エクゼイドにて
社長、土管から復活
あれは不意討ちですわ
取り合えずどうぞ
数日前
テイルレッドとテイルエアーの激戦の前の日、曽テイルレッドとドラグギルディとの戦い、そしてテイルエアーとテイルシャーマが戦った場所。戦いの爪跡として融解した地面やなぎ倒された木々があるこの場所に柄物のパンツを木に吊るして歩いて来た一人の青年がいた。
「……なんでここはこんなに荒れているんだ…?」
激戦の爪跡を見ながらここで何が行われたのか推察してみる。そこから、ここで誰が戦ったのだと気付くのは時間の問題だった。
直ぐ様誰がここで地形を変える程の激闘を行ったのだと結論をつけ、激闘を行った者達の特定を始めた。
(こんなに激しい傷跡をそこら辺に残したんだ…かなり強い奴同士が戦ったに違いない。それに、もしかしたら、あれに関して手かがりがあるかもしれない)
この青年はそう考えて融解した地面や倒れた木々を調べる。そして、二つの破片らしき物を見つける。赤と青の二色の破片。大きさはとても堅いのは手に持った感じでわかったがそれに比例しない程軽い。
この破片がこの場で戦った二人の装甲の破片だということは、その二人のメカニックのみが知ること。
そんな事を知らない青年は右手の掌に二つの破片を置いて良く見てみる。すると、その破片は光を放ち破片から赤と青の二つのメダルへと形を変えてしまった。
「これは!?コアメダル!?」
その青年はそのメダルを見て左手を使って左のポケットから割れた赤いメダル、そして赤いメダル、黄色いメダル、緑色のメダルを取り出し、光を放ち形を変えたメダルと見比べる。
「……レプリカ…じゃなさそうだな…」
そう言って青年は全部のメダルを左のポケットに入れておもむろに歩き出したのだった。
戦闘が終わり、変身を解いた直後、俺に走って向かってくる愛香。
その間、メダルをせっせと集める翔太郎さん。
「待ってくれ!愛香!」
その言葉で愛香は俺の前で止まる。
「なんか理由あるの?」
その間にメダルを集め終えビニール袋に入れた翔太郎さん。
「輝跡、俺は先に事務所で待ってるから」
「わかりました」
翔太郎さんはそう言うとバイクに乗り事務所に向かっていった。
「あの人誰なのよ」
「えっとね、あの人達の事を話そうと思って今日は来たんだよ。さて、事務所に行こう」
そう言って歩き出す。
「……」
無言で俺に着いてくる愛香。ある意味プレッシャーがヤバイ。
その後、歩いている途中でバテている総二と慧理那先輩、そして倒れている(疲れにより)トゥアール、それを介護していた尊先生と出会い鳴海探偵事務所に向かった。
一時間後
鳴海探偵事務所に到着した。
「お邪魔しまーす」
そう言いながら鳴海探偵事務所に入る俺達。そこには椅子に座りならがらタイプライターを坦々と打ち込む翔太郎さん、そして横で壁に背を付けながら本を読んでいるフィリップさんがいた。
「あ!あんたさっきいた…」
「ああ、輝跡になんか言おうとしてた嬢ちゃんか」
「えーと…まず、紹介するよ。こちら鳴海探偵事務所の探偵、左翔太郎さんとその唯一無二の相棒フィリップさん。実は、このお二人が俺に協力してくれてた人達なんだ」
「この人達が!?」
愛香の声が響く。
「で、翔太郎さん、フィリップさん、ここにいるのが俺と同じ部活、ツインテール部の部員、愛香と慧理那先輩、トゥアール、部長の総二、おまけの顧問の尊先生です」
「おい、私がおまけなのはおかしくないか?」
尊先生はスルー。
「…で、この人達を僕たちに紹介するということは、何かあるってことだね?」
フィリップさんが話を切ってくれたので本題に入る。
「ええ。まず、翔太郎さん達の事を話していいですか?」
「構わないよ」
