艦娘と銀鷹と【完結済】   作:いかるおにおこ

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第二部 始まりの鷹の物語
始まりの鷹・前


 暗黒の空間。

 どれほど強烈な光でさえ喰らっていくような宇宙の闇。

 とある宙域の調査のため、中年に差し掛かった男性パイロットは宇宙戦闘機・シルバーホークに搭乗していた。

 

 正しくはオリジンシルバーホークと呼ばれるものだ。猛禽類のくちばしを思わせる鋭利な機首。接地脚と機関砲を兼ねた脚部。機体上部にはトサカを思わせるようなフックがついている。

 戦闘機というには主翼がないが、機体の尾部には一基のエンジンがある。これとフック部があれば場所を問わず高機動戦闘を展開することが出来る。

 機体はコンパクトで場所を選ばず高機動戦闘を行い、搭載している武装は強力無比。アームと呼ばれる膜のような形状をした強力な防御スクリーンを備え、亜空間ネットワークを介して場所を問わず補給が可能。まさに万能宇宙戦闘機と呼ぶにふさわしいだろう。

 だがこの黄色のシルバーホークはじっと動かないでいた。その理由は機首の下に吊るしている正方形の機材にある。このシルバーホークパイロットは、なにかと戦うために赴いたのではなかった。

 

「おい。こうしていればいいのか? 本当に?」

「そうです。あなたのオリジンに搭載した調査キットは、こちらで遠隔操作していますから」

「頼むぜ、俺の教え子たちがどこに行ったのか、なにがなんでもつきとめてえんだ」

 

 全天球モニター。シルバーホークのコクピットは前も後ろも、上も下もを確認できるようになっている。索敵をするなら目視よりはレーダーを見たほうがいいが、なにもやることがないので首の運動をしておきたい。

 そうして窮屈な思いから少しだけ開放されたパイロットは、なにか自分の足が揺れたような感覚を覚えた。武者震いではないし貧乏ゆすりでもない。エンジンが一際大きく動いたのか、それとも吊るしている調査キットが作動している証拠か。

 

「どうなんだあ技術班、どれだけかかる」

「しばらくかかりますよ。5分は要します……手がかりが見つかるとよいのですが」

「どんな小さな手がかりでも見逃さないでくれ、頼むぜ」

 

 正方形の形をした調査キットからボール型のロボットがふわりと抜け出ていく――そんなのを見ながらパイロットは長く息をついた。いまの自分にできることは何もない。高速で飛来する隕石もなければ敵となりうる存在もレーダーは探知していない。

 がたん。まただ。また足が揺れた。辺りを見回しても小さな石の一つも見つからない。さっきから妙な揺れが起きてやがる、いったいなんだってんだ?

 

「おい班長」

「はい?」

「さっき揺れたよな、なにかあったのか?」

「揺れですって?」

「そうだ、揺れたんだ。なんかがぶつかったようでもないし、分からないか?」

「……もしかすると、ここは危険かもしれない」

 

 なんだって? 聞き返しながらもパイロットは操縦桿に手を添える。正しくは操縦桿ではなく、コクピットのシートに備え付けられているコントロールボールなのだが、いつでも動けるように備えが終わった。

 

「〈時空震〉の前触れかもしれないです」

「おいおい、そりゃホントかよ」

「とにかくそこを離脱してください。遠くからでも観察はでき――」

 

 そこでで通信にノイズが走る。嵐に巻き込まれたかのような雑音。直後にパイロットは激しい振動に見舞われる。まるで噴火寸前の火山のまっただ中にいるようだ、とパイロットは冷静さを保っている部分でそんなことを思った。

 

(ってそれどころじゃねえ! なんだこれ、なんだこれは!?)

