とある英雄の伝説大戦(レジェンドウォーズ) 作:マッスーHERO
御&黒&初「…」
佐「な、なんですか皆…なんでこんなローテンションなんですか?」
御「…成人式で忙しかった、インターネットのプロパイダ交換で空白があった、友達とのスキー旅行にいっていた…さんざんごねて一ヶ月弱更新を止めた糞作者はどこのどいつよ」
初「連載三桁、満2年なのにそこまで人気がないですよねこれ…」
黒「わかりにくい、読みにくい、展開遅い(オリジナル禁書1巻分進めるのに2年)、設定のミス…もうそろそろ潮時なんでは…?」
佐「それは…」
御「先日外部サイトで調べてみたら2年くらい前に『あとがきの座談会』形式は良い点でないと言われてたことに最近になって気づいたし…」
黒「肝心の作者は鎧武途中までしか見てないですの」
初「このままでは…」
佐「…確かにそうです。でもね、皆さん。作者がここ最近何もせずにいたと思いますか?」
御&黒&初「へ?」
佐「ここまでついてきていただいた読者の方々にこのままではなさけない…そう感じた作者はこの空白期間仮面ライダーや戦隊の見ていない部分を虱潰しに見ていたんですよ『VS動物戦隊』『黄金の果実争奪杯』『鎧武本編』etc」
御「で、でもそれは特撮ファンならあたりまえよ…」
佐「さらに小説版ウィザード、宇宙刑事NEXTGENERATIONシリーズ、中部でやってた特撮博物館…この空白期間の間に作者は特撮頭のアップグレードを果たした…」
黒「いまさらっと出身地ばらしましたの…」
佐「文章面もこれから勉強していきます」
初「一番肝心なそこを後回しにしたんですか?」
佐「これからも少しずつ作品を良くしていくよう頑張りたいと作者はラインで送ってきました」
御「そこラインなのね…」
黒「というか、そんなに詰め込んだらますますついてこれる人が減るのでは…」
佐「いいんですよ!未来より現在!NOWです!いまお気に入りくれてる皆さんを楽しませることを考えるべきです」
初「はあ…」
佐「というわけでリクエスト編第一弾を公開しますよ!!ほら皆さん!内容紹介を!」
御「え、ええ…第一弾は初めてリクエストを頂いた鈴神さんのお話よ!」
黒「これで三作品目となる今回も非常に完成度の高い原案を頂きましたの」
初「特別な変身や今後のお話のターニングポイントもたくさんありますよ!」
佐「それではお楽しみください!」
いつの時代も親というものの大多数は子供のことを大切にしている。しかし親というものは当然ながら人間であり、良くも悪くも様々な考えを持っているものだ。
[連日の怪人問題に対して不信感をもった父兄たちが、学園都市に大挙して押し寄せていることが問題となっています…]
ある日の夕暮れ、街頭に置かれたTVから流れるニュースを聞きながら浜面仕上は帰路についていた。すれ違う人間の年齢がやけに高いことを彼が感じるのも気のせいではないのだろう。ただでさえ第三次世界大戦やグレムリンの暗躍により高まっていた父兄の学園都市への不満はこのところの怪人騒ぎによってついに爆発、第三次世界大戦時を超える疎開運動が巻き起こっていたのだ。
「まあでも、今の学園都市より安全なところがあるはずもないんだけどな…」
浜面の言う通り、幾ら出現率が高いとはいってもヒーローたちの守る学園都市と比べれば低いとはいえ守るもの少ない他の市町が安全だとはとてもいえない。だが、一連の事件を秘匿しようとする学園都市やTPCに対しての不信感が父兄の不満を増やしているうえに、ヒーローたちの存在は学園都市ないでさえも都市伝説的に伝わってしまっているため、外の父兄たちには伝わっていないことが多いのだ。
「(まあ、力を失った俺には偉そうなことは言えねえけど…)」
