期末テストが近くて親に勉強しろ!なんて言われたりして最近執筆する時間が十分に得られなくて今日やっと投稿する事が出来ました。楽しみにしていた方には大変迷惑をかけてしまいました。本当にごめんなさい。
さて、今回の話はトール達がポッケ村に行っている間のユクモ村でのお話です。楽しんでくださると幸いです。
「ハァッ!」
渓流の二番に双剣の空を切る音が響く。双剣を振るうその奇怪な見た目のマギュル防具を纏ったハンター《シマ》は、愛用している双剣――夜天連刃【黒翼】を背負うとアイテムポーチから携帯食料を取りだしマギュル防具の隙間から口に押し込んだ。
「ふぅ…… やはり技の鍛練は毎日行うものだな。そう思うだろ?イーシャ?」
シマの問いかけに崖に腰かけていた忍者のような風貌のナルガ防具を身につけたオトモアイルー イーシャは答えた。
「なに呑気なこと言ってるにゃ。大体今はクエスト中にゃよ?」
そんなイーシャの答えを「ははは……」と笑って過ごそうとするとそのシマの態度を見たイーシャは声を荒らげ詰め寄ってきた。
「その態度はなんにゃ!いつもいつも調子に乗ったような態度をして……」
「イーシャ」
「なんにゃ」
「この狩りが終わったらマタタビを好きなだけ買ってやる」
マタタビと言う言葉に反応したのかイーシャは荒らげていた声を落ち着かせ、
「本当にゃ?」
「本当だ。俺の財布の
シマがそう言うとイーシャの表情が明るくなった(ような気がした)。
「始めからそう言っておけばよかったのにゃ。
さっさとクエスト終わらせてマタタビ買いに行くにゃ!」
◇◆◇◆
今回シマが受けたクエストは家畜であるガーグァを襲ったドスジャギィの討伐である。
そのドスジャギィによる被害はかなり深刻で村の大半のガーグァが死傷しており農業等に影響を与えていた。
「イーシャ。今回のドスジャギィは普通のドスジャギィと思わないほうが良いかもしれない」
「どういう事にゃ?」
「ハンターとしての勘だ」
勘 と言う言葉を聞いてやれやれと首を横に振るイーシャだったがその時エリア内に何かが動く音が聞こえた。その音を聞いてシマは背負っている夜天連刃【黒翼】を構えた。
「イーシャ……来たぞ。いつも通り行くぞ」
「わかってるにゃ」
イーシャはドスジャギィが気付くより早く近付くとドスジャギィに一撃を食らわせた。
その攻撃でイーシャに気付いたドスジャギィは配下のジャギィ達を呼ぶための咆哮をあげた。
イーシャは咆哮をあげ無防備なドスジャギィに素早い攻撃を与え続ける。
シマはドスジャギィが怯んだ隙をみて加勢に行こうとするが、ふとあることに気付く。
(まだジャギィ達が来ていない?何かがおかしい)
違和感を感じふと視線を岩壁の上向けるとそこに数体のジャギィが今にもイーシャを襲おうとしていた。
「っ!イーシャ上だ!」
「にゃ!?」
シマは声を出すのと同時に夜天連刃を構え走り出していた。
シマが走り出すのと同じタイミングで上にいたジャギィ達が一斉に飛びかかってきた。
「ハァッ!」
シマは飛びかかってくるジャギィ達に夜天連刃による攻撃を与えていく。
空中で攻撃を受けたジャギィ達はそのまま地面に叩き付けられた。
(やはりコイツは今までとは違うようだな)
配下のジャギィをやられた事に気付いたドスジャギィはイーシャからシマに標的を変えシマの喉元を咬みちぎろうと迫ってくる。シマは迫ってきたドスジャギィの右目を夜天連刃で斬りつけ視力を奪った。
右目の視力を奪われたドスジャギィは尻尾を振り回して攻撃に転じる。が、シマはその攻撃を夜天連刃で
シマは右目が見えないことを利用してドスジャギィの右側を攻めていく。そしてタイミングを見計らっての鬼人化で更なる攻撃を行っていく。
(あと少しで倒せそうだ……っ!?)
