魔法科高校の立派な魔法師   作:YT-3

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遅れてすみません、YT-3です。

それではどうぞ。


第十五話 追跡

 

「あっ!ナギくん、私の肉巻きあげるから、そのから揚げ一つちょうだい?」

「いいよ、はい」

 

 4月14日、お昼休み。

 最初にここ、生徒会室でお昼を食べた時と比べて、だいぶ様変わりしたなぁ。

 メンバーのこともあるけれど、今なんて全員お弁当だもん。真由美お姉ちゃんがまともな料理ができるようになってたなんて、一週間前まで知らなかったよ。

 

「ところで、昨日二年の壬生を言葉責めしていたっていうのは本当かい、達也くん?」

「……はい?」

 

 ……渡辺委員長、話題の内容もそうですが、ちょっと唐突すぎませんか?

 それに——

 

「渡辺委員長。年頃の女性なんですから『言葉責め』なんていうはしたない言葉は使わないほうがいいですよ」

「ナギの言う通りです。

 それに、深雪の教育にも良くないですし」

「……お兄様?

 もしかして、わたしの年齢を勘違いしていませんか?」

 

 それだけ大切にされてるってことだよ、深雪さん。

 

「それに、そんな事実はありません」

「おや?そうなのか?

 昨日のカフェテリアで、君と一緒にいた壬生が真っ赤になっていたというのを見たヤツがいたんだが」

「……お兄様?」

 

 ひいぃっ!さっきと同じセリフなはずなのに、声が冷たすぎるよ!

 っていうか、物理的にも冷たくなってきてる!?

 

「わたしと別れてから、一体何をなさっていたんでしょうか?」

「とりあえず落ち着け深雪。

 お前が考えているようなことはなかったし、これからきちんと説明するから」

「……はい、申し訳ございません」

 

 ふう、よかった。

 春先なのにこの部屋が氷に覆われる前に落ち着いてくれて。

 

「相変わらず、すごい事象干渉力ですね。

 魔法は超能力の延長ですから、卓越した魔法師は漏れ出すサイオンだけで魔法になることは知ってはいましたが……、現実に見るのは司波さんが初めてです」

「ほんと。夏場は冷房いらずでいいわね」

「夏場に霜焼(しもや)けになるのもどうかと思いますが」

 

 まあ、確かにそれはちょっとマヌケだね。

 噴火する火山地帯で氷漬けにされたボクが言えることではないと思うけど。

 

「それで、結局何があったんだ?」

「そうですね。これは風紀委員にも関わることなので、伝えておいたほうがいいのかもしれません。

 実は、昨日ここの前まで深雪を送っている途中に、壬生先輩に声をかけられたんですよ。

 新歓週間初日の件でお礼がしたいと言われまして、特に断る理由もなかったので深雪を送り届けてからカフェテリアで会ったんです」

 

 ああ。やっぱり深雪さん優先なんだね。

 

「新歓週間初日というと……。

 剣術部の桐原とのトラブルで桐原が高周波ブレードを使った際に、達也君が止めに入った件ですか?」

「はい。そこで助けてもらったお礼をしたいということでした。

 それで、お礼をされたのはいいんですが、それから妙な話になりまして」

「妙な話、ですか?」

 

 なんだろう?

 

「助けてもらったのは嬉しいし、俺はお咎めなしを主張したからお互いに罰は受けずに済んだ。

 それは自分も同じ考えで、あの乱闘で多数の怪我人が出たならともかく、自分と桐原先輩はお互いに傷つくかもしれないことを承知の上で剣を握ったんだから、怪我は自己責任だと思っている。

 しかし、今回ぐらいのことを問題にしたがる生徒も多く、実際に同じぐらいの程度のことで摘発された生徒は何人もいる。風紀委員の点数稼ぎのために。

 ……といった内容でした」

「確かに変な話ね。

 今回のことは、桐原くんが殺傷性ランクBの高周波ブレードを使ったのが問題であって、乱闘を問題視していたわけではないのだけれど。

 もちろん、乱闘はいけないことだけど、その処理は部活連内部で(おこな)うのが原則よ。あくまで風紀委員は怪我人が出ないように見張っているか止めに入るだけ」

「それに、風紀委員は名誉職だ。メリットはほとんどない。

 風紀委員を務めて校内の安全に貢献したとして多少内申点が上乗せされるかもしれないが、九校戦の成績じゃあるまいに、検挙数によって成績にプラスされるなんてことはない。

 どうも壬生は勘違いをしているようだな。いや、思い込みなのかもしれないが」

 

