とある英雄の伝説大戦(レジェンドウォーズ) 作:マッスーHERO
「春上さんの様子が変?」
「どういうことですの初春?」
御坂たちは黒子と初春が非番のだったので店長の負傷したクレープ屋さんの変わりに入ったクレープ屋さんに四人で来ていた。クレープ屋の名前は忍クレープとなっており、どこかの動物園にあるようなネコ型の車でクレープを販売していた。車のなかで夫婦と思われる二人の定員が口論している。
「なんでさっきの女の子のクレープあんなに大きくしたのよサスケ!」
「いやだってさ、あるんだよ…胸が…なんか嬉しくなって…」
「なんですって!離婚よ!」バチン!
車のなかから軽快なビンタの音が響く。そんな会話を横目に四人は話を続ける。
「どこが変なの初春?」
「最近行き先も言わずに出歩くことが多くなって…」
「いつものことじゃないですの?」
「夜もですよ。それも深夜に…心配で…」
春上衿衣は初春のルームメイトでレベル2の『精神感応』という受信のみのテレパシー能力者である。夏にある事件に巻き込まれたが御坂たちに助けられた。普段は入院中の友達をよく見舞いにいっているため御坂たちとはあまりいっしょにいないが、たまにファミレスにいったりしている。かなり天然の女の子である。
「それは心配ね…他に変わったことはない?」
「う~ん…あ!そう言えばなんか冷蔵庫に大量のプリンが置いてあったり、だて眼鏡を買ってたり、紙の傘を買ってたり、キャップを買ったりしてましたね…」
「それってもう変ってレベルじゃないよ初春…」
「明らかにおかしいですの…」
「そうですわね」
「で、なんで貴女がいますの!」
黒子の横に勝手に座りクレープを食べている婚后に向かって黒子はツッコミをいれる。
「湾内さんたちが温水プールで1日練習なので暇をもて余していたらあなた方がいたのでついてきましたの。なかなか美味しいですわねこのクレープ」モグモグ
「はあっ…それで初春。春上さんは今どこにいるんですの?」
「多分病院だと思います」
「よし!春上さんを尾行してみましょう!そうすれば…」
「尾行って、佐天さん…」
「でももし春上さんがなにかとんでもないことに巻き込まれてたら不味いじゃないですか!」
佐天はそういうと鞄のなかからタカカンドロイドを取り出してプルタブを摘まむ。
[タカカン]
タカカンドロイドは変形する。
「春上さんを探して」
タカカンドロイドは佐天の言葉に一度お辞儀をしたかのようにするとそのまま飛び立つ。
「こういうとき便利ですよね」
「でもあの子…春上さんの顔ってわかるのかしら?」
「あ」
暫くしてふがいなさそうにタカカンドロイドが戻ってきた。
しばらくたって…
第7学区 病院付近
春上は赤い携帯電話を耳にあてながら歩いていた。
「…なの」
その後ろから五人が春上を尾行していた。初春と佐天は私服に何故かサングラスをつけ、御坂たちは上着を脱ぎ安物のキャップを被っていた。
「本人に聞けばいいのにな…」
「いいじゃんいいじゃん、こういうのって楽しいし」
「私ワクワクしてきましたわ」
「は~ぁ」
御坂はため息をつく。春上が狭い路地に入った。その時何人かの男が走って路地に入っていく。
「!あれって!」
五人は路地に走る。黒子は鞄からジャッジメントの腕章を取り出すと腕につける。
「嬢ちゃんよ!おとなしくボコられてくんねえかな?」
「答えは決まってるけどね!」
路地裏では春上を五人の男が取り囲んでいる。そしてそのうちの一人がいままさに春上を殴ろうとしていた。
「(駄目だわ…間に合わない…)」
男の拳が春上に当たる。しかし…
「な、なんだオメエ…」
男の拳は春上の手でキャッチされていた。男は凄むが春上は関係なしにと男の股間を蹴りあげた。
「ぎ、ぎゃあああ!!!!」バタン!
