたのってミサカはミサカは驚いてみたり!」
「早いとこ終わらせて帰るじゃんよ!」
「シスターちゃんは隠れててくださいね」
打ち止め、インデックスを安全なところへ運び、ディケイド、オーイエロー、ファイブピンクは戦場に戻る。すでにバースたちと魔術組は怪人たちとの戦闘に入っていた。
「お前らの幻想、殺させてもらうぜ!」
フォーゼを先頭にオーズやクウガ、ディケイドたちも怪人たちとの戦いに挑む。
「(あれ、ギンガマンとファイブマンのキーが…)」
そんな中、ゴーカイイエローはレンジャーキーが足りないことに首をかしげながらも深く気にせずに戦闘にむかった。
現実世界の学園都市では幻想空間に向かったヒーローたちの動きを察知し、攻撃隊が三組送り込まれていた。守るもののいなくなった学園都市の攻略はうまくいく、そう考えられていたのが…
「これはどういうことだ?」
一組目の攻撃部隊の隊長であり、かつてイギリスを襲った冥府神ダゴンはゾビルたちを従えて第七学区の通りを進軍していた。しかし人通りの多い通りにもかかわらず、人の影も気配もまるで感じない。
「なぜ人間がいない?なぜ悲鳴が聞こえないのだ?」
その時、周囲のラッパの音が鳴り響くと同時にダゴンの背後のゾビルたちが何体か倒れた。異変を感じて振り向いたダゴンの目に十人の戦士が立っていた。
「貴様らは確か、『地球戦隊ファイブマン』と『星獣戦隊ギンガマン』!」
ダゴンの問いかけに戦士たちは答えずに、ダゴンとゾビルに襲い掛かる。ギンガマンは聖獣剣を、ファイブマンはVサーベルを構え、まるで意志のない人形のようにダゴンやゾビルたちを斬りつける。
「(これはまるで、黒十字王さまのような…)」
粛清の矛でVサーベルを受け止め、ファイブマンを押し返すダゴン。さらにダゴンは粛清の矛を路地の方向へと向けた。
「見ているのはわかっている!出てこい!」
ダゴンはそういうと路地に向けて粛清の矛から赤い光線を発射する。
[Kamen Ride Gai]
電子音とともに路地から光の玉のようなものが発射され、その光の玉がサイ型のライダー『仮面ライダーガイ』へと変化する。ガイは赤い光線を受けて爆発を起こして倒れる。そして、後ろの路地からゆっくりと制服に金髪の少女が出てきた。
「…貴様、何者だ?」
「もう☆人に名前を聞くときはまず自分が名乗るのが常識でしょ?」
「これは失礼した。わたしは『リベンジャー』行動隊長の一人、冥府神ダゴン。以後お見知りおきを」
「どうも、私はこの学園都市七人のレベル5の第五位、食蜂操祈だゾ♡」
その名を聞いてダゴンが納得といった表情であたりを見回す。
「なるほど、高名な心理掌握〈メンタルアウト〉の力であたりの人間を避難させたか」
「正解☆私の掌握力なら簡単なことよ」
食蜂は手に持っていたリモコンをかばんにしまい、同時にあるものを取り出した後、かばんを投げ捨てる。
「…いいのかな?自分の能力を制御するためのものを手放して」
「あら、そんなことまで知ってるなんて侮れないわね。でもあなたならこれがなんなのかわかるはずだけど」
食蜂はかばんから取り出した銃型の武器のセーフティガード部分に指を入れてくるくると回す。
「知っているさ…なるほど心理掌握にふさわしい武器だ」
「ふふ」
ポケットから一枚のライダーカードを取り出す食蜂。彼女は銃型武器『ディエンドライバー』のグリップをしっかりと握り、カードを装填する。そしてドライバーの前部のグリップを掴み、前へと引っ張り出す。
[Kamen Ride]
「変身☆」
[Diend]
食蜂がドライバーを天に向けてトリガーを引くと、電子音とともに何枚ものプレートが発射される。同時に食蜂の体をスーツが包み、発射されたプレートが頭部にささるようにセットされる。全身のモノクロだったスーツは美しいシアンカラーへと変色し、ディケイドと同タイプの戦士『仮面ライダーディエンド』へと食蜂は変身した。
「さてと、あんまり長く戦うのは疲れるから、あとは頑張ってね☆私の兵隊さん」
[Kamen Ride Riotroopers]
ディエンドが新たなカードをドライバーに装填し、引き金を引くと三体の『ライオトルーパー』と呼ばれる量産型ライダーが召喚され、ダゴンたちに襲い掛かった。
