やはり俺がIS学園に入学するのはまちがっている。りていく!   作:AIthe

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昨日作者「一日あれば三話くらい余裕っしょwwwww」

今作者「ここまで厳しいとは‥‥‥‥」

1000〜2000文字くらい増えています。細かい部分しか変わっていないので気がつかないと思いますが、一応色々と変わっています。

現在は
ルミルミ1票
陽乃1票
由比ヶ浜&雪ノ下1票
モブキャラクロス1票

です。リメイク版を書き終えるまで受け付けますので、皆様どうかよろしくお願いします。

ご都合主義の塊回です。気をつけて下さい。


だから、比企谷八幡は怒り狂う。

「早起きは三文の徳」

 

三文は当時の値段で六十円。どう考えなくても寝た方がいい。

 

──────

 

イヤァァァ!!翌日が来ちまったよ。どうしよう!?IS学園行きたくないよおおおお!!!!

 

朝5時頃に我が愛しの妹に叩き起こされ、眠気を覚えながらも渋々荷物を持って玄関に出ると、昨日と同じリムジンが迎えに来ていた。一応両親には昨晩に朝早く出かけるという旨を伝えてあるので、まあ大丈夫だろう。

柔らかいソファに腰掛けてぼんやりとすること数十分。気がつけば、もうIS学園が見えてきた。

一言で表せば、デカい。無茶苦茶デカい。敷地はアホみたいに広く、建物もガラス張りで近未来的だ。今までは「あれが税金で建てられていると思うと‥‥はぁ‥‥‥」という陰鬱な気持ちに浸れたが、今は別の意味でそういう気分だ。取り敢えず目立たないようにしないとな。

 

車が止まり、降りるように催促される。曲がった腰をよっこらと動かし、少しひんやりとした風を頬に浴びる。太陽の無い空が、まるで俺のお先が真っ暗と告げられているような気がした。

IS学園の前にはガタイの良い数人の警備員と、黒スーツ姿の女性の姿があった。テレビはプリキュア以外見ない俺でも、どこかで見たことのある顔だと思った。

 

「はじめまして‥‥と言っておくか?ようこそIS学園へ」

「は、はじめまして。比企谷八幡です。よろしくお願いします」

 

黒スーツ姿の女性が手を差し出す。

初対面の印象は、とても凛とした、端麗な顔立ちの女性だと思った。

握手を求められた事にオドオドとしてしまい、少しだけ手を前に出すと、強く握られ、上下に大きく振られた。右手が痛い。

 

「私は織斑千冬だ。お前のクラスの担任でもある」

「お、織斑千冬!?」

 

織斑千冬。その名を知らぬ者はこの世界にいないだろう。

第一回IS世界大会、通称モンド・グロッソの総合優勝及び格闘部門優勝者。公式戦の記録は全戦無敗。その美貌と実力より、「ブリュンヒルデ」───世界最強の称号を勝ち取り、世界で慕われ続けている。

少し前に現役を引退したのは大きなニュースとして報道されていたので知っていたが、まさかIS学園の教師となっていたとは思いもしなかった。

あ、テレビってのはチバテレビな。ここテストに出るぞ。

 

「ど、どうも。出会えて光栄です」

「ふふっ、思ってもいないことを口にするんじゃない。全く、君は前任の担任に聞いた通り、根性の曲がった人間なのだな」

 

織斑千冬の ゆびさきから いてつくはどうがほとばしる!!

世辞を神回避された上にステータスリセット食らった。やだこの魔王みかわしアップ覚えてる‥‥‥

それと平塚先生何しでかしてくれてんだ。なんだこの人笑ってるし‥‥もうダメ‥‥ぽ‥‥‥‥‥

 

「まあ、ここで根性の曲がった事をしていたら私がお前を叩き潰す。わかったな?」

「ハ、ハイ‥‥‥」

 

あっ、世界最強に目をつけられた‥‥‥死んだな(確信)。

 

出席簿らしきものをゆらゆらと揺らす。ただの出席簿のはずなのに、あれに叩かれたら物理的に取り返しのつかない事になる気がする。

 

「よろしい。私の事は織斑先生と呼べ」

「わかりました、織斑先生」

「よろしい。では、お前の寮室に向かなながら色々尋問するとしよう」

「えっ、あの、ハイ‥‥‥‥」

 

ここ学校だよね?海軍とかじゃないよね?この時点でこの先生きのこれない希ガス。いや、俺が提督という可能性が微レ存‥‥‥!?