「実は翔太郎さんとフィリップさんは…………仮面ライダーなんだ」
暫くの沈黙後
「「「「えーーーーー!!」」」」
驚くツインテール部の面々。
「噂ってのは本当だったのか…」
仮面ライダーを知っている総二はそこまで驚いた表情は無かった。
「あ、あの……」
何かモゾモゾとしている慧理那先輩。暴走するなよ…
「さ、サイン………よろしいでしょうか?」
そう言って慧理那先輩が紙を渡そうとするが、俺はその紙がただの紙ではなく、ここにいる独身女性こ名前が書かれている紙だということに気付く。
「おい、これ、婚姻届じゃねーか!!」
「は!!私、いつの間に!?」
「お嬢様!?いつその紙を!?」
どうやら、あまりにも興奮しすぎたようで、普通の紙と婚姻届を間違えてしまったようだ。それに、尊先生はその事に気が付かなかったという、意味わからんハプニング付き。
「な、なんで輝跡が仮面ライダーと知り合いなのよ!」
「話すと長くなるけど…その前にみんなの事言っていいか?」
「いいよ」
「ちょ!総二!」
「同じ世界を守ってる者同士だし、仲間は多い方がいいよ」
「……」
愛香が無言になった。
「いいよな?トゥアール」
「ええ。構いませんよ」
と、許可も出たので言ってしまおう。
「えーと、フィリップさん、翔太郎さん」
「なんだ?」
「なんだい?」
「こちら、ツインテール部改め、ツインテイルズです」
「「…………」」
暫くの沈黙。
「なあ…輝跡…病院行こうか…」
「翔太郎さん、俺は常に平常ですよ」
「……もし、輝跡君が本当の事を言っているのだとしたら……うむ、あり得ない話しじゃなさそうだね」
「流石!フィリップさん。話がわかる」
「俺は信じねーぞ」
「総二、変身してみて」
「え…いいのか?」
「百聞は一見にしかずって言うし、変身すれば翔太郎さんは信じてくれると思う」
「わかった。テイルオン」
総二の体が光に包まれ一瞬にしてテイルレッドへと姿を変える。
いきなり現れたテイルレッドに驚いた表情の翔太郎さん。なるほどと小さく呟きながらテイルレッドを舐め回すように見るフィリップさん。レッドはフィリップさんに見られて少し頬を赤くしていた。
「ちょ!そんな風に総二を見ないで!!」
そう言って愛香がフィリップさんの視線を邪魔しようとする。
「うむ、実に興味深いね…これを作ったのは…君かい?」
そう言ってトゥアールを指差す。流石フィリップさん。誰が開発したのか直ぐにわかったみたいだ。
「ええ。この天才科学者トゥアールさんが作りました!!」
トゥアールは自分で堂々と胸を張って答えた。そのむね肉に飛び込んでもぎ取ってやろうと目を光らせてる愛香が近くにいるが、あえて言わないでおこう。面白そうだし。
「えーーーーー!」
「ぎゃーーーーーーー!!」
驚いて完全に固まっていた翔太郎さんが遅れてリアクションをする。
それと当時に愛香がトゥアールに飛び込んでトゥアールをフルボッコにし始めた。
「テイルレッドは男!?マジかよ…」
左手で顔を隠す翔太郎さん。
「あの……輝跡君とはどこで知り合ったんですか?」
「ああ…それは…」
と翔太郎さんとフィリップさんが第6話で話した事を改めて話してくれた。それを目を輝かせて聞いている慧理那先輩、目の輝きが翔太郎さんとフィリップさんに向いている尊先生、慧理那先輩の横でまずまずと聞く総二、その後ろで一方的に殴っている愛香に殴られてるトゥアール。
うん、平和な感じだ。(総二は話を聞く前に変身を解いたよ)
話しが終わった後、個々に翔太郎さんやフィリップさんと話し始める総二と慧理那先輩、そしてトゥアール。愛香は未だに二人を警戒しているようだ。
「あれ?尊先生、どうしたんですか?」
いつもよりも出番基テンションが無い独身女性、どうしたのだろうか?
