何だよアレ!? 文章が生きているようだよ!! ラノベだったら普通に買ってるレベルの文章が書けてたのに......なんか、最近はダメダメだよ!(号泣)
携帯電話のアラームの音、ではなく、着信の音が小さな六畳間の部屋に響き渡る。俺は半ば自動的に携帯電話を手に取り、誰からの着信か確認せずそのまま通話をする。
「もひもひ、りゅうしゃきかじゅとでしゅ」
「あの、えっと......」
どこかで聞いたことのある声なのだが、思い出せない。もしかすると悪戯電話の可能性がある。そう考えると酷くイラついてきた。
「おたく、今何時だと思ってるの? 悪戯電話でももっとマシな時間に掛けてくるぜ? 住所を教えな、毎日朝昼晩にピンポンダッシュしてやる。おたくのお母さんも青筋立てるくらいの物凄いピンポンダッシュをしてやるよ、俺は小さい頃から人の嫌がることをすることが大得意なんだ。そのせいで聖祥大付属小学校っていう小学校をやめちまったんだぞ! ったく、こんな会話、宗教の勧誘の時以来だ」
「......すまない」
何がすまないだ......こちとら毎日九時に就寝、六時半に起床する超健康的な生活をしている身だというのに、こいつのせいで眼が冴えてしまった。時計を見ると夜中の三時、合わせ鏡をしたら地獄と通じてしまう時間だぜ、俺は幽霊が大嫌いなんだ、トイレに行きたいのにいけない時間帯じゃないか、このやろう、絶対に嫌がらせをしてやる。毎日血尿、血便が出るレベルの嫌がらせをしてやる。
「はぁ......ご両親を起こしてきな? 君みたいな出来の悪い子のご両親とO・HA・NA・SI☆させてちょうだいな、流石にこの時間のお電話はお兄さんもイライラするんだ。大丈夫、お金とかは取らないよ、そういうの興味ないから。でもね、君のようなチートと嫌がらせが大好きな中学生にはご両親の鉄槌が必要だと思うんだ。だから、寝室で眠っているご両親を起こしてきなさい。わかった?」
「......少し待っていてくれ」
ったく、最近の若い親はなんでこう、子供の教育を疎かにするんだろうか? それとも、学校の道徳教育に色々と難点があるのだろうか? まあ、いい、どうせ待っていてくれと言って、しれっと電話を切るに違いない。その時は着信拒否するまで毎日三十回電話をかけ続けてやる。若い餓鬼が少しでも改心するようにな。
「もしもし、お電話かわりました」
「もしもし、貴方の子供さんに午前三時に起こされた者ですが、どういう教育をしているのですか? 別に貴方の教育を否定するわけじゃありませんよ、でもね、子供でもね、夜中の三時は無いと思うんですよ、ね? 確かに、現代社会は携帯電話がリーズナブルな価格で流通しておりますが、低学年の子供さんがよく携帯されておりますが、流石に夜中の三時はないと思うのですよ。ですから、夜の十時以降は携帯電話は没収したらどうでしょうか? それなら子供の夜更かしも減ると思いますし、心身の成長もよくなるでしょう」
「はぁ......で、シグナムをいじめて楽しいのか? 部屋の隅で体育座りしてるぜ?」
「はぁ?」
