とある英雄の伝説大戦(レジェンドウォーズ) 作:マッスーHERO
クウガの設定に誤表記ありました。すいません。
学園都市第20学区
槍の記憶を内包したガイアメモリで怪物化したランスドーパントとアンチスキルが激しい戦闘を繰り広げていた。黄泉川と鉄装は物陰から銃を使いランスドーパントを牽制する。
「たく、今月は何件目じゃん?」
「黄泉川先生、今回はトイレとかいってどっか行かないでくださいよ…前回それで大変だったんですから」
「お、おう…(これじゃ変身できないじゃん)」
黄泉川は何とか変身するチャンスを伺っていたがタイミングが見つからない。その時、ランスドーパントの前に1人の戦士が現れる。
「あれは?」
「未確認戦士3号じゃん。最近は姿を見せてなかったはずだけど」
3号ことマゼンタ色が特徴の仮面ライダーディケイドは専用武器、ライドブッカーでランスドーパントを切り裂く。ランスドーパントは槍を取りだし応戦する。
「…チッ!」
ディケイドは小さく舌打ちをするとランスドーパントと距離をとり、ライドブッカーからカードを取り出す。ディケイドは取り出したカードの横を指で二、三回叩くとバックルに入れる。
[Kamen Ride Kuuga]
電子音と共にディケイドの姿がクウガ・マイティーフォームに変わる。
「4号!?」
「いや、ベルトが違う。3号は姿を全く別に変えると聞いていたけど別の戦士と同じ姿にも慣れるわけじゃんか?」
[From Ride Kuuga Titan]
ディケイドクウガ(以後はDクウガと呼称)はもう一枚カードをバックルに入れる。するとDクウガはタイタンフォームに変身する。同時にライドブッカーもモーフィングパワーによってタイタンソードに変化する。Dクウガ・タイタンはタイタンソードを肩に担ぐとランスドーパントの槍を身体で受け止める。
「か、硬え…」
「こんなもんかァ?」
Dクウガはランスドーパントの槍を左手で受け止めるとタイタンソードでランスドーパントを切り裂く。さらにランスドーパントにけりをいれて距離をとると、ベルトのバックルにカードを入れる。
[Kamen Ride Kabuto]
Dクウガは赤くスマートな一本ヅノの戦士、仮面ライダーカブトに変身する。ランスドーパントは体勢を立て直すと槍でDカブトを襲う。槍が届く前にDカブトはカードをバックルに入れる。
[Attack Ride Clock UP]
Dカブトは槍が届く瞬間に姿を消す。
「消えた!?」
「こっちだァ」
「なに!?ぐわあああ!」
Dカブトは突然ランスドーパントの後ろに現れるとライドブッカーでランスドーパントを切り裂く。
「なぜ…」
「オマエの見えねェ速度で動いたンだよ。そろそろとどめだァ」
Dカブトはディケイドの姿に戻るとカードをフチを指で叩いたのちバックルに入れる。
[Final Attack Ride DDDDecade]
ディケイドとランスドーパントの前に十枚のカード状のレリーフが現れる。ディケイドは高くジャンプすると、ランスドーパントに向かいキックする。ディケイドはカードを通りながらランスドーパントに突っ込み、爆発が起きる。爆風が消えた後に残っていたのはランスメモリと一人の青年だけだった。
数日後、クウガの真の力の一部を引き出し、真のヒーローの第一歩を踏み出した男HAMADURAは何をしていたかというと…
「浜面!そっちのタンス運んでくれ!」
「わかりました一甲さん」
バイトしていた…。
「すまないな、ロードサービス関連の仕事をまわしてやりたいが、うちの会社も学園都市に参入したてでなかなか…なあ」
「いえいえ、職場の人は優しいし、給料もいい。最高の職場ですよ!」
何故浜面がアルバイトをしているのか、それは一週間前にさかのぼる。
『うーん…』
浜面は悩んでいた、ロードサービスの勉強が思ったよりもはかどらなかったのである。できれば実地での訓練などをしたいが元スキルアウトの浜面を雇ってくれる会社はなかなか見つからなかった。そんな時、第7学区のある店の前に『何でも屋 バイト募集中 経歴など一切不問』と書かれた張り紙を見つけ、ダメ元で面接を受けたところ奇跡的に合格し、先週から働き始めたのである。店長はとてもいい人で浜面にロードワーク関連の仕事を多くまわしてくれたため、浜面もなんだかんだで楽しく働いていた。今日は先輩正社員とともに引っ越し手伝いの仕事をしていたのである。