 確かに、そのことは渡辺委員長から説明があったし、そんな無茶な摘発を行ったなんて話は聞いていない。

 というか……。

 

「というか、なんでそれを達也くんに?達也くんだってその風紀委員の一員でしょ?」

「俺も同じことを聞いたら、俺は違うとか、それでも風紀委員は嫌いだとか、どうも要領を得なかった。おそらく、助けてもらったという感情から嫌うに嫌えなかったんだろう。

 それよりも、ここからの話のほうが重要です」

 

 重要な話?

 達也くんや壬生先輩だけじゃなくて、全体に関わってくるような話ってこと?

 

「壬生先輩は他に何か(おっしゃ)ったんですか?」

「ああ。剣道部に入部しないかと誘われた」

「……何か理由がありそうだな。

 壬生ほどの腕があれば、達也くんの体術は徒手格闘術だと見抜けるだろう。

 それなのに、お(かど)違いの剣道部に誘うってことは、『二科生の風紀委員』というブランドが欲しいのか……。

 いや、ただそれだけなら春原でもいい。どちらにしても名前だけ貰えればいいんだからな。

 そうなると、わざわざ春原ではなくて達也くんを誘った理由がありそうだな」

「さすがです、渡辺委員長。

 どうも、非魔法競技系のクラブで連携をして部活連とは別の組織を立ち上げることで、学校側に待遇改善を求めようとしているようです。俺はその旗印ですね」

「それって大問題じゃないですか!」

「……ついに爆発しちゃったわけね」

 

 中条先輩の言う通り、さっきの話が(かす)むほどの大問題だ。

 これは頭が痛くなりそうだ。

 

「魔法科高校では魔法の実力が優先されるのは理解できているし、それによって授業で差別されるのは覚悟して入学してきている。

 だけど、授業以外の学校生活、部活などでも魔法の腕で差別されるのは間違っている。

 魔法が使えないというだけで自分たちの全てを否定させはしない。

 ……そのような理念で設立するらしく、すでに剣道部含め多数の賛同者が集まっていると言っていて、今年中にも立ち上げる予定らしいです。

 どうも考えを学校側に伝えることに重点を置いているのか、『どう改善してもらいたいのか』の部分が不透明ですが」

「それでも、言っていることとしては間違っていないのよね……。

 実際に授業以外で差別が起きているのを学校側は把握しているけど、黙殺しているわけだし」

「だから風紀委員を目の敵にしていたのか。いや、風紀委員だけではなくて、主に一科生で構成される生徒会や部活連もか。

 向こう側からすれば、校内で権限を持ち、それを笠に着た走狗というわけだな」

「正確にはそうなるように印象操作されているんだけど、それでもそう受け取るしかないのかも。

 ナギくんが誘われなかったのも、現代魔法の試験は悪くても、古式魔法師として実力があり、現に魔法競技系のクラブに入っているから、というわけか」

 

 ……ん?印象操作?

 

「『刷り込み』じゃなくて『印象操作』ってことは、裏で生徒を操っている人がいるってこと?」

「あっ!やばっ!」

「真由美!」

 

 ……正解か。つまり、それがあの工場に出入りしている人たちの正体ってこと。

 

「七草会長、渡辺委員長。

 その組織は、『ブランシュ』でいいんですよね?」

 

 ブランシュ?

 確かそれって、魔法が使える人が優遇されているって、魔法能力による差別撤廃を訴えてるって噂の団体だっけ?

 

「……どこでその名前を?」

「情報規制がかかっているようですが、極秘情報というわけでもないですし、噂の出所を完全に潰すことなんて不可能でしょう?

