ユクモ村の狩人録   作:箱の中の世界

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どうも皆さん、箱です。
今回はちょっとシリアス回かな?
それでは本編どうぞ!


渓流での異変

――夜の渓流にて

 

「ハァハァ……クソッ!銀レウスがいるなんてきいてねぇぞ!」

「しょうがないですニャ!それより今は逃げる事を優先するニャ!」

「わかってるって!」

 

 ユクモ村ではみない防具を着た男性であるハンターとオトモアイルーは愚痴を言いながら自分を追いかけてくる銀火竜から距離を取りながら別のエリアまで走っていく。

 

「あと少しでエリア2だ!急げ!キャラメル!」

「はいですニャ!」

 

 ハンターとキャラメルと呼ばれるオトモアイルーは全速力で駆け、銀火竜から逃げ切ることができた。

 

「ハァ……ハァ……ここまで来れば銀レウスもこな……」

「ニャニャッ!?あそこに大型モンスターがいるニャ!」

「なっ!?まさか金レイア!?」

 

 そのハンターの声に反応した様に金火竜は咆哮をし、咆哮で怯んでいるハンターに向け突っ込んできた。

 

 (クソ……これはヤバイぞ……)

 

 咆哮の怯みから解かれた時すでに金火竜はハンターのすぐ近くまで迫っていた。

 

「チッ……キャラメル!俺には構わないで遠くに逃げろ!」

「ニャ!?フレイはどうするニャ!」

「どうにかする!」

 

 その声をきいたアイルーは遠くに走っていった。

 その様子を横目で確認したフレイと呼ばれるハンターは金火竜の突進を受けエリア2の崖に落ちていった。

 

≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

 「おーいトール!起きてるかー?」

 

 早朝の家に父親の声が響く。

 

「ん……なんだよ父さんこんな朝早く……」

 

 眠い目を擦りながらトールは父親のもとに向かうと、そこにはいつもの教官している時に着ている防具ではなく狩りに行くときの防具を着ている父親がいた。

 

「父さん……なにかあったって事か?」

「あぁ、その通りだ。実はな……」

 

 

 父親の話によると昨日、ユクモ村に向かっていたハンターが渓流の近くを通っていたときに銀火竜の襲撃を受けたらしい。そのハンターは銀火竜から逃げきったらしいが逃げた先のエリアで金火竜と遭遇し、崖から転落……したらしい。その時ハンターはオトモアイルーを逃がし、そのオトモアイルーがベースキャンプで倒れているのを渓流の視察に向かった父親が発見し、事態が発覚したそうだ。

 

「何で渓流に金・銀火竜が?」

「実はリオレイアの産卵期らしい。エリア8の巣はわかるよな?あそこの卵を守るために2体がピリピリしてるって訳だ」

 

 トールは父親の話を聞いて納得したような顔になったが1つだけ謎に思った事があった。

 

「なぁ父さん」

「ん?どうした?」

「金・銀火竜が渓流に住み着いたのはいつ頃?」

「それか……実は住み着いたのはそのハンターがくる前日……くらいらしい」

「なるほど……それならギルドの対応も遅れた訳か……」

「あぁ、知っていたらハンターを呼んだりはしないからな……

とにかく、だ。さっさと準備をしてハンターの捜索に向かうぞ」

 

≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

 準備を終え、ギルドのもとに向かったトールはすでにギルドに来ていたユーカと共に依頼を出したオトモアイルーと話を聞いていた。

 

「どうもよろしくニャ。キャラメルっていうニャ」

「どうもキャラメルさん」

「そのハンター……フレイさん?は崖から転落したってことよね?」

「そうニャ。金レイアはとってもピリピリしてたニャ。フレイを見失った後もその場で威嚇してたニャ」

 

 その返答を聞いてトールは金火竜が産卵期だということを実感した。

 

(これはちとまずい事になったな……)

 

 産卵期……と聞いてトールが最初に思い出すのは砂漠の暴君ディアブロス亜種である。実際、ディアブロス亜種は産卵期のメスの体色が黒く変化したものである。通常状態のディアブロスと比べて格段に攻撃力が上昇しており、突進時のスピードも速くなっている。

 

「……今回の相手は手強いかもしれないな」

「なんかいつも以上に深刻な顔してるわね……」

「あぁ、産卵期のメスは判断力が通常状態より高いからな……

それに今回は金・銀火竜が一緒ってことがより難易度を上げてるからな……」

「そうね……2体一緒ってことはどちらかのピンチになると2体そろっちゃう可能性もあるし……」

「だからそれを考えて闘わないと行けないな」

 

 二人が考えているとギルドの方から二人を呼ぶ声がした。

 

「おうチミたち、今回の依頼は渓流での行方不明ハンターの捜索だ。2頭の飛竜を狩猟しつつ、そのハンターを助けてほしいってことだ。だが、1つ気になる事があってね」

「気になる事?」

 

 ギルドマスターのその言葉にユーカは首を傾げる。

 

「おう、最近渓流のモンスターの個体数が減っていてね」

「それって金銀火竜が食べてるんじゃ?」

「それが2体が住み着く前から減っているわけだ」

「住み着く……前?ならもう1体別のモンスターがいる可能性があるって事ですか」

「うむ。その事も考えて今回のクエストはちと難易度を高めに設定してあるわけだ。だから本当は2頭を狩ってほしいが無理と判断したならハンターの救出だけでも大丈夫だ」

「わかりました。ですが一応ベースキャンプには村にすぐ帰れるようにガーグァ荷車だけでも頼めますか?」

「ふむ……チミがそう言うならそうしようじゃないか」

「ありがとうございます」

 

 トールはギルドマスターに頭を下げた。

 

「さて……チミたち頼むよ?」

「「はい!」」

 

 

依頼内容【ハンターの救出】

依頼者 キャラメル

依頼場所 渓流

狩猟対象 リオレウス希少種

     リオレイア希少種

達成条件 2頭の狩猟、ハンターの救出

(危険な場合、ハンターの救出のみでも可とする)

 

 

 二人は依頼書に名前を書くと渓流に向かって行った。




ついに物語っぽくなってきましたね……
今回の話に出てくるオトモのキャラメルは実は自分が3rdで使ってるオトモなのです。
さて、もうすぐ夏休み!夏休みは更新を早くできるように頑張りますね。
それではまた次回!

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