とある英雄の伝説大戦(レジェンドウォーズ)   作:マッスーHERO

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遅くなってすいません。ウルトラマン登場編です。


時を超えた再会(前編)

「撃てじゃん!」

 

黄泉川の号令とともに周りのアンチスキルがゴーミンたちに発砲する。

 

「ゴー!」

 

「ゴー!」

 

銃弾によりゴーミンたちが一体、また一体と倒れていく。

 

「ゴ、ゴー…」

 

「や、やったじゃん!」

 

ついに最後のゴーミンが倒れ、アンチスキルたちが歓声をあげた。

 

 

 

 

「『またも勝利、学園都市!ヒーローもTPCも必要なしか?』大々的ね」

 

177支部では、御坂がそんな記事の書かれた雑誌をテーブルに放り投げる。

 

「最近はアンチスキルがどんどん敵を倒してますしね」

 

「平和で結構なの~」

 

初春と春上がお茶を飲みながらそんなことを言うが、右腕を吊っている固法はその記事を睨みつける。

 

「今はね、でも強い怪人が出ているわけでもないしここのところガイアメモリ犯罪もとくにはないから油断はできないわ」

 

「そうですの」

 

後ろから書類を持った黒子が入ってくる。

 

「奴らも何か作戦があってのことに決まっていますの。」

 

「そうね。最近学園都市内でもなんらかの組織が動いているって噂もあるし…」

 

そこまで言ったところで御坂はふと周りを見渡す。

 

「そう言えば佐天さんは?」

 

「ああ、佐天さんなら…」

 

 

 

 

その頃、佐天は第七学区のとある喫茶店で以前見舞いに来ていた重福省帆とあっていた。

 

「ごめんね、心配させちゃって」

 

「本当に良かったです。元気になってくれて」

 

「今日は私がおごるからね」

 

そういって佐天は自分の前のアイスティーを飲み始めた。

 

「なんだか…佐天さん変わりましたね」

 

「え?そう?」

 

「なんか前よりも自信に満ち溢れますもん」

 

確かにあの一戦から佐天は少し変わった。自分がバスコにゴーカイイエローであると認められたことや心強い味方の存在が彼女を後押ししてくれることが自然に彼女に自信と力を与えてくれるのだ。

 

「そんなことないよ。私は私のままだよ。それでいいの」

 

「そうですね。佐天さんは佐天さんのままがいいです」

 

佐天と重福は笑いあう。その時、喫茶店の外から悲鳴が響いた。

 

「なんでしょう?」

 

「重福さん、ちょっと用事を思い出したから…先に帰るね」

 

佐天はテーブルにお金を置いて、椅子から立ち上がり店を飛び出した。

 

 

 

案の定、店の外では数体のゴーミンが人を襲っていた。佐天は物影に隠れてポケットから片手サイズの機械を取り出す。

 

「ええっと、ここを押せば御坂さんたちに場所が知らせられるんだったよね…」

 

佐天が今手に持っている機械はTPCが開発したヒーローバックアップアイテム『TPCメモリーディスプレイ』というもので様々な怪人のデータを閲覧したり、GPS機能で他のヒーローに場所を知らせたりできるなどの機能を持った機械である。

 

「敵はゴーミン…ゴーカイジャーが戦った下級怪人だけど、油断は禁物だよね」

 

メモリーディスプレイをしまって代わりにレンジャーキーとモバイレーツを取り出す佐天。

 

「豪快チェンジ!」

 

[ゴーカイジャー!]

 

「よし!行くぞー!」

 

ゴーカイサーベルを構えたゴーカイイエローがゴーミンたちに突っ込む。それに気づいたゴーミンたちはゴーカイイエローを迎え撃たんとばかりに陣形を組みなおす。

 

「ゴー!」「ゴー!」

 

「はああ!」

 

ゴーカイイエローのサーベルがゴーミンたちを一人、また一人と叩き斬る。ゴーミンたちは接近戦を不利とみてライフルによる攻撃に切り替え、これにはゴーカイイエローもたまらずにビルの影に隠れる。

 

「ここは…これで行きますか!」

 

[ゴーゴーファイブ!]