「――わあっ!! だ――すか?」

「なに言ってるか分かんねえ!! とにかくこの場を離脱だ、そのロボットのアームをこっちの脚に巻きつけろ!!」

 

 返事はない。雑音の他には。同時にシルバーホークが激しく揺れ動いているのでコクピットへの衝撃が凄まじく、やかましい警告音が鳴り響いている。パイロットがどれだけの大声を出しても通信相手に届いている様子はない。

 だがパイロットは調査用ロボットがシルバーホークの接地脚を掴んでいるのをどうにか認め、一気に急発進する。旧式(オリジン)とはいえシルバーホーク。万能と呼ばれるに値する推進力は本物で、亀のようにじっとしていた場から瞬間的に離脱していく。

 

「くそっ、これが時空震か! 巻き込まれてったまるかああっ!!」

 

 エンジン全開。後ろを見れば、暗黒の宇宙空間に「虚無」があった。それがいったいどういうものなのかはわからない。だが、パイロットは、それをいいあらわすのに「虚無」という言葉が似合うだろうと直感した。

 顔もない。意志もない。実体がない。なのにそれはなにもかもを飲み込もうとして俺に手を伸ばしている――上下左右に激しく揺れ動くコクピットに体力を相当に消耗されながら、パイロットはアフターバーナーのスイッチに手を伸ばし、更なる推進力を得ようとする。

 

 が。

 しかし。

 がこ、という妙な音が激音に揺れるコクピットにやけに響いた。

 

「え、エンジンが……イカれやがった!!」

 

 計器類を見ればエンジンの出力がみるみるうちに低下しているのが分かり。全天球モニターの前面部にはエンジントラブルを知らせるウィンドウが投影されていた。

 

「うおおっ、くっそおおおおっ!!」

 

 吠えるパイロット。精一杯抵抗しようと機能回復につながる操作を次々に試みるが、彼の頭が砕かれる勢いで天井に叩きつけら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なぜ、俺はまだ生きている――それが、ベッドの上で目覚めた彼の最初の言葉だった。

 彼が最後に見たのは暗黒の宇宙空間。何もかもを強引に引き込む重力。エンジントラブル。戦闘機のコクピットの中でもみくちゃにされて、それで……

 

「なんや、起きていたんかいな。おはよう、キミ、具合は大丈夫?」

 

 若い女の声が聞こえ、そちらへ振り向く男は絶句した。赤く何か分厚い服を着た、茶色のツインテールに小さな体躯の、外見はまだ幼い少女――の巨人がこちらを見ているのだ。

 

「どないしたん?」

「……なんだ、これは。夢でも見ているのか?」

「あんなぁ。キミ、頭大丈夫? ……ああそっか、ほれ、鏡や」

 

 近くにあるテーブルから手鏡を取り出した少女は、男に自分の顔が見えるようにこれを向けた。

 数秒、誰も言葉を発することはなかったが、奇妙な静寂を打ち破ったのは男の奇声じみた絶叫だった。

 

「ああぁああわあぁぁああっ!?」

「っ、うるさいなぁキミ、そんな叫ばんといてや」

「なっ、なんだこれ、体が、俺の体が……二頭身になってやがる!?」

 

 まるでふざけた漫画のキャラクターのように。男の体はとてつもなく縮んでいた。前髪の一部が白くなっている特徴は変わっていない。

 否、縮んでいたのではないと男は悟る。

 まったく別の生き物になってしまっている。

 子供向けの絵本か、あまったるいファンタジーアニメの世界の小人、あるいは妖精のようだ、と男は直感した。

 

「うそだ、こんなことありえない」

「これは現実なんやで。今のキミは『妖精』になったんや」

「そんなバカなことがあるか!? 俺は、俺は人間だった! なのにこんなわけの分からん……うおおっ!」

「まあ少し落ち着こうよ。そうだ、自己紹介していなかったや、ごめんごめん。うちの名前は龍驤(りゅうじょう)っていうんや、よろしく!」

 

 友好的に振る舞おうとした龍驤と名乗る少女。だが彼女の穏やかな呼びかけは、妖精となってしまった男の気持ちを即座に鎮められなかった。

 

 

 

 

 

 