俺、現実見ようか‥‥‥‥‥‥

 

「では、そうだな───」

 

織斑先生は両手身振りをしながら、俺への尋問を始めたのであった。

 

───2───

 

「ええっ!ヒッキーがIS学園に転校!?なんでですか!?」

「お、落ち着け由比ヶ浜。会えなくなった訳じゃないんだ」

「そうよ、少し落ち着きなさい由比ヶ浜さん」

 

比企谷八幡のIS学園への転校。世間ではまだ発表されていなかったが、すでに職員室では大騒ぎとなっていた。

彼のことをよく知る人物はおらず、前担任さえもよく知らないとなれば、自ずと仕事は私に回ってくるという訳だ。全く手のかかる奴だ。

扱いとしては、彼は親の用事で転校という事になっている。担任である私は、彼所属していた奉仕部の部員には本当の事を伝えるべきだと思い、部屋の扉を叩く事にした。

 

それを伝えたのはいいのだが、予想以上に由比ヶ浜が動揺している事に私の方が驚いてしまった。あいつは自分の事ぼっちって言ってたよな?リア充爆発しろとか言ってたよな?おかしい、こんなの絶対おかしい。

 

「どういう事ですか?」

「あーっと、かくかくしかじかと言う訳でだな」

 

詳しい事情を説明すると、雪ノ下は苦虫を噛み潰したかのような表情を見せ、顔を下を向かせる。この反応おかしいぞ。おっと、目から汗が‥‥‥

 

「それは‥‥仕方がありませんね」

「で、でもそんなのおかしいよ!だって‥‥だって‥‥‥‥」

「‥‥‥二人とも、すまない」

「いえ、先生は何も悪くありません。本人も別にどう思ってる訳でもないでしょうし」

「ゆ、ゆきのん!?」

「そうでしょう。だって、比企谷くんはこの学校が好きだった訳でもない。違うかしら?」

 

髪を掻き上げ、いつも通りに雪ノ下。

彼女の言う通り、確かにあの男はこの学校が好きな訳ではなかっただろう。だが、彼はこの部活が、この場所が嫌いじゃなかった筈なのだ。だがそれは好きと断言できるほど進展したものでは無い。だが、手放してしまうのは惜しい。

それは、この目の前の少女も同じだ。

あの男も、雪ノ下も、どちらも自分に素直になれない。捻くれ者で、誰よりも純粋な、自分の道を求める人間だ。だからこそ、私は雪ノ下を正してやらねばならない。

 

「それは違うな、雪ノ下」

「‥‥‥どこがどう違うのですか?」

「比企谷自身の事ではない。お前はあの男を気に入っていただろう?」

「‥‥‥おっしゃってる意味がわかりません。何故私があの目の腐った男を気に入らなければならないのですか?」

 

ムッとした表情。やはり、こいつもまだまだ子供だ。

 

「お前は比企谷を拒まない。それが答えだ」

「平塚先生。確かに私は彼を入部させましたが、それはあなたの頼みだったからです」

「それは論点のすり替えだな。私が聞いているのは、お前が比企谷を拒むか拒まないかの話だ」

「‥‥‥‥‥」

 

雪ノ下雪乃という人間は嘘をつかない。だからこそ、彼女の行動は読みやすい。彼女の思いも、その信念も。

 

「まあいい。取り敢えず比企谷の電話番号を教えといてやろう。煮るやり焼くなり好きにしろ」

「‥‥‥‥‥」

 

メモ紙に電話番号を書き残し、私はそそくさと奉仕部を立ち去ろうとした。

 

「平塚先生」

「なんだ?」

 

私の背中に声がかかる。冷たく、落ち着いたいつも通りの彼女の声だ。

 

「‥‥‥ありがとうございます」

「‥‥‥ああ」

 

全く、どいつもこいつも素直じゃない。

 

彼女らの方を振り向かず、今度こそ私は奉仕部部室を後にした。

 

───3───

 

あの後織斑先生に様々な事を尋m‥‥聞かれ、弟をよろしくと頼まれてしまった。巷で話題の織なんとかさんは織斑だったのか。織斑家とISは深い関係(意味深)にあるという事です。これもうわかんねえな。