携帯電話に表示されている名前を確認してみると女王様と書かれていた。つまり、この携帯は『女王様=ヴィータ』の携帯電話であり、電話をしていたのはヴィータではなく、公明な騎士シグナムだということだ。つまり、『シグナムを叱る=ヴィータにシバかれる=痛い』俺は何も言わずに通話を終わらせ、耳を塞いだ。
携帯の着信音が響き渡る、コールが増えるごとに心の中の痛みが増えていく、これは一種のホラー映画を見ている時のような気分だ。
ようやくコールの音が消え、安息の時間が訪れる――わけもない。
「もしもし、田中です」
声と苗字を変えてどうにかやり過ごそうとするが、
「カズト、痛いのと苦しいの、どっちがいい?」
「四番目のそっとしておくという選択肢を所望する」
「ねぇよ」
「さいですか......じゃあ、苦しいので」
ヴィータは色々と用意しといてやるといい、電話をシグナムに変わった。
「もしもし......千年経っても恨み続けるぞ」
「す、すまない......ヴィータには何もしないように言っておく」
「いや、多分無理だ。後ろを振り向いてみろ......麻縄のようなものを引き出しから取り出していないか?」
「......すまない、本当にすまない」
この反応だと、ヴィータのドスグロイ笑みを見て止めたとしても逆に被害を助長するだけだと察したな。そうさ、アイツは正真正銘のドS、SMクラブの女王様よりも女王様しているような奴だ。正直、俺もソフトSなわけで嬲られるのはあまりこのみじゃない。
「で、結局なんでかけてきたんだ? 中途半端な理由だったら木刀を持って家に押し入るぞ」
「いやだな、高町家の道場を借りることが出来たから、おまえと力比べを......」
プッン
このクソ騎士が、何が力比べだこの野郎! それだったら明日の早朝でも間に合うだろうが!
「......すまない、木刀が無いから鉄パイプでいいか?」
「じゃあ、痛いのも追加な」
「すいません、言い過ぎました」
女王様には弱いのです。はい。
通話が終わった後、この先に待ち受ける苦しいのと痛いのに怯えながら眠れぬ夜を過ごした。
◆◇◆◇
高町家、戦闘民族が住まう家、そこは魔境グンマ―のエリートソルジャーを人差し指一本で倒せるような猛者が住まう魔窟。だが、今日はその魔物より魔物な猛者は旅行や仕事、お友達のお家にお泊りと少しの間家を空けている。それを見計らって彼女、烈火の騎士シグナムはこの家になぜか存在する道場を借り、俺と武を競いたいと言い出したのだ。
「......シグナム、おまえから電話が掛かってきたのはとても驚いたぞ」
「ヴィータに使い方を教えてもらったからな」
照れくさそうに頬を人差し指で掻き、時代の流れを理解しはじめているのだぞと胸を張る。まあ、それはいい、だが、一つだけ問題がある。
「ああ、とても驚いたよ。だがな......流石に夜中の三時に電話をかけてくるのはよしてくれ! 俺は夜九時に眠って、朝六時半時に起床するんだ! 三時は一番気持ちよく眠れてる時間なんだぞ!?」
「す、すまない......ヴィータに使い方を教えてもらっていたらそんな時間に......」
彼女は謝罪の意を込めてとても綺麗なお辞儀をした。なんというか、昔気質というか、無知というか、無垢というか......
