のび太「なんで遅れたの?」
焔崩し「あるアニメ見てたんだよ」
ドラえもん「因みにそれは?」
焔崩し「Angel beatsだよ。まじで最後泣いてた」
のび太「珍しい…さて、では本編どうぞ!」
「よっしゃあ!行くぜ、行くぜ、行くぜ、行くぜ、行くぜぇ!」
電王へと変身したのび太は普段の大人しい性格とは違い、凶暴な性格へと変わり、デンガッシャーを右手で振り回しながらバットイマジンへと突撃していった。
バットイマジンは近づいて来た電王対して何処からか取り出した白い剣で電王に斬りかかった。電王はそれをデンガッシャーで受け止めると右足でバットイマジンの腹部を三回蹴りつけ、バットイマジンを怯ませるとデンガッシャーで胴体を五回、切り捨てるように斬りつけた。
「こしゃくn「うるせぇ!一気に終わらせてやる!」ッ!」
電王はそう言うとライダーパスをデンオウベルトへと翳した。
《フルチャージ》
電子音が流れ、デンオウベルトからエネルギーが手元のデンガッシャーへと送られると、デンガッシャーの剣部が空中へと浮いた。
剣部からはエネルギーの糸の様な物がデンガッシャーへと繋がっていた。電王がデンガッシャーを縦、横へと振ると剣部もそれに反応し、縦へ、横へと動きバットイマジンを切り裂いた。最後に大きく縦に振るとバットイマジンは爆発した。
イマジンが倒された事を確認した電王はデンオウベルトを外し、元ののび太の姿に戻った。デンオウベルトは空中へと消えていった。
「皆大丈夫?」
のび太は直ぐに腰をぬかしているスネ夫達の元に駆け寄った。とうのスネ夫、静香、ジャイアンこと武の三人は未だに目をぱちくりさせている。
「のび太くん…君が電王だったんだね」
ふと、声が聞こえた。のび太達はその声に聞き覚えがありその声の方を見た。そこには青いネコ型ロボ、ドラえもんが居た。三人は電王という単語から先程ののび太の姿の名前なのだろうと悟った。
「そうだよ。タイムパトロール隊から聞いてんだよね。電王のことは」
のび太の質問にドラえもんは首を縦に振って肯定した。電王であるのび太はデンライナーと呼ばれるタイムマシンがある。これを開発していたのはタイムパトロールなのだ。だからタイムパトロールはのび太が電王であるのを知っている。
だがタイムパトロールは電王がのび太である事を機密にしなくてはいけない。しかしのび太の面倒を見るドラえもんには知る権利がある。だが闇雲には言えないのでヒントとして身近に電王が居ると遠回しに教えて居たのだ。
空き地では未だに緊張感の漂っており、辺りは静まりかえってしまっている。その空気を壊したのは電車のミュージックホーンであった。
先程のデンオウベルトのミュージックホーンと同じとも言える音、のび太達が空を見上げると空間の波の様なものから一両の電車が走っていった。デンライナーである。デンライナーは車体の下からレールを敷き、空中から空き地の近くの道路に着地した。
そんな非現実的な状況を目撃しているにも関わらず驚かない人物が二人居た。のび太とドラえもんである。やがて着地したデンライナーの扉が開き一人の人物が出てきた。
その人物は冬物のコートの様な物をスーツの上から着ており杖を右手に持っていた。どこか不思議な雰囲気とマイペースそうな雰囲気を纏った人物。彼こそがこのデンライナーのオーナーである。
「のび太くん、それにお友達の皆さん。お話が有りますので中に」
オーナーはそう言うとデンライナーの奥に戻って行った。のび太とドラえもんもその後を追って行く様にデンライナーに乗って行った。
スネ夫達は展開について行けずその場で立ち続けていたがのび太が顔をひょっこり出して早くと言いながら手で招いていた。スネ夫達は若干警戒しながらもデンライナーに乗り込んだ。
スネ夫達が乗り込むと同時にデンライナーの扉が閉まり、ミュージックホーンを鳴らして前進した。その振動にふらつきそうになったスネ夫達であったがそれよりもデンライナーの扉の窓から見えた光景に絶句していた。
デンライナーの窓からは自分達の住む町の上空が見えていた。普段はタケコプターで空を飛んでいる彼らだが電車が飛んでいると言う状況には声が出ないようだ。
思考が少し止まりながらも奥の扉に入ったスネ夫達。しかしスネ夫は直ぐに気絶してしまった。その速さは某有名な宇宙刑事の蒸着にも並ぶ速さであった。
原因は目の前にいる四体のイマジン、モモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロスである。のび太からすれば彼らは戦いの相棒であるがスネ夫達からすれば先程のバットイマジンと同じなのだ。
因みにドラえもんは今までの冒険で怪物は見慣れているので気絶しなかった。それどころか既にモモタロス達と打ち解けており、のび太についての話をして盛り上がっている。