「(いや~店長も先輩たちもいい人だし、居心地いいなあこのバイト)」
浜面は頼まれたタンスを実に楽しそうに運んでいた。
昼時になり、仕事を終えて浜面は先輩とともに第7学区にある何でも屋『トゥモローリサーチ』に戻ると昼御飯を食べていた。浜面には滝壺という恋人がいるわけなのだが、昼御飯はコンビニ弁当だった。
「浜面さん、御一緒してもよろしいですか?」
浜面が顔をあげると、そこにはバイト仲間の海原が立っていた。
「おお、いいぜ」
「では、失礼します」
海原は浜面の向かいに座ると浜面と同じようなコンビニ弁当を広げて食べはじめた。浜面の聞いた話では彼は妹さんが入院しているためにその費用を稼ぐために働いているらしい。
「お前も大変だなあ、妹さん元気か?」
「はい、おかげさまで。いつも心配してくださってありがとうございます」
「今度見舞いいくよ。病院教えてくれ」
「あ…それは…ちょっと」
海原は激しく狼狽する。
「お前ら、もう昼飯か?」
そこへ、もう1人のバイト仲間がやって来た。
「あ、建宮さん」
「ええ、一緒にどうですか?」
「いや、俺は店長に報告書渡してこないといけないのよな」
黒髪をクワガタのように固めて、何故か額には絆創膏を貼っている男、建宮はそういうと店の奥に消える。
「知ってるか、海原?建宮さんの絆創膏って女との喧嘩でできた傷を隠してるんだってよ」
「本当ですか?」
「ああ、こないだ夜に歩いていたら酔っ払った建宮さんを見てさ、大声で『この傷は女につけられたのよな』って叫んでたんだよ」
「見かけによらず、もてるんですかね?それで女関係でもつれて…」
「真面目な人だからそれはないと思うが…」
浜面が勝手に話題を変えてくれたので海原は内心、ほっとする。
「浜面、海原、午後の仕事はハードだから頑張ってくれよ」
「あ、一甲さん。分かりました。頑張ります」
浜面たちが昼御飯を食べ終わったころに先輩正社員の二人が現れた。1人は霞一甲、もう1人は霞一鍬という名前の兄弟だった。二人は浜面がバイトに入った頃から『トゥモローリサーチ』で働いており、浜面をいつもサポートしてくれる、頼れる先輩である。浜面と海原はたちあがると午後の仕事に向かった。
午後の仕事が終わると浜面は店の横にある駐車場に停めてあるビートチェイサーで帰宅しようとヘルメットを被る。そしてバイクにまたがろうとした時、彼の後ろに人影が現れた。
「キョグギンジャンママ ズ・バヅー・バザ」
「!?」
背後からかつての敵、ズ・バヅー・バザがしゃべっていた台詞が背後から聞こえたことに驚いた浜面はビートチェイサーのハンドルからトライアクセラーを抜くと、構えながら後ろを振り向く。しかし、謎の人影はトライアクセラーを持った浜面の腕に間接技を決めると浜面を地面に伏せさせる。
「(あれ?これってアンチスキルの捕縛術じゃ…)」
「午後5時30分、公務執行妨害の現行犯で拘束するじゃん」
浜面の腕に武骨な手錠がはめられる。浜面が自分にのし掛かる人影をよく見る。
「よ、黄泉川!」
「ハイハイ、連行、連行。強制連行じゃん♪」
そう言うと黄泉川は浜面を愛車まで連行し、助手席に放り込む。そして黄泉川は運転席に乗り込みとアクセルを強く踏み込む。車は猛スピードで発進する。この間、わずか30秒である。
「いやぁ~犯罪者を逮捕すると気持ちがいいじゃん♪病院に現れた怪人の声をサンプリングしといて良かったじゃん」
「ふざけんな!不法逮捕だ!」
浜面はじたばたと暴れるが黄泉川は気にせずに車の速度をあげる。黄泉川は無言のまま、近くのファミレスに車をいれると車から降り浜面に後者を促す。浜面が車から降りると黄泉川は手錠を外す。
「(逃げられるか…?)」
「逃げようとしたら…わかってるじゃん?」
「うっ…」
浜面は黄泉川の後に連れだってファミレスの中に入っていく。
「いらっしゃいませ!お二人ですか?」
