ユクモ村の狩人録   作:箱の中の世界

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どうも箱です。
先週は投稿出来なくてすみませんでした。
やはり暫く投稿ペースが落ちそうです。
本当は台風の来ていた水曜日に投稿したかったのですが忙しくて投稿出来ず……
と言うことで約2週間ぶり(?)の投稿です。

それでは……どうぞ!


狩人の里帰り【農場探検】

 

トール達がポッケ村に来てから4日目――怪我を負ったトールとオルドも生活に差し障りのないほどまでに回復していた。今日はトールにポッケ村について案内してもらう事になっていた。

 

「ほんとトールって怪我の治り早いわね」

「そうか?至って普通だぞ?」

 

トールは首を傾げながら答えた。

 

「普通って……普通はあんな怪我すぐ治らないわよ」

 

そんなトールの答えにユーカはやれやれといった様子で答えた。

 

「で、トール?今日は一日頼むわよ?」

「あぁ、取り合えずユーカが気になるって言っていた農場に行こうかと思ってるけど問題ないか?」

「えぇ、別に何もないわよ」

「よし!それじゃあ行くぞ!」

 

トールは声をあげると農場までユーカを先導して行った。

 

≡≡≡≡

 

農場に着いた二人は農場内を散歩していた。

 

「へぇ……こっちの村の農場はユクモ村とは違って釣り堀があるんだ」

「らしいな。

小さい頃の記憶が曖昧だから農場がどんな風だったのかは覚えてなかったから新鮮な気分だな」

「ねぇ、トール。ここで釣りって出来るのかな?」

「ん?」

 

ユーカの方を向いたトールは釣り堀を見て目を輝かせているユーカを見て自然と笑みが溢れた。

 

「ちょ……なんで笑うのよ?私何かおかしかった?」

「はは、すまん。なんか釣り堀に興味津々なユーカを見てたら自然と笑えてきてな」

「なっ!?釣り堀に興味示しちゃダメなの?」

 

ユーカが少し怒りの表情になってきたのをみたトールは話を無理矢理変えようと

 

「お、あんな所に昼寝してるアイルーがいるけどあのアイルーに聞いてみようか」

 

そう言って昼寝をしているアイルーの下に駆けていった。

 

「あ、待ちなさいよトール!」

 

ユーカもトールの後を追うようにアイルーの下に向かっていった。

 

◇◆

 

ユーカがトールに追い付いた頃にはトールはアイルーと釣りが出来るかの交渉をしていた。

 

(どれくらいかかるんだろ……)

 

と、ユーカが思ってから間もなくトールが

 

「ユーカ!釣りしても大丈夫だってさ!」

 

と、叫んだ。

その時ユーカは、

 

(早っ!?)

 

と、心の中で思ってたりしていた。

 

◇◆

 

釣り堀の近くにいたアイルーに許可を得て釣りを始めて数分たった頃、トールの釣竿に魚がかかった。

 

「おっ!きたきた!どりゃぁぁぁあ!!」

 

トールが勢いよく釣り上げた勢いで魚は桟橋に叩きつけられると数回桟橋の上で跳ねた後死んだように動かなくなりそして……

 

 

 

 

 

爆発した。

 

「うひゃっ!?」

 

トールが女のような悲鳴をあげると何があったのか理解したアイルーがトールに一言告げた。

 

「にゃー、カクサンデメキンは丁寧に扱わないと爆発するにゃよ?」

「まったく……トールは勢い付ければ良いってものじゃないでしょ?」

「はい……ごめんなさ……ってユーカ!釣竿に魚がかかってるぞ!」

「え!?」

 

トールがそう言うのでユーカは釣竿を確認すると確かに魚がかかっていた。しかも、その魚影は他の魚とは比べ物にならない程大きい。

 

「にゃー!これは大物にゃ!」

 

ユーカが釣竿に力を入れ引き上げようとした瞬間、魚も自身の危機を感じたのか抵抗し始めた。

その魚の抵抗はユーカが今までに釣った魚とは別の次元のような感じである。気を抜けばこのまま水の中に連れていかれる……それほどの力である。

 

「っ……!」

 

ユーカも負けじと釣竿に力を入れていくが、魚の抵抗が激しくどんどん手に力が入らなくなっていく。

 

(もう無理……)

 

そうユーカが目を閉じ思った瞬間、釣竿が少し軽くなった。

そしてユーカの隣からトールの声が聞こえた。

ユーカが目を開くとユーカの持つ釣竿をトールの姿が見えた。

「ユーカ!こんな大物諦めたら勿体ないだろ?

一人じゃ無理なら二人で釣ればいい!」

「……そうね!ここで諦める訳にはいかないわ!」

 

二人の力が魚の力を越えたのか、先程までの魚の抵抗がそれほど苦に感じなくなっていた。

 

「よし、ユーカ!タイミング合わせて釣り上げるぞ」

「わかったわ!」

 

 

「「いち……」」

 

 

 

「「にの……」」

 

 

 

 

「「さぁぁん!!」」

 

二人が釣竿をあげると

 

ザッパァァアン!!

