俺TUEEEEEを通り越した何か。
試験の日の翌日、この日には前々から予定されていたイベントが実施されようとしていた…。
その名も、『大●●回KCカップ決勝戦』である。
文字通り海馬コーポレーション主催の大会であり世界中から集まったデュエリストが頂点を目指し競い合う大会である。
年に二度の同人イベントや入学試験の後という計算されたスケジュールで組まれており世界中から海馬ランドに観光客や報道陣が詰めかけている。
しかしここ数日の堂実野町での連続して起きる事件により開催が危ぶまれていた、誰のせいですかね?(すっとぼけ)
おかげで海馬コーポレーションの対応が世界中に及び社員がノイローゼになっている。
俺もやらなきゃいけないことが多くすごく忙しいのである。
「というわけで一緒に大会を見に行くことはできないんだな」
『ええ~っ?』
十代が俺と決勝戦の観戦に行きたいという要望を断る。
『でもさ!決勝に出るのはあの紅葉さんなんだぜ!?』
「知ってるよ、でも無理なものは無理」
決勝に出る響紅葉は元世界王者で昔十代が入院した時に出会ったらしい、その時は色々と精神的に不安定だったらしく紅葉さんに大分助けられたらしい。
ヤンデレとの別れからの新たな出会い、十代がHEROを本格的に使いだしたのもこのころかららしい。
響紅葉は意識不明にはならなかったが日本の医療では治療不可能だったらしくアメリカに移って治療に専念していたらしい。
今回のKCカップはその復帰戦なのである。
「一緒には見れないけど俺はそこで手伝いする予定だからさ、終わったら会おうぜ」
「仕方ないな~、じゃあ俺一人で見に行くよ。それじゃ!」
pi!
十代との連絡が終わる。
そう、今回の決勝は世界王者響紅葉の復帰戦なのである。当然いつもより注目が集まっている、デュエルモンスターズの生みの親であるペガサス・J・クロフォードが来日したのも彼のデュエルを生で見るためであるとの噂が立つ程だ。実際の目的はコミケである。
ここ数日の事件により一層注目が集まりこの大会の話題性は第一回目のKCカップに匹敵すると囁かれている。
おっといけない、そのことで社長に呼び出されているんだった。いかねば。
「お?シャーリー、海馬のヤローの所に行くのか?」
「ぐっもーにん城之内君、その通りさ、おかげで今日の大会を十代と観戦に行くことは出来ないよ」
「ふーん、デートの邪魔をするとは海馬も無粋な奴だぜ」
デートじゃないんだよなあ…
俺と十代はそういう関係じゃ無いから。
「一応イベントの手伝いに行くから今日の決勝の放送に映るかもな」
「へぇ、じゃあテレビでちゃんと見ておかないとな、舞と静香と三人で見とくぜ!」
「録画ヨロシクやで~」
「あいよ~」
城之内君に録画を託し海馬コーポレーション本社に向かう、はぁ今日のことを思うと憂鬱である。
【PM6:40】
午後七時、ゴールデンタイム、子供も仕事明けのサラリーマンも見れる早めの時間、決勝戦の放送がスタートする。
その会場の控室で出番を待ち続けている青年が一人…。
その名は響紅葉――――。
記念すべき復帰戦の決勝の相手はレベッカ・ホプキンス、自分と同じく世界を制した事がある強敵である。
彼女は規制の激しいバーンカードを使いこなしガチガチのバーンデッキを使っている。
はっきり言って勝てるとは限らない、集中していこう…!
pipipi…
その時彼のPDAに連絡が入る、名前の欄にはエド・フェニックスと書かれている。
pi!
「もしもし?エドかい?」
『Meよ♪久しぶりね!コーヨー!』
「マックじゃないか…!何でエドの携帯から?」
『アナタが緊張してると思って♪友人として激励しようと思ってネ!』
「ハハハ、有難いよ…」
『邪魔しないでくれマック、今真面目な話をするんだ』
…今の声はエドかな?なるほど、やはり用があるのはエドだったか。
『まずは決勝進出おめでとう、決勝も応援している』
「ハハハ、有難う…相手に不満がある訳じゃないが僕としてはDDと戦いたかったよ」
『仕方ないさ、彼は別の大会への切符を手にしていたんだ、運が悪かったという事さ』
「俺としては大きな意思を感じるがね、それで?一体何の用だい?」
『ああ、やはりアナタのHEROの存在は世界中のどこにも確認できなかった、父さんが作ったという記録も無い』
「ということは例の?」
『いや、例の奴とは違うだろう。例のカードは一枚のみの筈だしはっきり言って君のカードは丸っきり系統が違う』
「そうか、ペガサス会長もこのカードのことは知らないと言っていたよ。使っていいとは言われたけどね」
一般に流通しているHEROとは違う存在しないカード、それが僕のカード。
世界大会で優勝した時にペガサス会長から託されたこのカード達と今まで共に歩んできた。
『だが分かるんだ、これは間違いなく父さんが作ったものだ…マックのVENUSと同じく』
「プラネットシリーズか…」
プラネットシリーズ、惑星の名を持つカード…それぞれが途轍もなく強力な効果を持っている。
エド曰く父が作ったカードある可能性が高いらしい。
自分の切り札もプラネットシリーズの一つだ。
『引き続き調査に励むよ、残りのプラネットの事を含めてね』
「ああ、俺も分かった事があったら連絡する」
『それじゃあヒビキ、今日の試合応援している、必ず優勝してくれよ?』
「当り前さ、何たって優勝賞品は…」
「紅葉!そろそろ時間だって!早く準備して!」
姉がいきなり入って来てまくしたてる。
「すまない、時間だ切るぞ?」
『ああ、頑張れ』
『頑張ってネ!』
「ああ、任せろ…!」
そう言って電話を切る。アメリカで出会った友と今も友情が続いている事を嬉しく思う。
「ほら、早くしなさい」
「分かってるよ」
「TVで世界中に中継されるのよ?そんな恰好でいいの?」
「え?カッコいいだろ?」
「全然」
「えぇ…?(困惑)」
カッコいいと思うけどなぁ…?