部屋は空きがあるらしく、届けといてくれるという事で荷物は織斑先生に預けてしまった。

 

なんてことがあって現在、俺はIS学園1年1組の扉の目の前に立っている。緊張やら疲労やらなんやらで気分が悪い。この扉を開けば、もう後戻りはできないのだ。

 

「ほら、入ってこい」

 

いや入って来いじゃねえよストレスで殺す気なの?確信犯だろ絶対。

 

扉の向こうにはハーレム(笑)な世界が広がっている。いや、織斑先生の弟がいるから厳密にはハーレムではないのか。

どっちにしろ、俺のような人間が女衆の中に突っ込んだらそれこそ発狂物だろう。俺も嫌過ぎて発狂する。

 

あ、どうでもいいけど俺は高二。ここ1年1組。後はわかるな?留年ですよ留年‥‥‥

 

「おい、早くしろ」

「はっ、はい」

 

扉を開く。ガチガチな身体を機械のように動かし、織斑先生の横に立つ。女子の視線あが痛い。特にクロワッサンみたいなの吊るしてるやつ。あいつこわい。

 

「こいつは新たな男性IS適性者だ。おい、自己紹介をしろ」

「ひ、ひき、比企谷はちみゃん‥‥です」

 

噛んだ死にたい。今ならハイウェイ・トゥ・ヘル使える気がする。詳しくは「ハイウェイ・トゥ・ヘル ジョジョ」でググって、どうぞ。

 

「こいつはISについて右も左も分からないトーシロだ。迷惑をかけると思うが、諸君。仲良くしてやってくれ」

 

やだこの先生かっこよすぎ惚れたわ。

 

「お前の席は窓側、一番後ろだ」

「わ、分かりました」

 

出席簿で席の方向を指す。

なにそのベストプレイス。この先生俺の事知り過ぎだろ。平塚先生何やってんだ。俺の事なんて心配してないで早く結婚しろ結婚しよう結婚して下さいお願いします。

席に着く途中、教卓前に座っていた、織斑弟と目が合ったが、すぐに目線を外し、ゆっくりと自分の席に腰掛けた。

 

───3───

 

やべえ、授業全然わからん。なんだよあの、ぱっしぶいなー‥‥‥いなー‥‥‥なんだっけ?

まあいいや、初めての授業終わったし寝よ。もう疲れちゃったよ小町‥‥‥‥

 

と言う訳で、総武高にいる時と同じ様に耳にイヤホンを着けて机に突っ伏していると、不覚にも邪魔が入ってきた。

 

「おい、おーい」

「‥‥‥‥‥‥」

 

元気ハツラツな男の声。恐らく織斑弟の声だろうが、無視だ無視。俺は疲れているんだ。俺は面倒が嫌いなんだ!

 

「寝てるのかな‥‥‥」

「一夏さんが挨拶しているのに返事をしないなんて‥‥‥無礼にもほどがありますわ」

 

うわぁ‥‥‥‥寝てる人に向かって無礼とか超理論過ぎるだろ。いや寝てないけどね?

 

「私のブルー・ティアーズで叩き起こしましょうか?」

「いやいやそれは死ぬだろ」

 

冷たい声が頭上に飛び交う。

俺の知らない間にこの二人が俺の運命決めようとしてるんだけど‥‥‥

 

「ん‥‥‥なんだ?」

 

白々しく今起きました風の演技をする。演技もできるとか俺すごい。

 

ってか、俺を褒める人なんていなかったわ(絶望)。こ、小町がいるから‥‥‥小町がいるもん!!

 

「俺このクラスで男子1人だったからヤバかったんだよ〜」

 

性的な意味でですねわかりません。

 

俺の幸せふて寝ライフを邪魔し、軽々しく話しかけてきた織斑弟(仮称)は、爽やかスマイルをこちらに向けてくる。ものすごく葉山臭がする奴だった。話したくねえ。

 

「俺は織斑一夏。よろしくな」

「わたくしはセシリア・オルコットですわ。以後お見知りおきを」

「あ、はい。よろしく」

 

特に用事がある訳じゃないようだ。適当に挨拶をし、再び机に突っ伏す。

 

「お、おい?」

「悪い、色々あって眠いんだ」

「そ、そうか‥‥‥‥」

 

よっしゃ、葉山と違って諦め早くてうれしいぜ!俺の目に狂いしかなかった!濁りもあった!

