とある英雄の伝説大戦(レジェンドウォーズ)   作:マッスーHERO

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いきなりオリキャラがでます・・・すいません。


希望と絶望

東京都西部にある周りを壁で囲まれた街、学園都市。いろいろな教育機関を集めたこの街は当然ながら約230万人の人口の内、8割が学生という街である。この街は第一〜二十三学区で地区分けされており、学区の一つ一つが違った役割を持っている。

 

学園都市 第十一学区

 

この学区は学園都市外周に面しており物資の搬入の盛んな学区である。

 

時刻は深夜、静まり返る第十一学区に突如爆発音が鳴り響く。

 

「外壁が破壊された!?」

「侵入者は何人いる?」

「どんな装備を持っている?」

 

学園都市を守るため、教員で構成された治安維持組織「警備員(アンチスキル)」の隊員達は口々に言う。彼らはこの騒動を「外」のテロリストによるものか何かだと考えていた。

 

「侵入者は…

 

一人の隊員がスコープを覗きながらぼそりと言う。

 

 

 

 

 

 

1人です…、侵入者はひと…う!」

 

そこでスコープを覗いていた隊員は口に手を当てて蹲る。他の隊員達が不信がりながらスコープを覗くと…

 

 

 

 

 

 

 

地獄が見えた。

 

外壁を守っていたはずの屈強な警備員達がたった一人にやられていく。しかも侵入者は彼らを武器も使わずにただ純粋な腕力のみで投げ飛ばし、引き契っていく。警備員の反撃は意味をなさない。マシンガンもライフルも手榴弾も侵入者には効果が見られない。

ある者は勇敢にも盾を使い自爆覚悟で突っ込もうとするが盾ごと外壁に叩きつけられ、文字通り壁のシミとなってしまう…。

 

ある者は何としても敵の進行を止めようと敵の足元に持っている銃火器の弾薬全てを打ち込むが、一瞬で背後に回り込まれ、ゴムボールのように空に蹴りあげられそのまま地面に叩きつけられた…。

 

 

「退避だ…、全員退避しろ!」

 

隊長の一言に堰を切ったように全員が逃げ出そうとするが…

 

侵入者の手から突如光球が発射され、撤退しようとする部隊を襲った…。

 

 

 

 

 

「う…」

 

一人の隊員がゆっくりと体を起こす。

 

「私生きてる?皆…、隊長…?」

 

周りを見回すと車の側に隊長が寄りかかっている。

 

「良かった…無事だったんですねたいちょ…」

 

隊長の肩に手を当てる…

 

しかし隊長は何も言わずに倒れ、そのまま立ち上がらなかった…。

 

「た…隊長…何ふざけてるんですか?お…起きてくださいよ…」

 

何度も呼び掛けるが隊長は応えない。

 

 

 

 

 

 

その時背後から足音が響いた。恐る恐る、背後をみると先ほどの侵入者がそこにいた…。

 

「ひっ…!?」

 

その侵入者はまさに怪物だった…。人間とは思えない赤黒い肌、犬歯のような牙、頭から生えた角…。体格こそ人間に似ているが全く異なる生物だった。

 

「来ないで…!?」

 

 

 

 

 

彼女は必死に逃げようとするが、上手く動くことが出来ない。そうしている間にも怪物は迫る…。

 

「(ああ、私ここで死ぬんだ…)」

 

いままでのことが走馬灯のように頭に現れる…。彼女は中学で英語を教えていた…。頭に現れるのは教え子の顔ばかり…。

 

「(ここでこいつを逃がしたら今度はあの子達が…。)」

気が付くと、マシンガンを相手に向けて発射していた。

 

「うおおー!!!!」

 

とにかく、こいつを止める。そのためにがむしゃらに弾丸を打ち込むが、怪物は少しずつ近づいてくる…。

「っ!」

 

やっぱり駄目なのか、そう思い目を閉じる…すると。

突如怪物が横に吹き飛んだ。

 

「へ…?」

 

驚いて周りを見渡すとそこには全身赤いスーツの戦士が立っていた…。

 

 

 

 

「で、その赤いスーツを着た奴が怪物をぶっ倒したと…」

「はい…そうなんです!黄泉川さん」

 

ここは警備員付属の病院である。個室のベッドには昨夜の侵入者騒動に関わり、現在、話の聞ける唯一の人間である、あの英語教師がいた。彼女はベッドの横の椅子に座っている同じ警備員の黄泉川愛穂になかば興奮状態で昨夜自分の見たことを話す。黄泉川は少し上を見上げ、

「お前のこと警備員になる前から、よく知ってるつもりだったけど…」

 

そこで言葉を区切り、

 

「まさか妄想癖があるとは思わなかったじゃん…」

すると彼女は憤慨し、

 

「違います!本当のことなんです!」

 

と強い口調で言った。そのあまりの剣幕に黄泉川は少したじろいだ。

 

 

彼女の話をまとめるとこうだ。侵入者にやられそうになった彼女を赤いスーツにメットを纏った謎の戦士が助けたというのだ。その赤い戦士は警備員が歯が立たなかった侵入者をみたこともないレーザー銃や剣でいとも簡単に倒してしまったのだと言う…。

 

「なんでですか?私の話のどこがおかしいんですか!?」

 

「じゃあ言ってやろう…全部じゃん」

 

「えー?」

 

「いいか、確かに現場から採取された、侵入者と思われる人物の肉片を調査したところ、そいつは明らかに人間とは違う生物だった、それにお前を含めた部隊全員も丁寧に手当てされていて奇跡的に死者0じゃん。あの手当てがなきゃお前以外全員死亡もありえたと第七学区の病院の凄腕先生も言ってたじゃん。ここまではお前の証言とつじつまがあうじゃん」

 

「なら…」

 

「だけど、その赤い奴に関するお前の話はツッコミ所しかないじゃん。まずそいつが持ってたハンドガンサイズのレーザー銃なんてそんなもん在ったら、警備員も風紀委員(ジャッジメント)もお払い箱じゃん。しかもそいつベルトから槍みたいな剣出して戦うって、明らかに質量保存の法則無視してるじゃんよ」

 

「私文系ですし…」

 

「それに侵入者倒したあと赤い奴に似たような奴が更に4人も現れて手当てを初めて、ビルくらいでっかい救急車に乗せられるところで意識を失ったって、誰も信じるわけないじゃん」

 

「そう…ですかね?」

 

「そうじゃん!上はお前の精神鑑定をするか協議中じゃん!まあお前達がかなり高度な治療を受けたのは事実だけど…」

 

「もういいですよ。誰が何と言おうと私は見たんですから。ああ…格好良かったなぁ〜」

 

「もういい疲れた…。今日はもう帰るじゃんよ…」

 

黄泉川は立ち上がり出口へ向かう。その時負傷した知り合いはぼそりと言った。

「また会えないかな…ごうさん」

 

「ごう…?なんだ名前聞いたじゃんか?」

「違うんです。敵に向かって名乗ってたんです。」

 

「敵に?随分礼儀正しいヒーローじゃん?」

 

「いや名前にしちゃあ変だったんですけど。なんて言ったかな…」

 

彼女は首を傾げて、こういった。

 

 

「そう「ごう・れっど」……思い出した!「ゴーレッド」って名乗ったんだ!」

 

続く




ゴーレッドは好きな戦隊ヒーローの一人です。

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