同じ頃、第一七学区の操車場では、かつて『侍戦隊シンケンジャー』と戦った『骨のシタリ』という怪人がナナシ道中とノサカマタという大顎が特徴的な怪人が青いスーツの戦士と戦っていた。
「ライブラスター!」
青い戦士は腰から銃を抜き、ナナシたちを撃ち抜く。
「ファルコンセイバー!」
今度は赤い剣でノサカマタたちを切り裂く。
「お前、なにものだい?」
骨のシタリの問いかけに青い戦士は剣をシタリに向けながらこう答えた。
「この姿の名前は『ブルードルフィン』。今イライラしてるから、ストレス解消に付き合えや三下ども!」
ブルードルフィンは地面を蹴り、ファルコンセイバーを骨のシタリに降り下ろす。
「はあ!」
「でりぁ!」
第七学区のビルの屋上ではもうひとつの隊を率いていた怪人『チュウズーボ』が二人の戦士と戦っていた。
「この暗黒七本槍の二の槍、チュウズーボとたった二人で互角に戦えるとは、貴様らただの忍ではないな!」
チュウズーボの部下はすでにこの二人にやられてしまっている。だが、さすがに歴戦の戦士であるチュウズーボは簡単には敵に背中を見せる気はなく、二人の戦士を逆に追い詰めていく。
「とどめだ!」
「うわぁ!」
「きゃあ!」
二人の戦士をチュウズーボの棍棒が吹き飛ばす。だが、地面には彼らのスーツしか落ちていない。
「か、変わり身の術だと!?」
チュウズーボが周囲を見渡すと給水タンクの上に二人の姿を発見した。
「宇宙忍者ってのはこの程度か?」
「拍子抜けしちゃいました」
「なにォ?貴様ら、何者だあ!」
その問いに二人は剣を背中に戻す。片方の戦士はどこからか傘を取りだし名乗り始めた。
「ニンジャブラック!」
「水が舞い、波が踊る、水忍!ハリケンブルー!」
二人は背中の剣を再び抜き、チュウズーボに襲いかかった。
幻想空間では、ヒーロー対怪人の激しい戦いが繰り広げられていた。
「宇宙忍法バクレツ弾!」
[Fire Shield On]
「行くぜ!五和!」
「ええ!」
ユメバクー師の攻撃をファイヤーステイツの能力とシールドモジュールで防ぎつつ、フォーゼとメテオのコンビがユメバクー師に接近していく。
「上条さん!火を貸してください!」
「OK!」
フォーゼはファイヤースイッチを外し、そのままメテオに向けてパスする。スイッチを受け取ったメテオはそのファイヤースイッチをベルトのメテオスイッチと取り換えてセットする。
[Fire On Ready?]
「俺も新技見せてやるぜ!」
[Crow Screw]
[Crow Screw On]
フォーゼの左足に朱色のスクリューモジュールと右手にいつものクローモジュールが装備される。
「上やん!それは水中用の装備やで!」
メガロッドでナナシと戦っていたメガブラックがそう突っ込みをいれる。
「分かってるよ、見てな!」
[Crow Screw Limitbreak]
「いきます!」
[Fire Limitbreak]
フォーゼとメテオがジャンプし、メテオは炎を纏いながら跳び蹴りの体制に、フォーゼは逆にクローモジュールを装備した右腕を前につきだしスクリューモジュールを高速回転させる。スクリューの遠心力でフォーゼの体も高速回転し、ドリルのようにユメバクー師に迫る。
「ライダークロースクリュードライバー!」
「はああ!」
「のわぁ!?」
二人の技を間一髪でユメバクー師は避けるが後ろにいたマゲラッパたちが変わりに吹き飛ばされる。ユメバクー師は後退りをしながら恐怖する。
「こ、怖い…生まれて始めて恐怖というものを感じている」
「ちっ、外したか!」
「今度は逃がしません!」
別の場所では冥獣人インキュバスのべルビレジとゴーカイイエロー、ディケイド、オーズ、バースの四人が戦っていた。
「行くわよ、佐天さん!」
「わかりました」
「しっかりついてこいよォ」
「言われなくても!」
オーズのチーターレッグの鋭いキックとバースのパンチがべルビレジを襲うが、これを紙一重で避けたべルビレジはオーズとバースに抱きつく。
「何すんのよ!変態!」
オーズとバースのダブルパンチがべルビレジを吹き飛ばす。そのまま二人はべルビレジを追撃しようとするが、突然としてべルビレジの姿が消える。
「どこにいった?」
「後ろよ!」
オーズの言葉にバースが振り向くとそこに二体のべルビレジが立っていた。
「あの野郎、分身なんかして生意気ねぇ」
「二人とも倒すわ!」
[ライオン!カマキリ!チーター!]
