とある英雄の伝説大戦(レジェンドウォーズ)   作:マッスーHERO

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更新遅れました。申し訳ありません。
感想欄の返答、近日中にやります。

すいません…ガスドリンカーズ戦の電王が空気でした。追加します。


スペシャルポリス・スペシャルチーム(前半)

学園都市第七学区のジャッジメント177支部では四人の少女があたまを抱えていた。

 

「う~ん…」

 

佐天は机に向かい、便箋と格闘していた。彼女は夏に出会った重福省帆との文通を続けており、彼女はその内容を考えていたのだ。

 

「最近ネタが…ないなあ…」

 

ネタが無いわけではないのだが…変身していることを書くわけにもいかずに佐天は困っていた。

 

 

ホワイトボードの前では御坂と固法の二人が何事か悩んでいた。ホワイトボードには御坂、黒子、佐天、初春、春上、固法、婚后、湾内、泡浮の写真と様々な色のマグネットがはられていた。

 

「今は五人戦隊で戦うことが多いけど、六人の戦隊も少なくないわ。なるたけ六人で戦うことがベストだけど…」

 

「ならやっぱり、私と黒子、佐天さん、初春さん、春上さん、固法先輩で六人戦隊のがいいですかね?」

 

御坂はいまあげた六人の写真にマグネットをはっていく。

 

「ただ、六人揃うのは難しいときもあるし…」

 

「ジェットマン、フラッシュマン、チェンジマンは五人戦隊ですからね…」

 

固法はマグネットを更に写真にはりつける。

 

「もし、九人か八人揃ったら、御坂たち常盤台チームが五人で、佐天さんたちが三人戦隊、私がいれば四人戦隊もありね」

 

「電王やアクセルは個別でも強力ですし、一番ベストなのは九人の戦隊なんですけど…」

 

「なかなかないわよね…」

 

 

こんな感じで三人が頭を抱えていたころ、初春は1人パソコンの前に座っていた。

 

「う~ん…」

 

パソコンの画面には少し前に初春たちを助けた、スターキャリアと呼ばれるマシンの大全集でのデータが映し出されていた。

 

「う~ん…」

 

「初春さんはなにをなやんでるの?」

 

何度も同じ呻き声を出す初春が気になった御坂は、初春の横に立つとパソコンのスクリーンを見る。

 

「これって、前に私たちを助けてくれた戦闘機よね?」

 

「はい、『地球戦隊ファイブマン』が使用したマシン、スターキャリアです」

 

「確か…ファイブマンは変身している人がいたからその人が助けてくれたのかしら?」

 

二人のやりとりに固法が加わった。そんな三人のもとに少し笑いながら佐天が近づく。

 

「それがね…初春ったら面白いんですよ。最近うちの学校にきた先生の名前が星川 学だからなにか関係があるんじゃないかって言ってるんです」

 

「それはちょっと…」

 

「考えすぎよ…初春さん」

 

三人の言葉に初春はムッとしながらもキーボードを叩く。するとパソコンのスクリーンに白いはなが映し出される。

 

「これって、あすなろ園に咲いてたはなよね?」

 

「はい…実はこのはな、どう検索してもどんな花かわからないんです」

 

「どういうこと?」

 

「このはなはまだ発見されてないか…あるいは…」

 

そのとき支部の扉が開き、黒子が入ってきた。腕にはビニール袋が提げられている。

 

「遅かったわね白井さん?」

 

「ちょっと道案内をしていて遅くなりましたの」

 

黒子はビニール袋を机に置くと中身を取り出す。パッケージには『千葉にいって来ました』と書かれている。どうやら饅頭のようだ。

 

「カエルみたいな顔の先生のいる病院に行きたいと言われたので案内していたんですの。これはそのお礼ですの」

 

「千葉の人かしら?」

 

「名前を聞いたんですが、ええっと…岐阜あたりの地名みたいな名字とお菓子みたいな名前で…」

 

「どんな覚え方してんのよ…」

 