乱舞の最後の一撃が届く瞬間、シマの背中に大きな衝撃が起き体勢を崩してしまった。
シマの連撃から逃れたドスジャギィは巣穴を向かって逃げていく。
「チッ…逃がすか!」
シマが後を追うように向かうがその前に2、3体のジャギィが立ち塞がった。
「コイツらまさかドスジャギィを庇ってるのか!?」
今まで戦ったドスジャギィ達の群れも統括されていたのだがこれまで統括された群れは戦った事がない、とシマは思った。それと同時に恐怖を覚えてしまった。
その恐怖によってシマは一瞬だが隙を与えてしまった。ジャギィ達はその隙を利用し巣穴に逃げて行ってしまった。
「何やってるにゃ」
「あ、うん。そのびっくりしてた」
「やれやれにゃ……
ペイントボールはぶつけておいたにゃ」
「ありがとう、助かったよ」
シマはアイテムポーチから砥石を取り出すと夜天連刃の刃を研いで夜天連刃を背負った。
≡≡≡≡
ペイントボールの匂いを辿って移動していた
「にゃ?匂いが消えたにゃ」
「イーシャも気付いたか。どうやらペイントボールの匂いを落とした可能性が高そうだな」
「ドスジャギィにそんな知能があるのかにゃ?」
「それはわからないが……取り合えずペイントボールの匂いが最後にあったエリアに向かおう」
そう言ってエリア6に向かうとシマの予想通り巣穴の近くの水がペイントボールの色に薄くだが染まっていた。
「……どうやらここで洗ったみたいだな」
「どうするにゃ?これじゃあアイツの居場所がわからないにゃよ?」
「そんな事はないぞ。ほれ」
シマはそう言ってアイテムポーチから千里眼の薬を取り出すと一本飲み干した。
「ん?アイツエリア2にいるぞ?」
「と言うことはここには洗いに来ただけってことかにゃ?」
「かもな。行くぞ」
≡≡≡≡
エリア6から2へと続く坂を登り終えるとシマは小声でイーシャに「伏せろ」と命令した。
なぜそのような命令を出したのか不思議に思ったイーシャはシマの見ている方を見るとそこには眠っているドスジャギィの回りを護衛するようにジャギィ達が並んでいた。
「こりゃ閃光玉を使うしかないか?」
「そんな事したらすぐバレるにゃ。ここはけむり玉の方がいいとおもうにゃ」
「了解だ。じゃあけむり玉を使ったあとはイーシャ、お前にジャギィの始末を頼めるか?」
「その間にシマがドスジャギィを相手するにゃ?」
「あぁ、じゃあいくぞ!」
シマが地面にけむり玉を投げつけるとエリア2一帯がけむりで覆われた。
イーシャはその不安定な視界の中で的確にジャギィの数を減らしていっている。
そして護衛の薄くなったドスジャギィにシマが夜天連刃による乱舞で斬り刻んでいく。途中、目が覚めたドスジャギィが攻撃をしてきたが、シマは素早く避けスタミナが切れるまで連撃を与え続けた。
そしてけむりが晴れるのと同時にドスジャギィは絶命していた。
「イーシャそっちは終わったか?」
「勿論にゃ。そう言うシマはどうにゃ?」
「あぁ、ちゃんと討伐完了したよ。
さ、村に帰るぞ」
「マタタビはちゃんと買って貰うにゃよ」
「うぐっ……わかったよ……」
そうして村を騒がせていたドスジャギィの討伐は完了したのだった。
◇◆◇◆
村に帰ったシマ達は約束通り行商人からイーシャの満足するだけのマタタビを買わされ、財布の中身が雀の涙程になってしまい、シマの生活費が全てアイテムを売って稼ぐことになってしまったのだがそれは別のお話?
「にゃ~!マタタビ最高にゃ~!」
「はぁ……もうこれからはマタタビを買い貯めしておかないとな……」
今回の話は実は友人に「最近戦闘描写ないから戦闘描写楽しみにしてるよー」なんて言われたので書いてみました。やはり戦闘描写は上手く書けない……練習しないといけませんね。
そう言えばあらすじを書き直しました。興味を持ったら見てくださるとありがたいです。
さて、今回も楽しんで貰えたなら幸いです。誤字報告等も気軽にしてください。
それでは次回もお楽しみに。