新世界より ~千年前からのメッセージ~   作:キリュウ

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不浄猫が久しぶりに?登場!

そろそろ完全にオリジナル方向かな?



2018-09-07
加筆修正しました。


新世界より ~第七話~

 

 

 

キャンプ場に戻ってからは俺たちはバケネズミを探したり地域の探検みたいなことをしていた。

その日の、夜は定番のカレーで、作ったのは俺と早季と真理亜だ。

皆が食べ終わったあと、早季は少し離れた場所で星を眺めていた。

それを見つけた瞬は早季のもとまで近寄っていった。

 

 

「早季?どうかした。」

「あ、瞬!えへへ、夜なのに興奮しっぱなしでね、少し一人で冷まそうかと思って」

「そうだね、僕も少し今日は興奮しちゃったよ」

「あ~今日はホントに楽しかったな~あの景色は本当に素敵だったし」

「うん、そう言ってくれて嬉しいよ。それに松の面白いのもあったしね」

「ふふ、そんな言っちゃ悪いよ?」

 

 

いやお前ら、悪いが聞こえてるからな?な!?

 

 

「でもこれでやっと夢が叶ったな~」

「うん、そうだね、やっと一つ目が叶った」

「一つ目?」

「あぁまだ一つ目だよ。早季と一緒に夢が叶ったことはとても嬉しい。けどまだなんだ。」

 

 

瞬は一息してから続けた。

 

 

「これから先も、早季の隣で一緒に夢を見させてくれないか?」

 

 

おぉ~言ったな~って俺これ聞いてていいのか?・・まぁいいか。

俺は一応そこからは聞くのではなく見るだけに留めたが何か二人で抱き合ったり?してるし、まぁ仲良きことは美しきかな...ってことでいいか。

 

 

「お~い、瞬!」

 

 

覚が瞬を呼んだので、二人は慌てて離れたようだが、それに覚は気づいてなかった。

 

 

 

 

 

皆が寝静まった頃、俺たちの所にカリンがやってきた。

 

 

「あぁここにいたのね、ちょっと探しわ」

「あぁカリンか、態々どうした?お前なら呪力を使えば俺と交信するくらいできるだろうに。」

「どうしたって、麗子ちゃんの事に決まってるでしょ?まぁそれにちょっと直接会って伝えたかったのよ」

 

 

俺は一瞬で頭が冷静になった。

麗子に何があった?コントロールに失敗したのか?そんなことが頭を満たしたのは一瞬だった。

そして予想通りの言葉をカリンが言った。

 

 

「予想より結構早く業魔化が進行してきてるんだけど、まだコントロールが4割くらいなのよ。正直、業魔化をコントロールできる可能性がかなり低くなってると思う。」

「...わかった、俺が行く」

 

 

俺は立ち上がって麗子の方に行こうと決めた。

 

 

「ちょ、ちょっと待って!キャンプはいいの?皆、朝にあなたがいなかったら驚くでしょ?」

「あぁだから、一時的にキャンプには4人で来ていたということにしておく、ホントは何度もこういうことはしたくないんだが、今回はしかたない。」

「まぁ貴方がそうするなら私は何も言えないけど、でも危険じゃない?私が残って陰から見てようか?」

「いや、カリンも俺と一緒に来てくれ。麗子のコントロールにはやっぱりお前が必要だ」

「じゃあどうするの?あの子達4人じゃ危険よ?」

「わかってる、彼ら(・・)も危険があるということは俺に知らせてくれていた。何があるのかまでは把握できていないが、彼らも力を貸してくれるはずだ。それにこんなこともあろうかとこいつらを連れてきてるからな。」

 

 

俺はそういって鞄の中に入っていた、猫を二匹取り出した。

 

 