変な名前の覚え方をする黒子に御坂はあきれた表情になる。黒子は貰った饅頭を皿に移すと皆に配る。甘いものに反応したのか初春は今までの話をきりあげ、饅頭を食べ始めた。

 

「おいしい!」

 

「私たちもいただきましょうか」

 

五人は今までの話をすべてきりあげて、饅頭を食べ始めた。

 

 

 

一方そのころ、学園都市第六学区。ここはアミューズメント施設がたくさんある学区である。そんな第六学区の乗り物に特化したアミューズメントパークになぜか婚后、湾内、泡浮の三人の姿があった。

 

「わっわっわ…」

 

「頑張って、婚后さん」

 

「あとすこしでゴールですよ」

 

三人は何かの特訓をしているようだが一体…?

 

 

 

同じ頃、第二十一学区の自然公園にはジャージ姿で走る春上の姿があった。春上の髪には黄色いメッシュが入っている。

 

「ええ調子やで、襟衣!」

 

[そのままよろしくなの。キンタロス]

 

K春上はランニングを続行する。何故春上がこんなことをしているかと言うと、枝先が退院し、更に加熱する戦いに彼女が巻き込まれないように自分が強くなろうと考え、キンタロスに頼んだからだった。ちなみに…

 

[襟衣…そろそろ許してくれよ…]

 

[本当にごめんね…襟衣ちゃん]

 

[ねえ!ねえってば!]

 

[キンタロス頑張ってなの!]

 

「おう!」

 

モモタロス、ウラタロス、リュウタロスを春上は完全に無視する。実はこの三人にも特訓を依頼したのだが、モモタロスはスキルアウトに片っ端から喧嘩をしかけ病院におくりまくり、アンチスキルやジャッジメントに迷惑をかけまくり、ウラタロスは特訓よりナンパを優先して、ほとんどは無視されたあげく黒子に近い性格の危ないお姉さんに連れ込まれそうになり、リュウタロスは公園で鳥をいじめていた小学生に襲いかかった(未遂)。そんなこともあって、さすがの春上もぶちギレて無視をしているのだ。

 

「(前にもこんなことあったやろ…あいつらアホちゃうか?)」

 

「根性!」

 

キンタロスがそんなことを考えていると横を白い学ランをきた男が走り抜けていった。すこしライバル意識が生まれたK春上はスピードを上げて、その男の横に並ぶ。二人は無言で目をあわせると、お互いに速度を上げる。二人の速度はグングン上がり、車に匹敵している。

 

「うおおおお!」

 

「根性おおおおお!」

 

二人のバカはまだ夕日のころでもないのに西に向かって走り続けていった。

 

第七学区のとあるビルの屋上に、エージェントアブレラと一人の男が立っていた。アブレラは男に何かを渡し、男はアブレラに金を支払う。

 

「契約成立だ。君の商売の成功を祈る」

 

アブレラの言葉に男は無言で背を向けると一瞬で姿を消した。

 

「この私が…他人の商売のために利用されるとは…忌々しい!」

 

アブレラは近くのパイプを蹴り壊す。

 

「…しかし、どんな商売をするのか非常に興味深い…楽しませてもらうぞ」

 

アブレラは微笑を浮かべると視線をビルの下に広がる学園都市に目を向けた。

 

 

第七学区のセブンスミストは今日もたくさんの学生で賑わっていた。

 

「これなんかよくない?」

 

「いいね!」

 

服屋の前に二人の女子高生が立っていた。女子高生たちは様々な服を見ていたが、片方の女子高生がふと排気口の方をみた。

 

「あれ?」

 

「どうしたの?」

 

「なんかあそこから金色の粉がでで…うっ!」

 

突然女子高生が倒れる。

 

「大丈夫!?うっ…」

 

もう片方の女子高生も倒れ、それをかわきりに周りの店員や客も倒れ始めた。

 

 

 

かん高いブレーキ音がセブンスミスト前の道路に響く。マッシグラーから降りたフォーゼは 静まりかえったセブンスミストを見上げる。

 

「よおっ!」

 