「いや、先に連れが座っているはずじゃん」
そう言うと黄泉川は店の奥の方の席に向かう。そこにはある人物が座っていた。
「うげぇ!?」
「人の顔を見てする反応じゃねェな。潰すぞォ、三下」
学園都市最強のレベル5、一方通行だった。黄泉川は一方通行の向かいに座る。浜面は仕方なく一方通行の横に座る。
「で、なんで俺を不法逮捕&連行してまでこんなファミレスに?しかも第一位と一緒に…?」
「まあまあ、それより何か食べようじゃん。」
そう言うと黄泉川は呼び出しボタンを押し、店員を呼ぶ。
「このステーキセット1つ、お前たちはどうするじゃん?」
「俺はコーヒー…」
「あ、俺も…」
「何だよ、遠慮することないのに。以上じゃん」
「かしこまりました」
店員が席から離れると黄泉川はポケットから一枚の写真をしたの方を持ちながら取り出す。それはクウガ・タイタンフォームの写真だった。
「これって、お前だろ、浜面?」
「ち、違うよ…」
「本当じゃん?」
「ああ…」
「本当じゃん?」
「おお…」
「お前が変身したのを見たって言うやつがいるんだけど…」
「!そんな馬鹿な!俺はそんなところで戦ったこと…」
浜面は、はっとして口に手をあてるが既に遅かった。黄泉川は写真を持つのとは違う手でボイスレコーダーを取り出す。どうやらさっきの浜面の発言は録音されていたようだ。浜面が写真をよく見ると黄泉川の指で隠れていた部分には、クウガのベルトではなくディケイドのベルトが写っていた。その写真はDクウガのものだったのだ。だから浜面も写真の背景から自分が戦った場所ではないと思い、つい口を滑らせてしまったのだった。
「単純なやつだなァ」
「うっ…」
「いやあ、こんなに簡単にいくとは思わなかったじゃん」
黄泉川は写真とボイスレコーダーをしまう。その直後、店員が料理を運んできた。
「こんな時間によく食えるなァ」
「今日はよく働いたからお腹がすいたじゃんよ」
一方通行はあきれぎみに言うと黄泉川はそう返しステーキセットを食べはじめた。
「なんで俺がクウガだってわかったんだよ?」
「お前が四号、クウガって言うんだっけ?それが病院で戦ったときにお前がバイクで病院に飛び込んでったのを見てたのもあるし、そのバイクがクウガと色違いだったからひょっとしてと思ってな。お前のバイクに数日前に発信器をつけたじゃん。そしたらその反応がクウガのバイクから出てたじゃん」
「うっそぉ…」
「お前って本当に抜けてンだな…」
「そこらへんにしといてやれ一方通行。まぬけ度ならあんたもいい勝負じゃんよ」
一方通行が黄泉川の言葉に顔を伏せる。実は一方通行も黄泉川に自分がディケイドであるとばれていたのだ。なぜばれたかと言うと数日前…
『大富豪やろう!ってミサカはミサカは誘ってみたり!』
『大富豪だァ?メンドクセェな…』
『と言いつつやるんだ。このツンデレさん♪』
『打ち止めも一方通行も番外個体もやるの?なら私も』
『オマエは働けェ』
『私もやるじゃん!』
『じゃあ、やるよ!8切り、7渡し、5飛び、10捨て、11バック、99車、縛り、階段、革命ありねってミサカはミサカは早口に言ってみたり!』
『えっ!?ちょっと、もう一回言ってじゃん』
こうして五人での大富豪が始まった。序盤は打ち止めが強いカードをどんどん出していたがやがて他の四人がカードを減らし始め、終盤は打ち止めをほぼのけ者にした四人の戦いになっていた。
『う~ん…よし!2じゃん!』
『本当にいいのかァ?それで?なら、ジョーカーだ』
黄泉川のスペードの2が出たとき、一方通行はカードのふちを指で叩きながらジョーカーをだす。
『クッソ!だれかスペ3はないのかじゃん!?』
『無駄だよ。この人が持ってるもん…』
『どこで計算が狂ったの…』
『Zzz…』
各々が悔しそうな顔をしながら(1人は退屈で寝ていたが…)一方通行が最後の一枚であるスペードの3を出すのを見ていた。
「うん?この話のどこにばれる要因があった?」
「実はな、3号はカードのふちを指で叩く癖があって…それで…」
ドンっという音と共に机が揺れる。見ると一方通行が机の上に勢いよく拳を打ち付ける。チョーカーは能力使用モードになっている。