「う、嘘でしょ」
「あの春上さんが…」
その光景に五人は言葉を失っていた。春上は更に男を投げ飛ばす。春上の髪には赤いメッシュが入っていた。
「春上さんってメッシュなんていれてたっけ?」
「入れてるわけありませんよ!」
「ひょっとして別人?」
「まさか…」
「ふざけんなよこのアマ!」
釘バッドをもった男が春上に突っ込む。春上は地面に転がっていた鉄パイプを拾うと男の籠手の部分を撃つ。
「ぎゃあああ!」
「なんだよ?歯応えがねぇな!」
春上はいつもなら考えられない言葉を発すると男たちに向かっていく。そしてものの数分で男たちをのしてしまった。
「「「「…」」」」ポカーン
「すごいですわね」パチパチ
春上をよく知る四人は固まり、春上をよく知らない婚后は拍手をしていた。拍手の音で春上はようやくこちらに気づいたようだった。
「ああん?誰だお前ら?」
[もう先輩忘れたの?衿衣ちゃんのルームメイトの子だよ]
[とゆうことは他のも衿衣の友達か?]
[ねえねえ、これってちょうどいいんじゃない?答えは聞いてないけど!]
春上のもつ携帯から色々な人の声が聞こえる。初春は一歩前にでる。
「あの…あなたは春上さんですよね?」
「おおよ!俺は春上衿衣だぜ!」
「嘘ですの!どう考えてもおかしいですの!」
[ああもう先輩、はやいとこイマジンの狙いをハッキリさせたほうがいいね]
[そやな]
[ここ狭いしね!じゃ脱出!]
春上のもつ携帯電話から3つ光の玉が排出され、黒子、佐天、初春のなかに入る。
「うわあ!」
「なんですの!?」
「こ、こないでぇ!」
「黒子!佐天さん!初春さん!」
「なんですのあれ?」
光の玉が入った三人は顔を 下に向けていたが直ぐに顔をあげる。しかし初春は青いメッシュが髪にはいり、だて眼鏡をかけている。佐天は黄色いメッシュが入っており、目付きは鋭くなっている。黒子は紫のメッシュにキャップを被っている。
「どうやらうまくいったね」
「さあて行くで!」
「この体なんかちっちゃいな」
「ど、どうしちゃったの黒子?」
「大丈夫ですか?」
御坂と婚后は三人を心配するが三人はそれを無視する。
「じゃあ先輩。また後で」
「当りだったらよんでくれや」
「遊ぶぞ!」
「お前ら!借り物の体で無茶すんなよ!」
三人はそういうと路地から出ていく。婚后はとりあえず黒子を追いかける。御坂も彼女たちを追いかけようとするが春上に肩を掴まれる。
「お前にはちょっと聞きたいことがある」
「あんた何者?春上さんに何をしたの?返答しだいじゃ…」
御坂はポケットからレールガン用コインを取り出そうとする。
「そんなんでいいのか?オーズにならなくていいのか?」
「!なんで知ってるの?」
「御坂さん、ちょっと話を聞いてほしいの」
突然口調が変わる。よく見ると髪のメッシュが消えていて表情も柔らかくなっていた。
第7学区の例の自販機のある広場
ベンチに座る春上に御坂がジュースを渡す。
「はい」
「ありがとうなの」
「つまり未来人の精神体が人間のイメージで怪人化したのがイマジンって怪物であんたたちもそれと同じってわけね」
[そんなとこだな。俺も詳しいことは難しくてな]
御坂は横においてある携帯に向けて話すと携帯から返答が帰ってくる。この携帯はケータロスと言うらしい。
「で、イマジンは人間と契約してその望みを叶えて過去へ飛ぶ。そしてその人間の時間を奪うと」
[そんなとこだ]
「モモタロスたちはそれを防ぐために戦ってるの」
今はケータロスのなかにいるモモタロスと呼ばれたイマジンは先ほど春上にとりついていたイマジンである。ちなみに初春にとりついたのはウラタロス、佐天にとりついたのはキンタロス、黒子にとりついたのはリュウタロスというらしい。
「でもあなたたちもイマジンでしょ?なんで人間の味方をするの?」
[俺たちは自分の時間にあまり興味なかったし、契約者が風変わりでな。色々あってイマジンたちと戦うことになったんだよ。そしたらこないだその契約者がこの世界がやべぇから助けいってくれって言い出したからこんなとこまできたんだよ]