後ろから自分を呼ぶ声にフォーゼは後ろを向く。そこにはビートチェイサーにまたがったクウガがいた。

 

「大将も黄泉川によばれたのか?」

 

「ああ、俺の仲間たちは先に来てるはずなんだが…」

 

「バカに静かだな…アンチスキルどころかやじ馬すらいないなんて…」

 

「とにかくなかへいってみるか」

 

フォーゼとクウガはセブンスミストに入る。中はそとにも増して静かだった。人のいる気配がなく、明るい店内放送が逆に恐怖感を演出している。

 

「うん?」

 

地面に何かを見つけたフォーゼは立ち止まり、それを拾う。

 

「これは…」

 

それは土御門のショドウフォンだった。フォーゼ=上条の背中に一筋の汗が垂れる。土御門元春はフォーゼ=上条当麻が自分よりも強いと認めた戦士だ。その土御門がやられた…。そんなことを考えていると後ろからクウガの声が聞こえる。

 

「あ、黄泉川!そんなところにいたのか。大将!あんたの連れもいるぞ」

 

「え!?」

 

フォーゼが後ろを向くと、クウガの奥に二人の人影が見えた。後ろ姿しか見えないが、緑のジャージにポニーテールの女性と学ランに金髪の男子高校生。明らかに黄泉川と土御門だ。クウガは二人に声をかけながら近づいていく。

 

「たく…呼んでおいて迎えにもこないなんて非常識じゃないのか」

 

クウガと二人の距離が縮まっていく。フォーゼも二人に近づこうとした瞬間、彼の第六感が何かに反応した。

 

「浜面!離れろ!」

 

「うん?」

 

周りに人がいれば、クウガの正体がわかってしまうが、フォーゼにはそれを気にしている余裕はなかった。フォーゼの声の直後に黄泉川が突然振り返り、クウガの首をしめはじめる。

 

「な、なにを!?」

 

クウガは突然のことに慌てる。フォーゼが助けに入ろうとするが、同じく振り返った土御門に妨害される。

 

「ぐっ…」

 

クウガの苦悶の声が辺りに響く。黄泉川は確かに優秀なアンチスキルだが、ここまでのパワーを持っていただろうか?そもそもなぜ自分は彼女に首を絞められているのか?クウガの頭に様々なことが産まれては消えていく。

 

「…仕方ないか!すまん黄泉川先生!土御門!」

 

[Aero]

 

[Aero On]

 

フォーゼの左足にエアロモジュールが出現する。エアロモジュールから発射された小さい空気弾が黄泉川と土御門が吹き飛ばされ、黄泉川の拘束が外れてクウガは地面を転がる。フォーゼはクウガに近づく。

 

「大丈夫か?」

 

「ああ、でもなんで…」

 

「あいつらをよく見てみろ…」

 

「えっ?…なんだ…あれ」

 

クウガが黄泉川たちをよく見ると体のいたるところに機械のパーツが張り付いて…いや、機械化している。

 

「ど、どうゆうことなんだよ?」

 

「わかることは1つ…俺たちは今、結構ピンチだってことさ」

 

フォーゼの言葉にクウガが周りを見ると、たくさんの機械化した人間が二人を囲んでいる。そのなかには姫神や吹寄もいる。

 

「こ、こいつら…いったいどこから…」

 

「アンチスキルもやじ馬もなにがあったんて言うんだ?」

 

クウガとフォーゼが狼狽していると機械化した人間たちが一斉に襲いかかってきた。そこへ文字通り黒い影が現れて、機械化人間たちを振り払う。

 

「上やん!来てくれたんやな!」

 

「お前、無事だったのか?」

 

その影はメガブラックだった。メガブラックはメガロッドで機械化人間たちを更に振り払う。

 

「なにがあったんだ?」

 

「わからへん…金色の粉を吸ったらみんな…僕だけインストールして助かったんや」

 

「つまり変身してれば平気なわけか…」

 

「とにかく、やつらを外に出すわけにはいかないなんとか俺たちで抑えるぞ!」

 