 そうだ、これが現実だ。

 寝言の呟きのように「妖精」が言うのを龍驤は聞き逃さない。

 

「やっと落ち着いたみたいやな」

「……これが現実だ。俺はあんたのいうとこの妖精とやらになっちまった。愛機も失って、あいつらを探し出すことも出来なくなって、なあ、こんなにまで現実ってのは絶望感が半端じゃ無いんだな」

「そんな落ち込むことはないやん。キミの事情はよく分からんから無責任なことはいいたくないけど……キミはまだ生きている。それってとても良いことだと思うんや」

「お嬢さん、あんたはいい人らしい。だけどな、おじさん、あんまり元気がなくなっちまった。必死にやり遂げようとしたことが全部ダメになっちまったんだ」

 

 何もかもを諦めましたと言わんばかりに妖精となった男がため息をつく。わずか2秒にも満たないそれは、この部屋の雰囲気を一気に淀ませていった。

 

「なあなあ、ちょっといい?」

「どうしたよ」

「……キミのことを聞かせてもらっていいかな。もしよければ、の話なんやけれども」

「おじさんの話かい? 面白いもんじゃあないと思うけど」

「うち、キミの話が聞ければなんでもいいよ」

「そうかい。じゃあその前にいっこ聞かせてくれ。ここはどこだ? 何の部屋っていうか、施設なんだ?」

 

 軍隊の基地やね。あっさりとした答えに妖精は言葉を返せなかった。言葉だけではない。なんのリアクションも出来ないのだ。

 

「……えー、なんだって、軍隊?」

「あのさあ。うちが嘘ついてるような顔に見える?」

「いいや。あんまりにも自然に言うものだから、まあ驚くよな、驚いた」

「聞きたいのはそれだけ? ついでに言うならここは医務室や」

「あー……」

 

 そうなのか、と返そうとした口を妖精は閉じた。自分の要求は既に叶えられている。龍驤と名乗った女の子の要求を通すのが筋というものだろう。

 妖精は一つ間を置いて語るべきことをまとめ、深く息を吸って龍驤の顔を見上げる。幼い容姿ではあるが、纏う雰囲気は幼子のものとはかけ離れている。――歴戦の戦士。言い表すには遠いかもしれないが、妖精はそんな雰囲気を感じ取った。

 

 

「……自己紹介からしようか。俺の名前はオールド(旧い人)。本名じゃないが、まあ、名前がないんだ」

「名前がない? それってどういうことなんや?」

「まー、なんだ、アレだ。複雑な事情ってやつだ。オールドってのはパイロットネームみたいなもんでな、仲間同士でふざけてつけるんだ」

「パイロットってことはなにに乗って――」

「戦闘機さ。万能宇宙戦闘機、シルバーホークってんだ。知ってるか? ……というか、ここ、ダライアスだろ?」

 

 シルバーホーク。ダライアス。きっとほとんどの人間が一度も聞いたことのない単語だろうと龍驤は踏む。

 

「ダライアスって?」

「惑星だよ。……ほら、俺たちの母星」

「ここは違うよ、地球っていう星なんや」

「地球!? そんなバカな、あの星はとっくの昔に――」

 

 そこでオールドは口をつぐんだ。その先の言葉を尋ねようかと龍驤は思ったが、やめておくことにした。話をいたずらに脱線させることもない。気にならないといえば嘘になるが、落ち着いてから改めて聞けばいいことだ。

 

「――いや、なんでもない、忘れてくれ。で、ここは地球だって?」

「そうだってさっきから言ってるやろ」

「……そうか、ここが地球ってならそうなんだろうな。このぶんだとシルバーホークのことも知らなさそうだ」

「万能宇宙戦闘機ってやつ?」

「……まあなんだ、平たく言っちまえば『超すげえカッコいいくて強い最高の戦闘機』って感じかな」

「うっわ、頭悪ぅー」

「平たく言えばって言ったよなあ!? で、俺は、そのシルバーホークっていう戦闘機のパイロットなんだ。……もう機体も失って、体もおかしくなって、散々なんだけどさ」

 