 まさかここにきて隠すことはしないですよね?もう誤魔化しは効きませんよ」

「……はあ。正解よ。

 我が校は反魔法国際政治団体『ブランシュ』の影響を受けているわ。正確にはその下部組織だけど。

 でも、どうしてブランシュだってわかったのよ」

「予測し始めたのは、ナギが依頼した三人からの写真を見た時からですね。

 ブランシュの下部組織『エガリテ』のシンボルマーク、『赤と青で縁取られた白い帯』をリストバンドとして手首に巻いていましたから。写真の人物だけではなく、壬生先輩も含めた剣道部の大多数や、その他非魔法競技系のクラブの人員もです。

 トリコロールの配色は珍しいものではありませんが、差別撤廃を訴える組織を立ち上げるとなると、『エガリテ』以外に思いつきません」

 

 よく見ているし、情報もすごいね。

 ボクもリストバンドには気付いたけど、『エガリテ』のシンボルマークとは知らなかったよ。

 

「完敗だな。

 この話はあたしと真由美、市原、十文字以外には知らせないようにしていたんだがな。まさか自分で辿り着くとは」

「あのぅ、なんで私と服部くんには話さなかったんですか?」

「あーちゃんは心配性だから必要以上に気にしちゃうかもしれないし、はんぞーくんは正義感にかられてメンバーのところに乗り込んでいっちゃうかもしれないしね。

 別に乗り込むのは悪くはないんだけど、表向きは差別に反対しているだけのところを叩いちゃうと、二科生の反発が取り返しのつかないものになっちゃいそうだし」

「それに、裏で操っている人を含め確実に全員を捕まえないと二の舞が起きちゃうかもしれませんしね。

 だから我が校としてできるのは、注意をしておくことだけです」

 

 確かにそうだ。今の段階で、それも学生が手を出すのは問題がありすぎる。

 その上、例の男とその護衛がいる。最悪、真由美お姉ちゃんや十文字先輩でも危ない可能性がある。

 やっぱり、できるだけ早く情報を集めて、春原家として介入するしかないか。

 

「分かりました。私的に注意しておくに(とど)めておきます」

「ボクとしても、基本的に達也くんと同じです。

 ですが、春原家としてはその情報をもとに動いてみます」

「危ないようだったら、躊躇せずに七草家に頼ってね。

 ナギくんは家族なんだから」

 

 それが聞けるかどうかは相手次第かな。

 ボクも、真由美お姉ちゃんたちに傷ついて欲しくはないから。

 

◇ ◇ ◇

 

 今日はどうしても外せない仕事が午後からあったから、お昼休みの終了と同時に早退して((あらかじ)め学校に届け出は出しておいた)、都内にあるスタジオでバラエティーの撮影をしている。

 

「はいOKでーす!

 じゃあ、本番まで30分休憩いれまーす」

「……ふぅ。お疲れ様でしたー」

 

 リハーサルの反省をしながら、用意された楽屋に向かう。

 楽屋は一人部屋。これは、ボクが大物だからというわけじゃなくて、周りとの関係性からテレビ局が配慮してくれているからだ。

 

 この業界、いや一般社会全体からすると、ボクら魔法師は特殊な存在だ。

 魔法という超常の力を使いこなすことで強力な戦闘能力があるために、一般人から見れば銃とかで武装した存在みたいに恐怖されているし、一部の人間からすると、かつて魔法研究所で研究(・・)された『魔法師』は人間のために作り出された存在だから、人のために尽くす、つまり人間である自分が自由に命令できる存在だと思われていたりもする。

 もちろん、そんな人達だけじゃなく優しくて理解してくれる人もいるけれど、『ブランシュ』のように反魔法師運動が行われるぐらいには否定的な人もいる。

 ボクはその壁を壊す一助になれればと思ってタレントをしているけれど、よく思っていない同業者もいるわけで。そんな人達と同じ楽屋になったら色々と大変だし、実際一度問題になったこともあったから、今は一人用の小さな楽屋を使わせてもらっている。

 

『オイ、緊急事態ダ』

「!!」

 

 チャチャゼロさんから念話!?しかも緊急事態って!?