フォーゼはカメラスイッチを取りだし、バガミールを起動させる。フォーゼは落ちていたボールペンで簡単なメモを書くとバガミールにくくりつける。

 

「この状況で頼りになるのは…御坂たちくらいか。バガミール、御坂たちを探してメモを渡すんだ」

 

フォーゼはバガミールを窓に向かい投げつける。バガミールは窓を突き破り、外へと飛び出した。

 

「頼むぞ…」

 

「上やん!来るで!」

 

「行くぞ!超変身!」

 

クウガは機械化人間にあまりダメージをあたえないためにドラゴンフォームに変身し、三人は機械化人間に挑む。

 

 

そのころ、御坂たち六人はセブンスミストの近くに来ていた。

 

「中の様子はわからないし、アンチスキルからの連絡はない…どうしましょう?」

 

初春が言うと固法は首にてを当ててセブンスミストを見上げる。

 

「そうね…春上さんや婚后さんたちには連絡したし、彼女たちを待って…」

 

「わたしたちだけで十分ですの。行きましょう!」

 

「そうですよ!」

 

黒子と佐天は突入すべきと発言する。

 

「御坂さんはどう思う?」

 

「う~ん…黒子たちの言うことも一理…」

 

御坂が全てを言う前にセブンスミストの窓が割れ、何かが落ちてくる。

 

「なにあれ?」

 

御坂は落ちてきた物の方へ近づいていくと落ちてきた物も御坂の方へ近づいてくる。それは先ほどフォーゼが投げたバガミールだった。

 

「あんた、あいつの使ってる…」

 

バガミールを拾った御坂たちのもとに他のメンバーも近づく。

 

「どうしたの?御坂さん?」

 

「それ、なんですか?」

 

「上から落ちてきたの。確か、フォーゼのアイテムの1つ…」

 

御坂はバガミールにメモがついていることに気づいてメモを開く。

 

「『内部 危険 金 粉 変身せよ』…」

 

「なかの状況はかなりやばいみたいですの…」

 

「春上さんたちをまってから突入しましょう」

 

 

それから数分後、春上たちが到着し、全員が変身するとセブンスミストへ突入した。中には人影が一切なく、静まり返っている。オーズ・タトバコンボ、アクセル、デカイエロー、ゴーカイイエロー、ボウケンピンク、電王・ソードフォーム、ホワイトスワン、チェンジマーメイド、ピンクフラッシュはあたりを魔渡すが人影はどこにも見えず、音もほとんど聞こえない。

 

「戦闘がおこなわれているにしては静かですわね…」

 

「フォーゼさんたち、やられちゃったんじゃ…」

 

ホワイトスワンとボウケンピンクの言う通り、あたりは静まり返っている。フォーゼたちも敵にやられてしまった可能性も十分あり得る。

 

「いや、一般的なデパートとは言え、学園都市製よ。防音設備は高いはず」

 

「それに夏の爆発騒ぎで改装しているはずだから、上のほうは特に防音力が高いはずよ」

 

アクセルとオーズの言う通り、上層階の防音設備の高い場所にフォーゼたちがいる可能性は高い。アクセルはメンバーを一度メンバーを見渡すと、近くにあった館内の見取り図をとる。

 

「階段やエスカレーターの位置は、みんなわかるわね。別れて各階を探索しましょう」

 

「エレベーターは使わないんですか?」

 

アクセルの提案にゴーカイイエローが意見を言う。

 

「この状態じゃ、どこに敵や一般人がいるかわからないわ。一階ずつ行きましょう」

 

アクセルはそういうと、見取り図をいくつかとり、ボウケンピンク、ホワイトスワンに渡す。

 

「私、御坂さん、白井さんのチーム。初春さん、佐天さん、春上…いやモモタロスのチーム。婚后さん、湾内さん、泡浮さんのチームで行きましょう。一階ずつ探索が終わったら、連絡をとって上に上がっていくわよ」

 

9人はアクセルの指揮で三チームに分かれて各階を探索し始めた。

 

[ライオン!トラ!バッタ!]

