堂島さんの話題が出てこないところを見るとゲテモノ好きかな? 究極の美食ってそういう(違
遠月学園から二人の生徒が来てから数日。
一人は厨房で、もう一人はホールで目覚しい活躍をしていた。
そして、今日。
リストランテ・エフの厨房では二人の生徒が揃っていた。
「今日からこちらでお世話になります。榊奴です。改めてよろしくお願いします」
「―――――ふん」
慣れた様子で一人一人挨拶を交わしていく少年を古門真司は冷めた目で見ていた。
真司とあの少年はそれほど年は離れていない。もしも、歩んだ人生が違えば同じ学校に通っていたかもしれないほどだ。
だが、そうはならない。彼や同じくこの店に研修に来ている少女と真司は違う。
物心着いた時から両親が無く、施設に預けられた真司にとって学校など縁のない場所だ。施設でイタリア人だったマザーの手伝いをしながら生活し、数年前水原の手でこの『エフ』にスカウトされた時からずっと、客を相手にする食の最前線で戦い続けてきた。
学校などでヌクヌクと過ごし、多少のリスクがあるとは言えたった数日過ごしただけで働いた気になって帰っていく連中とは違う。
まして、初日から真司のもとで失敗しながらもある程度形になってきた少女とは違い、残り二日の段階でこっちにやってきた少年に対しては絶対に負けるつもりはない。
「よろしくお願いします」
そう、言って。
差し出してきた手を睨みつけ、振り払う。
「初日に女が怖くて逃げだした腰抜けが。…………精々邪魔だけはすんなよ」
真司から目の前の少年に教えることは何もない。
第一、水原からは少女に対しては気を配れと言われたが、もう一人に対しては何も言われてはいない。どうなろうと知ったことではなかった。
他の連中も同様で、同じく研修にやってきた少女だけが少年に対し、心配そうに話しかけるだけだった。
「精々邪魔だけはすんなよ」
そう、言われて手を振り払われる。
(嫌われてるなー。ま、しょうがないか)
彼、古門真司の言うことは最もだ。
榊奴は同じくこの店に来た園果が怖くて一度逃げた。そう、口には出さなくてもみんな思っているだろうし、第一それは事実だ。
しかし、これからはそうはいかない。
榊奴操という料理人を認めさせる必要がある。最低でも、この場にいても問題ない程度にはその価値を示さなくてはならない。
一通り挨拶回りが終わり、これからについてある程度検討を付けていると園果が心配そうな表情で近づいてきた。
「あ、あの。大丈夫ですか?」
「いや、あれが当然の反応だろう」
「でも、元はといえば私が譲ってもらったから―――」
「はあ?」
「で、ですから。私が初日にホールに回っていればこんなことには」
一体何を言い出すんだ、コイツは。
譲ってもらったのは榊奴の方だし、別にこの数日の経験が無駄だったというわけではない。そもそも、ホールに出なければわからないこともあったので、こっちのほうがおおだすかりだったのだが。
「第一、お前天然だから、そっちに回ってたら皿とか割りまくるだろ?」
「て、天然!?」
人には向き不向きがある。
何を隠そう、この料理をさせれば殆どの料理が必殺料理級のものになるトンデモ少女も厨房から一歩出れば普通に天然娘だ。流石にどこかのスパイス狂のロリ教師ほどではないが、授業でコンビを組んでいるときは講師のもとに運ぶまででしょっちゅうやらかしそうになる。
「よし、この話は終わりだ。今日も一日頑張るぞ」
「ちょっと待ってください! 私は自分が天然だって思ったことありませんよ!?」
「そりゃあ、な。天然は天然だと自覚してないから天然なのであって、自覚しているならそれはもう末期だ。良かったな、まだ助かるぞ」
そう言って、いつも通りの何気ない会話を交わす。
思えばここ数日、あまりこういう会話すらしていなかったと思い出す。そこまで思いつめていたつもりはなかったが、どこか後ろめたい気持ちがあったのは事実なのだろう。