「で、この世界について早々春上さんが襲われているのを見てそれを助けるためにとりついた…」
[一時的なもんだと思ってたんだが妙に相性よくてな。本人もいいって言うんで間借りさせてもらうことにしたんだ]
「本当にいいの春上さん?」
「まあ、たまに筋肉痛になったりするけど悪い子達ではないしいいかなって」
「(そう言えば春上さんは精神感応の能力者…それでとりつくには相性がいいのかも…)」
御坂は顎に手を当てて何かを考え始めた。そして顔をあげる。
「ねえ?じゃあなんで黒子たちにあんたたちの仲間はとりついたのよ?」
[それはな…]
そのころ第7学区セブンスミストの前にはウラタロスのとりついた初春<以後はU初春と表記>がいた。
「(じゃあなんで私たちにとりついたんですか?)」
「8回。なんの数字かわかる?」
「(?)」
初春はウラタロスから御坂が聞いたのと同じ話を聞いていた。
「衿衣ちゃんがここ最近でスキルアウトって言うのかな?彼らに襲われた回数」
「(そ、そんなに…)」
「もっとも全部先輩やキンちゃんが追い払ったけど…あの子いいな、釣ってもいい?」
「(ナンパしないでください!)」
「おっと失礼。それにね実はさっきキンちゃんがはいった子…涙子ちゃんって言ったっけ?その子も学校の帰りに襲われかかったよ。先輩が阻止したけど」
「(ええ!?)」
「狙ったやつは同じやつに依頼を受けてたんだ、つまり…」
同じ頃キンタロスにとりつかれた佐天<以後はK佐天と表記>は柵川中学の近くに来ていた。
「つまり犯人は衿衣を直接狙ったんやなくお前や衿衣の友達を苦しめるためかそれとも人質か何かにしようとしてる可能性があるってのが亀の字の見解や」
「(なるほど…あのところで私、一応女の子なので四股を踏むのは止めてくれませんか…)」
「ん?おおすまんのくせなんや。ハッハッハ!」
キンタロスにとりつかれた佐天(以後はK佐天と表記)は四股踏みをやめて手を腰に当てて笑う。今日の佐天は私服でスボンだったのでパンチラはしていないがさすがに街道で女の子が四股踏みは恥ずかしい。
「(それで私たちにとりついて…)」
「そうや。イマジンが現れたらいてこましたろ思てな。いや、おまえらが強い力を持っとるのは知っとるんやけど…イマジンには厄介な能力が会ってな…」
「(過去に飛ぶ…ってやつですね)」
「そうや…もちろん過去に飛ぶ前に蹴りつけるつもりやけど万が一のためにな。おそらくあんたか亀の字のついた頭にはなつけとるやつのどっちかやと思うしのう。衿衣は8回も襲われてイマジン本人が出てこんのは不自然やし」
「(なるほど…あれ?じゃあ白井さんについたのは…)」
「あいつは…腕は確かなんやけどな…」
第7学区、クレープ屋近くの広場。そこでは何人かの若者がブレイクダンスをしていた。中心では黒子が踊っており、それを婚后が止めようとしている。
「(ちょっとスカートでブレイクダンスはやめてくださいの!)」
「いいじゃんいいじゃん答えは聞いてないですの!」
「(真似しないでほしいですの!)」
「やめなさい!はしたない!」
二人は全く状況がわかっていない。
舞台は戻って御坂たちのいる場所。二人は相変わらずベンチに座っていた。
「ところでさ、あんたオーズを知ってるんならひょっとして仮面ライダー?」
[ああ、そうだぜ]
「じゃあなんでこの世界は狙われてるの?元々怪人たちはあんたたちの世界のやつらでしょ?」
[あのパンツ言ってないのか?まあいいや。なんでもよぉこの世界は俺の宿主とか他の仮面ライダーが全力で戦えねぇとこなんだよだからこうして力を現地のやつらに託したりしてなんとかしようとしてるんだと…うん?]
「どうしたの?モモタロス」
突然モモタロスは言葉を切る。春上はモモタロスを心配する。
[臭うぜ…イマジンだ!亀の方から臭うぜ!]
「亀…ウラタロスは確か初春さんに…」
「たいへんじゃない!」
[衿衣!体借りるぜ!]
