魔法少女リリカルなのは―畏国の力はその意志に― 作:流川こはく
高町なのはは幸福だった。
なのはには、物心ついた時からいつも一緒にいる男の子がいる。
男の子なのに可愛らしくて、すごく優しくて、でもどこか少し抜けている。そんな印象の少年だ。
その男の子はいつもなのはを助けてくれた。
寂しいときには一緒にいてくれて、困った時には一緒に悩んでくれた。
なのはにとっては遠いはるか昔、おぼろげな断片でしかないけれども、父を救ってくれた少年という記憶がある。
父が遠い手の届かないところへ行ってしまうところを、自分たちのところに戻してくれた人。
ボロボロになった父親を、もとの元気な姿に戻してくれた人。
今となっては、ただの少年がどうやって父を救ったという話に繋がっているのかは、思い出すことができない。
ただなのはの中では、その少年は自分がピンチの時に救ってくれるヒーローのような存在だった。
そんな男の子が自分を頼ってくれた。
どうしてかは分からないけれども、ひどく傷ついていて自分に甘えてきてくれている。
その際に感じた気持ちは、なのはにとってはなんともいえないものだった。
この所なのははずっと思い悩んでいた。
それは漠然とした不安。
幸せな家族と友達に囲まれ、衣食住も学校生活だって満足している。
寂しくなる理由なんてどこにもないはずなのに、悲しいような、苦しくなるような、行き場のない気持ちが胸の奥から出ていかない。
なにかやらなきゃ、という思いが沢山あるのに、その思いの行き先が見当たらない。
自分の周りの人たちは、少しずつやりたいことを見つけ、一歩一歩進んで行っている。
自分は――何がしたいのだろう?
母親の後を継いでパティシエ? それとも趣味の写真を活かした映像監督?
どれもしっくりとこない。
他の人たちは歩き続ける中で、自分だけが立ち止まっている。自分だけが取り残されている。
いつも一緒にいる人たちのはずなのに、その距離がすごく遠い。手を伸ばしても、さわれない。
自分もそちら側に行きたい。歩きたい。
なにかしたいことがあるはずなのに、それがわからない。
それは、涙を流し、声を大にして叫びだしたいほどの嘆きとなって彼女を蝕んでいた。
そんななのはが男の子に頼られた時に感じた感情、それは確かな喜び。そしてその時、なのはは確かに自分の目標に触れた気がした。自分の夢がわかった気がした。
――人を助けることがしたい。人を守る仕事に就きたい。誰かに、必要とされたい……
そんな誰もが一度は思うような気持ち。そこがなのはの心の原動力だった。
いつも守られてばかりだったなのはだからこそ、その思いは人一倍強いものだった。
その気持ちは、真っ暗な闇の中で答えを探し続けていたなのはの心の中で、確かな光となって輝き、なのはの心を優しく癒しはじめていた。
それは高町なのはの夢の始まり。
自分の気持ちに向き合うことができた、大切な思い出だ。
◇
アリサ=バニングスは混乱していた。
その日、アリサは体調を崩した。
執事の鮫島が言うには、軽い熱が出ているだけなので、暫く安静にしていればすぐによくなるだろうとのことだった。
それくらいならば、休まずに学校に行っても大丈夫だろう。
そう思って朝の支度をしようとしたが、彼女の兄が黙っていなかった。
アリサには五歳年上の兄がいる。
もう中学二年生になるけれども、自分とあまり身長が変わらないことを気にしている愛らしい兄だ。
やたら自分を甘やかしてくるこの兄は、けれども譲らない時は決して譲らない頑固な性格も兼ね備えている。
そんな兄が今回は意見を曲げる気がなかった。
暫く言い合いをした後に、売り言葉で自分の替わりに行ってきて! と言ってしまう。
思えば、熱があることもありあんまり頭が回っていなかった。
しかしふと、これはひょっとして案外ありなんじゃないだろうか、と思った。
これは兄の可愛く着飾った姿を見れるチャンスかもしれない。
そう思ってからの行動は早かった。
色々と言い訳をして反論する兄を丸め込み、甘えておねだりをする。
暫くすると兄は折れてくれた。お兄ちゃん呼びが効いたのかもしれない。
(これは熱を出したかいがあったわ)
確かな手ごたえを感じてアリサはほくそ笑んだ。
せっかくだから、兄に自分の制服といって、母が兄用に買っていた私立聖祥大付属小学校の女児用の制服を渡す。
まさかこの服が日の目を見る時が来るとは思わなかった。
「もしもの時のために、あなたにこの服を託します。いつか、機会があればアイリに……」そう言って、自分に兄の女性用の服を渡してくる母の姿を思い浮かべる。
(ママ。あたしはやったわ! やり遂げたのよ!)