俺は溜息を吐き出し、道場の中を見渡す。広い室内、あるのは木刀と光を取り入れる窓、漂うのは木の優しい香りだ。普通に鍛練を積むのならば、これ以上の環境は無いだろう。シグナムがここを指定したことも頷ける。
「でも、何で俺に掛けてきたんだよ。鍛練を積むなら他にもいろいろといるだろうが」
「そうかもしれない。だが、私はカズトがどれほど強くなったのかを知りたかったのだ」
「強くなる? 普通逆だろ、俺は魔導士をやめて普通の人間として生きている。つまり、幼い頃よりも弱くなっていると考えるのが普通だろう」
そう、俺は魔導師であることをやめている。魔法を使用することは滅多にない。あったとしてもナイフを作り出したり、空を飛んだり、女王様の攻撃を和らげたりとデバイスを使用しなくても出来る範囲のことだ。この程度なら、ミットチルダの一般人とそうかわらない。少なからず、魔法を使える一般人と称して間違えない。
「確かにそうかもしれない。だが、あの日、私達の家に訪れた時に昔と何ら変わりないと思った。逆に成長したと思ったよ、人間としても、魔導師としても」
「体が鈍らない程度の軽いトレーニングは続けてきたが、その程度で強くなるわけがないだろ?」
「カズト、それは違う。成長と強くなるは別なのだ。強くなるのは何かを犠牲にして、力を得る。成長は時が力をつけてくれる。同じような言葉だが、その意味はまったく別の意味を持のだ」
成長は時が解決する強さ、
強くなるは犠牲によって生まれる強さ、
どちらも力という道を辿るが、その道筋は違っている。そう考えると俺は『強くなる』の方の道を走り続けていたのかもしれない。だが、その道を自ら捨て、知らぬまに『成長』によって実力を伸ばしていった。そう考えると昔の自分より、今の自分の方が実力があるのかもしれない。それを彼女は見抜いたのだろうか? 自分自身すら気付くことのなかった『成長』による強さを。
「......まあ、久しぶりに誰かと手合わせするのも悪くない。おまえ達と共闘してた頃は結構な頻度でやり合ってたからな」
「ああ、現状、私が勝ち越している......」
小太刀型の木刀を一本を右手に握り、一振り、二振りと感覚を確かめる。シグナムの方は普通の木刀を手に取り、同じように一振り、二振りと感覚を確かめている。そして、慣れが生じ始めると同時に殺気のような何かを漂わせる。それは俺も、彼女もだ。
剣の使い手、または何かしらの強者は敵と戦う時は必ず殺気のようなものを漂わせず、油断させるように戦う。だが、それは格下と戦う時の場合だけだ。自分と同等の実力を持つ者と戦う場合は自分の持てる『気迫』のようなものを漂わせ、判断、一瞬の判断をくるわせる。そうしなければ、一生決着がつくことはない。それが本物の強者同士の戦い。一瞬の判断の乱れが勝敗を左右する。
......まだ俺を同等の相手だと思ってくれているのか。
「先に一太刀浴びせた方の勝利だ......」
「わかった......」
ゆっくりと間合いを広げていく、彼女も俺も力任せに攻撃するようなパワーファイターではない。敵の出方を窺い、自分のペースに引き込んでいくタクティカルファイターだ。最初からフルスロットルで攻撃を仕掛けてくる筈がない。
右手に握られた木刀を突き付けるようにして攻撃が入る間合いを確かめるシグナム、俺もすかさず右手の小太刀型の木刀を突き付け間合いを確かめる。
一歩、二歩と間合いを詰め、木刀と木刀が触れ合う。
俺はシグナムの鋭い眼光を睨み、彼女も俺の鋭い眼光を睨む。
隙が一つもない、それは俺にも言えることだが、今攻撃したら確実にカウンターをくらい敗北する。だが、このままアクションを起こさなければ、戦闘から離れていた弱さに付け込まれて敗北する。なら!
触れ合った木刀を斬りつけ、二回バックステップをする。すると木刀の長さを生かしたシグナムが中段に払うように切りつけてくる。それを木刀で受け止め、弾き、カウンターで腹部に突きを仕掛ける。だが、その程度は想定の範囲内だと言わんばかりに一歩、二歩とバックステップで距離を離す。
「流石はシグナム、あの突きを避けるなんてな......」
「あと少し判断が遅れたら避けられなかった......」
互いに冷や汗を流す。
生唾を飲み込む。
そして、また間合いを詰める。
これはもう、心理戦の領域、じゃんけんのようなものだ。俺が攻撃を仕掛けるか、カウンターを仕掛けるか、防御して間合いを離すか。その選択肢を間違えれば鋭い一撃が入ってくる。まあ、それは彼女にも同じことが言えるが......