少し、と言うよりはかなり騒がしいデンライナーの車内、その騒がしさを静めたのはオーナーの咳払いであった。スネ夫は未だに気絶している。ジャイアンが若干強めにスネ夫を叩くとようやく目を覚ました。
「あ、あれ…ってまだ居るの〜!?ママァー!」
スネ夫は目を覚ますなり騒がしくなった。のび太が大丈夫だからと言って落ち着かせ、ようやく話の出来る状況になり、話が始まった。
「いきなりですが、この世界に危機が訪れています」
「「「「「はぁ?」」」」」
オーナーが本当にいきなり世界が滅ぶと言い出した。突然すぎるため、のび太達は揃って言い返してしまったがそれはしょうがないだろう。オーナーは驚いているのび太達を気にせず話を続けた。
「実はイマジンと何か別の存在が手を組んだ見たいでですね。その何かの目的が貴方がたみたいなんですよ」
「ちょっと待って下さい!」
ここでドラえもんが声を上げた。彼にはその何かに狙われる理由が分からなかった。それは他の、のび太達も同じである。それに何故それが世界の危機に繋がるのか。そう言った疑問もある。ドラえもんはそれを代表して全て質問した。
「まず、なんで世界の危機、いえ世界の滅亡に繋がるのか。それは貴方達がここで消えるとどうなりますかねぇ」
オーナーのその言い方で何かに気づいたのはのび太とドラえもんである。オーナーの言う通りここで殺されて消えてしまうと未来ののび太達も消えてしまう。
「そう、未来の貴方達も消えてしまいます。それだけなら良かったのですが…更にその何かは貴方達の居るこの時代を支配するつもりなんですよ」
その一言でのび太達は顔を青くした。今まで何度も世界の危機を救ってきた彼らだが今回はいつも以上に危険である。更に敵にはイマジンまでも居る。イマジンに対抗できるのは今現在、電王であるのび太である。かなり絶望的な状況である。
「それにですね、どうやら時間警察のほうがガオウのベルトを秘密裏に回収していたようで…そのベルトが何処かに消えてしまってるんですよねぇ」
ガオウ、と聞いて苦い顔をしたのはイマジン達とのび太である。ドラえもん達はクエッションマークを頭に浮かべていた。
仮面ライダーガオウ。かつてのび太達を苦しめたライダー。その強さは別格。彼らが苦戦した敵である。更にオーナーはどうやら改良もしていたようですよと付け足した。
もし、ガオウの力が敵に渡っていたとしたら絶望的から一転、それこそどうあがいても絶望にしかならない。まさに最悪の二文字が当てはまるだろう。
「まあ流石に神の列車はありませんから脅威にはならないでしょう。改良したと言ってもまだ不完全らしいので」
「んなこと言ってらんねぇよおっさん」
オーナーの言葉に反応したのはモモタロスである。モモタロスはガオウの強さを最も味わっている。モモタロスはこの状況に苛立ちを感じていた。
「ともかく、常に警戒して下さい。何かあったらのび太君の所に行って下さい」
オーナーはそれだけ言うとテーブルに置かれているチャーハンを食べ始めた。しかしいつもの様に旗を気にしていない。オーナーも何か感じているようだ。その食べ方はやけ食いにも見える。のび太達はデンライナーが着陸したのを確認して降りていった。
〜デンライナー〜
「良かったのかよ、おっさん」
のび太達がいなくなったデンライナー内。モモタロスはオーナーに近づいてそう言った。オーナーは一部で嘘をついていた。それはのび太の方に関係することである。
「ええ、それに嘘ではないですしねぇ…ガオウは盗まれたのではなく、私が交渉して彼に渡しただけですから…それに、のび太君には良い成長剤になるでしょうから」
オーナーはそう言うとまたチャーハンを食べようとお皿を見た。お皿は空になっており、チャーハンはもう無い。オーナーは奥に居るナオミにチャーハンを催促すると口元を拭いた。
「さて…彼はなんの為に戦うんでしょうねぇ…」
〜空き地〜
のび太達はデンライナーが空に走っていくのを見届け、空き地である土管で休息をとっていた。いきなりこの様な話をされ、未だに思考が追いついてなかった。
自分達が狙われている。自分達からすればそれだけでも大変なのに今回は自分達の住む時代までもが狙われているのだ。彼らはまだ小学生。精神的にくるものがある。しかし、時間は彼らに余裕を与えるつもりはない。
空き地の外の道路。そこから一人の人影が見えた。やがて人影となっている人物が電柱の影から見え、その人物の全貌がはっきりと見えた。
普通なら見過ごす人の姿。しかし、のび太はその人物、正確にはその人物の腰についているベルトを見過ごさなかった。
黒い髪に青い目。よく見かける白いワイシャツに黒いズボンと言った学生が身につけている衣服。しかし、腰に付けられているベルトは明らかな異様を放っていた。中央に何かの口を模したがあり、その口を模した部分の中心には電王の物と類似した物があった。