「…」
「(俺…今日死ぬかも…)」
「落ち着け、一方通行…じゃん」
暫くたって黄泉川は空になったステーキの鉄板を横に避ける。そしてポケットから先程とは違う写真を数枚取り出す。
「これは怪人の写真…?」
「ああ、巷で噂のガイアメモリってので怪人化した人間、通称ドーパントじゃん」
写真には今までに出現したドーパントたちが写っていた。
「お前も戦ったことがあるだろ?」
「ああ、何体か…倒したら人間が出てくるからびっくりしたよ」
黄泉川は数枚の写真の中からガイアメモリの写った写真を取り出す。
「お前ら、考えたことはあるか?奴らがどうやってガイアメモリを手にいれたか」
「えっ?う~ん」
「ドーパントってェヤツラはみンな、何かしらのコンプレックスを抱えてェやがった。あの槍野郎は確かァ陸上競技で壁にぶつかったのが原因で暴れてやがったらしいなァ」
「その通りじゃん。ガイアメモリを使った人間の多くは低能力者でな、そいつらは何かしらのコンプレックスを抱えていた。そいつらにメモリを売っている組織があるじゃん」
「夏のレベルアッパー事件に似てるな…」
浜面は夏休みに起こったレベルアッパー事件を思い出す。あの頃、浜面はまだスキルアウトの一員であったが彼のグループのリーダーの駒場がレベルアッパーをよく思っていなかったために直接触れることは無かった。
「アンチスキルのなかでは第2のレベルアッパー事件と呼ぶやつもいるじゃん」
「手軽にあンな力が手に入るとあっちゃ、大人気商品って訳かァ?」
「一体誰がこんなものを?」
「最初の頃はサラリーマンみたいなやつとかが売っていて、それをネズミ講してるって話があったんだが最近はスキルアウトが売りさばいてるらしいじゃん」
黄泉川は新しい写真を机に置く。それは何かのエンブレムのようなものだった。
「これは…Exeのエンブレムか?」
「Exe?」
「さすがは元スキルアウトじゃん」
「こことうちのチームはかなり険悪だったよ。向こうは銃器に薬なんかを売りさばいて悪どい商売を繰り返してたからな」
浜面はエンブレムの写真を手にとり、眺める。
「まさか…」
「ああ、そいつらがガイアメモリを売りさばいてるらしいじゃん」
「連中からしてみりゃあ、売りやすい、隠しやすい、大人気の三拍子が揃ってやがるからなァ」
「近々こいつらに強制捜査をすることになったじゃん」
「へぇ…それで」
「その前にこいつらを壊滅させたい。手伝えじゃん」
その瞬間、浜面が口に含んだコーヒーを一気に吹き出す。一方通行は無言で黄泉川を睨む。
「何言ってんの!?」
「だからExeをぶっ潰すって言ってるじゃん」
黄泉川はそう言うとポケットからパワーブレスを取り出す。
「ポケットから次から次へとオマエはド○えもンかァ…」
「私もお前らみたいに変身できるじゃん。だから三人で…」
「いや、今とんでもないこと言ったよね!?それ以前に例え三人で言ってもなぁ…」
浜面は大きくなった声を少し小さくして喋りきった後、座席に座り込む。
「Exeは最近リーダーが変わってやり方がだいぶ変わったんだって風の噂で聞いたんだよな」
「やり方が変わったァ?」
「かなり金にこだわるようになって、それで…アンチスキルを執拗に狙うようになったってな」
浜面がアンチスキルについて言った時、黄泉川の視線がわずかに下を向く。
「だからこそアンチスキルの突入は危険じゃん…」
「突入した途端に構成員全員がドーパントになりゃあ、アンチスキルに勝ち目はねェなァ」
「確かに…」
黄泉川は深く頭を下げる。
「頼む!謝礼はするし、危険なら逃げても構わん。だから…」
「お、おいおい!頭あげてくれよ黄泉川!周りの人が見てるだろ」
浜面は黄泉川の頭をあげさせる。
「解ったよ、お前とは腐れ縁だしさ。協力するよ」
「そうか、協力してくれるか!サンキューじゃん!」
そう言うと黄泉川は地図を取り出す。
「Exeの本拠地は第七学区の『蜂の巣』周辺…」
「商業施設が多い上に審査が甘い…悪党どもがウジャウジャしてそうだなァ」
「バイクは後輩に言って駐車場に置いてある。私と一方通行が車で先導するからついてきてくれ」
「解った」
