のび太「やっと…僕の出番だ…」
「起立!礼…さようなら!」
ある場所にある普通の小学校。ここで六時間目が終わり、終了の挨拶を行い次々と帰りの支度を進めていた。その中に普通の小学生、野比のび太がいた。彼はあることを除けば普通の小学生である。
「のび太!一緒に帰ろうぜ!」
そこに彼の友人である剛田武、ジャイアンが声をかけた。彼は暴力的ではあるが友達には優しく、内心は良い奴だ。
「ごめん。ちょっと用事があるから。また誘ってよ」
のび太が丁寧に断るとランドセルを背負い、廊下をかけて行った。のび太が去るのを見届けたジャイアンの元へ二人の生徒が近寄った。骨川スネ夫と源静香だ。彼等はのび太と長い付き合いであり、様々な旅を共にした仲間だ。
「にしても、最近ののび太変だよな〜。放課後になったらすぐに帰っちまうし、運動神経とか成績も上がってるしな」
と、ジャイアンが呟いた。元々のび太は成績も悪く、運動神経もダメだったのだが一ヶ月前から急に良くなり、今では出木杉と同じくらい、もしくはそれ以上になった。
「ならつけてみようよ。面白そうだし」
「いいな!行こうぜ!」
スネ夫の提案にのったジャイアンが廊下を走り、スネ夫もそれについていった。静香はどうすればいいのかわからなくなっていたがすぐにスネ夫達の後を追った。
〜同時刻のび太側〜
ジャイアンの誘いを断って学校を出て行ったのび太は家に向かっていた。その速度はとても小学生とは思えない速度で、小学生の中ではトップクラスであろう。
のび太が走っている途中ランドセルから音が鳴り出した。のび太は一度足を止め、ランドセルをあさると、のび太の手元には赤いケータイ、ケータロスが握られていた。のび太はコールボタンを押し、電話に出た。
「もしもし?どうしたの?」
「のび太!この後デンライナーに来てくれ。おっさんが話があるってよ」
電話の相手はモモタロス。彼が一年前に出会った彼の子守用ロボットとは別の相棒だ。
のび太とモモタロスは一年前、本当に偶然出会ったのだ。モモタロスはイマジンと呼ばれる存在で契約者の願いを叶えるためにいた。
モモタロスが偶然、のび太と契約しようとしたのだが、のび太は特異点と呼ばれる者であった。当時契約内容が思いつかなかったのび太は願いを保留としていた。
そしてモモタロスと会ったすぐに黒いパスケース、ライダーパスとチケットを拾い、交番に入ろうとした途端にデンライナーと遭遇し、流されるがままに仮面ライダー電王へと変身し、戦ってきたのだ。
今では時の運行を守る者として、都市伝説でのヒーローとして動いている。仮面ライダーと言うのは最近、付けられた異名の事で彼にとっては自分の代名詞となっている。
因みにモモタロス以外にもイマジンはおり、ウラタロス、キンタロス、リュウタロス、ジークの合計五人(?)である。ジーク以外はのび太命名で、周りからはセンスが無いと言われている。
モモタロスとの通話を終え、デンライナーに行く前に一度家に帰ろうとした時、
「キャァァァァァ!!」
突如女の子の悲鳴が聞こえた。のび太は悲鳴の聞こえた方向、いつも彼がいる空き地へと向かった。
〜空き地〜
のび太が悲鳴に気づき、空き地に向かっている頃、ここには三人の小学生と一人の異型が居た。ジャイアン、スネ夫、静香とコウモリの羽をモチーフにしたマントをつけ、化け物の顔をした者、バットイマジンである。
スネ夫達はのび太に追いつかないと判断し、空き地で寄り道をしていた所にバットイマジンが現れ、悲鳴を上げたという事だ。バットイマジンはゆっくりと三人に近づいていた。
必死に助けを呼ぼうとするが同じくバットイマジンを見た人達は自分の命を優先して逃げてしまった。
バットイマジンがあと数歩で三人に迫るという状況、三人は助からないと諦め、目を瞑った。が、何処からか紫色のエネルギー弾が飛んできた。バットイマジンは自身の背後からエネルギー弾が飛んできたことに気づかず、エネルギー弾は直撃した。
三人は自分達が死んでない事に疑問を抱き、そっと目を開いた。すると目の前には倒れているバットイマジン、そして手に銃を持ったのび太が居た。手に持っている黒い銃、デンガッシャーの銃口からは煙が出ており、彼が撃ったのだと分かる。
「「「のび太!(さん!)」」」
三人はのび太を見つけると先程の絶望の表情から一転、喜びの表情へと変わった。あまりの喜びにのび太の持っているデンガッシャーにはツッコミをしていないが。
のび太はバットイマジンが起き上がるのを確認すると、手元に彼のデンオウ
「モモタロス。行くよ」
のび太はデンライナーに居る相棒にデンオウベルトを使い、念話でそう言うと、デンオウベルトの中央にライダーパスをかざした。
《ソードフォーム》
電子音が鳴ると彼の体が黒いパワードスーツ、電王プラットフォームに覆われた。身長も大人のものへと変わっている。
そして何処からか飛んできた黄色い球体がプラットフォームに入っていった。するとプラットフォーム周りにフリーエネルギーで作られたオーラアーマーがプラットフォームのレールを辿って胸につき、電仮面も頭部のレールを通って顔に取り付けられた。
これで仮面ライダー電王ソードフォームの完成である。電王が腰からデンガッシャーを取り出し、組み立てると剣のようになり、先端にはフリーエネルギーで出来た剣がある。デンガッシャーを右肩で担ぐと彼にとってはお決まりの台詞を言った。
「俺、参上!」
焔崩し「こちらでもやる後書きコーナー」
のび太「ところでなんでもう変身してるの?」
焔崩し「当初は電王の原作ベースにしようとしたんだけどな。問題としてキャラが変わっただけになっちゃうのよ。だから少しでもオリジナルにしないととしたらこうなった」
のび太「だとしてもこれはないよ」
焔崩し「んなこと言ってもねぇ。あ、一応言うがのび太は電王の原作を経験はしたがまだ幽霊だの鬼だのとは戦ってないぞ。そこはこの作品でやりたいから」
のび太「恐竜こと、ガオウは?」
焔崩し「戦った。まぁ、出番はあるし、むしろありすぎるからカットになったんだが。要望あったらやるよ。過去編って事で」
のび太「まじか。次回予告もどき、やる?」
焔崩し「おう。任せる」
のび太「では。突如現れたイマジン、それと戦う僕とモモタロス。そしてオーナーから知らされる事実。ジャイアン達がしる僕の事情。次回、電王達が知る真実」
焔崩し「時の運行を守れ!」