 

タカヘッドをライオンヘッドにチェンジしたオーズは周囲を探査し始めた。ライオンヘッドには光を放射する以外に聴力を強化する能力もあり、オーズはそれを使い上層階を調べようとしたのだが…

 

「…だめだ…同じ階の人たちの音しか拾えない」

 

「となると…やっぱりフォーゼたちは上のほうかしら?」

 

「とにかく、早く各階の探索を終えて、上へ行きますの」

 

 

 

ホワイトスワンたちは一階のカフェテリアに来ていた。カフェテリアのいくつかのテーブルにはコーヒーやケーキなどが置かれていた。まるで、少し前まで食事が行われていたかのように…

 

「ここでいったいなにがおきたっていうんでしょう…」

 

 

服屋を探索していたボウケンピンクは床に落ちたなん着かの服を見ていた。

 

「(誰かに襲われたという感じがしない…まるで、服を選んでいて落としたという感じがする…)」

 

「不気味だね、こう人気がないと…」

 

「気味がわるいな、おい」

 

 

こうして三組のチームは一階、一階丁寧に調べていったが、人を見つけることは出来なかった。そして…

 

「御坂さん、この階はどう?」

 

「…!聴こえる…すごい数の足音、扉を叩く音、金属音…何かを切りつけている音も!」

 

「この階ですの!」

 

「よし、行くわよ!」

 

三人は走り出す。

 

 

 

「うわぁ!」

 

「浜面!」

 

その頃、オーズたちの入った階では、クウガが四体の怪人と懸命に戦っていた。傍らにはメガブラックが倒れている。

 

「くっ、超変身!」

 

ドラゴンフォームからタイタンフォームに変身したクウガは二本のドラゴンロッドをタイタンソードに変えて四体の怪人に挑む。

 

「健気だな、たった一人で俺たちガスドリンカーズに挑むとはな」

 

四体の怪人は拳銃やバズーカ、鞭、ナイフでクウガを痛め付ける。さすがのタイタンフォームの装甲もだんだん傷つけはじめる。

 

「ぐ…」

 

「浜面まってろ、いま助け…」

 

「バカ!お前が離れたら、機械化人間たちが一斉に出てくるぞ!」

 

クウガの言う通りだった。フォーゼは今マグネットステイツとなり、背中で後ろの防火扉をおさえている。防火扉からはすごい勢いで扉を叩く音が聴こえている。

 

「くっ…でも出来る限りのことはするさ!」

 

[Launcher Gatling On]

 

ランチャーモジュールとガトリングモジュールが出現し、ガスドリンカーズと名乗った怪人たちを攻撃する。今のフォーゼはなぜか、NSマグネットキャノンが肩にないうえ、どうしてもリミットブレイクが使えない状況だった。

 

「うっ…」

 

「浜面、大丈夫か?」

 

「さてと、次はお前だ。ロケット頭」

 

リーダー格の怪人が二丁拳銃でフォーゼを狙う。

 

「くっそう…」

 

「終わり…[ファイナルウェーブ!]!なんだ!?」

 

「「「「「「シュート!」」」」」」

 

突如、六色の光線がガスドリンカーズに降り注ぎ、爆発する。フォーゼが周囲を見ると、3方向から9人の戦士が現れていた。先程の光線は六人の戦士の遠距離武器によるものだった。さらにアクセル、オーズ、電王が剣型武器でガスドリンカーズを攻撃する。

 

「くっ、一時退却だ!」

 

「待ちなさいですの!」

 

形勢不利だと感じたガスドリンカーズは屋上に向かって逃げる。それをオーズを除く戦士たちが追いかける。

 

「大丈夫?」

 

「俺はいいから、浜面たちを見てやってくれ!」

 

オーズはクウガとメガブラックの容態を確認するとフォーゼの元に向かい、壁を抑える。

 

「なにがあったのよ!この中になにがいるの?」

 

「機械化人間!」

 

「はあっ!?なにいってのよ!」

 