「それと、十代も来てるわよ?」
「ホントかい?どの辺?」
「最前列ですって、あなたのすぐ近くよ」
「そりゃあいい、そういや受験はどうだったんだい?」
「合格よ、オシリスレッドだけれど…」
「ええ?十代が?そんなにアカデミアはレベルが高いのかい?」
「オツムが弱かったのよ、あなたと同じでね…」
「ひどい…」
――――――
ここは決勝会場、観客は満員で外のモニターで大量に観戦している程だ。
「さぁ始まるぞぉ!第●●回KCカップ決勝戦!今回はナントォ!?特別ゲストに来てもらったゾォ!その名はペガサス・J・クロフォード!デュエルモンスターズの生みの親がコ↓コ↑海馬ランドに降臨したア~~~~ッ!!」
リーゼント姿のMCの言葉を合図にペガサスが入場してくる。
「ハロ~エブリワーン!日本の皆さん今晩は!グッモーニン!アメリカの皆さーん!」
テレビカメラ一つ一つに顔を向け、それぞれに適したコメントを喋る姿は流石の経営者であるといえる。
「ブラジルの皆サ~ン!聞こえマスカ~!」
と思ったら地面に向かって叫んでいる…流石アメリカ人、ユーモアもお手の物である。
「今回来てもらった訳をお話ししてもらってもよろしいですか!?」
「イエ~ス!今回の開催地は久方ぶりの日本!伝説のデュエリスト発祥の地!是非とも行かねばならぬと思った訳デ~ス!コ○ケがあったからではアリマセーン!あとぶっちゃけ海馬コーポレーションとの商談のついでデース!」
「ナルホドーッ!」
デュエルモンスターズの生みの親の登場で会場は一気にヒートアップしていく。
「サァー暖まってきた所で選手入場ダァーッ!」
MCの言葉を合図に二人の選手が入場する。
「紅葉さーん!」
(おっ?十代、いるなっ?)
観客の中に十代を発見する紅葉、主人公の存在感パナい。
観客には十代以外の生徒の姿も見える。
「響プロ…俺の憧れ…!!」
「元世界チャンプの試合を生で見れるとは、参考にさせてもらう」
「亮、席取っといてって言ったでしょ?」
「あの人のデュエルが始まったらどうせ座ってなんていられないさ」
その中には万城目や三沢に明日香やカイザーの姿もあった。
「コーヨー・ヒビキね?今日はヨロシク、元世界チャンプ?」
「君も元世界ジュニアチャンプだろう?レベッカ・ホプキンス」
「そうだったわね、けど、元なのはジュニアの所だけよ!」
「ああ!俺も元チャンプだの元キングだの言われ続けるつもりはない!」
「「デュエル!」」
紅葉とレベッカの決勝戦が今始まる!
~~~~~~
「守備表示でエアーマンを召還!エアーマンの効果!このカード以外のHEROの数まで魔法・罠を破壊できる!B地区を破壊!」
「クッ!?」
「そして融合発動!フィールドのフォレストマンと手札のオーシャンを融合!現れろ!E・HERO ジ・アース!」
E・HERO ジ・アース
融合・効果モンスター(漫画版)
星8/地属性/戦士族/攻2500/守2000
「E・HERO オーシャン」+「E・HERO フォレストマン」
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカード以外の自分フィールドの表側表示の「E・HERO」モンスター1体をリリースして発動できる。
このカードの攻撃力・守備力はターン終了時まで、リリースしたモンスターの攻撃力・守備力分アップする。
「アブソルートZeroとエアーマンを生贄に捧げそのステータスをジ・アースに加える!地球灼熱!」
E・HERO ジ・アース
ATK2500→6800
DEF2000→4300
「アブソルートZeroの効果!フィールドから離れた時相手の全てのモンスターを破壊する!」
「そ…そんなっ!?」
「ジ・アースで攻撃!地球灼熱斬!」
「きゃあああああっ!?」
レベッカ L 0
「決まったァ~ッ!第●●回KCカップ優勝は『リターン・オブ・ヒーロー』響紅葉だぁ~!」
MCの言葉も霞む程の大歓声、相手はガチガチのロックバーン、それもキュアバーンというライフを回復させるという前提を覆したデッキ、対応は不可能と思われたがさすがはヒーロー、相手のフィールドを全て吹き飛ばし勝利をもぎ取った。
「I got you! 楽しいデュエルだった!」
魔貫光殺砲のごとく指を相手に向け勝利を宣言する紅葉、昔はみんなが真似をした紅葉の代名詞である。
「負けたわ、流石ね」
「君もね、ギフトカードを発動された時は流石に冷や汗をかいたよ」
お互いに健闘を称えあい握手を交わす。戦略は違えどお互いが勝利を目指し全力を出し合った事で互いに友情のような物が芽生える、今ここに新たな伝説が生まれた。
「レベッカさん、負けてしまいました…」
「前よりさらに強くなってたってーのに相手はさらに強かったぜ…」
「どうやらあの響紅葉は十代の師匠みたいなもんらしいわよ」
「マジか!通りで強い訳だ!」
城之内達三人でTV中継を観戦している。レベッカを個人的には応援していただけに残念ではあったが負けてしまっては仕方が無い、相手の方が上であったことはデュエリストとして理解している。
『コングラッチレーショ~ン!素晴らしいデュエルデシタ!』
『有難うございます』
『優勝者のミスターコウヨウには沢山の景品が贈られるゾ!』
『優勝賞品の限定カードデース!』
『オォ~ッ!これは羨ましいゾォ~!』
I2社からは優勝者にのみ限定カードが贈られる、懐かしいなぁ…このデッキと出会ったのもそうだった…。
『海馬コーポレーションからはカード型のペンダントが贈呈されるゾ~!』
『オメデト~!』
『あ、アリガトウ…』
外人のナイスバディな女性がペンダントを首にかけそのまま抱き付き頬に口づけをする。
「な、なんて羨ましいんだ…!俺も出ていれば…!」
「ぶっ飛ばされたいのアンタ…ってあれ見なさいよっ!?」
「ん?とんでもねぇ乳してんな、アレはまさしく世界チャンピオンクラスだ…」
「そっちじゃねぇよっっっ!!」
「なら尻か?あれもまさしく世界レベル…」
「ウサギの尻尾がかわいいです~」
「だからそうじゃなくて!顔、顔!?」
「顔?ウサ耳が似合っててむっさびじn…ブゥ――――ッ!!?」
顔を見て思わず吹き出す、あそこで世界チャンプに抱き付いている外人のバニーガールは正真正銘我らが主人公シャーリーである。
「何やってんだあいつ…」
「わざわざ呼び出されて行った仕事ってこれだった訳?」
「バニーさん似合ってます~」
思わぬ発見に城之内一同困惑するばかりである…。
「シャーリーあんな所にいたのか…」
そりゃあ一緒に見に行けない訳だ、知り合いが同じ場所で立っているのを見ると不思議な気持ちになるな。
紅葉さんは強いのも知ってたけど世界王者と言われてもピンと来なかったが…やっぱり強い…!