「うん!」
ケータロスからモモタロスが春上の体に乗り移る。御坂はタカカンを2つ取り出して起動させる。
[[タカカン]]
「お願い!佐天さんと黒子にこのことを知らせて!」
タカカンは飛び上がっていく。二人はそれを見届けると走り出した。
U初春は路地裏で怪人と向き合っていた。
その怪人はところどころカニのようなデザインのクラストイマジンだった。よこには契約者と思わしき少年が倒れている。
「いつまでたってもあの女をけがさせたりできねぇからな。力付くで契約完了させてもらうぞ!」
「見たことある顔だなあ…あの契約者と面識は?」
「(う~ん…あっ!前に逮捕したハッキング犯ですよ!名前は確か…工山さんだったかな?)」
「納得」
クラストイマジンはU初春に襲いかかる。U初春はそれを軽やかに避ける。そしてアクセルラーを取り出す。
「これ、使わせてもらうよ。変…じゃなくてレディ!ボウケンジャースタートアップ!」
U初春はボウケンブルーに変身する。
「(青になっちゃった…)」
「僕がやるとこうなるみたい」
「電王じゃないのか?」
「もうすぐ来るかもね…でもその前にお前、僕に釣られてみる?」
ボウケンブルーは
ウラタロッドという武器を取り出してクラストイマジンに挑む。そこにK佐天とR黒子が現れた。
「やっとるな。なら俺も」
「僕もやる!」
「(あの…誰か事情を…)」
「やっと追い付きましたわ」
さらにそこへ婚后が追い付いた。三人は怪人を見ると変身の体制にはいる。
「豪快チェンジ!」
[ゴーカイジャー]
「エマージェンシーデカレンジャー!」
「クロスチェンジャー!」
K佐天はゴーカイイエローにR黒子はデカレッドに婚后はホワイトスワンに変身する。
「(なんで赤ですの?)」
「この銃かっこよさそうだったから」
デカレッドは両手のディーマグナムを見る。
「俺の強さにお前がないた!」
ゴーカイイエローは四股を踏んでからクラストイマジンに向かっていく。そこへ三体の土竜型の怪人、モールイマジンが襲いかかる。
「なんやこいつら!?」
「お前ら倒すけどいいよね?答えは聞いてない!」
「白井さん…」
三人はモールイマジンと戦い始める。そのころクラストイマジンとボウケンブルーは互いの武器をぶつけ合っていた。
「なるほど…前よりはやるようになったね」
「前というのがいつかは知らんが、誉め台詞として受け取っておこう」
クラストイマジンの攻撃でボウケンブルーが吹き飛ばされる。
「くっ、やっぱり小さい器じゃ僕はおさまらないかな…」
「(私、器小さくないです!)」
ボウケンブルーはなんとか立ち上がる。クラストイマジンはとどめをさそうとするが、タカカンドロイドに阻まれる。
「お前ら!遅くなったな!」
「黒子たちの体無事でしょうね?」
「先輩ナイスタイミング!」
「何者だ?お前ら!」
クラストイマジンはM春上と御坂に訊ねるが二人は答えずにベルトを取り出す。M春上は右手で電車のパスのようなものを取り出し左手でベルトの赤いボタンを押す。周りに駅の電車の到着音が響く。
「蟹か…でも瞬発力はあるわね。ならタカとバッタはそのままで」
御坂はメダルを入れているノート型ケースを取り出してクジャクメダルを取り出す。そしてベルトにセットする。
「「変身!」」
M春上はパスで、御坂はオースキャナーでベルトをスキャンする。
[Sword form]
M春上の身体がどことなく頼りない黒いスーツに包まれた姿仮面ライダー電王・プラットフォームとなる。さらにその周りにオーラアーマーという赤い装甲が現れ、電王に装着されていく。最後に電車のようにマスクが上から下がり、それが割れる。これにより仮面ライダー電王・ソードフォームへと変身完了する。
[タカ、クジャク、バッタ]
御坂はいつものタトバではなく遠距離攻撃可能なタジャスピナーを装備した、タジャバとでも言うような姿に変身した。
「俺!参上!」
電王は右手で自分を差したあと手を広げるという決めポーズをする。そしてベルトの両側に装備されているデンガッシャーを組み替えてソードモードに合体させる。それを見たオーズもメダジャリバーを取り出し、右手に持つ。
「先輩!こいつ任せたよ!」
ボウケンブルーはモールイマジンのほうへ向かう。オーズと電王はクラストイマジンに挑む。
「へっ蟹野郎!ひさしぶりだな」
「お前が電王か…初対面のはずだがな」
「いくわよ!」
オーズはメダジャリバーを電王はデンガッシャーをクラストイマジンに向けて振るが甲殻に弾かれる。
「やっぱ、硬いわね!」
「この野郎!」
「なんだそんなものか?それなら私は契約者を」
