とある英雄の伝説大戦(レジェンドウォーズ) 作:マッスーHERO
火炎サイマ獣ヘルゲロスと戦うオーズ、ビルで救助活動をゴーカイイエローとボウケンピンク、ライダードーパントを追うアクセルとデカイエロー…。五人はそれぞれがとんでもないピンチにあってしまう。はたしてこの状況を打破できるのか?
火炎サイマ獣ヘルゲロスはフレイムメモリを挿入し、オーズを苦戦させる。オーズ・シャウタコンボの水流も液状化も通用しなくなったヘルゲロスには効かない…。オーズは追い詰められ、ついに倒れる。ヘルゲロスはそんなオーズに火炎攻撃を仕掛ける。
「死ねええ!」
「うっ…」
ヘルゲロスの火炎がオーズに迫る。その時、真横から消火弾が飛んできて、ヘルゲロスの火炎を弱める。弱まった火もコースを変えて真横にそれる。
「な、なに!?」
「この攻撃は…もしかして…」
「ライダー爆熱シュート!」
[Fire Limit Break]
ヘルゲロスに向かい、火炎放射が発射される。さすがの火炎サイマ獣も一瞬狼狽する。その隙にオーズとヘルゲロスの間にフォーゼ・ファイヤーステイツがヒーハックガンをもって立ちふさがる。
「大丈夫か、御坂?」
「あんた…また借りができたわね…」
オーズはようやく立ち上がるとフォーゼの横に並び立つ。
「仮面ライダーフォーゼ!お前の幻想、殺させてもらうぜ!」
「なめるなよ!」
ヘルゲロスは火炎でフォーゼを攻撃するが、ファイヤースイッチがそれを吸収する。
「もう一発くらえ!ライダー爆熱シュート!」
[Fire Limit Break]
ヒーハックガンからの火炎放射がヘルゲロスに当たるが、あまり効果がない。
「このヘルゲロスにそんな火は効かん!」
「なら水だ!」
[Water On]
左足にウォーターモジュールが装着され、そこから高圧水流が発射される。しかしヘルゲロスの炎がそれを蒸発させてしまう。
「まじかよ!?」
「そんなものか!死ね!」
「くっ、こっちよ!」
ヘルゲロスは炎を吐き、フォーゼたちを攻撃する。オーズはフォーゼをウナギウィップで引っ張って、一緒に物陰に隠れる。
「ちょっと!私の戦い見てなかったの!?」
「いやあ~今来たとこだから…」
「大体!せっかく久々にその右手が役に立つのに!どうして効かないのよ!」
「そんなこと言ったって…右手のスイッチにしか能力つかないんですよ…」
フォーゼとオーズは激しい言い争いをするが、やがてお互い冷静になってヘルゲロスの対策を考え始めた。
「ファイヤーじゃ、防御はできても攻撃が通用しない…さてどうするか…」
「水も通じないなら、有利不利を無視して得意な武器か攻撃力の高い武器で勝負ね。よし!行くわよ!」
二人はもの影から飛びだすとメダルとスイッチを交換する。
[Elek]
[Elek On]
[シャチ!クジャク!タコ!]