「そうだ。俺、ずっとこっちには入ってなかったからチラっと見てただけだけど。ここのシステムって料理の旅団であっているよな?」
「ええ、正式には
「そう、だな」
園果が説明してくれたとおり、この店のスタッフは一人一人の練度が恐ろしく高い。それは数日間ホールで働いていた榊奴から見ても明らかだった。
だが、それではダメだ。
一見何も問題がないように見えるが、このままでは確実にこの店は衰退の道を辿る。
練度が高く、誰か一人が欠けても問題なく厨房を回せるということは今回のようにイレギュラー気味に新人が入ってきたとしても誰ひとり積極的に育てる必要がないということになる。何せ、新たな戦力など入れなくとも何も問題なく毎日の業務が進行するのだから。
ここは遠月学園とはいい意味でも悪い意味でも全く違う。
初日にこの店に入って最初に感じたのは不自然なまでの静寂だった。ピーク時などには確かに慌ただしさが出るが、全員が各々の持ち場に徹することで簡単に凌げるものであり、それをこの店のスタッフはよく理解していた。そもそも、ホールスタッフにオーダーを受けてから料理が出てくるまでの正確な時間を把握されているという時点でそれが日常的に行われている行為だと予測するのは容易い。
今、この店で何かトラブルが起こってもマニュアルの名のもとに迅速に対処されてしまうだろう。
さて、そのマニュアルだが、同じモノを榊奴は前に一度見たことがあった。
「なあ、夏の合宿の最終日のイベント覚えているか? あれ、凄かったよな」
「ああ、遠月卒業生達全員によるフルコースですね。勿論覚えています。忘れられるわけないじゃないですか!」
そういった園果の顔はあの時の料理を思い出したのかちょっと人には見せられないものになっていた。
以前食べた料理でこれだけのリアクションを取れるなら料理人だけではなく、審査員側の才能もあるのかもしれない。その際は下手をすると年齢制限がつくかも知れないので学園総帥や堂島先輩をそっと添える必要がありそうだが。
「お前、あの中にいきなり入れって言われたらできるか?」
「む、無理ですよぅ! 元々フルコースというのはそれぞれの料理の特色を踏まえた上でバランスよく組み立てるものです。それをいきなりやれと言われて出来る訳…………、あれ?」
「気が付いたみたいだな。あのフルコースを作り上げるためには参加する料理人全員が意見を交えないといけない。少なくても、あの場で出されたものはそういう過程を経たものだった。でも、それだとおかしいだろ? あの人達は一人一人が一線級だ活躍する大物料理人達だ。何人かは元々付き合いがあってそういう話し合いができる場があったとしてもあの場の全員が一挙に集まる機会なんてそうそうないはずだ」
遠月学園の生徒はその校風から全員がライバルだと言っても過言ではなく、その中でも頂点であり明確な順位付けがなされる十傑達の仲はハッキリ言ってかなり悪い。歴代の記録を見ても遠月が誇る大型学園祭通称【月饗祭】で十傑同士が手を取り合い、共同出店をしたことなど数える程しかなく、悪い年は十傑同士の本気の潰し合いが行われた時もあるほどだ。
その殆どが元十傑である卒業生達も例外ではなく、榊奴の知る限り互いをライバル視するあまり普段は口も聞かないという人達もいる。
ならば、何故そんな人達があの時だけは完璧な連携を見せたのだろうか。在校生達が目だけではなく、心やその胃袋まで奪われた最高のエンターテイメントショー。榊奴の目指す一種の境地であるそれを成し遂げたのはおそらく。
「あるんだよ、マニュアルが。それも俺達が知らない恐らく卒業生と遠月上層部だけが知ることを許された類のものがな。そして、それはこの『エフ』でも使われている」
遠月卒業生達を短時間で連携させる究極のマニュアル。
