Fate/time night   作:最強の嫁

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第一話

「極めて近く、そして限り無く遠い世界」人はそれを平行世界《パラレルワールド》と呼ぶ。

あらゆる可能性と幾多に分岐した世界…

そんな世界の狭間に一人の少年がいた。彼はとある人物からの使命を受け継ぎ平行世界の平和を守る旅へ…

そしてそんな世界に一人の少年がいた。彼は養父のかわりに正義の味方になる決意を固め鍛錬に励む。

これは使命を受け継いだ少年と正義の味方になる決意を固めた少年の物語。

 

 

 

一人の少年が悪魔のような姿をした機体ディス・アストラナガンで新たな世界に転移しようとしていた。彼の名はクォヴレー・ゴードン。前大戦で霊帝を倒し先代イングラムからの使命を受け継ぎその役目を果たすために平行世界を旅していた。

「次の世界までは、あともう少しかかるか…」

そう言いながら機体のコンソールを叩きながらさっき言ったことを心の中で思いながら待っているとアラームが響いた。

「敵か!?」

確認をする暇も与えず視界は白く染まった。

目を開けるとクォヴレーは、霊魂の集合体のようなものと対面していた。

「これはなんだ?」

「汝にやってもらわねばならぬことがある」

いきなり頭に響いてきた声に驚きながらも彼は問うことにした。

「おまえは何者だ」

「我は霊長の守護者世界の崩壊を防ぐもの」

「な…に…?霊長の守護者だとそんなものが俺に何をやらせる気だ」

「汝は、とある世界が欲しているゆえにここに呼んだ」

言われたことを理解しながら今頃になってある重大のことに気がついた。

「アストラナガンをどこにやった」

そう彼の最大の戦力がないのだ。これでは、戦闘時の戦略の幅が狭くなってしまう。

「案ずるな銃神は、汝の体に眠っている。汝が望めばその力を扱う事が出来よう」

「そうか…。だが解せんななぜ契約もしていない俺を世界が欲しているという理由だけで呼んだ」

「わからぬ。我に何かしらの奇跡が起きてるのかも知れん」

「そうか…。大体のことは、わかった。今回はお前の思惑に乗ってやる」

「よかろう。では行け虚空の使者よ」

そしてまた視界は白く染まった。

 

目を開けるとそこは、壁…いや天井だった。ここがどこか確認するために体を起こし辺りを見回す。

「見た限りは西洋の造りだがここはいったい」

思案にふけっているとドアが開き一人の老人が入ってきた。

「目をさましたようじゃな」

「おまえは、誰だ」

クォヴレーはいつでも動けるように身構える。老人だからと言って侮るなかれ老いた身でも化け物レベルの実力を持ったものは平行世界には腐るほどいた

「名を名乗るなら自分からと申すだろうに…。まあいいワシの名はキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグじゃ」

名を名乗った老人はやれやれといった感じで答える

「俺の名は、クォヴレー・ゴードン。助けてもらい感謝する。」

そう言いながらクォヴレーは、頭を下げた

「ふむ口調は、ちょっとあれじゃが礼儀はなっとるようじゃのう」

といいながら思案顔になること数秒

「よし!今日からおぬしは、わしの孫娘じゃ!!」

「…なに?孫娘だと…?ちょっと待て俺は、女じゃない」

「なにを言うとるんじゃ。ならその上半身についてるものは何なんじゃ?」

何を言ってるんだこいつはみたいな顔をしながらクォヴレーの胸を指さし、クォヴレーはその指差された部位に目を配った。

「これは…」

そうそこには、ゼオラやクスハ等あの世界でナイスバディと言える者達と肩を並べられるだけのボディがそこにはあった。

「すまないが鏡は、無いか?」

「ん?ほれ」

そう言ってどこからか鏡を出しクォヴレーに差し出し、それを受取自分の姿を見たときクォヴレーの目が見開かれる。

そこに写っていたのは短かった銀の髪が腰のあたりまであり顔の造形は、中性的だったのがより女性の顔に傾いた感じになっていた自分の姿だった。

もはや言葉が出なかった。それでも頭の中は冷静だったようで即座に自分は、何をするべきかを思案していた。そこに

「ふむ。何かとわけありのようじゃな。どれ一つこのわしに話してみんか」

クォヴレーは彼のことを信じすべてのことを話した。

 

「ふむ。平行世界に霊長の守護者…のう」

「信じられないのなら別に無理に信じてもらわなくてもいい傍から見れば妄想の戯言を話しているようにしか見えないからな」

「いやそういう意味で言ったんじゃないんじゃよ。」

ゼルレッチはひとつオホンと咳をし仕切り直す

「それで最初の話に戻るんじゃが」

「ん?」

「わしの孫娘にならんか?」

クォヴレーは、孫娘という言葉に慣れない感覚を引きずりながらこう言った

「あんたといれば何かしらメリットがあるだろうし俺は構わない」

「おおう。そうかそれはよかった。」

返事に満足したのか嬉しそうな顔をしながらのそっと立ち上がりドアに向かいドアノブに手をかけようとしたところで思い出したようにクォヴレーに向き直る

「ああ言い忘れとったがわしは魔法使いなんじゃ」

さりげなく言った言葉を最後にドアを開けて出ていった

「魔法…使い…?おいちょっと待てじいさん!!」

あわてて部屋のドアをあけたがそこには誰もいなかった。諦めて部屋に戻るためにドアノブをつかんでいた時ドアに貼ってあったものに気づいた

「ん?これは」

『クォヴレーへ

明日、起こしに行くので

よろしく。

キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグより』

そこに書いてあったものにしばし呆然としながらもなんとか納得し寝ることにした。

「おやすみ」

誰もいない部屋に向けてそう言い目を閉じ深い闇に身を委ねた。


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