あのアーチェリーサジタリウスゾディアーツとの戦いでクウガの変身ベルト『アークル』は破損、浜面は変身能力を失った。それからしばらく立った今もアークルが修復される様子はなく、出現させることしかできない。しかし、彼はそれを悲嘆することはなかった。大きな勢力であるフューチャーを撃退し、多くのヒーローが学園都市を護る今、自分の出番はもうないと彼は感じていたのだ。
「…さあて!俺も頑張らないとな!バイト、バイト!」
気合を入れ直し、残りの仕事へと向かう浜面。だがその時、不思議な感覚が彼を襲った。
「(な、な…ん…だ…!…?…か…ら…だ…が…お…も…い…?)」
突如として体が思うように動かせないという感覚に襲われる浜面。その感覚は数秒間続いたが、その後は何事もなかったかのように収まってしまった。動揺して周囲を見渡すと周りの人々も戸惑い、混乱している様が見て取れる。
「なんだったんだ…今のは…」
この時浜面たちが感じたこの感覚が後にある事件を引き起こすことになるのだが、今回は語らないことにしよう。
翌日の早朝、休日だというのに上条たちの通う高校の職員室はちょっとしたパニックとなっていた。鳴り止まぬ電話のベルと教員たちの喧騒がすこし広めに作られているはずの職員室に響き渡っている。だが、これでもまだここはましなほうだろうと対応している教員の一人である月詠小萌は考えていた。日に100通以上の苦情メールを受け、事業参観のたびにパニックになる長天上機学園など、いまごろとんでもないことになっているだろう。それに比べればまだここは平和なものだ。
「だからそれは現在調査中ですじゃ…いえ、なんでもありません」
いつもの口調を封印した黄泉川のたどたどしい応答に苦笑しつつも、小萌は再び鳴り響く電話の受話器をとった。
同じ頃、寮の上条の部屋では…
[3・2・1]
「変身!宇宙キター!」
突如として変身するフォーゼ。その姿を土御門やオルソラたちが固唾を飲んで見守っている。彼らの前にはいたのは怪人ではなく1つの小さなダンボール箱だった。
「気をつけろよ、上やん」
「ああ…」
なぜこんなことになっているのか…事の始まりは今から一時間ほど前、起床した上条が身支度を整えつつ郵便受けを確認した時のことだった。そこにはさきほどのダンボール箱が入っていたのだが、そのダンボール箱には伝票や差出人をしめすものが何一つなかったのだ。日頃から懸賞品やネット通販に縁がなく両親くらいからしか届け物など送られてこない上条はその荷物を不審に思い、試しに持ってみるとまるでなにも入っていないかのように軽い。もしも爆発物の類ならもっと重いはずだからそんな心配はとりあえずないのだが、逆にその軽さが彼を不安にさせた。彼の脳裏にはまったく質量のない爆発物を作れる不良神父の姿がちらついたのだ。すぐに上条は土御門たちを呼んで箱を調べてもらったのだが…とくに魔術的な細工は見つからず、なんとか箱を開けようととりあえず変身してみたというわけだ。
「よし!開けるぞ!」
『…』
フォーゼがゆっくりと箱に手をかけると、同時に周りにいた土御門たちは一気に後ろへと下がっていく。薄情な反応だがもう今更という感じで彼は箱を開け始めた。
「…お?」
箱を開けたフォーゼは驚いた。なぜなら箱の中には何も入っていなかったからだ。もしや隠しスペースがあるのかもと箱の中を検査してみるがとくに何もない。ただの段ボール箱だ。
「…なんだよ…ただのイタズラかよ…」
肩透かしもいいところだと変身を解除しながら箱をよってきた土御門に投げ渡す上条。土御門も箱をしばらく調べていたが、すぐに異常がないと上条たちに伝えた。念の為に箱は土御門が引き取って調べることとなったが、上条が左腕で触っても壊れないので大したことはないのだろう。かくして早朝に起きたこの騒動はひとまず終局を迎えることとなるが、この出来事は後に上条の状況を大きく変えることとなる…