達成感とともに、兄の髪型を弄り自分が普段している髪型に整える。
普段もよく兄の髪をいじくっているけれども、自分と同じ髪型にするのは少し気恥ずかしい。
服と髪を弄り、ちょっとした化粧をして雰囲気を整えると、わりと自分によく似ていた。
もっとも、その顔はリンゴのように真っ赤に染まっていてとても愛らしかったが。
満足のいく出来だったので、笑顔で送り出す。
ちなみに、一連の様子をこっそり鮫島に頼んで撮影してもらっている。
海外出張中の両親へのいいプレゼントになりそうだ。
(アイリの土産話が楽しみだわ。早く、お昼にならないかしら。そのためにもさっさとよくならないとね)
アリサは最速で回復しようと即座にベッドへと潜り込んだ。
◆
昼を過ぎて暫く経っても、兄は帰ってこなかった。
恥ずかしがりやな兄が、あの姿で寄り道なんてするわけがない。
何故すぐ帰ってこないのか。
無事今日一日アリサになれたのか。それとも自分の想像だにしないおもしろイベントにでも遭遇しているのか。
詳細が知りたいというはやる気持ちを抑えながら、兄の携帯に電話してみようか、それともおとなしく待っているかと悩むことを繰り返す。
体調はもう全快だ。メールでやりとりした時には兄は問題なく過ごしてるといっていたけれども、放課後になのはにでも連れまわされているのだろうか。
せめてメールだけでも送ってみようかと思い直す。
そんな時、屋敷に一本の電話が入った。
部屋から出て電話を取ると、それは高町士郎からだった。
「もしもし、バニングスですけど」
「あぁ、アイリか。俺だ、士郎だ。急ぎで済まないがデビットさんに代わってくれ。大切な話があるんだ」
士郎の口調は鋭い。
いつもの陽気な雰囲気とは違った様子を感じ、士郎は兄と話すときはこんな感じで話しているのか、と普段は知ることのできない情報にアリサは驚いた。
「パパは今海外出張中です。ママも一緒についていってます」
「……そうか、困ったな。なんともタイミングの悪い」
「それと、あたしはアイリじゃなくてアリサです」
間違えちゃだめですよ~。とふざけながら続けるも相手からの返事が返ってこない。
「……? もしも~し?」
突然相手の反応がなくなってしまった。
回線が途切れた? そう思い、しばらく電話越しにもしもしとささやき続ける。
暫くすると反応があった。
「……………………そこにすずかちゃんはいるかい?」
「え? すずかですか? 一緒じゃないですよ?」
「…………今どこにいるんだい?」
「家ですけど。士郎さんうちの電話にかけてきてるのにどうしたんですか?」
「……少しアイリに代わってもらえるかい?」
「あ……、今ちょっと出かけてていないです!」
「…………そうか」
士郎からのとりとめのない質問が続く。
一体どうしたというのか、父と話があると言ってたのに、自分に質問ばかりしている。
「ちなみにアリサちゃん。――――今日は学校へちゃんと行ったかい?」
「――!」
士郎の突然の質問にアリサは息をのむ。
質問の形はとっているけれども、その実ある程度の確信をもっている。そんな空気を感じた。
兄は無事やり切れそうだといっていたけれども、ふとした拍子でばれたのかもしれない。
士郎が言ってきているということは、放課後翠屋にでも行ったのか。
なんでそんな無茶を……、アリサは兄のうかつな行動に頭を抱えた。
「うっ、それは、その……」
「あぁ、いや責めているわけではないんだ。まぁ理由はあとで聞くとして……、むしろ今回は正直助かったかもしれない」
「へ? どういう意味です?」
士郎の話がいまいち要領を得ない。
すると士郎の後ろから声が聞こえる。
――父さん、周辺の地理は把握した。恐らく付近の建物に伏兵は潜んでいないと思う。裏口から突入しよう。
(え、なに? どういう状況?)