 調子の落ち込んだオールドを前に龍驤はなにも言えなかった。彼にとって妖精の姿となり、シルバーホークから遠くはなれている現状は厳しい、なんてものではないだろう。

 

「……俺はさ、とっくに軍役を終えてたんだ。体のことを考えると、激しい戦闘はもう無理でな」

「ダライアスって星の軍隊?」

「そうさ、ダライアス宇宙軍っていうんだが、そこに俺の教え子が二人いるんだ。パイロットネームはレッドとブルー。どっちも女の子で、二人ともよく俺を慕ってくれていた」

「オールドは人気があったってわけやな」

「だけど二人は行方不明になってしまった。そうなる少し前に時空震って呼ばれてる現象が起きていた。宇宙で起きる地震みたいなもんで、発生した空間にあったものを全部消しちまうんだ。ま、局所的なブラックホールというか、とにかく巻き込まれれば助からない」

「レッドとブルーってパイロットは、時空震っていうのに巻き込まれてしまったんやな?」

「ああ。時空震の調査が最後の任務になっちまって……それで退役軍人の俺は無理を言って旧式のシルバーホークを使わせてもらって、あいつらを飲み込んだ時空震が起きた場所へと向かったんだ」

「うんうん」

「調査データからなんかの手がかりが見つかれば、あいつらを探す道標になるだろうと思ったんだよ。」

 

 いい人なんやな、と龍驤は呟く。行方不明になってしまった教え子を探しに行くオールドも、彼にそんな行動をさせるまでにレッドとブルーというパイロットも、いい人なのだろうと彼女は素直に思えていた。

 

「でもな、俺は時空震に巻き込まれちまった。あいつらが消えちまったのと同じ座標でやられてしまったのさ」

「ミイラ取りが……ってやつやな」

「ん? その例えはよく分からんが、時空震に巻き込まれてコクピットでガタガタ揺らされて気を失って、その結果がこれだ。遠い地球にまで来ちまったし、妖精とかいうふざけた体になったし、シルバーホークも失った」

「探してもないのに無くしたって分かるもんなんやな?」

「あんだけの規模の時空震だし、コクピットだっていつ壊れてもおかしくなかった。間違いなくシルバーホークは崩壊した。俺だけ生き残ったのは……考えようによっちゃついてるんだろう。だけどまったく喜べやしねえ」

 

 本当に心の底から落ち込んでしまっているらしい。オールドの様子を見て気の毒になった龍驤は、ここでひとつ種を明かすことにした。

 

 種明かし。そう、龍驤はオールドから聞かされたある程度のことを最初から知っていた。その理由をオールドに見せつけようというのだ。

 

「なあなあ、オールド」

「おじさんの話はこれでおしまいだよ。なんも話すことはねえ」

「ちょっと見てもらいたいもんがあるんやけど、ついてきてもろてもええかな」

「見てもらいたいもの? ああ、いいよ。なんだ?」

「歩幅が違うから、うちの頭の上に乗ってくれる? ほら、腕をのぼってや」

 

 右手を差し伸べた龍驤はオールドがここを伝って頭の上に乗ったのを認めると、静かに医務室を出る。

 青のカーペットが敷かれた、清掃の行き届いた廊下。天井には等間隔で電球が埋め込まれていて、その他にも窓から明かりを取り入れている。

 

「っ、これは……」

「どないしたん?」

「海の匂いだ。さっきは軍の基地と言っていたが、海軍の基地なのか?」

「そんなとこやね。まあ、皆は鎮守府って呼んでるけど」

「ちんじゅふ……聞いたことのない名前だ。それで龍驤、いったいどこに連れて行くつもりだい」

「広く海を見渡せる場所やね。ま、もうすぐや」

 

 見せたいものとやらはきれいな景色らしい。あるいは、龍驤が自慢する軍艦でも見せられるのだろうか――いろいろと予想を巡らせるオールドは、龍驤が「執務室」と看板がかけられている大きな扉を押し開けるのを見守る。