これなら…!もしかしたら、伝説を破る事が出来るかも…!
「このペンダントは中が開いて写真やカードを入れる事が出来るゾ~!超合金でできているからデザートイーグルの弾が直撃しても防ぐことができる!生存フラグを立てる時に活用してくれッ!」
(なんでそんな所こだわっているんだ…)
中を開くと一枚のカードが入っている。
響紅葉
融合モンスター
星8/地属性/戦士族/攻2500/守2000
第●●回KCカップ優勝
優勝者に贈られる自身が乗っているカード、大会優勝者しか持ってはいない。
いつもは枠がバニラカラーであるが融合使いの紅葉の為に紫色になっている。
「中身は自身がプリントされたカードだ~ッ!当然デュエルには使えないから額にでも入れて飾ってくれ~ッ!」
次々と景品が配られる、だが景品のカードもトロフィーやペンダントやら美女の口づけも今の自分の心には響かない、本当に僕が望んでいるのは…。
「そしてぇ!KCカップの王者に与えられる最大の特典、それはナント!あの伝説のデュエリストでこの大会の主催者!海馬コーポレーション現社長海馬瀬戸とのデュエルの権利ダァ―――ッ!!」
MCの言葉に観客からは優勝が決まった時以上の歓声が響く。
そうだ、この為にDDが出ている大会ではなくKCカップを自らの復帰戦にしたのだ…。
決闘王の永遠のライバルであり幾度となく世界大会で優勝を飾って来た海馬瀬人との対決、デュエリストとしてこれほどの栄誉はない。
デュエルモンスターズ、いやこの世界に存在する全てのゲームにおいて世界チャンピオンとは海馬瀬人を除いた世界第二位の称号なのである。
突如、会場が暗くなりスモークが焚かれる。
地面が割れ下から何者かがエレベーターで上がってくる。
(来たかッ!?)
決闘王のライバル、世界に現在三枚しかないデュエルモンスターズ創成期に生まれた最強のカードの青眼の白龍を全て持っている男、ソリッドビジョンを開発したことでデュエルモンスターズの地位を単なる一カードゲームというレベルから人類最大のエンターティメントにまで昇華させた男、神のカードを持っていた事もあり世界を救った英雄の一人である。彼がいなければデュエルモンスターズが日の目を浴びないばかりか、今も世界の何処かで紛争が起きていたほどだ。
(勝って見せる…!俺のこのヒーロー達の力で…!)
スモークが晴れて現れた人物を一斉にライトアップする。
そこに現れたのは……
「社長だと思った?残念!バニーちゃんでした!」
さっきのバニーさんだった…。
「ブぅ―――――ッ!?な、何ィ!?」
「なんであの子が!?」
「え?え?海馬さんがシャーリーちゃん?」
「あの少女は昨日の!?」
「どういう事だ!?」
「海馬瀬人が女になったのか…?」
「そんな訳ないでしょ!?」
「シャーリー…なんでそこに…?」
まさかの身内再登場に知り合いは困惑するばかりである。
「なん…だと…?」
『おおっとッ!?コ…コレは…どういう事だ~ッ?!』
MCも困惑している、どうやら主催者側にとっても予想外の事のようだ…。
会場がざわめきに包まれる、そんな時…。
「ソレについては私が説明シマ~ス!」
口を開いたのは海馬コーポレーションの人間ではなくI2社のペガサス会長であった。
「実は私がここに来た本当の訳をお話しシマース、ミスターコウヨウ…現在モンスターの種類は大きく分けて四つに分かれてイマス…何だか分かりマスカ?」
モンスターを分ける物、属性や種族等があるが今言いたいのはもっと単純なことだ…。
「効果を持たない通常モンスター、それぞれが特殊な効果を持った効果モンスター、儀式魔法によって呼び出す事が出来る儀式モンスター、そして『融合』を使って決められたモンスターを合わせて新たなモンスターを呼び出す融合モンスターですか?」
「good! その通りデース!通常モンスターは黄色、効果モンスターはオレンジ、儀式モンスターは青、融合モンスターは紫…中でも儀式召喚で出せる儀式モンスターと融合召喚で出せる融合モンスターは特別と言っていいでしょう」
ここに来て召喚方法のレクチャーを始めるペガサス会長、しかし何故今そんな話を?そういう事は大会などの前にやること事であって今話すような事ではない。
「何故今そんな話を?って顔をしてますね…ならば教えましょう、今現在ある特殊な召喚法は儀式召還と融合召喚だけですが…私が新しい召喚方法を開発したと言ったら?」
「「「「「『あ、新しい召喚方だってぇ~~~ッ!!?』」」」」」
MCを含め会場全体が驚愕の声を上げる、おそらくこれを中継で見ている視聴者達も同じ気持ちであろう。
この大会は全世界生中継、世界中の人間が注目している…新しい召喚方とやらを宣伝するならこれ程の機会は無いだろう…。
「現在我々は新たに三種類のカードを開発しました、バニーさーん!」
「ハーイ♡」
バニーガールの少女が三枚のカードをカメラに向ける。
持っているのは白いカード、黒いカード、そして下半分が緑色のカードの三枚である。
「白いカードがシンクロモンスター、黒いカードがエクシーズモンスター、下が魔法の様に緑なのがペンデュラムモンスターデース!」
「な、なんとまさかの三種類のカードが実装ダーッ!?」
融合召喚や儀式召喚が実装された時はかなり混乱していたがまさかの三種類同時発表である。
「イエース!今はまだ開発段階ですが少なくとも数年以内には実装の予定デース!このカード達の実装によってデュエルモンスターズは大きく様変わりするでしょう!できればそれはデュエルモンスターズの進化であることを祈ってイマース。それでですが皆さん!この三種類のカードがどんなカードなのか知りたいですか!?」
「「「「「オオオオオオッ!!」」」」」
観客の叫びがコダマとなって響き渡る。
「説明するのは簡単です、ですがどうせなら実際にデュエルで使っている所を見たくはないですか!?」
「「「「「オオオオオオオオオッ!!」」」」」
なんと今から実演するのかっ!?世界中の者が期待を寄せる。