この日、長天上機や霧ヶ丘女学院、枝垂桜学園などの有名校にはたくさんの保護者たちが押しかけ、半ば抗議のデモのような行動をとっている中、1校だけ平穏を守る学校があった。それは他でもない常盤台中学である。学舎の園のなかにあるとはいえ、同じ学舎の園内の枝垂桜学園にすら人がきているのに常盤台にはほとんど保護者がいないとはどういうことなのか…御坂美琴は密かに疑問に思っていたが、その答えは意外にも簡単に明かされることになる。
「…なるほど…保護者は皆、面倒事をあんたに押し付けたわけね」
「久しぶりにあった母親にそういう言い方はないんじゃないの、美琴ちゃん?」
門を出たところに立っていた自分の母、御坂美鈴をみて御坂美琴は大体の検討がついた。以前起きた第三次世界大戦の時、美鈴は学園都市を学生たちを疎開させる『回収運動』の中心的なメンバーであり、おそらく今回も他の保護者から下駄を預けられたのだろう。とりあえず2人は学舎の園を出て手近な喫茶店へとはいった。
「で、私を連れ戻しに来たわけ?」
「いえいえ、正直ここより外のほうが危ないわよ。変な怪人が現れたりしてさ」
そういって美鈴は自分の携帯端末の画面を御坂に向ける。そこにはコウモリのような怪人の姿とともにそれと戦う赤い戦士と緑の戦士の姿があった。
「これって…」
「ねえ、すごいでしょ?半分都市伝説みたいなもんだからテレビでもやんないけど、この人達コスプレかなにかかしら?」
学園都市ほどではないが、外でも怪人が破壊活動をしているというニュースは御坂も知っている。しかし外にも正義の戦士たちがいるということまでは彼女も知らなかった。
「(たしかこれって『忍風戦隊ハリケンジャー』のハリケンレッドとシュリケンジャー…よね?この写真はこの近くで取られたものみたいだし…だれかが外までいって怪人を倒したってこと?)」
しかし御坂の知る限りハリケンジャーの能力を持った人物などいない。新たに誕生したのだろうか?それとも…
「ねえ、美琴ちゃん?何考えこんでるの?」
「あ、いやべつに…」
御坂はごまかすようにはこばれてきた紅茶を啜った。その姿を美鈴はすこし不審さを感じて首を傾げ、御坂を問い詰めようとする。しかし、そうすることはできなかった。なぜなら、突如として2人のいる喫茶店に鳥型怪人が飛び込んできたからだ。
「きゃああああ!」
怪人の姿を見た周囲の客たちから悲鳴が挙がる。白い体に長いくちばしをもつその怪人は周りのテーブルや椅子をなぎ倒し、近くにいた学生の体を掴むとどこかへと飛び立ってしまった。
「待ちなさい!」
その姿を追う御坂とそんな御坂を追いかける美鈴が喫茶店の外へと飛び出す。するとそこには帯びただしい数の先ほどの怪人と同じ姿の怪人が飛び回っていた。そして怪人たちは周囲にいる学生たちを捕まえるとどこかへと飛び去っていく。その姿に御坂は驚愕した。
「いったい…なにがおきてるのよ?」
怪人が出現する少し前、あるビルの屋上に恐竜グリード=真木の姿があった。
「何時の世も親というものの思考回路は理解できないものです。自分の子供が特別な存在であるなど、ありえないはずなのに…」
「その考え方には賛同するよ、ドクター真木」
「Fですか…」
背中からかけられた声の主を真木は振り返らずに見抜く。Fの出す常人とは違った禍々しいオーラを感じ取ったのだ。
「私が勝手なことをしないように監視しにきたのですか?」
「いや、むしろ応援しにきたのだ。あなたの計画が成功すれば私にとっても喜ばしい。それにへんなものに興味を持たれるよりも1つのことに集中してもらいたいからな」
「確かに私の興味を引くものは無数にあります。先日も重加速なるものを初めて経験しましたが、あれは非常に興味深い」