 

「これはなんて読むんだい?」

執務室(しつむしつ)や。なんや、言葉は通じるのに使ってる文字は違うってことかいな」

「俺が妖精になっちまって言葉の意思疎通が出来るって考えたほうが自然じゃないか? で、なにを見せるって?」

 

 ちょっち待っててや、と執務室に入る龍驤は壁際の白いカーテンに手をかける。妙に間が開いたのは龍驤が緊張しているからではないか――どこか逡巡した様子の龍驤の様子を見守りながら、不意をつくようなタイミングでさあっとカーテンが開いた。

 

 

 

 最初、オールドは自分が見ているものが幻ではないかと疑った。あるいは蜃気楼。だがここは砂漠ではない。近くに青空の爽やかな色を返している海が小さく波打っている。間違いなく軍港である。

 軍艦の一隻もないのが奇妙ではあったが、そんな違和感をどこかへ吹き飛ばしてしまうほどの衝撃をオールドは受けていた。

 

 波止場に鎮座している異形の黄色の戦闘機。鮮やかな黄色のカラーリング。鷹の嘴のような機首。接地脚と砲身が一体化し、機体上部にトサカのようなフックがついたそれは、間違いなくシルバーホークだった。

 

「ああっ!? あれは俺のシルバーホークじゃねえか!!」

「な? キミに見せたいものってのがアレや」

「龍驤ちゃん、あそこまで連れてってくれ!!」

「分かってるって、そう焦らないでぇ」

 

 頭の上で大騒ぎするオールドに顔をしかめつつ龍驤は執務室を出る。

 廊下から階段を降り、そのまま波止場へと通じるドアを開け、そこでオールドが大声を上げながら地面に降りていった。

 

「シルバーホークが縮んでる!? なんでだ!?」

「こっからはうちの話を聞いてくれる? キミがここに辿り着いた経緯を教えてあげ――」

「分かった、教えてくれ! 時空震に巻き込まれてから医務室で起きるまでになにがあったか、教えてくれ!!」

「だからそう興奮しないでってぇ、もう、やかましいわ!」

 

 我に返ったオールドは小さく詫びると、机程度まで縮んでしまった黄色のシルバーホークを見つめる。

 

「あんなあ、うちらは鎮守府近海の警備をしていたんよ。そしたら海の上に黄色のシルバーホークが浮いててな。救助したっつ―わけや」

「え、そんだけ?」

「そんだけや」

「ってことは、龍驤ちゃんはおじさんにとっての恩人ってことか?」

「せやな、そうなるわ」

「そっか……ありがとうな」

「礼には及ばずっつーもんやけど、まあ、嬉しいもんやな。……オールドは教え子を探していたっていったけど、そのふたりはもシルバーホークに乗っているん?」

「新型のシルバーホークに乗ってたよ。シルバーホークバーストシリーズっていうんだけどさ、最新鋭のやつに乗ってた。龍驤ちゃんはなんか知って……そうにないよなあ」

 

 はは、と乾いた笑いをこぼすオールドに龍驤は「人を見た目で判断するとろくな事にならへんで」と返す。

 

「え?」

「うちがレッドもブルーも知ってるよっていうなら、信じる?」

「それは本当なのか!?」

「嘘はつかんよ。少なくともつまらん嘘は。ただな、一つ条件があるんや」

「条件? なんだ!?」

「オールドがうちらの仲間になるって話や。シルバーホークとオールドの力をうちらに貸して欲しいんや」

「……龍驤ちゃんたちは、いったい、なにと戦ってるんだ?」

 

 やはり軍艦が一隻もない軍隊の基地はおかしい。あまり人気のないこの基地で、龍驤と彼女が属する組織はいったい誰と争っているのだろうか。純粋な疑問がオールドの心に湧き上がる。それに条件をのむにはある程度の情報も必要だ。


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