知らない間にUAが1000を突破してました。
沢山の方が読んでくれている……ってことですね。
これからも頑張っていきますね。
会話の部分の書き方を少し変えてみました。簡単に説明すると、前(左)から新(右)のように変更しました。
「 」 「 」
→ 「 」
「 」
しばらく試してみて、納得がいかなかったら前のように戻しますね。という事でしばらくお付き合い下さい。
それでは本編どうぞ
夜、ユーカが必要な荷物を海に行った大きな革袋に詰めてトールの家に現れた。
「おう、ユーカか。ちょっと待っててくれないか?父さんと母さんが久しぶりの里帰りってことで荷造りし始めたんだが予想以上に荷物が多くなったせいで荷車に乗せれなくなってな……」
トールは苦笑いしながらユーカに現状の説明をした。
「……現状の理解はしたわ。一つ気になる事があるのだけど、トールのお父さんとお母さんは何を持っていこうとしているの?」
(ま、どうせユクモ村のお土産とかでしょ)
「あぁ……説明しないとダメか……
父さんと母さんが持っていこうとしているのはな……
家に置いてある道具『全部』だ」
トールの口から発せられた回答はユーカの想像を絶するものだったらしく、その回答を理解するのに時間がかかった。
「えぇえええっ!?全部って……えぇえええっ!?」
ユーカの驚きの声がユクモ村に木霊する。
「おい!ユーカ静かにしろ!今は夜だぞ!?」
「あ……ごめん」
≡≡≡≡
「父さーん、母さーん。ユーカが来たから早く準備してくれよー」
トールが家の中で準備中の親に声をかけると家の奥から慌てたような父――オルドの声がした。
『なに!? ユーカちゃんが来ただって!? おい!急ぐぞ!』
『オルドさん!どうしましょう!この鍋を入れるものがありませんわ!』
『何ぃ!?その鍋は手で持っていけばいいだろ!』
『あぁ!オルドさん!今度は衣服を入れるものがありませんわ!』
『何ぃ!?それは………………』
「ねぇ、トール……」
「ん?どうした?」
「あんたも大変ね」
「ははは……その通りでございます……」
トールはそう言うと一度深呼吸をし、自分の頬を両手で パァン と叩くと家の中に鬼のような形相で入っていった。
『父さん母さんなんで引っ越す訳じゃねぇのにそんな沢山持っていくんだよ!?』
家の奥からトールの怒声が聞こえてくる。
『それはな……』
『口を挟むな!』
『『は、はい!』』
『大体、こんなに道具いらねぇだろ!! 必要じゃねぇ道具は置いていけ!』
そんなトールの声を聞きながらユーカはトールの意外な一面を知ったのであった。
≡≡≡≡
トールが家に入っていってから数十分後、トールは二人を連れて家の外に戻ってきた。
「おう!ユーカ。遅くなってごめんな」
「「ごめんなさい……」」
「い、いや 私は別に気にしてないから大丈夫だよ。本当に大丈夫」
「そうか?なら良かった。さ、ポッケ村に向けて出発しようか」
◇◆◇◆
ユクモ村を出発して5、6時間程度が経過し、出発した時は真っ暗だった辺りには太陽が登り始めていた。
「なぁ父さん。あとどれくらいの時間がかかる?」
「そうだなぁ…今日中には着くと思うが太陽は沈むかもしれないな」
「うへぇ……マジかよ」
「早めに着くように努力はしてみるが、お前は寝なくて良いのか?ユーカちゃんは寝てるだろ?」
「んー……俺は別に大丈夫だよ。と言うか眠くなったら元気ドリンコ飲むからさ」
「わかった。だが、無理して起きる必要はないからな」
「うん、じゃあお休み」
「結局寝るのか!?」
オルドが驚きトールに言葉を返すが当のトールから返ってくるのは寝息だった。
「はぁ……相変わらずだな……一体誰に似たのか」
と、オルドが一人言のように呟くと荷車の方から声がした。
「あなたに似たのじゃないかしら?」
その声の主はトールの母であり、オルドの妻である――ティリス――だった。
「俺に似たのか?」
「そうよ?だってトールはあなたみたいに防具は統一しないし、性能よりスキルを重視するじゃない」
「あー……その通りだな。だが俺だって性能を重視するときはあるぞ?」
「本当かしら?あなたがあのウカムルバスを討伐した時もスキル重視じゃなかった?」
「ナンノコトカナ……?」
そんな夫婦水入らずの会話はしばらく続いたとか……
◇◆◇◆
肌を刺すような寒気で目が覚めたトールは辺りを確認する。荷車には父と母の姿はない。そして、前方には村の入口らしき関所が見えた。周囲の確認が出来たトールは眠っているユーカを揺さぶり起こした。
「起きろユーカ!遂に着いたぞ!」
「……何よトー……って寒っ!寒すぎるわよ!」
「あ、思い出した。ユーカに保温性の高い服を持ってこいって伝えないといけなかったんだ」
「それを今言うな……あぁ寒い……」
ユーカは体を震わせながらトールを睨み続ける。
「……なぁユーカ?ホットドリンクを飲むという事は思い付かなかったのか?」
「あ……」
「ったく……ほらよ。そんなに寒いなら飲んだ方がいいぞ」
そう言いトールは革袋からホットドリンクを取り出すとユーカに渡す。
「ありがと」
ユーカはそう一言返すとトールから受け取ったホットドリンクを飲み干した。
「さ、ユーカ。ポッケ村を案内してやるよ。っても小さい頃の記憶だから期待するなよ?」
「わかったわ。期待させてもらうわよ」
「人の話を聞いてたのかよ……ま、行くぞ!」
こうして二人のユクモ村のハンターはポッケ村に足を踏み入れた。
今回は地の文が少なくなってしまいました……
非常に危険ですね……
そして今回名前が明らかになったトールの母ティリスさんは実は名前をギリギリまで悩んでいて友人にどれがいいかな?と聞いて決めました。友人のHくんには本当に感謝です。
さて、次回からはしばらくポッケ村でのお話になります。ユクモ村の狩人ではなくポッケ村の狩人に……なんて事はありません。だってポッケ村の狩人はフレイくんがいますからね。
他にも……おっと長くなりそうなので次回の後書き等で書きますね。それでは次回もよろしくお願いします。