「オ~ウ…しかしこのカード達はまだ開発段階、すなわちこれを使いこなせるデュエリストがイマセ~ン…」
わざとらしく頭を押さえ悔しがるペガサス。
「私、使えるピョン!!」
「オウ!本当デスカ?バニーさん!」
バニーさんが使えると知って顔を上げるペガサス、こいつ最初から知ってただろ…。
「このカードはバニーさんが使うとして相手は誰にシマショー?」
「そうだ!ペガサス会長が務めればいいピョン!」
「嫌です(真顔)」
「素に戻んなや」
(本気で嫌なのか…)
「オーウ!そういえばここに世界で最強の融合使いのデュエリストが居ましたネー?」
ペガサスがこちらの方を見やる。
成程…そういう事か…今日の大会は新しいカードのプレゼンテーションの為の前哨戦に過ぎなかった訳だ。
おそらく世界で一番注目を集めているであろうことは明白、この放送はおそらくオリンピックやワールドカップ以上の人が見ているであろう。
元ジュニア王者も僕の復活劇もこの為の引き立て役、客寄せパンダでしかなかったのである。
そして新しい召喚方法を使ったデッキで現在ある特殊な召喚方の一つである『融合』を使う自分と戦わせる事で、その差を知らしめようとしているのだ。
(だがそう思い通りにはさせない…!)
たとえ相手が未知のカードであろうと負けるつもりはない。
勝負を逃げるつもりも無い。
「僕が相手を務めるという事で良いんですか?」
「オウ!ミスター・コウヨウ、やってくれますか?」
「もちろんですよ、新時代の幕開けをこの身で感じることが出来るんですから」
「アリガトウゴザイマース!…ならば伝えておく事がアリマス…」
ペガサスが顔を近づけ耳元で囁く。
「彼女はあの新カード達を使い海馬瀬人に勝っています…」
「!?」
「フフ、海馬ボーイと戦えなくて残念だと顔に書いてますヨ?こちらとしても本気でかかって来なければ意味がありませんからね…それともう一つ、彼女はユーの持つカードが何であるか知っています。彼女に勝てば真実を教えてくれるかもしれません…」
自分のこのカード達の事を?エドやぺガサス会長が知らない事を彼女が?
その上あの少女が海馬瀬人を倒したというのか…そんな彼女に勝たなきゃ真実がわからないなら…
「俄然燃えてきましたよ…!」
「フフフ…そうこなくては。正直私では制限無しカオスデッキを使っても勝てない相手なので助かります」
「なにそれ怖い」
自分は大丈夫だろうか?不安になってきた…。
再び決闘場に足を踏み入れる。
相手は過去の伝説ではなく未来の戦士、新しいカードが相手でも負けるわけにはいかない、自分は
「ハロ~世界チャンプ、さっきぶり」
「まさかさっきのバニーさんが真の相手だったとはね…騙されたよ」
「まさか自分でもこんな恰好して晒し挙げられるとは思わなかったぜ」
「その割にはノリノリに見えたけどね、年甲斐もなく照れてしまったよ」
その場のノリって怖いね、テンション上がってとんでもない事するんだもん。
「今度は新しい召喚方で驚かしてやるよ」
「楽しみにしてる、全部出す前に負けないようにしなくちゃね…」
「それは自分に言ってるのか?それとも俺に対してか?」
「さあ?どっちだろ?」
流石チャンピオン、心理フェイズもお手の物である。
「さぁー始まるゾォ――――ッ!!予想外のエキシビジョンマッチ、Newキングとなった融合使い響紅葉の相手は新しい三つの召喚方を操る謎のバニーさんダァ――ッ!」
「響紅葉です…」
「ドーモ、コウヨウ=サン、シャーリーデス」
「楽しいデュエルにしよう!」
「ああ!」
「「デュエル!!」」
シャーリー L4000
VS
紅葉 L4000
「先行はどうする?」
「レディーファーストで、みんな新しい召喚方とやらを早く見たいだろうしね」
「そういう事なら期待に応えちゃおうかな!私のターン!ドロー!」
シャーリー
手札5→6
「私は魔法カード『調律』を発動!チューナーモンスターを手札に加えそのレベルの数だけデッキから墓地に贈る、ジャンク・シンクロンを手札に加え三枚墓地に送る」
『チューナーモンスター?またもや未知の単語が出てきたゾ~!』
「シャンク・シンクロンを召喚!ジャンク・シンクロンの効果!墓地からレベル2以下のモンスターを効果を無効にして特殊召喚できる!墓地より森の聖獣 カラントーサを特殊召喚!さらに手札のTG ワーウルフの効果!モンスターの特殊召喚に成功したときこのカードを特殊召喚することが出来る!」
ジャンク・シンクロン
チューナー・効果モンスター
星3/闇属性/戦士族/攻1300/守 500
このカードが召喚に成功した時、
自分の墓地のレベル2以下のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
TG ワーウルフ
効果モンスター
星3/闇属性/獣戦士族/攻1200/守 0
レベル4以下のモンスターが特殊召喚に成功した時、
このカードを手札から特殊召喚する事ができる。
フィールド上に存在するこのカードが破壊され墓地へ送られたターンのエンドフェイズ時、
自分のデッキから「TG ワーウルフ」以外の
「TG」と名のついたモンスター1体を手札に加える事ができる。
ジャンク・シンクロン 星3
森の聖獣 カラントーサ 星2
TG ワーウルフ 星3
『な、なんと!いきなり三体のモンスターを呼び出したァ―――ッ!?速い、速すぎるゾ――――ッ!』
「す、すげぇ一瞬でモンスターを三体も…」
「決闘王なら次のターンに神のカードが出ているぞ…」
「だがあんな雑魚モンスターを並べたって勝てないぜ?」
観客が思い思いの言葉を口にする、現世じゃあこの場を見た瞬間察する訳だがあいにくまだこの意味が分からないようだ。
「中々やるね、墓地に落とす効果をそのまま利用するなんて。それで?そこからどうやってさっきのカード達を出すんだい?」
「もう準備は整ったぜ?」
「何だって!?」
へへ、それじゃあいっちょかましてやりますか!