 

ゴーカイイエローがバックルから金色のレンジャーキーを取りだしモバイレーツにセットする。するとゴーカイイエローのボディが金色のアーマーとレオタードに変わり、マスクがバイザー状のものに変わる。その姿はかつてゴーゴーファイブと戦ったジークジャンヌという戦士である。

 

「さあ、行くわよ!サービス、サービス!」

 

ジークジャンヌはジークショットという銃とジークブラスターというバズーカ砲を構え、ゴーミンたちを撃ちまくる。

 

「それにしても数が多い…」

 

その時、ゴーミンがジークジャンヌの後ろから棍棒でジークジャンヌに襲いかかった。

 

「うわっ!?」

 

「サバイバスター!」

 

「ディーショット!」

 

しかし、背後から襲いかかってきたゴーミンは駆けつけたボウケンピンクとデカイエローの攻撃で吹き飛ばされる。更にオーズ・ラゴリバコンボがゴーミンの集団の真ん中に飛び込み、ゴリラアームでゴーミンを吹き飛ばしていく。

 

「おそくなってごめんね、ゴーカイイエロー!」

 

「ええ大丈夫ですよ、オーズさん!」

 

周りにギャラリーがいるため、変身後の名前で呼び合う二人。ジークジャンヌはゴーカイイエローに戻りながらオーズの横に立つ。

 

「やっぱりゴーミンだけなの?」

 

「ええ、でもなんで…」

 

二人がそんなことを言っていると一体のゴーミンがトラックを運転し、二人に突っ込んでくる。

 

「あぶな!?」

 

「運転できるの、あんた!?」

 

トラックを何とか避けるが、トラックはギャラリーのど真ん中に突っ込む。ほとんどのギャラリーは悲鳴をあげながら右方左方へと逃げるが…

 

「大変ですの!女の子が!」

 

デカイエローの叫びを聞いて、オーズ、ゴーカイイエロー、ボウケンピンクがトラックの前方を見るとそこには女の子が一人転んでいた。助けに入ろうとする四人だったが、ゴーミンにさえぎられる。

 

「だめ!間に合わない!」

 

トラックはまっすぐ女の子に突っ込んだ。そして…

 

「きゃああああ!」

 

悲鳴とともに一つの影がゴムまりのようにトラックに吹き飛ばされた。

 

「ぐふ…」

 

吹き飛ばされた影は苦悶の声をあげて地面にたたきつけられた。

 

「…なんてことを!絶対に許せない!」

 

それを見たゴーカイイエローはサーベルを強く握りしめゴーミンたちを叩き斬っていく。オーズにもその熱気が伝わったのか、オースキャナーを強く握りしめてベルトにかざす。

 

[スキャニングチャージ!]

 

「喰らえ!」

 

オーズの両腕のゴリバゴーンが発射され、遠くへ逃げようとしていたトラックに直撃し大爆発を起こす。

 

 

 

それから一分もしないうちにゴーミンを倒した四人は別行動をしていた電王と合流し、転んでいた女の子のもとへ向かった。ところが…

 

「うわああああん、怖かったよお」

 

女の子はほとんど無傷で無事だった。ボウケンピンクが女の子を抱き上げて、あやし始める。

 

「よしよし、もう大丈夫ですよ」

 

「…でも、どうしてあなたは無傷だったんですの?」

 

「…前髪の長いお姉ちゃんが私のことを突き飛ばしたの…」

 

「前髪…まさか!」

 

ゴーカイイエローが何かに気づいて、先ほどの謎の影が地面に落ちたところへと急ぐ。そこには…

 

「じゅ、重福さん!?」

 

「嘘!?」

 