三人は立ち上がると勘定を終わらせて駐車場に向かう。駐車場にはビートチェイサーが置いてあった。黄泉川と一方通行は車に乗り込む。浜面もビートチェイサーにまたがり、発進させる。
「(黄泉川のやつ、なんか変だな…あんな強引に俺の正体を暴こうとしたり…いつも黄泉川とは何かが…)」
黄泉川の態度に浜面の頭に一抹の不安がよぎる。
一方、黄泉川と一方通行は車で『蜂の巣』に向かっていた。助手席の一方通行が今まで閉じていた口を開く。
「黄泉川、何を隠してやがる?」
「?私は何も隠してないじゃんよ」
「お前だってよ、全員がドーパントになるかも知れない組織を三人で潰すのがどンだけめンどくせェか、わからねェわけじゃねェだろ?俺とお前なら解る。だか、浜面まで巻き込むとはオマエらしくねェぞォ」
「…私にもね、どうしても譲れないものがある…ただそれだけよ」
黄泉川は真剣な顔でそう言うとその後は何も語らず、車内は沈黙に支配されてしまった。
それから数分後、彼らはExe の本拠地『蜂の巣』にたどり着いた。
「ここが『蜂の巣』じゃん」
「蜂?ゴキブリの巣の間違えじゃねェのか?」
黄泉川は『蜂の巣』の中でも一際大きいビルに近づく。
「アンチスキルが入手した情報だと、奴らの所有メモリは20本以上じゃん」
「20…」
「桁が1つ足りねェくらいだ。プランは?」
「一気に飛び込んで、スピード退治じゃん!」
黄泉川はそう言うとドアを開ける。そこにはいかにも悪人面のお兄さんたちが20人はいた。
「アンチスキルじゃん!全員大人しくするじゃん!」
男たちは暫し無言で三人を見ていたが、やがて全員が隠し持っていたガイアメモリを取りだし、ボタンを押す。
[[[[[[[[[[Masquerade]]]]]]]]]
[Arrow]
[Sword]
[Up]
[King]
[Unfair]
20人のうち5人は普通のドーパントに変身するが、のこる15人は顔だけが変身した、マスカレードドーパントに変身した。
「いきなり20人いるじゃん!」
「口癖をとらないで欲しいじゃん」
「あのムカデマスクは量産型の雑魚だなァ。能力で充分だァ」
そう言うと一方通行はチョーカーを能力使用モードにすると、コンクリート片を蹴る。一方通行の能力で弾丸並みの速度で翔んだそれはマスカレードドーパントの一体に当たるがマスカレードドーパントは踏ん張って耐える。
「なるほど、すこしは固ェじゃねェかァ。これは楽しめそうだ」
「二人ともいくじゃん!」
黄泉川がパワーブレスを腕に着けるのを見て、一方通行はディケイドライバーを腰に着ける。浜面は腰に両手を当てるとそこに、変身ベルト『アークル』が現れる。
「便利だなァ。無くさなくて…」
「正直不安だよ。こんなもんが勝手に現れるとさ」
三人は各自、変身ポーズをとる。
「超力変身!」
「変身!」
「変身…」
[Kamen ride Decade]
三人は変身し、オーイエロー、クウガ、ディケイドとなる。
「いくじゃん!キングブラスター!」
[Attack ride Brast]
「吹き飛べェ!」
オーイエローとディケイドは怪人に銃撃を決める。それにより出来た僅かな隙にクウガが敵に接近する。
「おりゃああ!」
クウガはマスカレードドーパントの一体にパンチを喰らわせ、もう一体にキックを繰り出す。
「剣と弓は任せろ!」
クウガはマスカレードドーパントを蹴散らし、ソードドーパントとアロードーパントに挑む。ディケイドもクウガに続き、アップドーパントとアンフェアドーパントに挑む。オーイエローはキングドーパントと戦う。
「紫でいくか!」
クウガはソードドーパントの斬激を避けつつ地面に落ちていた鉄パイプを持つと、タイタンフォームに変身する。
「さあ、来い!」
「お前もコイツの錆にしてやる!」
ソードドーパントは剣をつきだしながらそう言うとクウガに突っ込む。ソードドーパントの剣とクウガのモーフィングパワーにより鉄パイプが変化したタイタンソードがぶつかり火花を散らす。ソードドーパントの剣が何度かクウガのボディにヒットするが固いタイタンフォームのボディは剣を弾く。
「いける!」
「どうかな?」