クラストイマジンはかなりの高度までジャンプする。
「くっそ!だから蟹が飛ぶな!」
「こういう時のためのクジャクよ!」
オーズはタジャスピナーから火炎弾を発射してクラストイマジンを撃ち落とす。
「くっやるな。」
クラストイマジンはなんとか着地し、自分のハサミをブーメランのように投げつける。
「うお!」
「クジャクにはこんな使い方もあるのよ!」
オーズはタジャスピナーを盾として使い、ハサミを防ぐ。しかしクラストイマジンは身体から下がった垂れを伸ばしてオーズを締め上げる。
「なにすんのよ変態!」
「今助けるぜ!」
電王はオーズを助けようとするがクラストイマジンに邪魔される。しかもクラストイマジンは身体の垂れを自分でちぎり、1メートル強のロッドのようなものに変形させる。
「なんだそりゃあ!?」
「ふふふ…」
クラストイマジンはロッドで電王を突く。電王はデンガッシャーで防戦するが長さの違いのせいで苦戦する。
「しかたないな、先輩。僕がいくよ!」
「ちっ亀公、へますんじゃねえぞ!」
ボウケンブルーからウラタロスが排出され電王に取り憑く。同時にボウケンブルーはいつものピンクに戻る。
「ええっ?うわあ!」
突然戦闘にかり出されたボウケンピンク(初春)はサバイブレードでなんとかモールイマジンの攻撃を受け止める。ウラタロスに取り憑かれた電王はベルトの青いボタンを押し、パスをセタッチする。
[Rod Form]
電王・ソードフォームのアーマーが外れ、新たに青いアーマーが装着される。
「お前、僕に釣られてみる?」
「釣れるもんならな!」
クラストイマジンのロッドによる攻撃を電王は軽やかに避ける。そしてソードモードのデンガッシャーを組み換えロッドモードに変形させる。そのデンガッシャーでクラストイマジンのロッドを受け止める。
「これで武器では並んだね」
「武器ではな!」
クラストイマジンのロッドと電王のデンガッシャーがぶつかり合い火花を散らす。
「しかし、前戦ったお前にはこんな能力はなかったんだけどね…契約者しだいってことかな?」
「私は知らんな。ただ契約を果たすまで!」
クラストイマジンはロッドにしていた垂れを畳み斧のような形にする。そしてその斧で電王を襲う。
「こんどはパワータイプかな?」
「亀の字!交代や!」
「確かに、これは僕の専門外かもね。キンちゃんお願い!」
ゴーカイイエローにとりついていたキンタロスは電王に乗り移る。突然解放されたゴーカイイエローは慌てる。
「わわ!」
ゴーカイイエローの焦りをよそに電王はベルトの黄色いボタンを押して、パスをベルトにセタッチする。
[Axes From]
再びアーマーが変わり、黄色い装甲のアックスフォームへと変身する。
「俺の強さにお前が泣いた!」
「泣かせてみろ!」
電王はデンガッシャーを再び組み換えてアックスモードに変形させる。そしてクラストイマジンの斧と打ち合う。
「やるな、お前!」
「お前もなかなかのパワーだな」
電王は突っ張りでクラストイマジンを攻撃する。
しかしクラストイマジンは体の垂れを伸ばして防御する。
「くっ!」
「こういうことも出来るんだよ」
その垂れを伸ばしてクラストイマジンは電王を攻撃する。避けられない速度ではないが電王・アックスフォームはスピード戦に不向きであるために垂れをまともに喰らってしまう。さいわい、アックスフォームは防御力があるためにたいしたダメージにはなっていないが、これではクラストイマジンに近づけない。
「クマちゃん!僕が行くよ!」
「よっしゃ!リュウタ頼むで!」
デカレッドにとりついていたリュウタロスが電王に乗り移る。その際、デカレッドからいつものイエローに戻る。デカイエローの反応は想像通りである。電王は紫色のボタンを押す。
[Gun From]
電王のアーマーが今度は紫色のものに換装する。そしてデンガッシャーをガンモードに組み換える。
「お前、倒すけどいいよね?答えは聞いてない!」
そう言うと電王はブレイクダンスをしながら垂れを避けつつ、デンガッシャーでクラストイマジンを撃つ。
「遠距離攻撃も出来たのか…」
「僕が一番強いよね?答えは聞かないけど」
デンガッシャーの銃撃がクラストイマジンを狙うがクラストイマジンは垂れで弾く。弾かれた弾丸が先ほど縛られて完全に空気になっていたオーズの方に飛んでいく。
「きゃあ!」
オーズは悲鳴をあげて避ける。しかし何発かがオーズに当たる。不幸中の幸いはそのおかげでオーズは垂れから解放される。
「くっそぉ、怒ったわよ!」
オーズはベルトのメダル入れからデンキウナギとコンドルのメダルを取り出して入れ換える。
[タカ!ウナギ!コンドル!]