某エンタメデュエリストのようにエンターティメントを意識してやってやんよ!
お楽しみはこれからだ!
「レディースエーンドジェントルメ~ン!今から見せますのは新たな召喚方の一つ、その名もシンクロ召喚!」
「「「「「シンクロ召喚?」」」」」
「イエ~ス!さっき見せた通りジャンク・シンクロンはチューナーと呼ばれる特殊なモンスター!チューナーとそれ以外のモンスターを合わせて墓地に送り、合わせたモンスターのレベルの合計と同じレベルのシンクロモンスターをエクストラデッキ、いわゆる融合モンスターゾーンと呼ばれる場所から呼び出せるのです!」
「な、なんだとっ!?」
「どういうことだってばよ…」
「まるで意味がわからんぞ!」
言葉じゃ伝わらない事ってあるよね…
「つまり、チューナーモンスターは『融合』と似たような役割を持つモンスターって事で良いのかい?」
「大体合ってる!」
「そして具体的なモンスターの指定がない代わりに場のモンスターのレベルがシンクロモンスターのレベルと合わないと出せない訳だ」
「流石世界チャンプ!理解が早い!習うより慣れろ、実際見た方が早い!チューナーモンスターのジャンク・シンクロンのレベルは3!この場合カラントーサと合わせてレベル5!TG ワーウルフと合わせてレベル6!もしくは両方と合わせてレベル8のシンクロモンスターをシンクロ召喚出来るんだ!」
「「「な、なんだってー!」」」
「私はレベル2の森の聖獣 カラントーサとレベル3のTG ワーウルフをレベル3チューナーのジャンク・シンクロンでチューニング!集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、スターダスト・ドラゴン!」
3+3+2=8
スターダスト・ドラゴン 星8 ATK2500
現れたのは白銀に輝く白い龍、星々が集まり生まれたその輝きはシンクロ召喚を初めて見た観客の目を釘づけにする。
『な、なんと――ッ!三体の低級モンスターが最上級モンスターに姿を変えた―――ッ!これがシンクロ召喚!凄い!凄すぎるゾ――――ッ!』
(す、凄い…これがシンクロモンスター…)
確かに綺麗だ、そして強力なステータスを持っている。だが二体以上を場に揃える必要があるのだ、そうそう簡単には出せない。真に驚くべきは易々とシンクロ召喚を成功させた彼女のタクティクスである。
「私はカードを一枚伏せターンエンド!」
シャーリー
手札3枚
スターダスト・ドラゴン ATK2500
伏せカード1枚
「俺のターン、E・HERO バブルマンを召喚し二枚ドローする、沼地の魔神王を墓地に送り融合をサーチ、さらに『融合』を発動!手札のE・HERO オーシャンとE・HERO ザ・ヒートを融合!現れろ!E・HERO アブソルートZero!」
沼地の魔神王
効果モンスター
星3/水属性/水族/攻 500/守1100
このカードは、融合モンスターカードにカード名が記された融合素材モンスター1体の代わりにできる。
その際、他の融合素材モンスターは正規のものでなければならない。
自分メインフェイズにこのカードを手札から墓地へ捨てて発動できる。
デッキから「融合」1枚を手札に加える。
E・HERO アブソルートZero
融合・効果モンスター
星8/水属性/戦士族/攻2500/守2000
「HERO」と名のついたモンスター+水属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードの攻撃力は、フィールド上に表側表示で存在する
「E・HERO アブソルートZero」以外の
水属性モンスターの数×500ポイントアップする。
このカードがフィールド上から離れた時、
相手フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。
『で、出た――ッ!?響紅葉の最強のHEROだ―――ッ!』
「さらにミラクル・フュージョンを発動!墓地のE・HERO オーシャンと沼地の魔神王をE・HERO フォレストマンの変わりとして除外し融合召喚を行う!現れろ!E・HERO ジ・アース!」
E・HERO ジ・アース
融合・効果モンスター(漫画版)
星8/地属性/戦士族/攻2500/守2000
「E・HERO オーシャン」+「E・HERO フォレストマン」
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカード以外の自分フィールドの表側表示の「E・HERO」モンスター1体をリリースして発動できる。
このカードの攻撃力・守備力はターン終了時まで、リリースしたモンスターの攻撃力・守備力分アップする。
『なななんとプラネットモンスター、ジ・アースまで召喚したァ!?』
「さらに平行世界融合を発動!ゲームから除外されているモンスターをデッキに戻し融合召喚を行う!再び現れろ!E・HERO アブソルートZero!」
平行世界融合
通常魔法(漫画版)
除外されている、融合モンスターカードによって決められた
自分の融合素材モンスターをデッキに戻し、
その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。
こ~よ~のば!