木刀と木刀が再度触れ合う。
今度はシグナムが攻撃に出た、上段から重い一撃を叩き込み、怯んだ瞬間に鋭い突きを叩き込む。俺は最初の一撃を小太刀で受け止め、突きは空いている左手で軌道をずらす。隙が生じた瞬間に右手の小太刀で木刀の握られている腕を斬りつける。が、シグナムは木刀を放し、そのまま両手を後ろに引く。地面に木刀がぶつかり、柄の部分ばふわりと浮き上がる。それを彼女は見逃さず、一瞬で木刀を回収し、振り払うように斬りつける。バックステップで回避し、また間合いを離す。
ゆっくりと間合いを詰める。
今度は俺が攻撃に出る。小太刀の利点、早い連撃を駆使して、ガードの甘い部分を重点的に攻撃する。だが、攻撃は一つも当たることもなく、彼女の木刀に弾かれていく。カウンターを警戒してバックステップで間合いを離す。
流石は戦闘のプロ、あれだけの連撃を顔色一つ変えずに受け流した......
頭を必死に回して、現状の打開策を模索する。このまま鍔迫り合いをしていたとしても、いずれは技量と経験に負けてしまう。それならいっそのこと力でねじ伏せるのも一種の手段!
俺は小太刀を両手で握り締め、飛びかかるように斬りつける。その攻撃を防ごうとシグナムは木刀を盾にするが、体重の差、筋力の差、単純な腕力の差で彼女は崩れ落ちる。そして、俺も。
――顔が近い。
――甘い香りがする。
――目の前に顔を赤らめたシグナムがいる。
俺はいわえる『床ドン』というリア充共がよくやっているアレになっている。
沈黙の時間が続く、そして、時間が経つにつれて互いに顔が赤くなっていく。
俺はゆっくりと顔を近づける。シグナムは顔を真っ赤にしながら、瞳を閉じる。
唇が重なる距離、あと数センチ近付けば、彼女の柔らかい唇と重なる。
心臓がドクンと跳ねる。
頬を赤らめて来るべき接吻を待つ彼女に優しく、ゆっくりと......重なった。
◆◇◆◇
色々なハプニングがあったが、俺とシグナムは何やかんやで戦いを楽しみ、今は汗をタオルで拭っている。
さて、これからやることは一つだ、そう――シグナムをホテルに誘おう。え、話しが跳躍し過ぎだって? 思春期の少年の発想なんて『ピー』や『ピー』なもんだ、つまり、一秒でも早く息子を洞窟に旅立たせたいんだ。わかるだろ? 男なんて所詮は性欲の塊だ。俺だって、前世は風俗やピンサロに通い詰めていた変態でもある。
「それにしても、偉く顔が赤いな? もしかして初めてだったか」
「......悪いのか」
「騎士様の初々しい姿を見られて物凄く嬉しいよ」
「......バカ」
よしよし、この雰囲気なら絶対に釣れる! 龍崎一人としての貫通式を迎えられる!! 俺はシグナムの手を取り――
「よう、良い試合は出来てる......」
「......ナイスタイミングだよ、本当......死にたい奴から前に出ろ」
「「「えっ!?」」」
俺は大量のナイフを作り出し、道場の中に入ってきた三人の少女に向けて構える。舐めやがって、せっかく物凄く雰囲気がよかったのに......強引にホテルに連れていけると思ったのに......
「おまえらさぁ......タイミングバッチリ過ぎて笑えてくるぜ......」
多分、今の俺はいわえるレイプ目、絶望した人間のような瞳をしているだろう。そらそうだ、童貞を捨てる絶好の機会をこの小娘共に奪われたのだ!! 殺してやる!? 男の性欲は命より重いのだ!!
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......女王様にボロボロにされました。
チャンチャン!
ごめんなさい、初期の文章に戻るように出来る限り努力させていただきます。あと、最近投稿が遅れているのはオンライン戦車道を嗜んでいて、その影響で『ガルパン』の小説を書こうとしていたからです。ごめんなさい。
オンライン戦車道では基本的にSUー100とチヌ改を使用しています。課金して迷彩も施しているので、見かけたらFFしてください。