「あのガスドリンカーズとか言うやつらが撒いた金色の粉のせいで人間が機械化してんだよ!」

 

「なんですって!?」

 

「なんとか外に出さないようにマグネットキャノンで誘導して中に閉じ込めたんだが…そこであいつらが現れて…俺は動くわけにはいかなかったから二人が戦ってくれたんだ」

 

「そうだったの…」

 

「御坂、行ってやれ!やつらかなり手強いぞ!」

 

「でも…」

 

「いいからいけ!」

 

フォーゼの声にオーズは少し驚きながらも屋上に向かう。

 

「御坂!あの金色の粉が何かあいつらから聞きだしてみてくれ!ウイルスかなにかならなんとかなるかもしれない!」

 

「わかったわ!その扉死んでも開けんじゃないわよ!」

 

オーズはそう言うと屋上に向かった。

 

屋上ではガスドリンカーズとヒーローたちの壮絶な戦いが繰り広げられていた。

 

「行くよ!豪快チェンジ!」

 

[ゴーオンジャー!]

 

「カウルレーザー!」

 

「ハイドロシューター!」

 

「おりゅあ!」

 

ゴーオンブラックに豪快チェンジしたゴーカイイエローとボウケンピンクの銃撃がガスドリンカーズのリーダー格、アルゴル星人ヴォルガーを襲い、電王が近接戦を仕掛ける。しかし、ヴォルガーは軽やかにそれを避けると、専用武器『ダブルサタンマグナム』で三人を攻撃し、三人を吹き飛ばす。

 

「白井さん!行くわよ!」

 

「はいですの!」

 

アクセルがバイクモードに変形し、デカイエローがそれに飛び乗り、バズーカ砲『リザードバズーカ』を構えたアルゴル星人ブランデルと『ピラニアナイフ』という武器を構えたアルゴル星人ウインスキーに突っ込む。バズーカの弾をアクセル・バイクフォームは軽やかに避けていき、ウインスキーのナイフをデカイエローがディースティックで防ぐ。

 

 

ホワイトスワン、チェンジマーメイド、ピンクフラッシュの三人は接近用武器で鞭型武器『スコーピオンビュート』を持ったアルゴル星人ジーンと戦っている。ジーンの鞭が三人の武器を手からはじく。

 

「泡浮さん!湾内さん!いったん距離をとって一気に決めましょう!」

 

「はい!」

 

「わかりました!」

 

三人は距離をとり、ホワイトスワンはウイングガントレットを、ピンクフラッシュはプリズムブーツを装備しチェンジマーメイドは高くジャンプする。同じタイミングでゴーカイイエローはゴーカイサーベルを、ボウケンピンクはブロウナックルを装備し、アクセルも速度を上げて二体の怪人に向かい飛び込む。

 

「スワニーアタック!」

 

「マーメイドアタック!」

 

「ボンバーキック!」

 

「ブロウナックル!」

 

[ファイナルウェーブ!]

 

「ゴーカイスラッシュ!」

 

[Full Charge]

 

「俺の必殺技!パート1!」

 

全員が一斉に敵に飛び込む。しかしヴォルガーは不敵に笑うとほかの三人に指示をだす。

 

「おまえら!作戦通りにいくぞ」

 

「「「おう!」」」

 

すると四人は微妙に体を動かす。すると…

 

「えっ!?」

 

「どうしてあなたたちがそこにいますの!?」

 

なんと空中で八人が衝突してしまったのである。ガスドリンカーズは互いにアイコンタクトをしつつ、八人がぶつかる瞬間を待っていたのだ。八人はかなりのダメージを受けて変身が解除されてしまう。

 

「うっ…」

 

「なんであんなところに!」

 

「そういうあなたこそ!」

 

「ふたりとも喧嘩しちゃだめよ!」

 

婚后と黒子が喧嘩をはじめ、固法がそれをたしなめる。おのおのの武器を構えたガスドリンカーズはそんな八人に少しずつ迫る。

 

「さてとそろそろ…」

 

「そうはいかないわよ!」

 

[ライオン!トラ!チーター!ラタ、ラター!ラトラータ!]