「行くわよ!」
オーズはクラストイマジンをウナギウィップで縛り引き寄せる。そしてコンドルレッグの連続キックでクラストイマジンの垂れを千切る。
「ぐわ!」
「お前やるね!あのオーズと同じくらいかも」
「まだまだ!」
オーズはさらにクワガタとタコのメダルを取り出して入れ換える。
[クワガタ!ウナギ!タコ!]
オーズはクラストイマジンをウナギウィップで縛ったまま投げ飛ばす。更にタコレッグの力でビルに張り付き、そこからクワガタヘッドをクラストイマジンに向けてジャンプし、突き刺す。そしてオーズ=御坂の代名詞である電撃を撃ち込む。
「ぐわぁぁぁ!」
「よっしゃ!」
「止めは僕が…(小僧変われ!)ええ!まだ遊びたいよ…(うるせえ!)」
[Sword From]
電王はガンフォームからソードフォームへと戻る。
「へへ、やっぱ俺じゃねえとしまらねぇよな!俺は最初からクライマックスだぜ!」
電王はデンガッシャーをソードモードへ戻す。
「おいオーズ!そこ退いてな!」
「何よ、私にもやらせなさいよ!」
電王はパスを取り出してベルトのバックルにセタッチする。オーズもメダジャリバーを取り出してセルメダルを三枚入れてレバーを押し、スキャナーでスキャンする。
[Full Charge]
[トリプルスキャニングチャージ!]
二人の剣にエネルギーが溜まり輝く。そして電王のデンガッシャーが刃が射出される。
「俺の必殺技、オーズバージョン!」
「セイヤー!」
オーズの空間ごと敵を切りつけるオーズバッシュと電王のデンガッシャーの刃を飛ばして敵を切り裂くエクストリームスラッシュをクラストイマジンは同時に受ける。
「ぐわぁぁぁぁ!!」
その威力にクラストイマジンは耐えきれずに爆発する。
「あっちは片がついたようですわね」
「ならこっちも一気に行きますよ!」
ゴーカイイエローはゴーカイガレオンバスターを構える。
「四人でいけるんですか?」
「大丈夫!大丈夫!初春、レンジャーキー二本頼むね!」
ゴーカイイエローはレンジャーキーを他の三人に投げ渡す。
「これを挿すんですか?」
「はい!」
「「「「レンジャーキーセット!」」」」
四人はゴーカイガレオンバスターにレンジャーキーをセットした後、バスターを支える。
[イエローチャージ!]
「「「「ゴーカイガレオンバスター!」」」」
[ライジングストライク!]
「「「ぎゃああああ!!」」」
三体のモールイマジンがゴーカイガレオンバスターで吹き飛ばされる。
「おお!」
「反動…すご…」
ゴーカイイエローはゴーカイガレオンバスターを持ったままへたれ込む。ボウケンピンクがゴーカイイエローに駆け寄る。デカイエローはやれやれという感じでホワイトスワンのほうをみるが、ホワイトスワンはなぜか爆発したクラストイマジンの方を見ている。
「どうしたんですの?」
「いやな予感がしますわ…」
ホワイトスワンと同じように電王もクラストイマジンの方を見ていた。
「どうしたのよ、浮かない顔して?」
「不味いな…お前ら逃げろ!」
電王が叫んだのとほぼ同時に爆発したはずのクラストイマジンが突如復活し、巨大な龍のようなギガンテスハデスへと変わる。
「な、何よあのでかいの…」
「イメージの暴走だ!ようするになんかでっかくなるんだよ!」
「説明になってないですの!」
「佐天さん!もう一度ガレオンバスターを!」
「よっしゃ!」
ゴーカイイエローはゴーカイガレオンバスターを構える。ボウケンピンクは先程使用したレンジャーキーを拾い、オーズ、デカイエロー、ホワイトスワンに投げ渡す。
「いきますよ!本日二回目!」
「「「「「レンジャーキーセット!」」」」」
[イエローチャージ!]