E・HERO アブソルートZero ATK2500→3000
E・HERO アブソルートZero ATK2500→3000
E・HERO ジ・アース ATK2500
E・HERO バブルマン DEF1200
紅葉
手札6→5→7→4→3→2
「えっ?何これ?(ドン引き)」
さすが世界王者だぁ(白目)
「ジ・アースの効果!アブソルートZeroを生贄に捧げそのステータスをプラスする!地球灼熱!」
E・HERO ジ・アース ATK2500→5500
「さらにアブソルートZeroの効果!フィールドを離れた事により相手のモンスターを全て破壊する!」
「やらせねーよ!?スターダスト・ドラゴンの効果!このカードをリリースして破壊効果の発動をを無効にして破壊する!ヴィクテム・サンクチュアリ!」
スタ-ダストが星屑を巻きながら消え、星屑が氷の結晶と混ざり合い幻想的に演出する。
「くっ、だが結果は同じだ!ジ・アースで攻撃!」
「結果は同じ?その通りだよ!罠カード発動!和睦の使者!このターンの戦闘ダメージはZeroだ!」
「くっ…!カードを二枚伏せてターンエンド…」
「この瞬間スターダスト・ドラゴンの効果!自身の効果で墓地に行ったターンのエンドフェイズにフィールドに舞い戻る!」
「なっ!?」
『なんと!スターダスト・ドラゴンが戻って来たァ!紅葉はE・HERO アブソルートZeroを無駄に減らしただけだったァ!』
危なかった…本当に…危うくシンクロ召喚しただけで負ける所だった。
慢心王になってはいけない…相手はこの時代の最強のデュエリストの内の一人なんだ…!
紅葉
手札0
E・HERO アブソルートZero ATK3000
E・HERO ジ・アース ATK2500
E・HERO バブルマン DEF1200
伏せカード二枚
シャーリー
手札三枚
スターダスト・ドラゴン
「私のターン、ドロー!壺の中の魔導書を発動!互いのプレイヤーは三枚ドローする!」
壺の中の魔術書(漫画GXオリジナル)
互いのプレイヤーはカードを3枚ドローする。
シャーリー
手札4→6
紅葉
手札0→3
『手札増強カードダ~ッ!これで手札は再び六枚に!次は一体何を見せてくれるのか~!?』
「カードは揃った、いくぜ!今から見せるのは一つ飛ばして第三の召喚方!ペンデュラム召喚だ!『ペンデュラム・コール』を発動!このカードは手札を一枚捨て『魔術師』の名を持つ異なる二枚のペンデュラムモンスターを手札に加えます!私は『星読みの魔術師』と『時読みの魔術師』を手札に加えます!」
ペンデュラム・コール
通常魔法
「ペンデュラム・コール」は1ターンに1枚しか発動できず、
「魔術師」PモンスターのP効果を発動したターンには発動できない。
手札を1枚捨てて発動できる。
カード名が異なる「魔術師」Pモンスター2体をデッキから手札に加える。
この効果の発動後、次の相手ターン終了時まで
自分のPゾーンの「魔術師」カードは効果では破壊されない。
『今度はペンデュラムモンスターだ~ッ!一体何が起きるんだ~!?』
「私はスケール1の星読みの魔術師とスケール8の時読みの魔術師をペンデュラムゾーンにセッティング!」
『な、何だ~~~ッ!?モンスターをデュエルディスクの端に置いたゾ~?モンスターは一ターンに一枚しか召喚出来ないゾ―――ッ!?』
星読みの魔術師(アニメ効果)
ペンデュラム・効果モンスター
星5/闇属性/魔法使い族/攻 1200/守 2400
【Pスケール:青1/赤1】
①:自分のPモンスターが戦闘を行うバトルステップに発動できる。
1ターンに1度、魔法カードの発動と効果を無効にする。
その後、その魔法カードは墓地へ送らず、そのまま魔法&罠ゾーンにセットし、このターン再び発動できない。
【モンスター効果】
①:1ターンに1度、自分のPモンスター1体がフィールドから離れた時に発動できる。
そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。
時読みの魔術師(アニメ効果)
ペンデュラム・効果モンスター
星3/闇属性/魔法使い族/攻 1200/守 600
【Pスケール:青8/赤8】
①:1ターンに1度、自分フィールドのPモンスター1体を対象とした罠カードの発動と効果を無効にできる。
その後、その罠カードは墓地へ送らず、そのまま魔法&罠ゾーンにセットする。
【モンスター効果】
①:1ターンに1度、Pゾーンのカードを対象とした魔法・罠カードの効果を無効にできる。
この効果は相手ターンでも発動できる。
「ペンデュラムモンスターは魔法カード扱いとしてペンデュラムゾーンに置くことが出来る!そして二枚のペンデュラムモンスターのスケールの間、この場合はスケール1と8の間の2~7のレベルを持つモンスターを手札から可能な限り同時に特殊召喚出来る!」
「「「「「な、なんだってー!」」」」」
『それってズルくないか~!?』
「ズルじゃない!行くぞ!揺れろ魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!ペンデュラム召喚!現れろ私のモンスター達!」
1◇ PENDULUM ◆8
「レベル4レスキューキャット、そしてレベル4レスキューラビットをペンデュラム召喚!」
『にゃ~!』
『きゅ~!』
レスキューキャット ATK 300
レスキューラビット ATK 300
「「「「「………」」」」」
『え~と…かわいいモンスターだな~…』
オイなんだその反応は、バブーンも裸足で逃げ出す最悪クラスの獣やぞ!