 

『何があったんですか!?』

『例ノヤローニ、オマエノ学校ノ女ガ三人、バレバレノ尾行をシテイヤガル。

 赤毛デ長髪ノガキミテーナ体型ノ奴ト、似タヨーナ体型デ黒髪ノ奴、茶髪ヲフタツニ纏メタムネノデケー奴ダ。

 タシカ、オメーノ知リ合イジャナカッタカ?』

 

 エイミィと雫さん、ほのかさん!?

 なんで三人が!?

 まさか、まだ達也くんを襲った証拠を!?危険だ!

 

『はい!三人とも友人です!

 今どこにいますか!これからすぐに行きます!』

『オメーノ学校前ノ商店街ヲ北に200メートルッテトコダ。

 急イダホウガイイゼ。ヤローモ気付イテ、ドコカニ知ラセテイヤガル』

『分かりました!万が一の時は三人を助けてあげてください!』

 

 とりあえず目の前まで来ていた楽屋に入って、扉にロックをかける。こうすれば部屋にいることを知らせる表示が出るから、行方不明扱いにはならなくて済む。

 そのあと窓枠に足をかけて瞬動(しゅんどう)、さらに二回(こく)(うし)(ゅん)(どう)して目的地上空までの障害物がない高さに移動する。

 このテレビ局からチャチャゼロさんの言っていた地点までは直線距離で約7キロ。交通機関を使ってては間に合わないし、飛行魔法は違法だ。

 だから、移動手段は一つだけだ。魔法以外でキロ単位の瞬時移動ができるのはこれしかない!

 

虚空(こくう)(しゅ)(くち)———(むき)(ょう)‼︎」

 

—◇■◇■◇—

 

「ほのかっ!」

 

 目の前でほのかが倒れる。私も立っていられない。

 頭が割れるように痛い。まさかこれは……

 

「ふふふ、どうだ苦しいだろう?

 (つかさ)様からお借りしている、このアンティナイトによるキャストジャミングがあるかぎり、お前ら魔法師は魔法を一切使えないただのガキだ」

 

 やっぱり、キャストジャミング。

 軍事物資のアンティナイト、しかもかなりの高純度のものを持っているなんて、ただのゴロツキじゃない。

 

「ふん。どうやらまだ効果が薄いようだな」

「っ!?」

 

 まだ強くなるの!?だめ、これ以上は座ってもいられない!

 

「始末するか」

「ああ手筈通りにな」

 

 っ、ナイフ!?

 どうにかして、せめてほのかだけでも!

 

「我々の計画を邪魔する存在は、例外なく消えてもらおう。

 この世界に魔法師は必要ないんだ‼︎」

 

 やだ、来ないで!

 ———誰か助けてぇっ!

 

 

「三人から離れろっ!」

「なっ!うぐっ!」

 

 ナ、ナギくん?

 

—◇■◇■◇—

 

 よかった、なんとか間に合った!

 

 まずは三人に近いナイフを持った男に攻撃!

 上空から瞬動(しゅんどう)で接敵、前転をしつつ右手の手刀に力を集める!

 

 ——翻身伏虎(ほんしんふっこ)

 

「三人から離れろっ!」

「なっ!うぐっ!」

 

 不意をついてナイフは落とせた。

 右足で着地と同時に蹴り込んで懐に入る。左足で震脚、体内でエネルギーを左肘に伝え、翻身伏虎で体勢を崩した相手に打ち込む!

 

 ——硬開門(こうかいもん)

 

「ぐわぁっ!」

「うわぁっ!」

 

 後ろにいた1人を巻き込んで壁まで吹っ飛ばした!あと2人!

 

「オイ!キャストジャミングだ!魔法師ならそれで無力化出来る!」

「こいつっ!ターゲットの1人かっ!」

 

 これは……魔力(サイオン)の波?

 もし本当にキャストジャミングなら、魔法師には天敵だ。

 それにアンティナイトを持っているってことは、やっぱり相手はかなりの規模ってことか。

 だけど——

 

「魔法が使えないなら、体術で戦えばいい!」

「なっ!うぐわっ!」

「こ、こっちにくるなぁっ!バケモノォッ!うわぁあっ!」

 

 ……ふぅ。とりあえずここにいる四人は鎮圧したかな。

 

「ナ、ナギくん……?ありがとぅ、怖かったよ〜」

「本当にありがとう!あぁ、助かった〜」

「私からも、ありがとう。あと少しでほんとに危なかった」

 

 三人とも怪我はないみたいだ。よかったあ。

 

「雫さんの言う通り、本当に危険だったんですよ!