[ショベルアーム]
オーズのカマキリソードとバースの左腕に装着されたショベルアームが二体のべルビレジを襲う。
「ちょっと御坂さん、やめて!」
「何してェやがる!」
とオーズやバースは思っているが実際にはオーズとバースが攻撃しているのはゴーカイイエローとディケイドである。べルビレジには相手に幻想を見せて惑わせることができる能力があり、この力でオーズとバースに幻を見せて同士討ちを狙っているのだ。
「ちっ!オイ、黄色タイツゥ!俺が合図したらあの三色団子を飛び越えろォ!」
「き、黄色タイツって!?それにどうしてあなたの…」
「やれ」
「はい…」
ディケイドの謎のオーラにあてられてゴーカイイエローはおとなしく首を縦に振る。そんなことをしているとオーズとバースが一気に突っ込んできた。
「今だァ!」
「はい!」
ディケイドの合図とともに二人はオーズとバースの肩を踏み台にジャンプし、上空でレンジャーキーとライダーカードを取り出す。オーズとバースは衝撃で地面倒れこむ。
「豪快チェンジ!」
[アバレンジャー!]
[Kamen Ride Agito]
上空で爆竜戦隊アバレンジャーのアバレキラーと仮面ライダーアギトにチェンジした二人はベルビレジに迫る。
「ぬ、喰らえ!」
ベルビレジが緑色の炎を発射し、二人に攻撃を仕掛ける。
「そんなものかァ?」
[Form ride Agito Flame]
Dアギトのボディと右腕が赤くなり、右腕に一振りの刀『フレイムセイバー』が装備される。Dアギトのフレイムセイバーがベルビレジの緑色の炎を受け止め。その隙にアバレキラーがベルビレジの背後へと移動する。
「ウイングペンタクト・ブレードモード!はああ!」
羽ペン型の武器でベルビレジを切り裂くアバレキラー。ベルビレジは悶絶しながら倒れ、二人への催眠が解ける。
「あれ、いつの間にあっちに?」
「アホ」
オーズがきょとんとしているのを見た、Dアギトはそういうとベルビレジに向かい走り出した。
ファイズとゲキイエロー、アクセルとフラッシュピンクはユメバクラと激戦を繰り広げていた。しかしナナシたちの妨害のせいでお互いの連携がうまくとれず、苦戦している。
「こうなったら!」
なんとか優位を掴もうとアクセルはバイクモードに変形し、やたらめったに走って、ナナシたちを牽制する。その姿を見たファイズはこのままコンビに執着しても勝てないと感じ、一か八かアクセル・バイクモードに飛び乗る。
「のせてもらうわよ!」
「どうぞ!」
アクセルからアクセルブレードを受け取り構えたファイズはナナシたちを一気に斬り倒していく。
「私も頑張らないと!」
アクセル、ファイズの健闘ぶりを見たピンクフラッシュは側にいたナナシを湾内本来の能力により持ち上げ、そのまま他のナナシたちにぶつける。
「浮力を超調整する能力ですね。私もついでに投げてもらえますか?」
そんなピンクフラッシュを見たゲキイエローはなんと自分を投げろと要求する。ピンクフラッシュは少し戸惑いながらもゲキイエローを持ち上げ、エアプレーンスピン気味に回転を加えたあとナナシたちに投げつける。
「バズソースピンアタック!」
強烈な横回転で文字通り円形ノコギリのようにゲキイエローは飛び回る。さらにゲキイエローは能力を発動し、ナナシたちを一気に吹き飛ばす。
「ナ、ナナシたちが…」
狼狽するユメバクラにアクセルとファイズのダブルキックが炸裂し、吹き飛ばす。
バラナイトメアに挑むのは仮面ライダークウガ、イエローバスターコンビとガタック、ゴセイブルーコンビである。
「うぉぉぉ!」
バラナイトメアの出刃包丁がクウガを襲う。
「超変身!」