メガネの奥の瞳を光らせて薄く笑う真木をみたFは呆れたようにため息をつく。
「まだロイミュードどもは好きにしていいが、ヘルヘイムには手を出すなよ」
「ヘルヘイム…そこまでリベンジャーは始まりの男を恐れているのですか?」
『始まりの男』…その単語にFは強く反応した。黄金の果実を口にし、人ならざる者の力を得た男…その力は古い世界を滅ぼし、新たな世界を作るとさえ言われている。
「やつはノアと同じく厄介な存在。いまはまだこの世界に介入していないが、今後もさせないにこしたことはない。だからこそ貴重な戦力であるオーバーロードをこちらの世界に配置せず、他の世界の侵攻に使っているのはやつをこちらの世界にこさせないためのなんだからな」
「わかっていますよ。そちらはプロフェッサー凌馬にデータ提供を受けていますから充分です。それに彼の邪魔をすると私もすくなからず痛い目をみますからね…では、私は私の仕事をするとしましょう」
そういうと真木は懐から大量のセルメダルを取り出した。刻まれた動物は彼の使役する恐竜ではなく、タカ、クジャク、そしてコンドル…彼はそのメダルを眼下に広がる街に向けて静かにばら撒いた。
「鳥類のメダル…そこまで大量のヤミーを生み出すまでに使いこなしているとはな…」
「…最後に確認したいのですが、本当によろしいのですか?あなたの仇敵を討つことになるかもしれないのですよ?」
真木の問いに対して、Fは無言のまま一本のガイアメモリをとりだし投げつけた。電車のレールのようなデザインで『M』と刻印され、青色と黄色のツートンカラーが特徴的なそのメモリを受け取った真木は珍しく驚きを露わにする。
「これは…」
「同時に作戦を行うあいつにちなんだメモリだ…私のなりの遊び心だよ。では、検討を祈る」
それだけを伝えるとFはオーロラの中へと消えてしまった。一人残された真木はその手に残されたメモリをしばらく見つめ、そして邪悪な笑みを顔に浮かべる。
「ふふふ、私にとってはあなたが一番の興味の対象ですよ…F」
そうつぶやいた真木はその手のメモリのスイッチを一度だけ押した。
[MightGaine]
真木のばら撒いたセルメダルは学園都市にあふれていた学生の父兄たちを媒介に大量のヤミーを作り出し、街は大混乱に陥った。そして、物語は先程の御坂たちの場面へと戻る…
「この怪人、前にでたヤミーってのに似てる。あのくちばしは…コウノトリ?」
御坂は怪人の正体がコウノトリのヤミーであることを見抜き、瞬間的に懐のベルトに手をかけた。しかし…
「(だめだ…母さんの前で変身はできない…)」
御坂の後ろには事態に動揺しており、状況がまったく飲み込めていないでいる。彼女の前で変身するのはすこしばかりまずい…自分があんな怪物と戦っていることを彼女に知られるのは御坂の本意ではなかった。いらぬ心配を掛けたくはなかったのだ。
「とにかく逃げるわよ!」
「ちょ、ちょっと美琴ちゃん!?」
御坂は美鈴を担ぐと能力でその場から逃走を図る。長い間怪人たちと戦っていた経験故か御坂は自身の能力でもある程度の怪人と渡り合うことができた。彼女の指から放たれる電撃がコウノトリヤミーたちを襲いあるものは地面へと落ちてもがき、あるものはセルメダルの山となって砕け散る。しかしコウノトリヤミーの数は尋常ではなかった。やがて彼女たちは囲まれてしまう。
「くっそ!こいつら何体いるのよ!」
電撃を周囲にばら撒き、磁力でものを投げつけても一向に数の減らないコウノトリヤミーに御坂はついに覚悟を決めた。懐からベルトを取り出し、三枚の緑色のメダルを装填した御坂はオースキャナーに手をかける。
「なに、それ?はやりのおもちゃ?」
「違うわよ…ここは私が何とかするから!あんたは逃げなさい!変身!」
[クワガタ!カマキリ!バッタ!ガッタ、ガタガタキリバ!ガタキリバ!]
