俺はなんだってこんなところに   作:駄作

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9話 DIO(ディオ)の呪縛 2

何故、助けたのかを承太郎に尋ねる花京院だが俺にもようわからんではぐらかされてどうすればいいのか迷っているようだ。

ここだけなら気にする事もなかったんだが。

 

「大亜・・・お前はなぜ私を殺さなかったんだ?」

 

どうやら俺の両親にやった事で正気に戻ったのも相俟って負い目を感じているらしい。

同時に疑問でもあるんだろうな。

 

複雑ではあるが洗脳状態と解っていて知能犯も判明しているしなぁ。

けどそれでは納得しなさそうなんで。

 

「お前よりも殴りたい奴がいる。

それも泣くまでやめない、しこたまにぶん殴りたい糞野郎が」

 

花京院が驚いた顔をしてジョセフさんにアヴドゥルさん、承太郎までこっちの顔を伺いだした。

なんでさ?

 

騙された奴が悪いとか言う奴がいるけど解るっちゃあ解るが、騙した奴は殺されても文句が言えない下劣じゃないか。

特に悪意があって命(お金を含めて)に関わることならば。

実際にやれば捕まるだろうが。

 

あれ、もしかして墓穴を掘ったか俺・・・?

 

気にせずにそのまま俺がスタンド能力が発現した理由を話してバイクは学生だと普段、使い道があまりなかったので風の操作で生活を便利にする位か自己防衛で鍛えたと話した。

 

実際に使う機会は鍛える時と夏と冬しか出番がないんだな、これが。

 

結果はスタンド発現関係無しでの身に纏う系統だけしか出来なかった(泣)。

 

「つまり隠していた訳では無いと?」

 

承太郎が不機嫌そうに聞いてくる。

 

いや、言う機会もそうだけど超能力が使えますだなんて現代社会で言いようがあるか!

黄色い救急車呼ばれて終わりだよ・・・。

 

「どう説明すればいいんだ。

俺の頭では説明の仕様が無かったんだが?」

「・・・俺が悪かった」

 

素直に言ったら目を逸らしやがったこの野郎(怒)。

ジョセフさん溜め息吐いてるし、アヴドゥルさんと花京院は解ってないようだな。

 

そうだよ!

転生で時間を恵まれても漸く高校生平均よりちょいと上レベルの学力で頭の回転率が低いんだよ!

 

物事をやった後で気づくのも一度や二度じゃないしなorz

 

そんなこんなでホリィさんに治療された花京院は戸惑いまくってる。

ジョセフさんは日本嫌いでホリィさんと漫才を繰り広げてアヴドゥルさんと俺が苦笑い。

 

「・・・やれやれだぜ」

 

帽子の位置を直して呆れたように呟く承太郎で締めくくった。

 

皆、事情がありでお泊りする事になり空条家で寝ます。

 

ジョセフさんが父に電話で事情を伝えてる様子を見ると何故か申し訳なさそうな顔をしていたが何だろう?

【矢】については聞こえたが・・・。

 

 

 

朝、起きて廊下に出る。

 

「おはよう大亜」

「おはようございますアヴドゥルさん」

 

アヴドゥルさんが居たので挨拶を交わし、そのまま一緒に行動する。

ホリィさんの体調がそろそろ危うくなるはず。

 

「昨日も美味しいかったですが今日の朝食、何が出るか楽しみですね・・!」

「私もだ。日本食はヘルシーで好きなんだ・・!」

 

何気ない会話で暫く歩いていくと台所の部屋が有る前の廊下にスプーンが落ちている。

これだけならともかく台所の部屋の方から冷気が漏れていて不自然だ。

 

急いで中に入ると・・・。

 

「「ホリィさん!?」」

「・・・んぅ・・・・・・・」

 

冷蔵庫開けっ放しの状態で倒れていた。

明らかに何かがあったとしか言えない状況。

 

「ひ、酷い熱だ。病気か?」

「気温が低いと体に悪い・・!

背中に何かが?(本当は知ってるんだけど・・・鬱だな)」

 

アヴドゥルさんが駆け寄ってホリィさんの熱を計る。

俺は開けっ放しの冷蔵庫を閉めて気温低下を防ぐ。

 

「まさか!し、失礼・・!?」

 

背中に植物を見つけて言うとアヴドゥルさんが青褪めた顔でホリィさんをうつ伏せにして背中を確認する。

やはり、シダ植物みたいな透明に近い物がビッシリと張り巡らされていた。

 

「な、何て事だ!す、透ける!

スタンドだ。ホリィさんにもスタンドが発現している!」

 

アヴドゥルさんが植物に手をかざすとすり抜けた。

 

スタンド能力の無意識での発現・・・暴走である。

 

「し、しかし。この高熱・・・スタンドが害になっている。

ジョジョとジョースターさんだけ異常がありホリィさんだけ異常が無かった事に安心しきっていた。

いや、安心しようとしていたのだ。無いはずがないのだ」

 

自身を責める様に言うアヴドゥルさんだが俺も同罪。

下手したらもっと重いかもしれない。

 

「ジョースター家の血が流れている限りDIOからの影響はあるはずだったんだ」

 

スタンドとはその本人の精神力で操るものであり戦いの本能で行動させるもの。

おっとりした平和な性格のホリィさんにはディオの呪縛に対しての抵抗力が無い。

 

即ちスタンドを行動させる力が無いのでスタンドの力がマイナスに働いて害になってしまう。

アヴドゥルさんからの受け売りだが俺は覚えてる。

 

このまま行くと死ぬ事も・・・。

 

 

 

異変に気づいたジョセフさんと承太郎が到着して承太郎に弱音を吐くジョセフさんだが腕を握り締められ対策を迫る承太郎。

 

解決策は治療や封印等のスタンド能力者に頼る等と色々あると思うが時間稼ぎにしかならないだろうし実質的に一択しかない。

 

「DIOを見つけることだ。ディオを殺して、この呪縛を解く事だ!

それしかない!」

 

ジョセフさんに答えられた内容に重圧がかかる。

 

果たして俺はどうするべきだろうか?


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