しかしタイタンフォームへとフォームチェンジしたクウガのボディが出刃包丁を弾く。さらに後方からイエローバスターがクウガの肩を踏み台にジャンプし、ソウガンブレードでバラナイトメア斬り裂く。さらに後方からゴセイブラスターとガタックバルカンがバラナイトメアを撃ち抜く。
「キャストオフ!」
[Cast Off]
「超変身!」
ライダーフォームへとキャストオフしたガタックとドラゴンフォームに変身したクウガのスピード戦法がバラナイトメアを惑わし、ゴセイブルーとイエローバスターの射撃がバラナイトメアにダメージを与える。
「妙に連携がうまくいくな?あんたたち、どっかであったことあったっけ?」
「い、いや?」
「べ、別にそんなことは…」
青い二人組がまさかバイト仲間とは気づかないクウガの言葉に二人は慌てながら答えた。
ロウソクロイドのショクダイロッドとメビウスのメビュームブレードがぶつかり合い、火花を散らす。
「なかなかやるな!」
「デェヤ!(なんだか、この声聞き覚えがあるような…)」
「チェンジソード!」
「ハア、ゼヤァ!」
メビウスに気をとられたロウソクロイドの背後からチェンジマーメイドのチェンジソードとコスモス・コロナモードのサンメラリーパンチがロウソクロイドの背中に直撃する。
「ぐ…」
「ゼヤアアア!」
バランスを崩したロウソクロイドのショクダイロッドをメビウスのメビュームブレードが真っ二つに叩き折る。
「ファイブラスター!」
「キングブラスター!」
オーイエローとファイブピンクの銃撃がバーロ兵たちを撃ち抜く。
[カッターウイング]
[キャタピラレッグ]
[ドリルアーム]
[ショベルアーム]
バグラーと戦う仮面ライダーバースMP軍団はそれぞれバース・CLAWsを展開する。19090号の変身するバースMPB(ブルー)はキャタピラレッグを、10039号の変身するバースMPG(グリーン)は、ドリルアームを、13577号の変身するバースMPY(イエロー)はショベルアームを装備し、バグラーたちを薙ぎ払う。
「早く入りなさい!」
「絶対いやです!」
各ヒーローたちが死闘を繰り広げる中、ゴーオンシルバーとガオホワイトがピンク色の大砲の前でもめていた。この大砲はマジピンクが変身魔法で変身したものなのだが、弾にどっちがなるかでもめていたのだ。
「あなたのがかるいんだから、ほら!」
「わわわ、やめてください!パワハラですよ!」
ゴーオンシルバーは強引にマジピンク大砲の中にガオホワイトを押し込む。
「よし!ファイヤー!」
「うわあああああ!?」
ゴーオンシルバーの掛け声とともにガオホワイトが高速で発射され、ゾビルやマゲラッパ軍団を吹き飛ばす。弾丸となったガオホワイトは太い木に突き刺さって止まった。
「グッジョブ、ですよシスターアンジェレネ」
「う、恨みますからね!」
木に突き刺さったガオホワイトを二人係で引っ張り出す。木から抜き出されたガオホワイトはでゴーオンシルバーをにらみつけながらそう言った。
「そろそろ決めるわよ!泡浮さん!」
「はい!」
オーズの言葉をうけて、ピンクフラッシュがプリズムフラッシュからフラッシュマンの力を常盤台組に渡す。
『プリズムフラッシュ!シャットゴーグル!』
力を受け取ったオーズたち常盤台組がフラッシュマンへと変身する。
『超新星!フラッシュマン!』
「おお、あれ超いいですね。滝壺さん!私たちもやりましょう!」
名乗りを終えた五人の姿を羨ましそうに見ていたゲキイエローがイエローバスターにせがむ。イエローバスターはモーフィンブレスからゴーバスターズの能力をゲキイエローとファイズの変身アイテムに送る。
[[It's morphin time!]]