 あと少し遅れてたらどうなっていたことか……」

「ごめんなさいっ!」

「ごめんっ!今日は剣道部あった筈なのに、あの主将が出てったのを見て気になっちゃって」

「迂闊だった。反省してる」

 

 ……三人とも、危ない目になったからか少し震えてるな。

 反省してるようだし、これ以上は言わなくていいか。

 

「はぁ。反省してるならいいよ。

 今回ので分かったと思うけど、(つかさ)先輩のことは裏で大きな組織がいるらしいんだ。

 生徒会と春原家で調べているから、三人は注意しておくだけにしてね。

 今回は間に合ったけど、もし次の時に間に合わなくて取り返しのつかないことになったら、ボクは三人を巻き込んだ自分を許せなくなりそうだから」

「わかった。

 それと、その人たちが持ってるアンティナイトは『司様』から貰ったらしい。何かヒントになればいいんだけど」

 

 司様?司先輩のことか、もしくは先輩の家族のことか……。

 なんにしても様付けしているってことは、かなり上の立場の人ってことだ。もしかしたら例の男なのかも。

 

「ありがとう。参考になったよ。

 それじゃあ警察に連絡するから、三人とも……」

「ナギくん!ほのかたちも!」

「深雪!?」

 

 えっ、深雪さん?

 

「深雪さん、どうしてここに?生徒会は?」

「中条先輩が発注ミスをなさったみたいで、私が買いに来たんです。

 そうしたら三人を見かけて、胸騒ぎがしたので追いかけてきたんですが……どうやら遅かったようですね。

 そこの男たちがほのかたちを襲ったんですか?」

 

「そうよ!司先輩を追ってたらここで振り切られて、囲まれたのよ。

 キャストジャミングを使われて危なかったんだけど、ナギくんが助けてくれたの!

 あっ!初めましてだよね。私は明智英美。エイミィって呼んで!」

「よろしくエイミィ。わたしも深雪でいいわ。苗字だとお兄様と被っちゃうから。

 それじゃあ、あとは警察に連絡するだけなんですか?」

「そうだね。三人は顔がばれててここで待つのは危ないだろうから、ボクが残って待ってようと思ったんだけど……」

「でも、ナギくんは撮影でしたよね?

 わたしが残って連絡するので、ナギくんは急いで戻ったほうがいいですね。これも生徒会の活動のうちです」

 

 確かに、そっちのほうがいいか。他の人に迷惑をかけるわけにはいかないし、深雪さんならそこそこの相手だったら戦えるだろうしね。

 

「えっ!ナギくんって撮影だったんですか!?」

「ええ、まぁ。

 ちょうど30分の休憩時間に入ったところで、春原家のほうで司先輩につけていた尾行から、三人がバレバレの尾行しているって連絡があったので飛んできたんですよ」

「バレバレだったの?

 やっぱり尾行なんて素人がするものじゃない」

「それじゃあ、深雪さん。あとはよろしくおねがい。

 三人も、特に周囲に気をつけて帰ってね!」

 

 休憩は残り15分。帰りも縮地で行かないと。

 

「うん、ありがとうね!

 ってまた空飛んだー!?」

「飛んで来たって、文字通り?魔法の兆候はしなかったけど、どうやってるんだろう?」




剣道部主将「ふぅ。なんとか振り切ったか?」

読了ありがとうございます。
さて、『追跡』とはなんだったのかというくらい話に関係のないタイトルですみません。

ご連絡です。
アンケート②『視点変更について』ですが、次々回『一七話』の投稿と同時に締め切らせていただきます。もし何かございましたら、それまでにご連絡ください。
アンケート①の『アーティファクト&ヒロイン募集』につきましては、当初の予定通り第1章『入学式編』終了まで受け付けておりますので、ご一考いただければ幸いです。

それでは、次回もお待ちください。できるだけ早くあげるようにします。

・・・殺戮人形「ケケケ、アノガキドモハナ」

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