 

ガスドリンカーズを高速移動したオーズ・ラトラータコンボが攻撃する。

 

「もう一匹いたのか」

 

「私が相手よ!はあ!」

 

オーズの頭部から熱線が放たれガスドリンカーズを攻撃する。

 

「どう!…えっ!?いない?」

 

熱線が止んだ時、ガスドリンカーズはどこにもいなかった。オーズは周囲を見渡すがどこにもいない…

 

「お姉さま!上ですの!」

 

黒子の声を聞いてオーズは上を向くと、ガスドリンカーズが上から一斉に各々の武器で攻撃を仕掛けてきた。

 

「うわああ!」

 

オーズは変身が解除されて吹き飛ばされる。それを佐天と黒子がキャッチしそのまま物影に隠れた。

 

「そろそろ終わりにしようか!」

 

ダブルサタンマグナムが一斉に火を噴き、九人の隠れているタンクに穴が開く。

 

「あいつら手ごわいわね…」

 

「コンビネーションも高いです…」

 

「よしここはゴーカイジャーで…」

 

「いえ、ここはジェットマンで…」

 

少数精鋭という言葉があるが、確かにこの人数だと意見はまとまりにくい。御坂はついにしびれを切らして大声で叫ぶ。

 

「ああもう!いっそ九人の戦隊とかないのかしら!」

 

「ありますの」

 

「そうよね!ないわよ…へっ?」

 

黒子がぼそりと言った一言に御坂は強く反応する。

 

「あるの?」

 

「デカレンジャーはレギュラー以外も合わせて、十人くらいの力がありますの。しりませんでしたの?お姉「どうしてそういうことを早く言わないのよ!」ぐええええ!」

 

御坂は半ギレの状態で黒子の首を絞める。

 

「御坂さん!落ち着いて!とにかくコンビネーションにはコンビネーションよ。デカレンジャーで行きましょう!」

 

固法の提案にようやく御坂は手を解き、解放された黒子はSPライセンスから九つの光をメンバーの渡す。

 

「よし行くわよ!」

 

御坂の号令を受けて全員が物影から飛び出す。

 

「ついにあきらめたか?」

 

「それはどうかしらね」

 

「みなさん!チェンジスタンバイですの!」

 

黒子の号令を受けて、春上、婚后、湾内、泡浮はSPライセンスを、初春は白いSPライセンスを、佐天はマスターライセンスを、御坂と固法はブレスロットルを構える。

 

「「「「「「「「「エマージェンシー!デカレンジャー!」」」」」」」」」

 

[コールを受けたSPライセンスとブレスロットルから形状記憶宇宙金属デカメタルが放出され彼女たちの体で定着し、デカスーツとなるのだ]

 

「「「「「「「「「フェイスオン!」」」」」」」」」

 

全員の顔にマスクがセットされ、変身が完了する。

 

「一つ!非道な悪を憎み!」

 

「二つ!不思議な事件を追って!」

 

「三つ!未来の科学で捜査!」

 

「四つ!よからぬ宇宙の悪を!」

 

「五つ!一気にスピード退治なの!」

 

「六つ!無敵がなんかいい!」

 

「なみいる悪を白日の下にさらけ出す光の刑事!」

 

「真白き癒しのエトワール!」

 

「百鬼夜行をぶった斬る!地獄の番犬!」

 

「SPD!デカイエローですの!」

 

「デカレッド!」

 

「デカブルー!」

 

「デカグリーン!」

 

「デカピンクなの!」

 

「デカブレイク!」

 

「デカブライト!」

 

「デカスワン!」

 

「デカマスター!」

 

「特捜戦隊!」

 

「「「「「「「「デカレンジャー!」」」」」」」」




デカレンの内訳は

デカレッド=婚后
デカブルー=湾内
デカグリーン=泡浮
デカピンク=春上
デカブレイク=御坂
デカブライト=固法
デカスワン=初春
デカマスター=佐天です。

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