ゴーカイイエローが傷だらけで倒れている重福のそばに駆け寄り、上半身を腕で抱き上げる。

 

「う…」

 

重福はかなりの重傷で口からは血が漏れており、腕もあらぬ方向に曲がっている。

 

「初春、速く救急車を呼ぶんですの!」

 

「は、はい!」

 

重福は焦点の定まらない目で誰かを探している。

 

「佐…天さん…どこですか?」

 

「ここにいるよ!ここに!」

 

ゴーカイイエローは周りに人がいないこと確認してメットを外す。

 

「すみません。前が真っ暗で何も…見えないんです」

 

「すぐに救急車が来るから!頑張って!」

 

「佐天さんが喫茶店から出た後、なんだか不安になって…それで急いで追いかけたら…トラックにひかれそうな女の子を見つけて…」

 

「もうしゃべらなくていいよ!」

 

「黒子!テレポートで病院まで運びましょう!」

 

「ですが、連続テレポートの最中に体が大きく動いてしまうかも…」

 

「応急処置をしないとなの…」

 

遠くでサイレンが鳴り響く中、四人の焦りの混じった声を聴きながら重福はゆっくりと目を閉じた。

 

 

 

病院のある一室のベットの上で重福は横になっていた。口には人工呼吸器がセットされ、心電図は一定のリズムを刻んでいる。横には医師の伊達明と佐天たちが立っていた。

 

「…残念だが、彼女はもう助からない」

 

「そんな…なんとかならないんですか!」

 

佐天が伊達に激しく詰め寄る。

 

「学園都市のでだめなら、仮面ライダーやスーパー戦隊の医療技術とかで…」

 

「それができたら苦労しない!」

 

伊達は厳しい口調で言うと、佐天の両肩を掴み、顔を近づける。

 

「医療技術がどんなにあっても死んだ人間をよみがらせることはできないんだ!」

 

今の重福はいわゆる脳死の状態であり、どんな処置をしても助かる可能性はなかった。

 

「なら…!そうだ、電王の力なら…」

 

「無理だね」

 

佐天が春上の方を希望に満ちた目で見るが、頭に青いメッシュをいれ眼鏡をかけたU春上は反論する。

 

「死人をよみがえらせることなんて、僕らにはできないよ。歴史の運航に大きく支障をきたすからね」

 

「そんな…そんなのってないよ」

 

佐天は床に膝をついて、顔を手で覆いながら泣き出した。御坂たちは佐天に肩を貸して部屋から出ていった。部屋に残った伊達は重福の顔を覗き込む。

 

「…こういうとき、火野の気持ちがいてえほどわかるぜ。手が届かなくてたすけられないつらさが…」

 

伊達はそうつぶやくと、後処理のために部屋を出た。

 

「…」

 

部屋には動かない重福だけになった。機械の稼働音以外に部屋には音はない。その時、一つの赤い球が窓から部屋に飛び込み、重福の体へと飛び込んだ。

 

 

 

暗い漆黒の空間のなかに重福は漂っていた。はっきりとした自覚はないが、すこしずつ自分が死にむかっているということを彼女は感じていた。だが、暗い世界が突然赤い光に包まれた。

 

「…何?」

 

「重福省帆さん…僕はあなたの勇敢な行動を見ました。自分の危険を省みずに子供を助けたあなたに僕は感動しました」

 

赤い光はやがて巨大な赤と銀の戦士の姿に変わる。胸には青いランプのようなものが光っている。

 

「僕は別次元の宇宙、M78星雲からやってきた宇宙人です」

 

「M78星雲の…宇宙人?」

 

「はい、僕は今この世界を襲う組織『リベンジャー』を倒すため、この世界の地球にやってきました」

 

巨人は両手で円を作る。するとその円の中がまるでスクリーンのようになり、そこに様々な怪人と戦う戦士たちの姿が映し出された。

 

「この世界では僕たちの力は弱ってしまう。そこでほかのヒーローたちはこの世界の人たちに力を与えました」

 