エレキステイツに変身したフォーゼとシャジャタと呼ばれる形態に変身し、メダジャリバーを持ったオーズはヘルゲロスに挑む。
ゴーカイイエローとボウケンピンクが救助をしていたビルの近くに数台の救急車が到着し、中から一人の女性がビルの中に入っていく。ビルの廊下には二人が手当てをした人たちが横になっている。女性は更に奥へ入っていくと、そこには先ほどの火傷したけが人を抱きかかえるボウケンピンクが膝をついていた。
「救急救命士です。そちらの方は…」
「ひどいやけどを負っています。救急キットがなくて、とりあえず患部を冷やし続けていました。あとはよろしくお願いします」
ボウケンピンクはけが人を救急救命士と名乗った女性に差し出すと、そのままビルの奥に消えていった。女性はけが人の状態を少し見た後にボウケンピンクが去った方向を見る。
「さすがは西堀さんたちが認めた戦士。命の大切さをしっかりわかっているわ。がんばってね」
そういうと、救急救命士『巽祭』はけが人を抱きかかえてビルから脱出した。後には床に転がった冷たいヤシの実サイダーが残されていた。
ビルから少し離れた場所に佐天と初春が立っていた。
「みんな無事に、病院に行けたようだね」
「佐天さんのおかげで最後の人も助かりましたよ」
「やったのは初春じゃない。私は何もしてないよ」
救急キットが足りなくなったあの時、佐天=ゴーピンクは突然自販機を破壊し、中のジュースを数本ボウケンピンクに渡したのだ。ボウケンピンクはそのジュースでけが人の患部をひやして、手当てをしていたのだった。ボウケンピンク=初春の能力、定温保存〈サーマルハンド〉は触れたものの温度を一定に保つというもので、これを応用して初春はけが人の患部を冷やし続けたのだった。
「御坂さんや白井さんたちは大丈夫ですかね?」
「大丈夫だよ。私たちは枝先さんを心配させないために先に戻ろう」
二人は春上たちのもとに向かった。
ライダードーパントは二人をまいたと確信して、高笑いをしていた。
「はっはっは!どんなもんだ!」
そんなライダードーパントの耳に独特のエンジン音が響く、するとすぐ後にライダードーパントの目の前にアクセルとディーショットを構えたデカイエローが現れた。デカイエローはディーショットのトリガーをひき、ライダードーパントを打ち抜く。たまらずライダードーパントは横の路地に逃げ込む。
「なんだよ!?テレポートで先回りか?でもエンジン音は聞こえるし、どうやって先回りを…」
ライダードーパントは困惑していた。それもそのはずで現にデカイエローは路地裏に逃げ込んだライダードーパントを見失っていたのである。しかし、一人だけライダードーパントを見逃さなかった人物がいた。他でもない仮面ライダーアクセル=固法美偉である。彼女の能力、透視能力<クレアボイアンス>はその名の通り物体を透過してその先を見ることができる能力である。バイクフォームのアクセルはこの能力を使っていたために路地に隠れたと思っていたライダードーパントは実は丸見えだったのだ。更に言えばライダードーパントは確かにこの辺の道に詳しいかもしれないが、ジャッジメントとして街を守る固法と空間転移能力者でもある黒子にこの辺の地理で勝てるわけがない。ライダードーパントは必死に逃げるがアクセルとデカイエローは先回りして正面に飛び出した。デカイエローのディーショットが火を吹き、何発ものビームが直撃したライダードーパントはバイクから振り落とされる。
「大人しくメモリを渡しますの!」
「ふざけんな、こんな便利な力、渡せるか!」
ライダードーパントは怪力でバイクを持ち上げて、二人に突っ込む。
「ライダーがバイクで攻撃って…」
「あなたが言えることではないと思いますけど…」
アクセルは人型に戻るとエンジンメモリとエンジンブレードを渡すと前の戦いで手にいれたバイクメモリを取り出す。
[Bike]
[Engine]