濁りは旨味。つまり俺の目玉は旨味だったのか(動揺)。

 

「まあ、初対面の人の挨拶も適当に返すなんて人としての品格が知れますわね」

「あー、はい。すいません」

「なんですのその口の利き方は!?」

 

品格なんてねえよ。ぼっちにそんなもんある訳ねえだろ。そもそも一般家庭に教養なんざ最低レベルしかねえよ。お嬢様(笑)とは違うんでね。

この時、俺は珍しくイライラしていた。家という安息の場所を奪われ、その上奉仕部の二人とも会えなくなってしまった。暫く小町と会えないというのは、俺の鋼の心にも響くものがある。

 

だから俺はこの時、こんな反応をしてしまったのだろう。

 

「ふん。こんな様子じゃ、ご家族も同じようなダメな人間なのでしょうね。格が知れていますわ」

 

今なんて言った?俺の家族がダメ人間?は?

 

俺の視界が真っ赤に染まり、フツフツと心の中の感情が噴き出す。

ギロリと軽蔑するように睨みつけ、

 

「あ?今俺の家族の事なんつった?」

 

この瞬間、俺を縛っていた何かか吹っ切れてしまった。

 

───4───

 

こ、この人怖すぎますわ!ど、どうしましょう‥‥‥‥

 

「おい、もう一回言ってみろ。なんつった?あ!?」

「ひいっ!そ、その‥‥‥」

 

最初は、この男も一夏さんのように素晴らしい人である事を期待しておりました。しかし、現実はそうではなく、酷く濁った眼をした、見るからにひ弱そうな少年でしたわ。わたくしは少し失望すると共に、人は見た目で判断してはいけないと思い、声をかけました。

そしたらなんと、この男。まともに挨拶する事もできませんでしたの。 わたくし少しだけ‥‥‥少しだけですわよ?少しだけイラっときてしまい、彼の事を小馬鹿にしてみましたの。でも、芳しい反応はありませんでしたわ。

私はこの時、「ああ、この男はわたくしが最初に思っていた“あの男”と同じ、誰かの陰にコソコソと隠れる事しかできない能無しなのですわ。」と思ってしまったのです。

そして、何を思ったのかわたくしは立ち去り際に文句を言ってやろうと思い、彼の家族の事を馬鹿にしてしまいましたの。

それで現在に至りますわ。正直怖いですわ。織斑先生の比じゃありません。死を予感させますわ‥‥‥

 

「聞いてんのか!?」

「き、聞いておりますわよ!」

「ちっ‥‥‥‥もう話しかけてくんな」

「い、今なんと?」

「俺に話しかけんな!二度と近寄らないでくれ!」

「お、おい比企谷。流石にそれは酷いんじゃ‥‥‥」

 

そう言い捨て、一夏さんの制止を無視し、彼は早歩きで教室から出て行こうとします。わたくしは彼に悪い事をしてしまった事にようやく気付き、顔を青くして小走りで追いかけようとします。ですが、それよりも早く、彼が手にかけた教室の扉が開きました。

 

「おい、比企谷。何をやっている?」

「‥‥‥‥‥‥」

 

扉を開けた人物は、一夏さんの姉。世界最強の名を欲しいがままにする、わたくし達の担任、織斑先生でしたわ。

 

「‥‥‥答えないつもりか?」

「‥‥‥調子が悪いので早退します」

「‥‥‥ふむ。大体の事情は読めたぞ。おい、オルコット」

「ひゃ、ひゃい!?」

 

突然の声掛けに声がひっくり返ってしまいましたわ。

 

「一週間後、こいつと模擬戦だ」

「!?先生。俺はそんな事「比企谷。お前は黙ってろ。」

 

織斑先生は彼をギロリと睨み、こちらに視線を向けてきました。

 

「オルコット。こいつに代表候補生というものを教えてやれ」

「わ、分かりましたわ。このセシリア・オルコット。織斑先生の「御託はいいから返事!」

「は、はい!」

 

織斑先生の計らいによって、わたくしとあの男が模擬戦をする事が決まりました。

この件、わたくしが全面的に悪いとは思っています。さすがに言い過ぎたと反省しています。後で、謝つもりでもいます。

しかし、それとこれとは別です。

 

わたくしは一夏さんの時のように慢心をしません。模擬戦となるならば、徹底的に潰して差し上げますわ。

 




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