 

と言う音と共に先程まで水の中にいた魚が宙を舞う。その魚の姿を確認したアイルーが声をあげる。

 

「カジキマグロにゃ!!」

 

そして宙を舞っていたカジキマグロは重力に従うように落ちて…………

 

 

 

桟橋に突き刺さった。

 

「「やったぁぁあ!!」」

 

「すごいにゃ!まさかカジキマグロを釣り上げるだにゃんて。しかもこんな立派なものをにゃ!」

 

 

二人と一匹は感嘆の声をあげると握手を交わした。

 

≡≡≡≡

 

握手を交わしたあとユーカ達は一度農場を出てカジキマグロを保管するために村長に農場の奥にある氷の貯蔵庫を借りようと村長の下に向かっていく途中、武具屋のおじさんに声をかけられた。

 

「そいつはカジキマグロじゃないか?よし!ちょっとそいつをこっちに渡してくれないか?」

 

ユーカはてっきり保管しやすいように下処理してくれる……と思いカジキマグロをおじさんに渡した。

 

「お願いします」

「おうよ!任せとけって!」

 

おじさんはそう言うとカジキマグロを持って武具屋の奥に入っていった。

 

それから数分後、おじさんがカジキマグロを持って店の奥から現れた。

しかし、カジキマグロの姿は渡した時とあまり変わりなく、数分間何をしていたのかと疑いたくなるものである。

 

「えっと……カジキマグロを保管しやすいように下処理してくれるんじゃないんですか?」

「ん?何言ってるんだ?俺はこのカジキマグロを武器として生まれ変わらせたんだぜ?」

 

そう言いおじさんはユーカに武器となったカジキマグロをユーカに渡す。

渡されたカジキマグロは渡す前に比べると多少重くなっており、そのヒレの部分は刃のように鋭くなっている。

 

「その武器の名前は【レイトウ本マグロG】だ!最新の技術を応用した武器なんだぜ?しかも氷属性はなんと700越え!更にカジキマグロが腐らないように防腐処理もしっかりしてある!さらに……」

 

このまま語らせると長くなりそうだと感じた二人は早足でその場から立ち去っていった。

 

◇◆

 

「すげぇな!ユーカ!まさかあの魚が武器になるとは思わなかったもんな!」

 

トールが声をかけてもユーカからは何も返ってこない。ユーカは下を向いて歩いている。まるで落ち込んでいるようである。

 

「ユーカ?」

 

トールはユーカの顔を覗くとユーカの頬を涙がつたっていた。

 

「おいユーカどうして泣いてるんだ!?」

「……………………った」

「ん?何て言った?」

「カジキマグロ……ぐすっ……食べかった……」

「お前、まさかそんな理由で泣いてたのか?」

「そんな理由ってなによ!ユクモ村じゃあの魚獲れないじゃん!」

 

ユーカが泣いていた理由は食べようと思っていたカジキマグロを武器にされてしまったせいらしい。

取り合えずトールはユーカを慰めようとするが、ユーカは泣き止まずどうしようもなくなってしまった。

 

(クソ……こんなにユーカが落ち込むなんて……こんなとき何て声をかければ良いんだよ!!

まて、そう深く考えなくても良いんだ!あの一言を伝えるだけで良いんだよ!)

 

「なぁ、ユーカ」

「ぐすっ……なによ……」

「また明日も釣りにいこうぜ?そしてまた釣り上げれば良いだけの話だろ?」

「本当に明日釣りにいくの?もし釣れなかったらどうするの?」

「釣れなかったらその次の日に行けば良いだけの事だろ?」

「じゃあその次の日が釣れなかったら?」

「そんなの釣れるまで行くだけの話だ。だからさ、そんな悲しそうな顔をするのはやめろ。見てるこっちも悲しくなっちまうだろ?」

 

トールのその言葉を聞いたユーカは涙を拭うと、大きく深呼吸をすると笑顔になった。

 

「うん、やっぱりユーカには笑顔が一番だな」

「ほ……褒めたって何もないんだからね!」

「わかってるって。さ、明日も釣りにいくんだからしっかりと休もうぜ」

「絶対に明日も釣りに行くんだからね?嘘ついたら許さないんだから」

 

そうユーカは笑顔で言うのだった。




はいどうもと言うことで今回は釣り回でした。
カクサンデメキンとかハレツアロワナとかモンハンには面白い魚が沢山いますよね。そんなこんなで書いてみたいな……と思ったので書いてみました。
多分今までで1,2争うくらい書いていて楽しかったです。
さて、次の投稿も遅くなってしまうと思いますが気長に待って下さると嬉しいです。

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