二人はメモリを起動させ、アクセルはバイクメモリをアクセルドライバーに、デカイエローはエンジンブレードにエンジンメモリを挿入する。
[Bike Maximum Drive]
[Engine Maximum Drive]
アクセルは再びバイクフォームに変形し、エンジンを両手で構えたデカイエローを乗せてライダードーパントに突っ込む。
「吹っ飛べ!」
ライダードーパントはバイクを二人に向かって投げつける。しかし、バイクは当たることなく二人は虚空に消える。
「あれっ?消えた?」
「ここですの!」
ライダードーパントの上に転移したアクセルとデカイエローはそのままライダードーパントに向けて落下する。デカイエローはアクセル・バイクフォームのサドル部分を蹴って、大きくジャンプする。最初にアクセル・バイクフォームの前輪がすごい勢いでライダードーパントに直撃する。更にアクセルはもとに戻り、ライダードーパントを掴むと空中に大きく投げる。そして投げられたライダードーパントをアクセルがエンジンブレードで真っ二つに切り裂いた。
「それって…オーバーキルだろぉ!!!」
ライダードーパントは情けない叫び声をあげながら爆発し、メモリを排出した。
「これにて一件コンプリートですの」
「絶望があなたのゴールよ」
ヘルゲロスとオーズ・フォーゼコンビの戦いは続いていた。
[Limit Break]
「ライダー100億ボルトシュート!」
「ぐお!」
フォーゼ・エレキステイツの幻想殺しを秘めた電撃が炎を打ち破り、ヘルゲロスを襲う。更にオーズがメダジャリバーでヘルゲロスを切り裂く。攻撃の激しさにヘルゲロスは距離をとる。
「一気にたたみがけるぞ!割って挿す!」
「わかってるわよ!」
[N Magnet][S Magnet]
[NS Magnet On]
[クワガタ!クジャク!タコ!]
マグネットステイツに変身したフォーゼとガタジャタと呼ばれる亜種コンボに変身したオーズはならんでたつとNSマグネットキャノンと電撃を纏ったタジャスピナーでヘルゲロスを撃ちまくる。
「ぐ…」
ヘルゲロスは炎で反撃するがマグネットキャノンが炎を無効果化してしまい、ヘルゲロスには二人の攻撃を防ぐことが出来ずに膝をつく。
「これで決めるか?」
「いいわね、合体技といきましょうか!」
フォーゼはマグネットキャノンを操作し、オーズの前に静止させる。オーズはマグネットキャノンにタジャスピナーをつけた腕を置くと、クワガタ、シャチ、ウナギのメダルとセルメダルをタジャスピナーに装填する。
[Limit Break]
[クワガタ!シャチ!ウナギ!ギ!ギ!ギ!ギガスキャン!]
「ぬぅ…」
タジャスピナーとマグネットキャノンがヘルゲロスを狙う。マグネットキャノンに幻想殺しを秘めた電流がチャージされ、タジャスピナーには御坂本来の電撃とクワガタ、ウナギの電撃が水の膜に包まれるようにチャージされる。
「行くぜ、御坂!」
「ええ!」
「「ライダー!スーパー超電磁砲<レールガン>ブレイズ!」」
マグネットキャノンとタジャスピナーから放たれた強力な電撃弾がヘルゲロスに直撃する。
「う…ゴレム…サイマカード…は…来ないのか…」
ヘルゲロスはそのまま爆発し、再生することはなかった。
「スゲエ威力…」
「久々に能力使った感じがしたわ」
二人はハイタッチをするとその場を去った。しかし二人は気づかなかったが、ヘルゲロスの死んだ後には一枚のカードが落ちていた。そのカードを眼鏡をかけたスーツ姿の男が拾い上げる。
「ふむ、この世界のオーズはオリジナルよりも面白いかもしれませんね。彼らの終末…見るのが楽しみです」
男はカードを持ったまま銀色のオーロラの中に消えていった。
第七学区、柵川中学には枝先、春上、佐天、初春の姿があった。
「ごめんね。入院前に植えた花が心配でさ」
「頑張って育ててたもんね」
四人が花壇の方へ向かうとそこには赤いジャージを着た一人の男が花に水をやっていた。
「あれ誰?」