ソードドーパントは突然横に飛ぶ。その直後ソードドーパントの影に隠れていたアロードーパントが矢でクウガを攻撃する。ソードドーパントも今までよりも速く移動し、クウガに攻撃をしかける。
「くっ…」
「いくら固くても、二人の連携と連続攻撃を喰らったら、いつかは耐えられなくなるだろ?」
ソードドーパントのいう通り、クウガのボディには少しずつ傷がつきはじめた。
「(このままじゃ殺られる…どうすれば…)」
[邪悪なる者あらば、その技を無に帰し、流水の如く邪悪を薙 ぎ払う戦士あり]
「!、今のは!?」
クウガの頭にタイタンフォームに覚醒した時と似た言葉がよぎった時、マアダムが紫から青にかわった。
「やってみるか!超変身!」
クウガが変身ポーズを再びとると、タイタンフォームから青い装甲のクウガ・ドラゴンフォームへと変わる。それと同時にタイタンソードもドラゴンロッドへと変わる。
「姿が変わった?」
「装甲が軽い…青いクウガはスピードタイプか!」
「こけおどしがぁ!」
ソードドーパントはクウガに剣を振りかざすがクウガ・ドラゴンフォームは軽快な動きでそれを避ける。ソードドーパントは連続でクウガをきりつけるがクウガはドラゴンロッドでそれをいなす。
「手元ががら空きだ!」
クウガはソードドーパントの隙をつき、ドラゴンロッドで手元を攻撃する。ソードドーパントはそれにより剣を落とす。
「くっ!」
「止めだ!」
クウガはソードドーパントに二、三発の蹴りを入れたのち高くジャンプする。そして落下と共にドラゴンロッドをつきだし、ソードドーパントをおもいきり突く。
「おりゃああ!」
「ウォォォ!」
クウガ・ドラゴンフォームの必殺技『スプラッシュドラゴン』を受けてソードドーパントは倒れ、メモリが排出される。
「よくも仲間を!」
「うわっ!?」
それを見たアロードーパントは今までの援護射撃とは比べ物にならない弾数の矢を撃ってくる。クウガは慌てて物影へ隠れる。
「そうか…仲間がいたから、あいつは本気で撃てなかったのか…」
クウガは地面に転がっていた拳銃をとると、アロードーパントに向かい発砲する。しかしアロードーパントにはダメージを与えられない。
「なんだ?そんな豆鉄砲効かんぞ!」
「やっぱ、駄目か…」
[邪悪なるものあらば、その姿を彼方より知りて疾風の如く邪悪を射抜く戦士あり]
「今回は大盤振る舞いだな…超変身!」
宝石が青から緑に変わったアークルで変身ポーズをとったクウガは緑の装甲の戦士、クウガ・ペガサスフォームに変身する。それとともに持っていた拳銃が専用武器『ペガサスボウガン』へと変わる。
「なんだ、これは…」
クウガ=浜面は自分の感覚が鋭くなるのを感じた。アロードーパントが矢を放とうと弓を構える。しかし、クウガはペガサスボウガンを敵に向けずに地面に向けて下げたままだった。アロードーパントは勝利を確信すると今までで一番威力の高い矢を放つ。
「喰らえ!」
矢は一直線にクウガに向かう。しかしクウガは動かない。
「ぐっ…」
苦悶の声が漏れる。しかしそれはクウガではなくアロードーパントのものだった。
「俺の矢を掴んだだと…」
クウガは超高速で飛んできたアロードーパントの矢を左手で受け止め、ペガサスボウガンで反撃していたのだ。クウガは矢を投げ捨てるとペガサスボウガンのスロットルを引く。そしてアロードーパントに向けて超圧縮された空気弾を発射する。
「グォォォォ!!!」
クウガの『ブラストペガサス』を受けてアロードーパントは倒れ、メモリを排出する。
「うっ…」
クウガはふらりと倒れるとマイティフォームに戻る。
「緑のクウガは…感覚が鋭敏になる分…長くは変身できないのか…?冗談だろ…まだ40秒もたってないぜ…」
クウガは段ボールに背を預けて、座り込んだ。
今回から前後編に分けました。次回の後書きはレールガンガールズが担当します。
ところでみなさんはとあるのゲームや特典小説はどのくらい知ってますか?
わたしは一応ゲーム版・小説(新約も)・マンガ版超電磁砲・映画をとりあえずチェックしてます。
今後これらの設定も小説に加えたいと思いますのでみなさんもよかったらチェックしてみてください。