その存在に驚く園果を見ながら、榊奴は今日までの経験からその正体と倒すべき敵に辿り着きつつあった。
「ふむ、そうきますか。では、こちらは――――あ、私の勝ちですね」
「だああああ!! もう一回だ! もう一回勝負しやが―――ってください!!」
遠月学園に存在するとある庭園では今日も下級生達がいなくなったことで暇を持て余した上級生二人が互いに持ち寄ったボードゲームで雌雄を競っていた。
とは言っても、直情的で思ったことはすぐに口に出してしまうタキと二十三十に罠を張った上で大胆に進んでくるせりかでは相性が悪く、常に一方的な盤面が展開されている。
「全く、タキちゃんは諦めというものを知りませんね。とはいえ、これでは私の連戦連勝。ここは運要素の絡んだデュエルでもしましょうか。ええと、ここにあるのは【アーティファクト蠱惑魔】と禁止制限無視なら【EMem(マスク、ルーラー、八咫烏添え)】ですね? あ、シャイニングドローとリミットオーバーアクセルシンクロは有りでいいですよね? ではジャンケンです。これでも私、ジャンケンではみーくん以外に負けたことないんですよ?」
「なんか運要素のかけらもねえ気がするんだけど。何もさせてもらえない気がするんだけど!?」
徹底的に罠に嵌められるかワンキル予感しかしない未来を予想しながら、それでも負けん気の強さからせっせと用意するタキ。
勝てないとわかっていても人には立ち向かわねばならない時がある。きっとそれは今なのだ。全身全霊を懸けてこのラスボスを倒すため、その命を燃やそうとしたとき。
「あ、そう言えば昨日みーくんが私のところに来ましたよ」
「っぶ!」
不意に発したせりかの一言で限界まで張っていた緊張の糸があっけなく途切れた。
「それは深夜のことです。私がいつものように月夜を眺めながら軽いティータイムを始めようとした時、空から落ちてきた彼が一言。「君を攫いに来た」、と。その姿と熱意に心を奪われた私は彼と熱い口づけを―――」
「アイツ、スタジエール中だってのに何してんだ!」
「ま、冗談ですけど。軽いアドバイスをして返しましたよ?」
「ちょっと待ってくれ、それどこまでが本当でどこからが冗談なんだ? アイツが来たのは事実ってことでいいのか!?」
「ふふふ、それはどうでしょう?」
表情を次々と変えるタキの様子を楽しみながら、せりかはもうひとつの爆弾を投下する。
「そういえば、彼、『エフ』を潰すって言っていましたよ?」
「は? はぁ!? ダメだ、アイツが何考えてんのかわからない。っていうか、本当に何考えてんだあの馬鹿!」
二人の後輩達の研修先である『リストランテ・エフ』は遠月卒業生であり、タキが尊敬する数少ない一人である水原冬美が指揮する店だ。
そこを潰す。などと聞いて黙ってられる性格ではなかった。
「今すぐ行ってあの馬鹿止めねえと! で、すぐに冬美先輩に謝って!」
「ダメですよ、タキちゃん。上級生である私達がスタジエールに直接手出ししては」
「で、でも!」
このまま黙って後輩が消えるのを何もせずに見ているわけにはいかない。
あの後輩は目の前の琥珀の目をした規格外や同学年にいるあのいけ好かない料理人のクズとは違うのだ。仮にも一つの巨大な組織である『エフ』に太刀打ち出来るわけがない。
「タキちゃんは何も出来ないでみーくんが負けると思っているようですが、私は違うと思いますよ? あそこには園果ちゃんもいますし」
「園果? アイツに何ができんだよ! 確かに料理に関しちゃ知識も技術も才能もそこそこだが、それ以外は胸にしか栄養が言ってない奴だぞ!?」