(レスキューキャット…マズいかもね…)
「レスキューキャットの効果!自身を墓地に送りデッキからレベル3以下の獣族モンスター二体を特殊召喚する!デッキからレベル3のチューナーモンスター、X-セイバー エアベルンとレベル3のデス・ウサギを特殊召喚する!」
レスキューキャット
効果モンスター
星4/地属性/獣族/攻 300/守 100
自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードを墓地に送る事で、
デッキからレベル3以下の獣族モンスター2体をフィールド上に特殊召喚する。
この方法で特殊召喚されたモンスターはエンドフェイズ時に破壊される。
X-セイバー エアベルン 星3
デス・ウサギ 星3
「今度はウルヴァリン!チューナーモンスターか!」
『そ、そうか~ッ!デッキから獣族のチューナーとモンスターを呼び出してシンクロ召喚する気だな―――ッ!?』
「レベル3のX-セイバー エアベルンとレベル3のデス・ウサギでチューニング!集いし願いが権力となり、権力に逆らう者をひっ捕らえろ!これが権力だ!シンクロ召喚!ゴヨウ・ガーディアン!」
3+3=6
『ゴヨ~ダ~!』
ゴヨウ・ガーディアン 星6 ATK2800
「レベル6で攻撃力2800!?」
「どういう事だオイ…」
ガイアナイト「絶対に許さない」
「誰だ今の」
『ナ、ナンダト―――ッ!?こ、こんなあっさり強力なモンスターが出てきて良いノカ――ッ!?』
やはり皆驚いているな、モンスター一体から攻撃力2800のモンスターが即座に出てくるのだから。
しかも出てきたのはイカれたステータスを持つレベル6と来たもんだ、この頃じゃあレベル8でも攻撃力2800は高い方だからな…
「これは流石に驚いたな…!」
「一応説明しておくがこのモンスターは警察が仕事の都合上、デュエルをしなければならない時に使われるカードなので一般には流通しないとだけ言っておく」
『成程ォ―――!もしかしたら凶悪犯がデュエルを挑んでくる可能性があるかもしれない!これも一種の抑止力か―――ッ!』
自分で言っててワケ分かんなかったが通じた…。こういう世界だから仕方ないね。
「成程、お巡りさんのお世話にならないようにしなきゃね、ネコさんは岡っ引きになったがウサギさんは何に変わるのかな?」
「ウサギさんは夜はオオカミさんになるピョン!」
「いや、モンスターの方ね?」
「アッハイ」
無駄な恥かいたぜ…まあいい、
「このウサギさんが最後の召喚方、エクシーズ召喚のキーカードだ!」
「ホゥ…来るか…!」
「いくぜ!レスキューラビットの効果、このカードを除外し、同名の通常モンスターをデッキから二体特殊召喚する!」
レスキューラビット
効果モンスター
星4/地属性/獣族/攻 300/守 100
「レスキューラビット」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
このカードはデッキから特殊召喚できない。
フィールドのこのカードを除外して発動できる。
デッキからレベル4以下の同名の通常モンスター2体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに破壊される。
「通常モンスターを二体!?」
「現れよ!E・HERO スパークマン!」
E・HERO スパークマン ATK 1600
E・HERO スパークマン ATK 1600
『おおっと!これはどういう事だぁ~?HEROが二体ということは融合召喚なのか~?』
「君がやるのはエクシーズ召喚じゃなかったのかい?」
「もちろんそうさ」
「だがスパークマンは融合しなければ何の変哲もない普通のモンスター、二体揃えて一体どうする…いや、同じモンスターが二体…?」
この人感がいいな、どこかの社長と大違いだ。
「そう、同じモンスターという事は能力は同じ、同じ攻撃力、同じ属性、同じ種族…」
「シンクロの例からするとエクシーズ召喚に必要なのは同じレベルのモンスターかい?」
「ご名答!エクシーズモンスターは同じレベルのモンスターを合わせそのレベルと同じ数値の『ランク』を持つカードをエクストラデッキから呼び出す!行くぞ!私は二体のレベル4モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!漆黒の闇より愚鈍なる力に抗う反逆の牙!今、降臨せよ!!エクシーズ召喚!!ランク4!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!!」
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン ATK2500
現れたのは黒き龍、その名と黒き姿はまるでエクシーズを象徴するかのようだ。
「黒いカード、それがエクシーズモンスターか…同じレベルのカードを出すだけで強いモンスターが出せるのか…」
「そう、これによって全てのモンスターが強力なモンスターに変わる可能性が生まれるんだ!しかもそれだけじゃない!エクシーズモンスターを呼び出す際に使った素材のモンスターをオーバーレイユニットとしてエクシーズモンスターの下に重ねる!」
「それは何に使うんだい?」
「こうするのさ!私はダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンのオーバーレイユニットを二つ取り除きその効果を発動する!相手フィールドのモンスター一体の攻撃力を半減させ、その数値ぶんこのモンスターの攻撃力を上げる!ジ・アースの攻撃力を吸収!トリーズン・ディスチャージ!」
E・HERO ジ・アース ATK2500→1250
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン ATK2500→3750
「!ジ・アースが…!?」
『な、なんという事だぁ~!?モンスターの攻撃力を吸収してしまうなんて、これじゃあどんなモンスターも倒せるゾ―――ッ!これがエクシーズモンスターの力なのかー!?』
「そう、エクシーズモンスターはすごく強力な効果を持っている、だからその効果はオーバーレイユニットの分しか使えない、本来なら一つの効果に使うのは一つで良いがこいつの効果は中でも強力なのでオーバーレイユニットを同時に二つも使う必要がある」
「成程、これがエクシーズの力か…」
まぁこのカードを基準にされても困るんだが…
絶対5000で殴るマン(何故俺を使わないんだ?)
(初公開エクシーズがお前であってたまるか!!)
カードから声が聞こえてきたが軽く受け流す、精霊が見えるとかじゃなくメタ発言なので気にしないでほしい。
「これが第二の召喚方!エクシーズ召喚だ!」
『す、凄すぎる~~!一ターンで三つの召喚方をやってのけるなんて凄すぎるゾ~!』
(相手は一ターンに融合三回行った畜生だけどな…)
「シンクロ、エクシーズ、ペンデュラムの三つの召喚方法を全て見せた所だし攻撃に移らせてもらう!スターダスト・ドラゴンでバブルマンを攻撃!シューティング・ソニック!」
「くっ!」
「バブルマンを倒した事でアブソルートZeroの攻撃力が下がる!ゴヨウ・ガーディアンで攻撃!ゴヨウラリアットォ!」
ゴヨウ・ガーディアン ATK2800
VS
E・HERO アブソルートZero ATK3000→2500
紅葉 L4000→3700
「くっ、だがアブソルートZeroが破壊された事で効果が発動する…」
「しないんだな、これが」
「スターダスト・ドラゴンか…」
「違うね!ゴヨウ・ガーディアンの効果!戦闘で破壊するモンスターを破壊を無効にしてコントロールを奪うことが出来る!」
ゴヨウ・ガーディアン
シンクロ・効果モンスター(アニメ効果)
星6/地属性/戦士族/ ATK/2800 /DEF/2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊する時、
破壊を無効にしてそのモンスターのコントロールを得る。
コントロールを得たモンスターは表側守備表示になる。
「レベル6で攻撃力2800でモンスターを奪う効果だと!?ふざけんじゃねぇ!」
「これが権力よ!ウェルカ~~ム!ヒ~ロ~ちゃ~ん!!」
ゴヨウ・ガーディアンに捕縛されアブソル―トZeroが縛られたまま引きずられ、そのまま足元に引きずりだす、
ダンッ!