『豪快チェンジ!』『スタートアップ!』『変身!』

 

「佐天さん…御坂さん…あの人たちも戦ってきてたんだ」

 

「でも僕らにはまだ力をコピーすることはできないんです。僕はなんとかこの世界で一人で戦う方法を考えました…でも人間の姿を維持することすらできない上に単独ではこの姿に変身することもできません」

 

「それじゃあ…」

 

「でも一つだけこの世界で戦う方法があります。そしてあなたの命も助ける方法が…」

 

「えっ…」

 

「それは…あなたと僕が一心同体になることです」

 

巨人の言葉に重福は驚く。

 

「一心同体…」

 

「あなたの今の状態ではしばらくのあいだあなたには眠っていてもらうことになりますが…その間は僕があなたの体を借りて活動します。もちろん精神が回復すればあなたに体をお返ししますし、その時、いや今あなたが戦うことを嫌うなら僕は戦うことはしません」

 

「…」

 

重福はしばらく黙り込むが、やがて強いまなざしで巨人を見る。

 

「どちらにしろ、私は一度死んだ人間です。これから先、あなたの力で佐天さんたちを助けられるなら喜んで私は戦います」

 

「…ありがとう。あなたの覚悟と体、大切に使わせてもらいます」

 

「最後に一つ聞かせてください、あなたの名前は?」

 

「別次元の地球の人に名づけられた名前はメビウス…ウルトラマンメビウスです」

 

巨人はそう名乗ると赤い球に戻り、重福の体に近づいて行く。

 

「ところで、あなたの性別って…」

 

重福がなにかを言う前に巨人…メビウスは重福と融合した。

 

 

 

 

重福のいる部屋に佐天たちが再びやってきた。

 

「最後ぐらい、笑顔でお別れしましょう…ね、佐天さん」

 

「…はい」

 

佐天が涙を拭き、無理に笑いながら重福に顔を近づけた。そのとき…

 

「ふわあ…」

 

「うん?」

 

佐天の耳にあくびのような声が聞こえた。

 

「こんな時にだれですか!あくびなんて」

 

「私じゃないですの!」

 

「わ、私も違いますよ!」

 

「右に同じなの!」

 

佐天が重福から視線を外して、ほかのみんなに怒鳴る。そして再び重福に視線を戻した。

 

「あれ?」

 

「どうしたの佐天さん?」

 

「なんか体が少し動いてるような?」

 

佐天がそんなことを言ったので、ほかのメンバーも重福を覗き込む。

 

「確かに動いているような…」

 

「御坂さんの電気でけいれんをおこしたんじゃ?」

 

「お姉さまがそんなことするわけないですの、初春」

 

「でも、確かに動いてるわよ」

 

その時である、突如として重福の目が開かれた。

 

『ぎゃあああ!』

 

佐天たちは悲鳴をあげながら、後ろにしりもちをつく。重福は上半身を起こして、人工呼吸器を外し、大きく伸びをすると周りをきょろきょろして佐天たちを見つける。そしてにこやかに笑う。

 

「やあ、こんにちわ!」

 

『ぎゃああああああああああああ!!!!』

 

佐天たちはまたも悲鳴を上げて、全員気絶した。

 

 

 

「はあ、はあ!」

 

医師の一人、クゼテッペイは階段急いで駆け上がりながり、重福の病室へとやってきた。中に入るとそこには立ち上がって検査を受けている重福、検査をしている伊達、それを驚いた眼で見る御坂と黒子、佐天。そしてベットには重福に変わり、初春と春上がうんうん言いながら寝込んでいた。

 

「伊達先生!死人蘇ったって本当ですか!?」

 

「ああ、う~ん…信じられん。死人がよみがえるなんて、しかも傷も怪我も治ってる…」

 

重福は新たに入ってきたクゼの顔をじっと見つめる。

 

「…テッペイさん?」

 