「ああ、この間来た新しい先生ですよ」
「確か…星川…まなぶ!」
「違うの、星川学<がく>先生なの」
四人の気配に気づいたのか、星川は四人の方を向き、笑顔を見せる。
「こんにちは」
「「「「こんにちは」」」」
「君たち、花好きかい?」
「はい!…あっ!このはなは…」
初春は花壇の中にあの白い花を見つける。
「このはながどうかしたかい?これは私が植えたものなんだ」
「あすなろ園にも咲いていたよね」
「きれいなの」
他の三人がその白い花を見てはしゃいでいる間、初春は星川を見ていた。悪い人間にはとても見えない。
「(この花には何かある…星川…星…スター…まさか…)」
初春のこころには何か刺さるものがあった。
御「今回は久々に能力が役に立ったわね」
黒「先日の感想の中にとあるとのクロスの意味がないって言われてましたからね」
佐「こうしてみると主人公級の御坂さんや上条さんの能力はもちろん強力ですけど初春や固法先輩の能力もヒーローになることですごい強化されますね」
初「佐天さんのアイデアもナイスでしたよ」
御「今回は怪人とオリジナル技の解説ね」
火炎サイマ獣ヘルゲロス 登場作品 救急戦隊ゴーゴーファイブ
ケルベロスのような姿の怪人でゴーゴーファイブ11,12話に登場した。
火山を噴火させるほどの高熱火炎を吐く。
今作ではフレイムメモリで自らを強化し、オーズ・シャウタコンボを圧倒する。
駆け付けたフォーゼに炎を吸収されるが、フルパワーのライダー爆熱シュートに耐えきる耐炎能力を見せるも、最後はフォーゼとオーズの合体技で敗れた。
ゴーゴーファイブ本編では恐ろしい能力をもう一つ持っていたが今回は使用されなかった。
黒「サイマは異能扱いだから幻想殺しが効いたんですの」
初「ガイアメモリで強化された分はファイヤーステイツの能力で吸収されたんですね」
佐「ファイヤーステイツはヒーロー大戦でマジレッドのレッドファイヤーフェニックスを吸収できなかったから、異能の炎は吸収できない設定なんだよね」
御「でもアルターゾディアーツの炎は吸収できたのよね…」
ライダードーパント
今作オリジナル。騎兵の記憶を秘めたガイアメモリで変身したドーパント。
初「最後はバイクを投げるといういさぎの悪さでしたね」
黒「語ることはありませんの」
オリジナル技
ライダースーパー超電磁砲<レールガン>ブレイズ 使用ヒーロー フォーゼ・マグネットステイツ&オーズ・クジャク系の亜種またはタジャドル
フォーゼ・マグネットステイツのライダー超電磁ボンバーとオーズのタジャスピナーに電気系のメダルを装填して放つオリジナル技『レールガンブレイズ』を合わせて放つ。
二つのヒーローの力とともに通常では不可能な『幻想殺し』と『電撃使い』を合体させることを可能にした。(今回はシャチのメダルの力でレールガンブレイズを純度100パーセントの水で包み込み幻想殺しによる能力の無効化を防いだ)
黒「…コロス」
佐「落ち着いてくださいね…」
初「特殊部隊を呼びますか?」
御「…フフ」
佐「この人はどうする?光悦としてるけど」
初「次から春上さんと固法先輩に交代ですね…」
アクセルバイクプレス 使用ヒーロー アクセル
アクセル・バイクフォームがバイクメモリのマキシマムドライブの力とテレポーテーションのコンボで敵をプレスする技。今回はそこからアクセルが空中へ敵を投げ、デカイエローのダイナミックエースへとつなげた。
佐「うわあ…そのまんまだなネーミング…」
初「デカイエローって個人の必殺技が少ないからこうやって武器を借りたんですね」
佐「それに白井さんの能力が人間しかテレポートできないのを逆手にとった技でもあるよね」
御・黒「…ふっふっふ」
佐「もうだめだ、この人たち…」
初「予告です!予告を…へえ!?」
佐「どしたの?」
初「次回のタイトル、『芳・川・就・職(仮)』ですって」
佐「作者もだめになったか…」
初「とりあえず次回もお楽しみに…」