「士郎さん! 何してんの?!」
「――詳しいことは後で話すよ。またあとでな!」
「ちょっと士郎さん?!」
そういって電話が切れてしまった。
「ちょっと、どういうことなのよー!!」
アリサが事の詳細を知るのは数時間後のこととなる。
その間色んな事を考えて顔を青くしたり赤くしたりしていたことはここでは割愛する。
◇
月村すずかは緊張していた。
――最近家の周囲でおかしな動きが見られるの。念のため、注意しておきなさい。
姉にそう警告されたのは今朝のこと。
まさかその脅威がその日のうちに自分に迫ってくるとは思ってもいなかった。
それも、親友のアリサを巻き込むという最悪の形で起こってしまった。
自分とアリサを狙った突然の誘拐。一見二人を同じように扱っているが、明らかに自分に対して厳重に狙っている。
そしてその予感は的中する。狙いは自分だった。自分と一緒にいたばっかりに、アリサを巻き込んでしまった。
「可哀想になぁ、お前は巻き込まれただけだよ」
本当にそうだ。アリサみたいないい子が、こんな事件に巻き込まれてしまうなんて。
「すずかに何の用よ!」
アリサは優しいな。
原因の自分に恨み言を言うでもなく、彼女自身の事よりも友達の自分の事を心配してくれている。
こんな酷い状況だけど、アリサがいるだけで頑張れる気がした。
「それにしても哀れだ…………。化物に騙されていることに気付けないなんてな…………」
その言葉を聞いた瞬間、心が止まった。
何を言われたのか分からなかった。
いや、本当は分かっている。でもまさか、そんな……。
まさか、この人たちの目的は……。
この人たちは、全てを知っている。自分のことを、自分の一族のことを。
そして……それを隠す気がない。
目の前の、大切な親友に対しても。
嫌だ、やめて! お願いだから!
目の前のアリサは本当にいい子だ。
友達思いの、優しい子だ。
自分とは……、大違い。
友達を騙し続けている自分とは。
真実を知ったとき、アリサは……、自分の友達でいてくれるんだろうか。
アリサは確かに優しい。でもそれは、友達だから。
じゃあ、友達じゃなかったら?
その前提条件が崩れてしまったら?