「ゴーカイガレオンバスター!」
[ライジングストライク!]
ゴーカイガレオンバスターから発射された帆船型の光弾がギガンテスに当たり、爆風が広がる。
「やった!」
「いや…」
「ガァァァァ!」
爆風を引き裂き、ギガンテスが無傷の姿で五人の方へ突っ込んでくる。
「うわぁ!」
「佐天さん!」
ギガンテスの攻撃を他の四人は回避できたがゴーカイイエローは避けきれず吹き飛ばされ、ゴーカイガレオンバスターも遠くの方へ飛んでいってしまう。
「俺を無視すんな!」
電王は高くジャンプするとデンガッシャーをキガンテスに突き立てる。
「ガァァァァ!」
「うおっ!?」
しかしギガンテスには大したダメージが与えられなかった。
「まるで刃がたたないですの…」
「あんなの反則だよお…」
ギガンテスが再びオーズたちを襲おうとする。その時…
「何あれ?」
「電車ですの?」
ギガンテスとオーズたちの間に突如として巨大な電車が現れ、ギガンテスの攻撃を妨害する。
「ようやく来たか!待ちわびたぜ!」
電王はそう言うとその電車に飛び乗る。
「何なんですか、あの電車?」
「きっとオーズのライドベンダーみたいにあれが電王の専用マシンなのよ」
「もう仮面ライダーではないですの…」
ボウケンピンク、オーズ、デカイエローがそんな話している間に電王は突如として現れた列車、デンライナーの先頭車両の操縦室に到達していた。そこには電王専用のバイク、マシンデンバードが固定されており、正面にはデンライナーの外の映像が映し出されていた。
「ふさしぶりにやってやるか!」
電王はマシンデンバードにまたがるとスロットルをひねる。するとデンライナーがそれに連動して走り出す。
「いくぜ!」
電王はデンバードの緑色のボタンを押す。そうするとデンライナーの各部が変形する。1号車は4連装の砲台、ゴウカノン。2号車は犬の頭部を模したミサイル発射砲、ドギーランチャー。3号車は猿型の爆弾発射武器、モンキーボマー。キジ型のミサイルの発射砲、バーディーミサイル。これらの武器がデンライナーの左側に現れる。
「ぶっぱなせ!」
電王がデンバードの赤いボタンを押すとデンライナーの武器が一斉に火を吹き、ギガンテスを襲う。ギガンテスは苦しみ始める。
「いいぞ!そのままやっちゃえ!」
ゴーカイイエローは少しはしゃいでいる。
「これで終わりだ!」
電王は気合いを入れるとデンライナーでギガンテスの周囲を走り始める。そして一斉射撃を行おうとする。しかし、その時…
「ウガァァァァァァ!!!」
どこからともなく謎の光線がギガンテスに当り、ギガンテスが苦しみ始める。
「なに!?」
突然のことにオーズが驚く。龍のような姿のギガンテスが少しずつ巨人のような姿に変わっていく。最終的にギガンテスはクラストイマジンを巨大化したような姿になる。少し違うのは腕に超巨大なハサミが装着されたということだった。ギガンテス改めクラストイマジン巨大化体は腕のハサミでデンライナーをつかむと投げ飛ばす。
「うわあああ!」
デンライナーはビルに衝突しながら横転し、中で操縦していた電王も吹き飛ばされて変身と憑依が解けてしまった。
「春上さんが…」
「助けにいかないと…」
「あ!みなさん、あれを見てください!」
ゴーカイイエローが指さす方をオーズたちが見ると、そこには前話で登場したカニネジラー巨大化体がいた。
「でかいのが…2匹も…」
「これって、あれですかね…学園都市最後の日ってやつですかね…」
それを見たゴーカイイエローは膝をついた。
後編に続く。