そのベルトこそ、先程の話題で盗まれたと言われたベルト。ガオウベルトである。しかし所々が変化していた。
本来ならガオウベルトを正面から見て右にある銀のボタンがある。しかし、ボタンの数は六つ。左右に三つずつである。全てのボタンのカラーリングは違っていた。これが改造した際に付けられた物なのだとのび太は察した。
のび太は更に先程の話を思い出していた。ガオウベルトは盗まれている。つまりこの男がガオウベルトを盗んだ人物なのだ。そう考えていたが、その人物は空き地を通り過ぎようとしている。
「あの、すいません!」
のび太は思考を一度やめ、直ぐにガオウベルトをつけた人物を引き止めた。のび太には二つの考えが思いついていた。一つ目はその人物を仲間に引き入れる事。うまくいけば戦力が増えるからだ。
二つ目は未完成であるベルトを奪い取り、破壊する事。奪い取って破壊すれば相手の戦力ダウンには繋がる。何故奪った物を他の人物に使わせないか。のび太としてはドラえもん達に危険な事をさせたくないのである。大切な友人が傷つくのは見たくないのだろう。
だからといって知らない人物にも戦わせたくない。のび太は戦うのは自分達電王だけで良い。傷つくのも電王だけでいいと考えているのだ。
引き止められたその人物はのび太の顔を見てから言った。
「なるほど…電王か。先代が世話になったみたいだな」
明確な殺気を込め、小学生の野比のび太にではなく、電王としてののび太に向けて言葉を放った人物。のび太は自身の仮説が正しかった事を察した。明らかにこの人物が盗んだのだと。彼がガオウなのだと。
「挨拶はこれまでだ。さて…ここからは」
ガオウ(仮)はズボンの右ポケットから金色のライダーパス、マスターパスと呼ばれる、先代ガオウも使用していたパスを取り出した。ガオウはマスターパスをベルトに翳した。
《ガオウフォーム》
電子音が鳴るとガオウ(仮)の体はフリーエネルギーによって基本となるプラットフォームになった。続いてオーラスキンとオーラアーマーが生成され、プラットフォームに取り付けられていき、ワニの様な形をした電仮面が展開された。
ここに、ガオウ(ガオウフォーム)が再誕した。しかし、のび太は何処か違和感を感じていた。周りではガオウに対してそれぞれ反応を見せている。
(そうか…違和感はこれか…なんで彼はフォームのボタンを押さないで直接ガオウフォームになれたんだ?)
そう、本来ならプラットフォームと呼ばれる物が存在している。先代ガオウにも一応存在していた。だが彼は直接ガオウのスーツを纏い、電仮面が後付けされる形で変身した。そんな風に変身していたのはゼロノスと呼ばれる戦士だけである。
「ともかく戦わないと!モモタロス!行くよ」
のび太はデンオウベルトを出現させ、念話でモモタロスに言った。モモタロスはおう!とだけ言い、既に準備を整えていた。のび太はデンオウベルトを腰にまき、赤いボタンを押してパスを翳した。
《ソードフォーム》
電子音が鳴り、のび太の体がプラットフォームに変わるとオーラアーマーとオーラスキンが生成され、プラットフォームに取り付き、桃を模した電仮面が展開された。
「俺、参上!恐竜野郎!覚悟しやがれ!」
電王(ソード)はそう言うとデンオウベルトについているデンガッシャーを組み立て、ソードモードにした。対するガオウもガオウベルトからガオウガッシャーを組み立て、ソードモードにした。
「さあ…俺は先代とは違うんでね…飢えた恐竜の狂気の宴と行こう」
ガオウ(ガオウ)のセリフが合図となり、電王(ソード)とガオウ(ガオウ)はゆっくりと歩き出した。
焔崩し「後書きでーす」
のび太「なんで狙われるのさ…」
ドラえもん「本当にね…身に覚えがありすぎるよ」
焔崩し「あるのかよ…まああんだけ悪人捕まえてればあるか」
のび太「てか待って!ガオウなんでフォームこんなあるの!?ボタン×六なのにプラットフォーム部分がガオウフォームって、え!?」
焔崩し「んー…まあ私の趣味だ。だけど基本フォームが悪役感マックスだから」
のび太「羨ましい…んで変身者は?」
焔崩し「大体わかるだろ…多分。さて、問題です。のび太とガオウ(仮)以外に変身する人物は誰でしょうか?」
ドラえもん「それって身近な人だよね?」
焔崩し「そうだが?」
のび太「なら…ゼロノスは以前言ってたから原作と同じ桜井侑斗さん?」
焔崩し「正解。じゃあ身近なやつは?」
ドラえもん「え!?僕じゃないの!?」
焔崩し「んー…まあ間違ってはない。何に変身するかは内緒な」
ドラえもん「ヒャッハァァァァァァ」
のび太「じゃあほっといて次回予告行ってみますか。突然現れたガオウとのバトル!僕達は勝つ事が出きるのかな?ガオウの装着者の目的とは?次回、ガオウ、語る」