とある英雄の伝説大戦(レジェンドウォーズ) 作:マッスーHERO
「何なのよ・・・、さっきの歌?」
ふと頭に「歌は気にするな」という声が聞こえた気がした。御坂は変身した戦士(以降オーズと呼称)はしばらく自分の姿を見ていた。
「御坂さん、佐天さん・・・」
初春の変身した戦士(以降ボウケンピンクと呼称)は困ったように二人を見る。逆に佐天の変身した戦士(以降ゴーカイイエロー)はノリノリでポーズを決め。
「わぁ~!すごい!へへん、ゴーカイイエロー!」
「あのぉー、佐天さん・・・、なに自己紹介してるの?」
「そおですよ、佐天さん。深き冒険者!ボウケンピンク!・・・あれ?なんで私・・・」
三人は戸惑っていた。怪人は三人に突撃する。
「カメンライダー、スーパーセンタイ・・・。オモシロイオマエタチヲタオセバワタシハダイカンブニナレルゾ。ハッハッハ」
「うわあ来た、来たぁー!?」
「初春落ち着いて!」
「行くわよ。二人とも!」
オーズは両手のトラクローを展開し、敵に突っ込む。
「いくよー、初春!」
ゴーカイイエローもサーベルを取り出し、敵に向かう。
「こうなったらもうやけくそです・・・」
ボウケンピンクはホルスターからサバイバスターという銃を出し、剣に変形させ構える。三人の攻撃でさすがの怪人もダメージを受け交代する。
「よっしゃ!」
「よし!」
「やりましたね!御坂さん佐天さん!」
「ナメルナヨ・・・。ワレワレガタトエノウリョクシャニトッカシテイルトハイエ、オマエタチニタイコウスルシュダンガナイワケデハナイ!アビリィティハツドウ!ギジクロックアップ!」
すると怪人が突然高速で動き三人を襲う。
「「「きゃああ」」」
三人は吹き飛ばされる。
「佐天さん、どうしましょう?」
「いきなりスピードアップとか反則でしょ・・・」
「何か手は・・・」
するとオーズとゴーカイイエローのベルトが光り、オーズのベルトの横のメダル入れから黄色のチーターのような絵が描かれたメダルが飛び出し、ゴーカイイエローのベルトのバックルからピンク色のハートがモチーフの人形が現れる。
「御坂さん!」
「よし!行くわよ佐天さん!初春さんは後方から援護して!」
「はい!わかりました!」
オーズは一番左の緑のメダルを飛び出した黄色のメダルに入れ替える。そして変身したときと同じようにスキャナーを動かす。ゴーカイイエローは先ほどの携帯、モバイレーツを取り出し、人形を鍵にして差し込む。
[タカ!トラ!チーター!]
「ゴーカイチェンジ!」
[タイムレンジャー!]
するとオーズは足が緑だったのが黄色に変わり、まるでチーターのような足になる。ゴーカイイエローは、ボディがピンクに変わり、メットとボディにハートのマークのついたスマートな戦士に変わる。ゴーカイイエロー改め、タイムピンクは変わった形の剣を二本だし、構える。
「いきますよう、御坂さん!アクセルストップ!」
「いくわよ!」
二人もまた高速で移動し怪人に挑む。怪人は最初こそ優勢だったが徐々に押され始める。
「グワァァァ」
怪人は悲鳴とともに加速をやめ吹き飛ばされる。
「いまだ!」
初春は銃に戻したサバイバスターを発射し、怪人に当てる。
「やった!」
「一気に決めるわよ!佐天さん!初春さん!」
そういうとオーズはスキャナーで再度メダルをスキャンする。
[スキャニングチャージ!]
「はい!御坂さん」
元の姿に戻ったゴーカイイエローは先ほどのサーベルに鍵を差し込む。
[ファーイナルウェーブ!]
「ようし」
ボウケンピンクは両手にバケットスクーパーと呼ばれる、バケット型の籠手を装着し、構える。そして三人が怪人に向けて技を放つ。
「はあああ!!!」
「ゴーカイスラッシュ!」
「スクーパーファントム!」
オーズの高速タックル、イエローの斬撃破、ピンクのバケットの突き上げを受け怪人は悶える。
「バカナァァァァ!」
怪人は大爆発した。
三人はしばらくそれを見ていたが、
「そこの変な三人組!」
「「「げっ!」」」
そこにいたのは彼女たちのよく知る人物白井黒子だった。
「ジャッジメントですの!あなたたちさっきの怪物とどんな関係があるのかゆっくりはいて・・・」
「(佐天さん、初春さん逃げましょう!)」
「(えっ?)」
「(なんでですか!?)」
「(説明が面倒だし、この力について私たちもよくわかってない。説明を求められても何も言えないわ・・・大きな鉄橋の下で落ち合いましょう!)」
小声でそういうと、オーズはボウケンピンクをおぶる。ゴーカイイエローは今度は白い人形を取り出しモバイレーツに差し込む。
[カークレンジャー!]
するとゴーカイイエローが白い忍者装束の戦士ニンジャホワイトに変わる。
「姿が変わった?ちょっと・・・」
「消え身の術!」
「しっかり捕まって!」
「は、はい!」
ニンジャホワイトはどこかに消え、オーズはボウケンピンクを背負いどこか高速で去ってしまった。
「消えた?あれは一体・・・」
黒子はその場所に立ち尽くすしかなかった。
第七学区の大きな鉄橋の下で三人は落ち合っていた。
「佐天さん、大丈夫でした?」
「ああ、私は大丈夫、なんか気づいたらここいた・・・」
「便利な能力ね・・・」
三人は各々の変身アイテムを見る。
「この力・・・すごいですね」
「すごいなんてもんじゃないよ。これなら何だってできるよ!」
御坂はベルトを見て、思い出していた。あの男の言葉を、
「やってやろうじゃない、私は届かせてみせるわ!多くの人に私の手を!」
御坂の言葉に二人も頷く。
「お手伝いしますよ、御坂さん!」
「私は風紀委員の仕事がありますから、あまり手伝えないかもしれませんが出来る限りサポートします!」
「ありがとう二人とも、それからお願いなんだけど・・・」
御坂は少し黙り、
「黒子にはこのこと黙っててほしいの」
「!?」
「どうしてですか!?」
「この力はあまりにも強力よ、そして敵も。いつか話さなければならないだろうけど・・・出来る限り黒子を巻き込みたくないの」
「・・・」
「御坂さん・・・」
「ごめんね、二人を巻き込んでおいて図々しいこと言って」
「そんなこと無いですよ!」
「そうです。私も白井さんに危険な真似させたくないです。9月の時のこともありますし・・・」
そういうと二人は手を重ね、御坂に笑いかける。御坂も手を重ね、二人を見る。
「二人とも・・・ありがとう!」
こうして彼女たちの最初の戦いは終わった。しかしこのときの彼女たちの選択が大きなうねりを呼ぶことになる。そして・・・
「(無能力者の私にもこんな力が・・・)」
佐天の秘めた思いもまた、大きなうねりを呼ぶことになるのを彼女たちはまだ知らない・・・。
続く
御坂=オーズはメダルつながりです。初春=ボウケンピンクはコンピューターが得意(ブルーが)、甘いもの好き(ピンクが)だからです。佐天=ゴーカイイエローは特にありませんが、後々のことを考えています。