薄れゆく意識の中で、すずかはアリサに対して恐怖を覚えていた。
◆
ザー。
小さな女の子が三人、仲よく映画を見ている。
雰囲気を出すためか部屋の明かりを落とし、三人でソファで寄り添っている。
(あぁ、懐かしいな。これはいつの記憶だろう?よく思い出せないや)
昔はこうして時々アリサの家で映画鑑賞会を行っていた。
(そういえば最近はしてないな、なんでしなくなっちゃったんだっけ……)
すずかはそんな事を思いながら、映画を覗き見ようとする。
しかし夢の中だからか、体が全く動かない。
テレビはちょうど今の自分の向きと反対側。
今はこの子たちと向かい合って立っているという状態になる。
自分のことは見えていないはずなのに、まるで自分が見られているかのような錯覚に陥り少し気恥ずかしくなる。
ザー。
後ろのテレビからは砂嵐の音しか聞こえない。
こんな状況では、なんの映画か確認することができない。
いや、夢の中だから自分が忘れてしまった内容の映画を映せないだけなのかもしれない。
ザー。
耳障りな音が響く。
「怖いよ、アリサちゃん……」
そう言ってなのははアリサの服の袖を掴む。
あぁ、ホラー映画を見ているのか。どうりでアイリがいないわけだ。彼はホラーが大の苦手だから。
きっと再生されたものがホラーだとわかった瞬間に逃げ出したに違いない。
そう考え、少し可笑しくなる。
三人の顔には恐怖が浮かんでいる。
年齢制限があるような映画ではないはずだけれども、やはり幼い自分たちには相当怖いものなのだろう。
自分も一緒にソファに座って、怖くないよ、大丈夫だよ、と三人の心を落ち着かせてやりたい。
でもこれは夢の中で、過去の出来事で、体を動かすことができなかった。
「こんなのがいたなんて、もうだめなの。世界は終わりなの……」
なのはは涙目でそう零す。
この頃はフィクションの意味もよく知らず、映画を見てはあんなとこに行きたい、こんなことをしたいとよくみんなで語り合っていた。だからきっとこのホラー映画のことも信じてしまっているんだろう。その様子は、不謹慎ではあるけれども、少し微笑ましい。
ザー。
「だ、大丈夫よ! なのはもすずかもあたしが守ってあげるわ! だから泣いちゃだめよ!」
あぁ、アリサちゃんは昔から思いやりのあるいい子だったんだなぁ。
その言葉を聞いたなのはの顔色が明るくなる。
けれども、幼いすずかの顔色はまだ悪い。
私はわりとホラーとか平気だと思っていたんだけど、昔は違ったのかな。
すずかは過去を思い出そうとして、でもやっぱりそんな時のことは思い出せなくて諦めた。
ザー。
それにしてもこの砂嵐の音はどうにかならないものか。内容が思い出せないなら、無音でもいいじゃないか。
後ろに振り返ってテレビの音量を切ってしまいたくなる。
ザー。
「それに、安心しなさい」
ザー。
アリサの声が続く。
この後彼女はなんと言ったんだったか。
思い出せない。
ザー。
ザー。
ザザザザザ―――
思い出せない。思い出したくない。
ザザザザザザザ――――
確かあの時アリサは……
ザザ
――なのはもすずかもあたしが守ってあげるわ。だから泣かないで。それに、安心しなさい。怯えなくていいの。あんなやつらはあたしが――
「吸血鬼なんて、あたしが全員蹴り飛ばしてあげるわ」
音が止む。
あたりに静寂が満ちる。
あぁ、そうだ。この時見てた映画は――。
思い出し、膝をつく。
だから自分は、あんなに怯えていたのか。
悲しみに暮れるなか、ふと体を動かせたことに気付く。
しかし、もう後ろの映画を確認しようという気にはならなかった。
それでも、アリサとなのはの傍には行きたかった。
行って、二人の温もりを感じたい。
そう思い手を伸ばす。
すると、手はなにか透明の壁にぶつかった。
目の前に何かがある。
これは何? これのせいでこれ以上前に進めない。
何かないかと周りの様子を探ってみる。
左右には不自然な壁があり、後ろにテレビがあるはずの空間には何もなかった。
それはまるで閉ざされた空間のようだった。
視線を正面に戻す。
三人の怯えた視線と重なった。
さっきから、やたらと視線が重なる。
それに、自分の動きに合わせて視線がこっちに動いているように思える。
その事実は、すずかに一つの結論を導きだした。
まさかここは――。この子たちが怯えているものは――
そして世界が暗転した。