「いやな…予想以上にその翔太郎とフィリップとやらがかっこよくて…見とれていた…」
「大丈夫ですか尊先生!?熱でもあるんですか!?」
「なんだ、輝跡、私がかっこいい男に見とれていた事がそんなに驚くことなのか」
「いや、ここはいつものテンプレで婚姻届を渡して断られるパターンじゃ無いんですか!?」
「私も本当は渡したい………だが、あのイケメンを独占して良いのだろうか…」
「あんた本当に尊先生ですか!?」
「ぐぬぬ…婚期を逃してはいけない…だが!あんなイケメンに婚姻届を渡して断られると私の心に深い傷が残ってしまう!」
「それが本音だろ!てか、何度もその傷負ってるだろ!」
「……よし!決めたぞ!今から二人に婚姻届を!」
と言って尊先生は翔太郎さんとフィリップさんのもとへ行ってしまった。
俺は来客用の席に座って話している皆を見る。
「…」
「うぉ!?愛香…いたのかよ」
いつのまにか隣に座っていた愛香。マジ驚いたわ。
「さっきからここにいたわよ。てか、あんたが隣に座ってきたのよ」
「そうだったのか…」
そう言って俺は愛香の方を見直す。いや~ツインテールが綺麗ですな。
「何よ?」
「いや…そういや、なんでさっきから翔太郎さんやフィリップさんを警戒してるの?」
「警戒…っていうか…なんていうか…」
さっきから総二が翔太郎さんやフィリップさんと話して楽しそうにしている。(慧理那先輩はもっと楽しそう)
それを見て愛香の表情は不機嫌になったり、時には翔太郎さん、フィリップさんを一瞬睨めつけたりする。
もしや…
「愛香さ…総二にかまって貰えなくてちょっと嫉妬してるでしょ?」
「はぁ!?ばばばば、馬鹿言わないでよ!」
と言って思いきりグーパンを右ほほに喰らう。
一瞬、お花畑が見えた…気がした。
殴られて直ぐ、気を失う寸前で何とか持ち直して俺は愛香の方を向く。右ほほが凄く腫れているのだが、ここは気にしないでおこう。(本当はダメだよ)
「ご、ごめん…」
「大丈夫、気にしないで」
と言うが少し籠った声になってしまっている。
そんな時だった。トゥアールの方から大きな音が鳴り響く。この音は…
「総二様!慧理那さん、愛香さん、オマケの輝跡さん!「俺、オマケ!?」エレメリアンです!!」
「「「「「「な、なんだってー!!」」」」」」
トゥアールとフィリップさんの声以外がハモった。ありえない事が起きているのだから、しょうがない。
「今、アルティメギルとは休戦してるはずでしょ!?」
「ええ。アルティメギルがそれを裏切るなんて、正直考えられませんが、エレメリアンを感知したのでこの音が鳴ったんです!さて、皆さん、出撃してください!!」
そんな時に、翔太郎さんの電話が鳴り電話に出る翔太郎さん。数秒後、翔太郎さんは少し焦った顔をしてトゥアールの方を見る。
「おい、そこの爆乳娘!「爆乳!?」そのエレメリアンの出現位置わかるか?」
「ええ」
そう言ってトゥアールは胸の間からペン程の物(ワープ装置に似ている物)を取り出してその物を作動させる。すると、地図らしき物が半透明な青いスクリーンに展開される。
「ここは…風都の公園みたいですね」
「ちっ!!予想的中か!」
「予想?」
「さっき警察から連絡があったんだよ。怪人がまた現れたって。もしかしたらって思ったら、怪人の場所とエレメリアンの場所が一緒だったんだ」
「ってことは、その怪人はエレメリアンって事ですね」
「当たりだ。総二」
「兎に角、出撃しないと!翔太郎さん!手伝ってください!」
「しゃあねぇな!!」
「あ、すまないが翔太郎、僕は少し調べたい事があるから、一人で変身してくれ」
「私も、フィリップさんと調べものがあるので、オペレート出来ません。なので各自戦ってください」
「トゥアールがオペレートした事ってあったか?」
「無いわね…」
「取り合えず、変身しよう!」
俺の言葉で頷く皆。翔太郎さんはダブルドライバーの左側のない奴を腰に着ける。そして、黒いUSBメモリを取り出す。
[JOKER]
ゲンドウボイスが鳴り響く。
「変身」
「「「「テイルオン!!」」」」