「え?どこかであったことあったっけ?」

 

重福とクゼはしばらく見つめあっていたが、突然重福がクゼに抱き着いた。

 

「テッペイさん!」

 

「ええ!重福さん、そういう趣味なの?」

 

「さ、佐天さん?」

 

「おいおい、クゼちゃん…ロリコンはいけないと思うよ」

 

「ち、ちょっと!変なこと言わないでください伊達先生!君も離れて!」

 

クゼは重福を振り払い、彼女の顔をよくみる。

 

「その表情…僕をテッペイさんって呼ぶのは母さんやコノミちゃん以外では…まさか君は…」

 

「はい!僕です、ヒビノミライです!」

 

「ミ、ミライ君!」

 

二人はまた抱きつきあい。周りの目は一層いぶかしさをました。

 

 

 

 

 

「宇宙人!?今の重福さんのなかには宇宙人がいるんですか?」

 

病院の屋上で佐天が興奮しながらクゼにたずねた。屋上にはクゼ、重福、御坂、黒子、佐天、そして意識を取り戻した初春と春上がいる。クゼは笑い、横の重福の肩を叩きながら佐天を見る。

 

「ああ、彼こそ僕たちと共に地球を守った、仮面ライダー、スーパー戦隊に次ぐ第3の戦士の1人でM78星雲ウルトラの星からやって来た『ウルトラマンメビウス』さ」

 

「ええっとウルトラマンメビウス…」

 

初春がTPCメモリーディスプレイを取り出して操作し始めた。

 

「『M78星雲から25年ぶりにやってきたウルトラマンの一人。身長49メートル体重35000トンで空をマッハ10で飛行する』身長49メートル!?」

 

「ゴーカイオーが45メートルだから…それよりも大きい戦士ってこと!?」

 

「ええっと…一応小さくもなれますけどね」

 

重福が遠慮がちに言う。

 

「で、あんたは重福さんを助けるためと自分がこの世界で活動するために彼女と融合したわけね」

 

「はい、そうですよ」

 

御坂が重福を睨む。

 

「それで、重福さんは無事なの?」

 

「ええ、今は精神が眠っているような状態ですが少しずつ回復しています。それまでの間、この体は僕が責任をもって守ります」

 

「…」

 

御坂はいかにも怪しむような目で重福を見つめる。まあ彼女でなくても突如現れた宇宙人に友達の体を乗っ取られたなんてことが起これば、怪しむのは当然だろう。そんな気持ちを察したのかクゼは御坂を笑いながら見る。

 

「まあ宇宙人といっても一年くらい地球で一緒に戦った僕の大切な仲間だよ。地球の文化や暮らしに慣れていないところもあるから、みんな仲良くしてあげてほしいんだ」

 

その時、五人のTPCメモリーディスプレイが鳴り響いた。

 

「第五学区に怪人出現ですの!」

 

「すでにメガレンジャーが撃退に向かったみたいですけど…」

 

「私たちも念のため行きましょう!」

 

御坂たち五人が屋上から出ていくのをだまって見届けていたクゼと重福だったが、ふと重福は手すりに持たれクゼに背を向けた。

 

「でも、本当に良かった…テッペイさんとまたあえて…」

 

「僕もさ、ミライ君」

 

テッペイはなぜか黙って重福の背を見つめていた。

 

「ミライ君…ひょっとして泣いているのかい?」

 

 

 

 

 

 

「ゴー!ゴー!」「ゴー!」

 

「ドリルセイバー!」「メガロッド!」

 

第五学区の第三資源再生処理施設付近では多数のゴーミンとメガレンジャーが熾烈な戦いを繰り広げていた。

 

『ゴーカイブラスト!』

 

十数体のゴーミンたちが五色の弾丸によって吹き飛ばされる。メガレンジャーたちが弾丸の発射された方向を見ると、そこにはゴーカイジャーに変身した五人が立っていた。

 

「海賊戦隊ゴーカイジャー!派手に助太刀にしますよ!」

 

「助かるで!ゴーカイジャー!」

 

ゴーカイジャーとメガレンジャーは協力してゴーミンたちを蹴散らしていく。

 

「一気に行きますよ!ゴーカイガレオンバスター!」

 

[イエローチャージ!ライジングストライク!]

