ユクモ村の狩人録   作:箱の中の世界

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どうも皆さん、箱の中の世界です。
UAが200を突破しました!とっても嬉しいです!
これからも皆さんに楽しんで貰える作品を書いていきたいです!それでは本編どうぞ!


狩人の晩餐

 ドリンクを飲み終えた二人は温泉から出て食事をとるためにユーカの家に向かった。

 

「なぁ、ユーカ。どうして急にお前の家でご飯食べるんだ?」

「別にいいじゃない。ドリンクのお礼がしたいだけよ。トールは嫌なの?」

「そんなわけないけどさ…」

「けど?」

「……なんか裏がありそうで」

「うぐ……」

「うぐ?」

「な、何でもない!さ!早く家に行きましょ!」

「ちょ、ユーカ!引っ張るなって!」

 

 自分の考えを読まれたユーカは誤魔化すようにトールの腕を引っ張り自分の家に向かっていった。

 

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 ユーカの家に着いたトールはユーカの言う通りに席に座り、ユーカが料理を持ってくるのを待っていた。

 

(しっかしユーカは一体どんな理由で俺を誘ったのか……でも料理を振る舞いたいってのは本心のようだったしな……

ま、ご馳走になればいいか!)

 

 トールはユーカの手料理に期待しながら待つことにした。

 

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「さて…料理に誘ったもの何を作ればいいのかな……」

 

 ユーカはそう言うとアイテムボックスを確認する。

 

「使えそうなのは……アプトノスの生肉とファンゴの生肉、トウガラシにハチミツ……かな?」

 

 ユーカはアプトノスの生肉とファンゴの生肉を見比べながらどちらの肉を使うのか迷っていた。

 アプトノスの肉は脂が丁度いいぐらいにのっており、そのまま焼く、またはハチミツを使い照り焼きにすると抜群に美味しくなる。一方、ファンゴの肉は独特の臭みがあるもの、トウガラシなどの香辛料で臭みを除けば、癖になるほど美味しくなるのである。

 

「うーん…今日はアプトノス肉の照り焼き……かな?」

 

 暫く考え、答えが決まったユーカは料理の為のナイフを取り出すと、アプトノスの肉に切り込みを入れ、ハチミツをかけ、肉にハチミツを浸透させた。その間に火打ち石で火をつけ熱伝導の良いマカライト鉱石の鉄板を温め始めた。

 

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 肉の下ごしらえが終わり、温まったマカライト鉱石の鉄板に肉を置く。

 

  ジュゥゥゥウウウ…

 

調理場に美味しそうな香りが広がる。暫く経ち片面が焼けた事を確認したユーカは肉をひっくり返し、もう片面に火を通し始めた。

あと数分経てば照り焼きは完成するだろうその間にユーカはデザードの氷結イチゴを皿に盛り付け、トウガラシと落陽草とハチミツをまぜ照り焼きにかけるソースを作った。

 

「もう焼けたころかな」

 

 ユーカが肉を確認しに行くと予想通り肉はこんがりと焼けていた。ユーカは完成した照り焼きを皿に乗せると、先程つくったソースをかけトールの元に料理を持っていった。

 

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「んで、俺に何を頼みたいわけ?」

 

 肉を頬張りながらトールはユーカに自分を誘った理由を聞いた。

 その質問にユーカは顔を赤らめながら答えた。

 

「実は…手料理を食べて欲しかっただけ……なんだけど…」

 

 ユーカのその返答に二人の間に沈黙が生まれた。

 

「え?」

「な、何よ…」

「いや……何か裏があるとずっと思ってたから」

「なんか心外なんだけど……」

「まぁ、料理は美味しいから別に俺は満足だぞ?」

「ほ、本当!?それなら良いけど…」

 

 『美味しい』の一言がよほど嬉しかったのか、ユーカの表情が笑顔になった。

 

(全く……ユーカは相変わらず分かりやすい奴だな…)

 

 トールはそう思うと自然と笑みがこぼれた。

 

(また今度もユーカに料理を作ってもらおうかな。今度は一緒に材料を採りにいってからにしようか)

 

 

 

 

 

――――二人がそんな時を過ごしているときユクモ村の近くの渓流ではある事件が起きていた。




今回は渓流のお話と前回の後書きで書いていましたが渓流要素最後だけでしたね……しかもそんなに渓流の要素がないと言う……しかもいつもより短い…
次回は渓流で起きた事件です。何があったのか……それは次回のお楽しみ。

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