足で踏みつけ愉悦の笑みを浮かべながらぐりぐりとこれでかという程にねじる。
HEROが苦しそうにもがいている所も高評価である。
『こ、これは…NTRダァ――――――――!信じて融合したHEROがバニーガールに寝取られるなんて――――!しかもどSな笑みでヒールでぐりぐりダ~!!!!』
「なんで実況盛り上がってるんですかね…(困惑)」
「くっ、これほどの屈辱は初めてだよ…」
よかった紅葉さんはまともだった、精神攻撃としてちゃんと効いてたね。
自分の仲間が奪われ辱めを受けているのだ。これは効くだろう。
「じゃあ弱体化したそっちのヒーローも倒しちゃいましょうかねぇ!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンの攻撃、その牙で星すら砕きつくせ!反逆のライトニング・ディスオベイ!」
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン ATK3750
VS
E・HERO ジ・アース ATK1250
ダーク・リベリオンの牙がジ・アースを捉え噛みつく、
(よし、いける!)
しかしその上に謎の機械が出現する。
「な、なんだ!?」
「罠カードを発動させてもらったよ、タイムマシーンをね」
時の機械-タイム・マシーン
罠カード(原作効果)
自分フィールドのモンスターが攻撃を受けた時1ターン過去からそのモンスターを呼び出し反撃する事が出来る。
一ターン前…?その時はたしか…
【ジ・アースの効果!アブソルートZeroを生贄に捧げそのステータスをプラスする!】
「!まさかッ!?」
「そのまさかさ!一ターン前のジ・アースの攻撃力は5500!」
タイムマシーンが開き中から赤く燃え盛るジ・アースが現れる、ダーク・リベリオン!後ろ、後ろ!
「ジ・アースで攻撃!地球灼熱斬!」
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン ATK3750
VS
E・HERO ジ・アース ATK5500
ジ・アースがダーク・リベリオンに攻撃する、果敢に反撃するもHEROの半分の力を奪っただけではHEROの力全てを受け取ったジ・アースには敵わない。
シャーリー L4000→2250
「くっそぉ…」
こんな事ならホープで殴ればよかった…
「HEROは絶対に負けない!時を超えてでも必ず勝つ!」
『す、凄いゾ―――ッ!流石チャンピオン!古いモンスターが新しいモンスターに敵わない道理は無い!エクシーズを融合で倒す様はまさにヒーロー!一度は復活は絶望的かと思われたが時を超えて再び戻って来たこの男を証明するかのようだ―――!』
タイムマシーンは過去から舞い戻ってきた自分とかかってるのね、別の時間から自分を助けに来るとかどこの太陽の子かと思ったわ…。
「悪いが今の代表としては未来のカードでもそう簡単には負けられないよ」
「ホント、強いなぁ…、本当に…紅葉さんは、だからこそあなたに勝ちたい…」
(んっふふ~流石デ~ス!新しいカードでただ圧倒するだけでは宣伝にはナリマセ~ン!)
強敵相手にドラマティックに勝ってこそ観客は喜ぶもの、だからこそ世界最強をぶち当てたのある。
(さぁ!シンクロやエクシーズ、ペンデュラムを駆使してミスターコウヨウを倒すのデス!!)
(流石は紅葉さんだ、世界チャンプ。融合だけなら間違いなく最強、もしかしたら社長とやっていたら勝っていたかもしれない、今はまだ十代よりも強いHERO使い、でもだからこそ…)
「私はモンスター回収を発動…」
モンスター回収
通常魔法(原作効果)
自分の場に出ている全てのカード及び手札を山札に戻しシャッフルの後あらためて手札を5枚引く
「ワッツッ!?一体何を!?」
『こ、これはどういう事だ~?せっかく揃えたシンクロモンスターやペンデュラムモンスターを全部リセットするのか~!』
「何だか分からないが僕のカードは戻してくれよ?」
「はいはい…、さて、紅葉さん、あんたは強い。間違いなく最強の融合、そしてHERO使いだ…」
「そりゃあどうも」
「でも、だからこそ…私はこのカードでアナタと戦いたい!私はまだこのターン通常召喚を行っていない!手札から、E・HERO バブルマンを召喚!」
E・HERO バブルマン DEF1200
「なっ!?」
「ファッ!?」
『こ、これは…!まさかのHERO対決ダッ―――!』
観客を含め皆騒然としている、中でも紅葉はシンクロやエクシーズ召喚を見た時より驚いている。
「バブルマンの効果、自分フィールドにこのカード以外存在しない為二枚ドローする!そして融合を発動!手札のブリキンギョとフィールドのバブルマンを融合!現れろ!融合召喚!E・HERO アブソルートZero!!」
E・HERO アブソルートZero ATK2500
「さあ…お楽しみはこれからだ!」
シャーリー「今日の最強カードはコレ!」
十代「時の機械-タイム・マシーン!一ターン前のモンスターを呼び出すぞ!一ターン限定効果と組み合わせると強いぜ!」
シャーリー「城之内VSキース戦は個人的に作者が一番好きな戦いだ!カードの応酬、自分が使ったカードの力が自分に返ってくる、これぞ名勝負って感じだ!」
十代「これ、対象モンスターが前のターン、フェルグランドの効果受けてたらどうなるんだ?効果受けない能力ついて出てくるのか?」
シャーリー「調整中です」