 

『はあ!』

 

「こっちもいくで!パーフェクトメガスナイパーカスタムや!」

 

『シュート!』

 

二つの必殺武器が火を噴き、ゴーミンたちは一掃された。

 

 

 

戦いが終わったあともゴーカイジャー・メガレンジャーの両メンバーは近くの探索を続けていた。同時にゴーカイレッド(御坂)はメガレッド(上条)から自分たちが来る前の戦いのことを聞いていた。

 

「じゃあ、今日もゴーミンだけ?」

 

「ああ、ここ2、3日こいつらだけしか出てこないな」

 

「…ねえ、あんたの方の魔術結社とかの動きはないの」

 

「特にないな…」

 

「スキルアウトのメモリ事件なんかも起きてないし、なんでなのかしら?」

 

「驚くことはなんもないな…あ!でも今日の怪人がトラック運転してたのは驚いたな」

 

「トラック?あんたのところもトラックを?」

 

「ああ、いきなり突っ込んできてな。ほら、あそこ」

 

メガレッドが指さす先にはトラックの無残な残骸が残っていた。

 

「(トラック…何かを運んでいた?そういえば…)」

 

ゴーカイレッドはメガレッドのもとを離れ、近くにいたゴーカイピンク(初春)のもとへ向かう。

 

「初春さん。最近ゴーミンが現れた場所って地図に出せる?」

 

「え?ええ、できますよ」

 

ゴーカイピンクはTPCメモリーディスプレイと愛用の携帯端末を取り出し、二つを接続して操作する。するとスクリーンには学園都市の地図が現れ、そこに赤い点が何か所か現れる。

 

「この点がゴーミンの現れたところです」

 

「出現地点は第七、五、十八、二二学区で、まるで円を描くように出現している…」

 

「どこかを中心になにかしようとしているんでしょうか?」

 

「いや、それにしては円が大きすぎるわ…」

 

その時、ゴーカイレッド(御坂)の脳裏に先ほどの会話がよぎった。

 

『49メートル!?』

 

『ゴーカイオーが45メートルだから…それよりも大きい戦士ってこと!?』

 

「メビウスが49メートル…なら敵は?当然…」

 

ゴーカイレッドはあわただしくTPCメモリーディスプレイを操作し始める。

 

[御坂か?どうした?]

 

「星川先生、一つ聞きたいことがあるんですが」

 

TPCメモリーディスプレイには通信機能も装備されており、ゴーカイレッドはそれをつかってファイブレッド=星川学と連絡をとった。

 

「怪獣や怪人が現れるのには転送するためのポートがいる(超・絶・変・化参照)って話をしてましたよね?」

 

[ああ、そんな話もしたな、それがどうした?]

 

「たとえばですけど、巨大な怪獣を何体も同時に転送するためにポートをたくさんつなげて巨大なポートをつくりだすことってできますか?」

 

[出来なくはないが…ちょっと技術局に聞いてみるが、多分できると思うぞ]

 

「ありがとうございました。今からすこし忙しくなるかもしれません」

 

ゴーカイレッドは通信を切ると、メモリーディスプレイをモバイレーツに持ちかえる。

 

「みんな集まって…久しぶりにいそがしくなるわよ」

 

[どういうことですの、お姉さま?]

 

[なにかありましたか?]

 

「もうすぐやばいのが…」

 

その時、周りで大きな地響きが起こった。

 

 

リベンジャーの新たな作戦とは何か?そして重福=ミライの涙のわけは…後篇へ続く




活動報告書こうか迷っているんですよね…

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