◆
誘拐犯の正体は叔父だった。叔父と、復讐者。
でも、そんなことはどうだっていい。
アリサに、自分の正体をばらされてしまった。
絶対に知られたくなかった自分の秘密を、絶対に知られたくなかった友達の一人にばらされてしまった。
いや、アリサだけじゃない。自分とアリサの関係が崩れたら、他の親友だって何があったのか知ろうとするに違いない。
自分の、あの温かかった日々は、もう戻ってこない。
只々、謝罪を繰り返す。
騙し続けてきたことを、友達ごっこだったことを、親友の気持ちを踏みにじっていたことを。
あぁ、本当に……どうして自分は普通の人とは違って生まれてきてしまったんだろうか。
そのせいで、友達一人作ることができない。
いや、自分だけではない。
自分がそうだと知られてしまったら、姉のことだってばれることになる。
姉は、なのはの兄の恭也と恋人同士だ。
姉は、自分の一族のことを伝えているのだろうか。
姉と恭也の関係は自然体だ。そこは疑いようはない。でも、恭也には全てを伝えているのか、恭也は全てを受け入れているのか――。
自分は、とても恐ろしくて秘密など話せない。
姉は……、話せたのだろうか、話したのだろうか。
どちらにせよ、もはや関係のないことだった。
全ては過ぎ去ってしまった過去のこと、今はもう、触れることのできない思い出となってしまった。
思い返してみれば、この数年間は夢のような日々だった。
毎日が光り輝いていて、一日が終わるのがもったいなくて、明日になるのが待ち遠しかった。
明日からは、また一人っきりの日々が始まる。
記憶は消せても、もう元の関係には戻れない。
涙が止まらない。自分にできることは、ただ謝り続けることだけ。
「ふざけるな……」
あぁ、アリサが怒っている。
こんなに起こっている姿を見るのは初めてかもしれない。
なのはと喧嘩した時だって、不機嫌な様子ではあったけど、こんなにも怒りを露わにしてはいなかった。
「ふざけるな……ふざけるな……ふざけるな……」
あんなにも優しい子を、こんなにも怒らせてしまうなんて。本当に、自分はどうしようもない……。
そんな思いを抱えるすずかに、アリサの……、アイリの心からの叫びが突き刺さった。
「ふざけるなッ!! すずかちゃんを貶めるのもいい加減にしろ!! 吸血鬼? だからどうした?! ちょっと血を吸うからってすずかちゃんが僕の友達であることには変わらないし、すずかちゃんがすごく優しい子だってことは僕だって、みんなだって知ってる! 種族が違うからって今更疑うものか! 僕の大切な友達だっ!!」
――あぁ、この子は……どこまで優しいんだろう。
涙が止められない。先ほどまで流していたものとは全く性質の違うそれが、目から次々と溢れてくる。
優しさで溢れたこの子は、自分の思っていた子じゃなくて、その子の愛らしい兄の方だったけれど、それでも……自分の事を大切に思ってくれていた。
自分の秘密を知ったはずなのに、種族なんて関係ないって……。自分の怖さを知ったはずなのに……、自分を信じているって。
いくら感謝しても、感謝しきれない。
先ほどまで感じていた真っ暗な闇が、いつの間にか温かな太陽の光でかき消されている。
あぁ、温かい。
あぁ、眩しい……。
この子は、本当に……。
――私は、本当に、友達に恵まれた……。
◇
過ぎ去ってしまえば、嵐のような一日だった。
浚われて、自分の秘密を親友にばらされ、その親友は実は人違いだったけど、自分の事を受け入れてくれて……。
その親友は実はすごく強くて、自分の事を守ってくれた。
その温かい瞳の中に映る輝きに魅せられたのは、すずかだけの秘密だ。
そして、すずかは決意する。
アイリにもらった勇気を、振り絞ってみようと。
自分の親友を信じてみようと。
心臓がバクバクいっている。
この機会を逃したら、臆病な自分はきっともう二度と打ち明けようと思えなくなる。
この機会を逃したら、きっと一生後悔する。
事件のあった日の夕方、すずかはなのはとアリサを呼び出した。
それは、今日起きたことを二人に説明するため。
そして――
「なのはちゃん、アリサちゃん。二人に大切なお話があるんだ。大切な、とても大切なお話…………」
第三話の裏『告白』
そして原作へ
原作時主人公14歳の中学二年生。
特訓して魔法無しでもかなり強い子に成長しました。