「「レッツ!モーフィン!」」
ファイズはレッドバスターに、ゲキイエローはブルーバスターへと変身する。
「イエローバスター!」
「レッドバスター!」
「ブルーバスター!」
「特命戦隊!」
「「「ゴーバスターズ!」」」
「私たちもいきますよ!」
「行くじゃん!」
「いきますよ!」
一度変身するとまるで連鎖反応のようにゴーカイイエローは春上を除く三人に力を託してゴーカイジャーへと変身し、さらに豪快チェンジしアバレンジャーへと変身し、オーイエローやゴーオンシルバーもほかの戦士に力を託す。
「元気莫大!アバレッド!(佐天)」
「本気爆発!アバレブルー!(固法)」
「勇気で驀進!アバレイエロー!(初春)」
「荒ぶるダイノガッツ!」
「「「「爆竜戦隊アバレンジャー!」」」」
「オーイエローじゃん!」
「オーレッドやで!(青髪)」
「オーブルー!(吹寄)」
「オーグリーン…(姫神)」
「オーピンク!(小萌)」
「超力戦隊!」
『オーレンジャー!』
「キラキラ世界!ゴーオンシルバー!」
「マッハ全開!ゴーオンレッド!(建宮)」
「ズバリ正解!ゴーオンブルー!(海原)」
「スマイル満開!ゴーオンイエロー!(アンジェレネ)」
「ドキドキ愉快!ゴーオングリーン!(土御門)」
「ダッシュ豪快!ゴーオンブラック!(アニェ-ゼ)」
「正義のロードを突き進む!炎神戦隊!」
『ゴーオンジャー!』
四大戦隊が並び立った姿に怪人たちはたじろく。更にフォーゼ・マグネットステイツとメテオ、ディケイド、クウガ、ブレストキャノンを構えたバース&バースMP軍団も戦隊の横に立つ。
「まずは俺たちが行くぜ!五和!」
「はい!」
ユメバクー師を挟むようにフォーゼとメテオが並び立ち、フォーゼはNマグネットスイッチをメテオに投げ渡す。
[N Magnet]
フォーゼとメテオの間に磁力線が発生し、ユメバクー師の動きを封じる。
[[Limit Brake]]
「「ライダー超電磁クロスボンバー!」」
二人が磁力によって吸い寄せられながら強力なサンドイッチラリアットをユメバクー師に仕掛ける。
「ウギャアア!きんに…」
意味不明な言葉を残し、ユメバクー師は大爆発を起こした。
[Final Form Ride KKKKuuga]
「ちょっとくすぐってェぞォ」
「え、なに?うわあ!」
ディケイドがクウガの背中を手で開くような動きをすると、クウガが巨大なクワガタのような姿『クウガゴウラム』へと変形する。
[Final Attack Ride KKKKuuga]
クウガゴウラムが両顎でユメバクラを挟み込み、一気に上昇した後、地面に向けて降下する。
「うわああああ!!」
「おりゃァァァァァ!」
降下するユメバクラに向けて、ディケイドの強力なキックが炸裂しユメバクラは大爆発を起こし倒れた。
「な、なに!?いまのなんなの!?」
もとの姿に戻ったクウガはただただ自分に起こった出来事に驚いていた。
「ブレストキャノンシュート!」
「オーレバズーカ!ファイヤ!」
「スーパーダイノボンバー!スーパーダイノダイナマイト!」
[[[It's time for special buster]]]
「「「シュート!」」」
「スーパーハイウェイバスター!」
『ぐわあああああ!』
残る怪人たちもヒーローたちの必殺技によって次々に粉砕されていく。
「ぐおおおお!」
「出てきたね!よし、ゴーカイガレオン!」
「デカマシン!発進ですの!」
しかし、倒された怪人たちが次々に巨大化してしまう。ロボを呼び出そうとする戦士だったのだが…
「…あれ?」
いつもならすぐに現れるロボが今回はなかなか現れない。それもそのはずでここは幻想空間であるためにロボがくるわけもない。
「これってやばくない?」
オーズが上の巨大化怪人をみながらそういった。
そのころ幻想空間の舞踏場で一人の男が立っていた。
「ついにライフエナジーがたまったぞ。これで私は宇宙一迷惑な奴となるのだ!」