「…………確かに、あの子の胸には私達にないものが詰まっています。夢とか希望とか、いいですよね。アレ。どうにかして手に入らないですかね? 最近五つ以上年が離れているのにえりなもアリスもそこら辺の発育が目立つようになってきて―――――いえ、別にいいんですよ? あの二人は私の大切な宝物ですから。どれだけ成長してもそれは変わりませんし。でも、この前久しぶりに見た時えりなのお付の子まで明らかに私より胸が――――」
不意にタキの口にしたとあるワードにトラウマを呼び起こされたのか遠い目をしながら「タキちゃんだけは私の味方ですよね? いつまでも変わらないその姿でいてください。っあ、今そういう呪いかけましたから、絶対ですよ?」等と漏らし始めたせりかに(もしかして、私をそばに置いてる乗ってそういう理由か?)とタキが真剣に悩み始めた頃。
「でもですね」、と前置きしながら正気を取り戻したせりかが口を開いた。
「先日、タキちゃんに取ってきてもらった資料に興味深いものが載っていたんですよ。ほら、ここです」
テーブルに置かれた何枚の紙。
そこには、中等部からの榊奴操という生徒が行ってきた課題の評価が記されてきた。
最大評価であるAとその下であるBが羅列するだけの記録。唯一、その場での単独での創作料理の欄に関してのみ最低値のEと記載されている。
十傑であるタキからすれば少々物足りない感はあるが、論外であるEを除けばこんなものかと納得できる成績だ。
「これがなんですか?」
「単独での評価ではなく、ペアなどの複数での評価を見てください。どれもA評価でしょう? 特に園果ちゃんと組んだ時には恐らく実際の数値的にはそれ以上の評価が出ているはずです。全く、わかりにくいですよね。人間をAからEの五段階でしか表せないなんて」
「でも、それは出来る奴に引っ付いてただけって線はねえのか? 実際、講師陣もそんな評価を下しているからこそ、今までアイツが表沙汰になったことがなかったんだろ?」
「ふふふ、そこがまたみーくんの不幸なところですね。いいですか、タキちゃん。みーくんは才能がないわけじゃありません。ただ持ち得る才能のことごとくに代償があって、それら全てが彼の夢を邪魔するものなだけです」
「そんな――――」
そんな本末転倒な、と言おうとしてこの数ヶ月一緒に過ごしてきた後輩の姿を思い出し、タキは否定ができなかった。
あの後輩は特別普段から運が悪いというわけではないが、本人ではどうしようもないところで神様にイタズラされたとしか思えない不条理に良く合っている。それがこの評価にも及んでいるとしたらまったくもって報われない。
「ま、落ち着いてくださいよ。話はこれからです。―――ここにあるのは園果ちゃんや今までみーくんとコンビを組んだ事のある生徒達のデータです」
「へぇ。―――って、そんなもん用意できるなら最初から私に行かせずに自分で行けばいいじゃねえか!」
「いえ、流石に個人情報の取り扱いは十傑権限を使っても簡単にいかないのでここはタキちゃんをおと――――ごほん。まぁ、そんなことはどうでもいいじゃないですか!」
「おい、アンタ今はっきり私を囮にしたとか言ったよな! 言ったよな!? あの時はⅣ席の奴が絡んできて大変だったんだぞ!?」
タキの抗議の声は当然の事ながら受け入れられず、渋々せりかの指差す書類に目を通す。
初めの内は納得がいかない様子のタキだったが、そこは流石に十傑というべきか。一度読み出すと凄まじい集中力ですぐさまその違和感に気がついた。
「って、コイツは――――」
そこにあるのは一見普通の評価だったが、先の後輩のモノと照らし合わせることで驚くべきことがわかってきた。
「ええ、そうです。そういう事ですよ。全く、これに誰も気づいていないのは講師陣の見る目が無いのか、彼の擬態能力が凄まじいのか。それとも、遠月が目指す玉としての才能には相応しくないとでも思われているのか。でも、面白いと思いませんか? あの場にはみーくんがいて、その才能を十分に発揮できる園果ちゃんがいる。果たして、あの店の者達はその事実に気付けるでしょうか? ま、気づいたところでどうしようもありませんが。寧ろ、その事実に気づいて排除に移った方が――――」