「にゃ~(で、とうとう私たちの出番ってこと?)」

「あぁ悪いな。今回、お前たちの力を貸してほしい。あいつらをとりあえず命の危険になりそうなことから守ってやってくれ!」

「に、にゃ~(そ、それはいいよ?で、でも、ぼ、僕たちはこの状態だから大したことは、で、できないかもしれないけど)」

「一応元の大きさ、とまではいかないがある程度の大きさまでにしとくさ。」

「えっと、この子たちに任せるの?」

「にゃ~(この子じゃないわ!私にはシャルロットって名前があるの)」

「へ、へぇ~か、かわいい名前だね?」

「まぁそこはどうでもいいから置いといて、俺は今から少し遠いところにいるから、危険の判断は二人に任せるけど、とりあえず命の危険に及びそうな時は4人の身を最優先にしてくれ」

「に、にゃ~(う、うん。が、がんばるよ)」

 

 

俺は彼ら二匹に頼んだ後は、テントで寝ている四人の記憶を少しだけ改ざんした。

 

 

「すまない、みんな。でもお前らも仲間が欠けたりすんのは嫌だろ?だから少しの間だけ我慢してくれ」

 

 

 

 

 

テントのそばで待機していたカリンを連れて俺は麗子の待つ場所まで飛んでいった。

カリンに正確な場所まで連れて行かれたが俺の鼓動は麗子の元に近づくにつれて早いものへとなっていった。

俺がカリンに連れてこられた場所で麗子を見たとき、麗子は木の下で眠っていた。

それを見た俺はまずは麗子が無事に息をして生きていることに安堵した。

しかし、それも少しの間だけだ。

カリンは見慣れたものだから気持ち悪くなったりもしないのだろう。

麗子は木の下で眠っている。それに間違いはない。

だがその木はもはや木とは呼べないものだった。

周りにある土や草木も、本来あるべき姿ではないもとなっていた。

 

 

「いつから、このレベルに?」

 

 

俺はカリンに尋ねた。

 

 

「周りにはっきりと影響が出てきたのはほんの二日前だよ。」

 

 

二日か、業魔化は個人によって程度の差はあるものの、業魔化が完全に始まってから約1週間ほどで業魔となる。

だから、それを考えたら、まだ5日もあると考えられる。

逆に言えば、もう後5日しかないともいえるが。

 

 

「そうか、麗子はどうだ?あぁ、精神的にな」

「うん、頑張ってるよ。でもやっぱり不安の色は隠せないかな。」

「そうか、とりあえず数日は俺も麗子に付き添う。カリンも少し休め。毎日しんどかっただろ?。」

「そ~だね、じゃあ少し休ませてもろうかな。でもそんなにしんどいわけでもなかったよ。麗子ちゃん、頑張り屋だからね。」

「そうだな、皆ともう一度会いたいんだろう」

「う~ん、それもそうなんだろうけど...わかってるよね?」

 

 

当たり前だ、一体、何年生きてると思ってる。

 

 

「まぁな、だがまぁ今はまだまだ子供だよ、こいつらはな」

 

 

俺は笑ってそう言った。

 

 

「とりあえず、お前は寝てろ!俺が見ててやるから」

「はいはい、それじゃあおやすみ~」

「あぁおやすみ」

 

 

カリンはいつもの場所なのか麗子の寝ている木の近くの石のそばで横になった。

あいつら置いてきている心配もあるが、麗子のコントロールも不安だ。

今の俺にどちらかを切り捨てることなどできはしない。

だからできる限りのことはしているつもりだ。

だがどうなのだろう。

俺はホントにあいつらを守ってやれているのだろうか?

 

 

「ふ~う、俺もまだまだだな」

 

 

と俺が呟いたのが聞こえたのか、石の近くで寝ようとしたカリンが寝る前に俺のほうを見て言った。

 

 

「ねぇねぇ、じゃあ私はどうなの?どう?あっちでお姉さんといいことしちゃう?」

「悪いな、貧乳に興味はないんだ」

「ぷっち~ん!!!」

「ぷり~ん」

「・・・え?何それ?」

「ん?さぁ何だろうな~」

 

 

とりあえず俺は麗子を見ながら夜が明けるのを待った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





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