襲いかかるコウノトリヤミーたちを変身時のメダル型オーラが弾き飛ばしながら、御坂はオーズ・ガタキリバコンボへと変身、瞬時に分身してコウノトリヤミーたちへと挑んでいく。襲いかかるコウノトリヤミーをカマキリソードがなぎ払い、頭部からの電撃が吹き飛ばし、バッタレッグで蹴り飛ばす。その姿はまるでゲームで雑魚キャラ相手に無双するかの如しだった。
「一気に決めるわよ!」
[スキャニングチャージ!][スキャニングチャージ!][スキャニングチャージ!][スキャニングチャージ!][スキャニングチャージ!][スキャニングチャージ!][スキャニングチャージ!][スキャニングチャージ!][スキャニングチャージ!]…
嵐のようなたくさんのキックがコウノトリヤミーたちを一瞬にしてセルメダルの山へと変えていき、周囲のコウノトリヤミーたちは完全に消え失せていった。
「はあ、はあ…やっぱりガタキリバは疲れるわ…」
「…み、美琴ちゃん…」
少々息を切らして棒立ちとなっていたオーズの元に驚きを隠し切れない美鈴がゆっくりと近づいてくる。覚悟はしていたオーズだったが、どうやってごまかすか考えこむ。ところが…美鈴の次の反応はオーズの想像の180度上をいっていた。
「きゃあ、なにこれ!?すごいわね、美琴ちゃん!」
美鈴はオーズの姿に興奮してジロジロと観察したり、ボディをぺたぺたと触る。やけに胸のオーランドサークルの部分を触っているのはどことなく嫌味のようにも見えてしまうが…その姿を見たオーズは頭に手を当てて呆れるようにため息をついた。
「はあ…とても血のつながりのある親とは思いたくないわ…」
「これどこで買ったの?学園都市の新しい防犯器具とか?」
「もういいからあんたは早いとこ逃げて!」
そんな親子漫才をやっている2人を再びコウノトリヤミーたちが囲い込み始める。オーズは美鈴の前に立って臨戦態勢をとるが、ガタキリバの分身の使用からかわずかに体勢を崩してしまい、その隙をコウノトリヤミーたちに狙われてしまう。だが、それを超電磁のエネルギー弾が吹き飛ばした。フォーゼ・マグネットステイツの砲撃だ。
「大丈夫か…って、美鈴さん!?なんで?」
「うん?その声…どっかで?」
「もういいから!逃げろ!!」
オーズに押されて美鈴は明後日の方向へと走り去っていく。それを見届けた2人は背中合わせになりながらコウノトリヤミーたちの撃退を開始した。
[タカ!クジャク!コンドル!タージャードルー!][ギガスキャン!]
[Fire Launcher Gatling On][Fire Limitbreak]
「セイヤー!!」
「ライダートライデント爆熱シュート!」
2人の連続砲撃が先ほどの連続ガタキリバキック以上に多くのコウノトリヤミーたちを蹴散らしていく。だがそれでも、空には撃ち漏らしたコウノトリヤミーたちが学生たちを次々にさらっていく姿があった。
「ブリンガーソード!」
「プリズムブーツ!」
「ダイナジャンプスカイハイ!ピンクサーベル竜巻!」
空をかけるコウノトリヤミーたちを駆けつけたヒーローたちが次々に撃退し、学生たちを助けだしていくがきりがない。空にはまだ無数のコウノトリヤミーたちが飛び回っている。
「このままじゃ、きりがないわよ!?」
「御坂さん!私に考えがあります!ゴーカイジャーで行きましょう!」
ボウケンピンクの声を聞いてオーズは彼女の元へと駆け寄っていく。オーズが到着したとき、彼女のもとにはすでにゴーカイイエロー、デカイエロー、アクセルも駆けつけており、五人はそのままゴーカイジャーへとチェンジした。
「で、どうするの初春?」
「ゴレンジャーにチェンジして、ゴレンジャーストームをつかうんです。鳥かごに変化させて、一網打尽にしましょう」
「よし、ならいくわよ豪快チェンジ!」
[[[[ゴレンジャー!]]]]
ゴーカイジャーとなった五人はゴーカイピンク=初春の提案でゴレンジャーへとチェンジし、敵に応じて変幻自在に姿を変える武器『ゴレンジャーストーム』への構えをとろうとした…だが、地面に落ちたあるものがそれを阻んだ。
「…え?」
驚愕し、声を出したのはゴーカイレッド=御坂である。地面におちたものとは、彼女が変身するはずだったアカレンジャーのレンジャーキーだったのだ。慌てて拾い上げようとするゴーカイレッドだが、それはかなわなかった。なぜなら彼女の腕が透明になり、消え去っていたからだ。
「な、なによ…これ…」
ゴーカイレッドが跪き、地面に倒れると同時に彼女の持っていたモバイレーツもまた地面に落ちる。その姿をみたフォーゼは周囲のコウノトリヤミーを蹴散らしながらゴーカイレッドの元へと向った。
「御坂!?どうしたんだ!」
変身を解除してしまった御坂の体はさらに透明となって消えていく。フォーゼは彼女の元へと駆け寄り手を伸ばすが、その手が彼女を掴むことはなかった…
「御坂…?御坂ァァァ!!!」
フォーゼ=上条の叫びが戦場にこだまする。そして物陰からそれを見つめていた美鈴は黙って膝をつき、両手で口を押さえた。
この御坂美琴の消滅こそリベンジャーの恐るべき計画の始まりだったことを上条たちはまだ知るよしもなかった…
続く