翔太郎さんがメモリをドライバーに入れて起動させるのと同時に俺達戦闘要員の四人が光に包まれる。
そして、それぞれテイルレッド、テイルブルー、テイルイエロー、テイルエアー、仮面ライダージョーカーに変身した。
そしておもむろにワープ装置を起動させてエレメリアンの出現位置にワープしたのだった。
公園に到着する。
「おおお!?今のは!?」
「ワープ装置を使いました」
「ワープ装置?ってここは…」
「目的地の公園ですよ」
「俺、バイク置いて来ちまった…」
「ちょっと!あれ!!」
ブルーが指を指す。その方向にはミイラ男のような奴が30体、そのマッチョ形態が3体、そして、その中央に俺は見たことのあるエレメリアンを見つけた。
「あれって…クラブギルディ!?」
曽倒した自称アルティメギル一の俊足、そして項を愛した変態である。
あいつは確かに俺が倒したはず…
「おい、あいつ、エアーが倒したはずだろ!?」
「どうなっているのですか?」
「なんだ?前に倒した奴なのか?」
「ええ。僕が倒したエレメリアンなのですが…」
「復活したのか!?まあ、理由はともあれこの街を泣かせる奴は許しておけねぇ!」
そう言って翔太郎さんこと、仮面ライダージョーカーは怪人達に向かって走っていってしまった。
「追い掛けるわよ!レッド、イエロー、エアー」
ブルーの一言によって俺達も怪人の群れに突っ込もうとした。その時、俺の視界からクラブギルディが消えたのだ。瞬きをした瞬間。そして、背中から何やら視線を感じた。
俺と同じように視線を感じたブルーが俺と同じタイミングで後ろを向いた。
そこには、クラブギルディが既にいた。
大きい鋏とその甲羅は蟹をイメージさせる。だが、明らかに、前より鋏は大きくなっており、色も全体的に青く…そう、まるでガ〇ガ文庫の裏表紙の色のように真っ青になっていたのだ。
「フフフフフフ…いい項だ…これ程の項…もっと眺めていたいものだな…」
その言葉を聞いてレッドとイエローも振り替えり、クラブギルディを黙視した。
だが、それと同時にレッドはさっきの声の気持ち悪さに(男の時の自分と同じ声なのに、めっさキモい声で笑っていたため)顔を青くしていた。
「お前、クラブギルディだな!?どうして生き返った!?」
俺は核心的にクラブギルディを指差して言った。
その問いに対してクラブギルディは不適に笑いながら此方を見つめる。
「生き返ったのではない。転生したのだ。それに、私は元クラブギルディで今はキャンサードギドミィと名のっている」
「お前、エレメリアンじゃ無いのか!?」
「エレメリアンであり、ヤミーであり、ドーパンド。項を見るために進化した最強の戦士だ」
最強の戦士って所だけ見るとかっこいいけど、項を見るために進化って付けたらなんか残念感半端ないよな…
「まあ、いいわ。取り合えず、倒せばいいだけの話しよ!」
そう言ってブルーがキャンサードギドミィに殴りかかったが、既にキャンサードギドミィはそこにはいなくなり、ブルーの拳が空を突いた。
「速い!?」
皆でキャンサードギドミィを探す。
遠目でジョーカーがミイラ男のような怪人達と戦っているのが見えた。
だが、一瞬にしてジョーカーの体から火花が発生し吹き飛んだ。
「ジョーカー!!」
「ジョーカー先輩!!」
俺とイエローが叫ぶ。
俺達は直ぐ様ジョーカーの元へ向かう。ジョーカーはかなりのダメージを受けたようで立てないでいた。
ジョーカーの元へたどり着きジョーカーに肩を貸す。
「ぐ…油断したぜ…」
「いったい何が…まさか!」
直感でキャンサードギドミィの攻撃だと感じた俺は直ぐ目の前の怪人達を見る。
そこには、既にキャンサードギドミィがいた。
「ツインテイルズ…項のふつくしい者達よ!必ずお前達を倒し、幹部達のともらいをさせて貰うぞ!!」
そう言って何処かに行ってしまうキャンサードギドミィとミイラ男の怪人達。
追おうとしたブルーやイエローは怪我をしたジョーカーを見ていたレッドと俺に追う事を止めさせられ、歯がゆい感じを残し、撤退したのだった。
またまた関係無い話し。
豪快な黄色は今、九人のピンク。
では、また次回