確かに、この予想が合っているとしたらあの後輩にとっては皮肉としか言えない。天才ならぬ全くの愚才だ。
そして、それを誰もどうすることもできない。そもそもする必要がないだろう。タキがもし、あの後輩を扱う立場なら存分なく利用させてもらうだろう。だが、それと同時に人格を除けば何が何でも自分の店には置きたくない人材だ。だって、それではきっと料理がつまらなくなってしまう。
「…………ま、『エフ』はどうかしらねえけど、水原先輩があいつ程度にどうこうできるとは思えねえし、今回は様子見するか」
「全く、素直じゃないですねー。本当に二人が心配で今すぐにも飛び出したいくせに」
「なっ、そんなわけあるか!」
わかりやすいタキの反応に満足そうにせりかは頷きながら先程までと同じく持て余した暇を潰すために新たな遊びを考えようとその頭を働かせ始める。
「そう私達が気負うことはないですよ。みーくんも園果ちゃんもタキちゃんと同じく私が見込んだんですから。きっと無事にこの学園に帰ってきますよ」
そして、最後に。
「それに、成功すれば一つの店が潰れ、失敗しても若者が二人切り捨てられるだけじゃないですか」
そう、冗談に思えない事を笑顔で漏らしたのだった。
榊奴「あれ、仕事は?」
せりか「不思議なことに今朝起きたら全部なくなっていましたー。妖精さんっていたんですねー」
タキ「私はやってるぞ! 本当だぞ! きょ、今日はたまたま仕事がなかっただけだ!」
おまけ バレンタインその二
小林竜胆の場合
竜胆「せんぱーい、バレンタインフェアで色々お祭りやってるみたいだし見て回ろうぜー」
榊奴「なんかデジャヴが。―――ま、いいけど。あ、これチョコね。いつもご苦労さん」
竜胆「こちらこそ、あ、これ司にやるつもりだったけど」
榊奴「うん、それは普通に司くんに渡してあげようか。彼なら問題ないだろうけど、男の子にとってそれはとても価値が有るものなんだ」
竜胆「そーなのかー。じゃ、めっちゃ義理だけど渡してくる」
榊奴「待って、義理ってのを大声で言うんじゃない。もし近くに人がいるといたたまれない空気になる。おい、なぜキラキラした目で走り出す! って、言うか君わかってやってるだろ!」
茜ヶ久保ももの場合
もも「ブッチーの手が取れたから縫って」
榊奴「うん、取れたじゃなくて、君がもぎ取ったんだけどね」
もも「ッチ」
榊奴「舌打ちしない。全く、貸してくれ。三分で終わらせる」
もも「ねえ、それ(裁縫セット)っていつも持ち歩いてるの?」
榊奴「まあ、何処かの後輩のおかげでね。よし、出来た。よかったなブッチー。新品同然になったぞ」
もも「ふーん、ありがとう。これ、さっき作ったんだけど――――」
榊奴「あ、そうだ。今日はバレンタインだったね」
もも「!?」
榊奴「はい、これ。等身大ブッチーチョコ。かなりデカかったんで、木久地に協力してもらってレシピを一から作ったおかげでだいぶ時間がかかった。「春果停」の人達にめっちゃ睨まれた上、ワケを話したら木久地にも微妙な顔されたけど問題ない。こだわりにこだわり抜いた一品に出来上がった。当然、腕は着脱可能。そして、オリジナルにはないロケットパンチ機能を付けてみた。ロケットパンチは男のロマンだからね。フ、心配せずともじきにブッチーに付けてやるさ。そう、完璧なものをね。そして空中合体するんだ。足りない成功率は勇気で補ってって――――なぜ俺にロケットパンチの照準を向けているんだい?」
もも「やっちゃえ、ブッチー二号」
榊奴「待て、ロケットパンチは人に向けて撃っちゃいけないって習わなかったのか? しかもそれ自動追跡機能までついてるんだよ! あ、後、そいつの名前はブッチーMK-Ⅱ…………」